三菱一号館美術館にて開催中の「ヴァロットン ~冷たい炎の画家~」へ(~9月23日まで)
展示室の入口脇には、さりげなくヴァロットンが(ノ゚ο゚)ノ
ヴァロットンという画家をきちんと認識したのは、昨年秋に三菱一号館美術館で開催された
「近代のまなざし~印象派と世紀末美術~」展だったと思います。
白黒の版画というモノクロの良さを生かした大胆なコントラストで、何だかよくわからないけれど、
意味深な男女がとてもオシャレに描かれているな~という印象。
子どもの頃に夢想した大人のお洒落な世界?はこんな感じだったのかも…。
その時に高橋館長が「来年は大規模なヴァロットンの回顧展をしますから!」と熱弁?を
ふるわれていたのですが、正直なところヴァロットンは地味じゃないかしらんと思っておりました。
ヴァロットンこと、フェリックス•ヴァロットン(1865~1925)
スイスローザンヌの生まれで16歳にパリへやってきます。これは20歳のころの自画像。
こちらは30代のころの自画像。木版画で注目され版画を革新したといわれたころでしょうか。
写実画や合成風景に力をいてれいた50歳の頃。
60歳の誕生日の翌日に亡くなっているので晩年を迎えたころの自画像となります。
19世紀末のヨーロッパは多くの芸術家がジャポニズムに傾倒しますが、ヴァロットンも
国貞や歌麿の浮世絵を所有しています。自身の絵画にもチラリと描かれています。
その歌麿の浮世絵を隣に展示するという中々の趣向。
こういった木版画ばかりの作家だと思っていたのですが…、
こんな素敵な作品もあります
浮遊しているような男女の踊り、筆でシュッと描かれたような
身体の線が踊っている躍動感をだしていて、とても魅力的な絵。
部屋に入りこんだ陽射しがつくり出した陰影がいい!
う~ん、ヴァロットンは、美しい~!とかでなく、どこといいようがない陰があって、
何だかそこが大人のオシャレな感じがする…。超ビターなチョコレートのよう。
と表現している自分はミルキーかしらん(・_・;)
ヴァロットンの世界観がこの展示会場にはとてもマッチしていると思います。
こちらはヴァロットン特有の皮肉に満ちたユーモアが込められた作品だそう。
ボールを追いかけている少女の動きを上から捉えた作品。これも影が決めてのような。
二枚の写真を合成した構図になっているそうです。
背中はヴァロットンの背中。周りは彼の家族、疎外感と距離感が如実にでています。
竜ならぬワニを退治するペルセウスとみているアンドロメダの表情が…
冷たい炎の画家を称されるように、一筋縄ではいかない何か…。
ヴァロットンには不思議な魅力があります。
後味を確認したくなるような…。
この感覚、私にとっては幼い頃に妄想した大人の味に近いのかもしれません(・_・;)
※美術館展示会場内での撮影及びきものカンタービレ♪への掲載は、主催者さまより
許可をいただいたものです。
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「ヴァロットン 〜冷たい炎の画家〜」内覧会 at 三菱一号館美術館
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