毎年楽しみにしている「竺仙展」へ (終了しています)
五代目当主の小川文男社長と
素材の質を落とさず、老舗の品格を損なうことの無い、染め物づくりをされています。そして私の突っ込んだ質問にもいつも真剣にお応えくださる方でいらっしゃいます。
ここ数年たくさんみかけるようになった「絵羽文様の浴衣」。
足袋を履き長襦袢を着て、浴衣を着物のように着る…というのは、私も日常着のファッションのひとつとして楽しむことがありますが…、絵羽の浴衣の出現で、着物代わりの浴衣をセミフォーマルのような扱いをする人がでてきたことについて、「これは浴衣の形式昇格、もしくは表皮脱皮なのでしょうか?」と、今の時代を鑑みて検証しつつお聞きしてみました。
※形式昇格とは、下位にある服飾形式が上位の服飾として昇格していくこと。表皮脱皮とは、下着として着られていたものが表着化していくこと。服飾様式の三原則。
小川社長曰く「竺仙の絵羽文様の絹紅梅は、仮絵羽に仕立ててから染める、という、訪問着と同じ手間をかけているものもあるけれど、あくまでもお洒落な浴衣。江戸っ子が好んだ首抜き(衿から首周りまで文様を染め抜いた意匠)の浴衣の感覚で着てほしい」とのこと。
浴衣パーティーで、スッゴクお洒落で手の込んだ浴衣として着用していたら素敵♡ そして普段着の気軽な着物としてなら代用もできますよ、というところでしょうか。
染め師の渡辺幸典先生です。福島県須賀川で染めていらっしゃいます。
私はカモメに鹿の子の波がカッコイイ!!絵羽ではない絹紅梅の浴衣を選びました。型彫りの矢田幸蔵先生曰く、鹿の子の丸みを出す型彫りは2度と彫りたくないから、コレあんまり売れてほしくないんだけど…、朝香さんが買っちゃうのかーーということですが…^^; ええ、これは手仕事ならではの良さがでると思うのです。そういうのに魅かれてしまう。
綿絽にあった意匠は綿コーマで、綿紅梅にあった意匠は長板中形で、と自分好みにお願いいたしました。着物生活をしていると、浴衣はルームウエアでもあり寝間着でもあり、必需品なのです。
長板に生地を張り両面型付けし浸染する両面染めが魅力の「長板中形」を染めてくださる、野口染工場の野口汎先生と野口和彦先生
左から、知念紅型研究所の知念冬馬先生、江戸小紋の浅野栄一先生、私、型彫師の矢田幸蔵先生、江戸小紋の根橋秀治先生
浅野幸一先生がipadつかいになられていましたが、何とカメラとゲーム専用@@;;
竺仙といったら「浴衣」ですが、注染、長板中形、奥州小紋、絹紅梅、綿紅梅…これらは型紙をつかって染められることから、竺仙は型紙をつかった企画製造を得意とし、江戸小紋や琉球紅型もあつかっています。
竺仙の反物は「竺仙鑑製」と口型に染め抜かれ、証紙が貼られています。この証紙を貼っている糸、反物の耳の糸をみると、巷に流通している自社製品の製造年代がわかるようになっているのです。これ「きものカンタービレ♪」で知りました!とういう呉服屋さんが何人かいらっしゃいました^^;
浅野栄一先生の江戸小紋
根橋秀治先生の江戸小紋
知念紅型研究所の紅型
こちらの帯も「竺仙鑑製」の知念紅型研究所の紅型です。
奥会津昭和村振興公社のからむし織。
上布の糸となる、苧麻の産地、昭和村。最上級のもの(カゲソ)は、上布の材料として越後上布、小千谷縮布技術保存協会に出荷されますが、最上級のもの以外は、奥会津昭和村振興公社において、からむし織として商品開発されています。
100%からむし…には違いないのですが、機械紡績苧麻糸(ラミー)なのか、手績みなのか、表記してほしい。と子五月蝿いことをいう私。からむし織の帯はゆかたにもあいます。今年こそは「からむし祭り」に行きたい♪
奥会津昭和村振興公社の渡辺文弘先生と
※会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載の許可を竺仙さまよりいただいております。
今年のお土産は、岡山藩池田家伝来「雪持蘆水禽模様縫箔」から模写された風呂敷でした♪