阿波国一の宮 大麻比古神社 / 2016年晩秋 徳島•阿波太布染織の旅 その2 のつづきです(^_^)/
そもそも「太布(たふ)」とは、何のことをいうのでしょうか。
広義では、綿花以外の植物から繊維を取り出して糸にし織りあげた布すべての総称です。現代は工芸品として考えられ、主に楮や梶などの樹皮繊維の布のこと。阿波地方では古くから楮から太布が織られていました。
琉球大学在学中に芭蕉布を、その後、阿波の木頭で太布の技術を学び、地元である徳島の板野町に工房を開かれた、石川文江さんを訪ねました。
石川文江さんは、ご自分で楮を育て、採取し、蒸して樹皮を剥がし、糸にし、織る、という一貫工程で太布をつくられています。
楮(コウゾ)には、赤楮(あかかじ)とうし楮(かじ)があるそうで、赤楮は和紙につかわれ、七夕の梶の葉にも似ています。うし楮は中が空洞になっていて表皮が厚いのが特徴。コウゾもカジノキもクワ科の植物ですが古来より読み方を含めて混同されることが多いようです。現在の主なコウゾはカジノキとヒメコウゾの雑種とされています。
楮には、カミキリムシという虫がつくそうですが、農薬散布をしないこともあって、70%は材料としてつかうことができないのだそうです。なので、年間で帯が6本できるぐらいとのこと。
楮を蒸す釜はミツマタの木を蒸す道具をヒントにしてつくられたものだそう。
地機は桜の木でつくられています。杉に比べると重くてどっしりとして丈夫なのだそうです。
那賀川流域では「楮」と書いて「楮(かじ)」と読むことから、石川文江さんがつくられている太布は楮布(かじふ)と名づけられています。
経糸と緯糸、どちらも赤楮から取った糸で織られている、諸楮糸の楮布の半幅帯。野趣あふれるのが自然布の魅力ですが、この布はとても美しく優しい感じがします。
単衣シーズンから活躍しそうで、コーディネートが楽しみです♡
拝宮和紙という手漉き和紙もあり、皆さま夢中になっておりました。
最後に、石川文江さんと
とても丁寧なお仕事をされる方とお見受けいたしました。この先の作品も楽しみです。