金木犀の香りが街中に漂っています。なのに何て不快指数の高い気候なのでしょう。爽やかな初秋にはほど遠く、夏のきものでも暑いぐらい。今日はドアtoドアの車での移動だったので、着納めになりそうな季節柄の単衣小紋の秋の装いです。
【9月19日の装い】東京◇曇り(湿度97%) / 最低気温22℃ 最高気温23℃
【9月29日の装い】横浜◇曇り(湿度82%) / 最低気温24℃ 最高気温31℃
着用した日のお天気、湿度、最低気温と最高気温を記録しております。気温でブログ内検索するとその気温のときの装いがわかるシステム。コーディネート覚書+ブログならではの利点でもあります。
写真は先日のきものサローネでの染めもの中野さんのブースでのもの。今日は撮影するタイミングがなかったのですが、10日前とほぼ同じコーディネート。
芙蓉文様の堰きだし友禅の単衣小紋に月に雁の紗の帯をコーディネート
「月に雁」で有名なのは切手蒐集家なら間違いなく知っているであろうこちら。1949年発刊の切手趣味週間シリーズの8円切手です。思えば昔から収集癖ありありのオタク道まっしぐら…(+_+)
切手の意匠のもとになったのは、歌川広重「月に雁」※歌川広重と安藤広重は同一人物です。渡り鳥である雁は月の夜に飛び立つといわれ秋の情景の代名詞のようにもなっています。この浮世絵には「こむな夜か 又も有うか 月に雁」の句がそえられていますが、実際にはかりが垂直に急降下することはないそうで、広重が求めた理想の秋の空ではないかと、考察されています。
この帯の月に雁は満月ではなく三日月、そして垂直の急降下でもなくゆったりと飛んでいます。そこがまた良い アンティークの帯でしたが生地をつけたしてつくりかえました。9月には袷の帯をあわせるといわれる方もいますが、私は夏帯の素材で秋らしい色目や意匠のものをあわせることが多いです。
芙蓉の花は7月〜10月までと開花時季が長いのです。この小紋は色が秋っぽいので主に9月に着用しています。
帯あげと帯〆も秋色で統一しています。暑い9月は素材は涼しいもので色目と意匠で秋を装うといったところでしょうか。
ところで、きものサローネでは、展示ブースがコーナーにあるところは見やすく店主の方とお話もしやすかったのですが…、通路ブースはまるで闇市のようで、モノはチラ見でしたし、店主の方ともあまりお話できてなかったことに今更ながらに気がつきました