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染織文化講座 &ルーブル美術館展 / エーゲ海色の琉球壁上布の秋コーデ
毎日いくつかのイベントが重なるので、あっちにいったりこっちにいったり
色んなことがありすぎて昨日のことが随分前のことのように思えます。
染織文化講座第5回へ
講座記録はBコースの講義終了後に公式HPに寄稿いたします。
第1回~第4回までの講座記録はこちら☆
念願の鈴田滋人先生の講座でした。
木版摺りと型紙捺染を併用する独特の染色方法で染められる和更紗のひとつ鍋島更紗。
私もいつかは欲しいと思っています。夢ですね~♪
草木染め作家の甲木恵都子先生による藍の生葉染めの実演もありました。
染織文化講座は受講生の皆さまの装いを拝見するのも楽しみのひとつ
暑いから洋服にしました…という方を減らしていくには、きものに精通している方にこそ、
気候にあわせて無理せずに楽しめる装いを率先していただきたいなあ…と思っておりますが、
しきたり通りの季節先取りのおしゃれの方が多いかな。
楽しみ方は人それぞれなので、それもまた良し。
9月の染織文化講座は様々な装いが見られて皆さまの会話とともに興味深いです。
私は30℃を超えたら日常では無理せず夏ものを着ます。
そして、この日はこの色のきものを着たい理由もありました。
なぜなら「地中海」がテーマの美術展の内覧会だったのです!
なので、エーゲ海の色?っぽい、この琉球壁上布を纏いたかったのです(〃∇〃)
内覧会のレポートは別記事にてあげます(^-^)/
【9月13日の装い】東京◇晴れ / 最低気温26℃ 最高気温32℃
30℃超えたら透け感があるもので良いような気がします~。
エーゲ海色の琉球壁上布に唐花文様のすくい織りの夏帯をコーディネート。
帯と傘、そして帯あげの色を濃い色にして多少暑苦しい?色目で。
芥子色の絽縮緬の帯あげ、帯〆は伊藤組紐
日傘は遊中川×前原光栄商店
バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソの花緒サンダル
この連休も行きたいイベントが目白押し
いくついけるかしらん。。。
染織文化講座 藍の生葉染めのスカーフプレゼント!
本日2回目の更新。
染織文化講座第4回 Bコースの日。
甲木恵都子先生と富澤輝美子副編集長と
藍の生葉染め実演
こんな美しい水色が染めあがりました。
このスカーフは染織文化講座の受講生の方にプレゼント
今年これから採れる藍の種も分けてくださるそうです。希望人数が多い場合抽選となります。
お申し込みはHPから。こちら☆
藍の葉と発色剤(ソーダー)、色とめ液(レヂノール)がじゃんけんで勝利した受講生に
わけられました。
前日Aコースで持ち帰られた方が早速染められて見せに来てくださいました。
キレイな色~。素晴らしい
講座の後は、渋谷ヒカリエで開催中のこちらのイベントへ。
「麻•藍•布 ~繊維つくり、布つくり、染めの技の伝承公開~」企画展。
すぐに別記事にご紹介します(^-^)/
【9月13日の装い】東京◇晴れ時々小雨(湿度高く蒸し蒸し) / 最低気温26℃ 最高気温32℃
そろそろ単衣にしたいと思いながらも湿度が高く薄物のほうが快適。
色合いは秋らしい色目にしてみました。この色は夏には暑苦しいので秋向きです。
クヮンカキー(環掛)カサビグムー(重ね雲)の琉球絣の琉球壁上布に格子柄の変り紗の帯。
帯あげは渡敬、帯〆は龍工房、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
紅花の蒔絵の傘はHANWAY、小鳥と山帰来のバッグは松枝忍
「麻•藍•布 〜繊維つくり、布つくり、染めの技の伝承公開〜」at 渋谷ヒカリエ
日本一の麻「岩島麻」の産地である群馬県東吾妻町、藍の「蒅」の産地である徳島県藍住町、
良質の麻布「近江上布」の滋賀県愛荘町の三つの町が連携して、布つくりの技を伝承そして
公開するイベントが開催中です。渋谷ヒカリエにて(~9月16日まで)
今上天皇即位の大嘗祭につかわれる麁服(アラタエ)は古来より阿波忌部の直系の三木家が
担っています。ですが麻の栽培技術が途絶えつつあり、岩島麻保存会が現地に出向いて種子
を提供し栽培から麻挽きまで技術指導を行なったのだそうです。
岩島麻は一般に出回ることはほとんどなく、宮内庁や伊勢神宮に納められています。
こちらが葉切りを行なって190cmに切りそろえられた岩島麻です。
麻こぎ、麻挽きの道具
麻はぎしたものを麻挽き台に乗せて表皮を取り除く工程
奈良晒は江戸時代に幕府の保護を受け急速に発展した良質の麻布。裃につかわれました。
奈良県月ヶ瀬の奈良晒保存会の奥中定代さんにご指導いただき苧績み体験。
細く裂いた麻糸を撚って繋げていきます。太さを均等にしていくのは難しい~。
きもの1反分つくるには20kmもの長さが必要。半年以上かかるそうです(+_+)
近江上布は江戸時代に高宮布の産地として名を馳せ発展した湖東地方でつくられた麻布。
近江上布の絣には羽根巻捺染といわれる技法がつかわれます。
羽根といわれる金枠に緯糸を巻いて両面に型紙で捺染します。きもの1反に13枚の羽根が
必要となるのだそう。
近江型の地機である天秤腰機りを初体験させていただきましたヾ(@°▽°@)ノ
腰をグーッとひいて経糸を上下させ間を空けて左から右へ緯糸の杼を通します
真ん中でトントンと打ち込みます
足で踏んで右から左へ緯糸の杼を通します
リズムが取れるまでが大変。でも面白い~(≧▽≦)
裁縫は苦手ですが、機織りは好き
河内木綿の糸繰り体験
種が入っている綿花です
わたくり機で種を取り除きます(ノ゚ο゚)ノ
綿の種がこうやってわけられます!ケッパーみたい。
糸車で綿から糸を紡ぎます
藍住町の職員の方、奈良晒の奥中さん、徳島の藍染め作家の矢野藍秀先生と
矢野先生は、徳島の藍師の佐藤昭人先生の義理の息子さんです。
矢野先生が染められた奥中さんの奈良晒のきもの。
日本の技を守ろう、伝承しよう、その心はとても豊かで暖かい。
糸をつくる、染める、織る、そして纏う。
技を伝承することを目的としたイベントなので、商品はありませんが、体験メニューが素晴らしく
充実しています\(゜□゜)/
ご紹介した他にも、検尺機をつかって繭から糸を引き出す一粒繰り、藍染め、紅花染め、
麻ぞうりをつくる、久留米絣の小物をつくるなど。きもの好きにはパラダイス~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
とても楽しかったです ありがとうございましたm(_ _ )m
「ルーブル美術館展 〜地中海四千年のものがたり〜」at 東京都美術館
「ルーブル美術館展 ~地中海 四千年のものがたり~」(~9月23日まで)内覧会へ
夏のバカンスといえば地中海の青い海 ←私の勝手なイメージです
地中海まではいけませんが、時空を超えた四千年の地中海の旅を上野で体験いたしました。
内覧会の前に学芸員の方による見どころ解説φ(.. )
ルーブル美術館の中には8つにわかれた美術部門があります。
①古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術②古代エジプト③古代オリエント④イスラム美術
⑤絵画⑥美術工芸品⑦彫刻⑧素描・版画
全ての部門から出品されることはまずないことだそうで、この展覧会は本場ルーブルでも
見ることができない初のテーマとなっているのだそう。
古代エジプト文明、古代ギリシア文明、そしてローマ文明。地中海は西洋と東洋が交差する
交易地であり18~19世紀の芸術家にとって地中海旅行は憧れだったといいます。
グランドツアーです。18世紀のイギリスでは子弟の古典教養の習得の為にフランスからイタリア
そして地中海へと旅させたといいますが、ダイナミックな古代文明を見ることは真の国際人を
育てる上で大切なことだったのでしょう。家庭教師付きで地中海を旅する。憧れちゃいます
グランドツアーの優雅さはありませんが、上野で出会うことができるのですからスゴイです。
こんな大きな像をどうやって運んだのだろう…(=◇=;)
「ローマ皇帝ルキウス・ウェルスの妻ルッキラの巨大な頭部」
「水槽の床のモザイク」 奥にはローマ皇帝の彫像が…。
ローマ将軍の英雄的な像:おそらくオクタウィアヌス(後のローマ皇帝アウグストゥス)
そして、日本初公開となるルーブルの女神にも会えます(〃∇〃)
アルテミス:通称ギャビーのディアナ
衣の襞がとても大理石だとは思えません(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
18世紀にスコットランドの画家ギャラリー•ハミルトンが、ローマ近郊ギャビーで発掘したもの。
発掘者した彫像と同じフロアに発掘者の絵があるのも面白い。
ハミルトン「トロイアの王子パリスに、スパルタのヘレネを引き合わせる愛の女神ヴィーナス」
7世紀のフランスの聖人聖ジョスの骨を包んだ絹織物。現存する中で古い裂地。
「聖ジョスの経帷子」
1900年頃のシリアの衣裳
ベドウィン首長の外衣「アバ」と女性用の寛衣
同じテーマを違う作家による彫刻と絵画で並べて展示
どちらも妖艶さが満々の美女として表現されとても魅力的~
クロード・ベルタン「エジプト最後の女王、クレオパトラの自殺」
ジョヴァンニ・ピエトロ・リッツォーリ「エジプト最後の女王、クレオパトラの自殺」
こんなちっちゃな香油入れも素敵♪
ナポレオンの命によって出版された「エジプト誌」
時空を超えた地中海世界の旅、残暑最後のバカンスにいかがでしょう~。
※会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載許可を主催者よりいただいております。
縁切り縁結び碑 at 安井金比羅宮 / 2013年 京都葵祭 その10
椿咲く谷の御所 霊鑑寺門跡 / 2013年 京都葵祭 その9
つづきです(^-^)/
京都には神社仏閣がたくさんありすぎて、まだまだ知らない所ばかりです(+_+)
ここには今回はじめてきました。安井金比羅宮へ
天智天皇の御代に藤原鎌足が一堂を創建し、紫色の藤を植え藤寺と号したのがはじまり。
崇徳天皇はこの寺の藤の花を好まれて寵愛した阿波尚侍をこちらに住まわせたそうです。
保元の乱で崇徳上皇が破れて讃岐に流されると阿波尚侍は崇徳上皇の自筆の尊影を
藤寺に奉納し祀られました。後に崇徳上皇の霊が現れ後白河法王の詔によって光明院観勝寺
が建立されたのがこの宮の起こりとなります。応仁の乱で荒廃しますが、鎮守として崇徳上皇、
讃岐の金比羅宮の大物主命、源頼政を祀ったことから、安井の金比羅さんで知られるように
なったのだそうです。
主祭神の崇徳天皇は、讃岐の金比羅宮で欲を断ち切って参籠されたことから、古来より
断ち物の祈願所として信仰されてきたところ。そして良縁を結んでくださるのだとか。
まずは本殿に参拝。そして形代に切りたい縁、結びたい縁を書きます。
形代を持って、切りたい願い事を念じながらこの碑の中をくぐります。
お尻がつかえてしまいそうでした(x_x;)
再び、結びたい願い事を念じながら向こうからくぐります。
何か背負ってるみたいですね(゚ー゚;
最後に碑に貼付けます。
縁を切ってくれる神様がいるというのは八百万の神々がいる日本ならではの考え方なのでしょうか?
切りたい縁もあれば結びたい縁もあり、ですが人との縁はどう転ぶかわかりません~。
悪いことはあまり深くは考えないというのも時には大切な気がします(^_^;)
2013年 京都葵祭の旅はひとまず終了します~。
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染織文化講座 第5回 講座記録は染織文化講座のHPに寄稿しています。こちら☆
受講生の方は、染織文化講座のHPより写真をダウンロードすることができます。
藍の生葉染めのスカーフと藍の種プレゼントはこちらの応募フォーム☆
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さて、これから美容院、その後はパーティーです
今年の秋は華やかなイベントがつづきます~。
訪問着がフル回転(@@;
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国際文化学園 創立60周年祝賀会 at 帝国ホテル その1
学校法人国際文化学園(国際文化理容美容専門学校)の創立60周年記念祝賀会へ
会場は帝国ホテル孔雀の間。600名以上のお客様でしたが着席式ヽ(゚◇゚ )ノ
式典のオープニングアトラクションが素晴らしかった(≧▽≦)
本條流の三味線の音色にストリートスタイルのヒップホップダンスが融合♪
カッコイイ~ ブランニューダンスマーケットというダンサーの方々だそうです。
そこに静々と五衣唐衣裳(十二単)の装束を纏った方々が登場します。
ダンサーとの入れ替わりの展開がとても自然で素晴らしい演出!
ヒップホップと十二単の組み合わせは意外でしたが、良いものは良い!
そして衣文者が現れお方さまにお服あげがはじまります。
衣紋道では装束を「お服」といい、装束をお着せすることを「お服をあげる」といいます。
装束をお召しになる方は「お方さま」、お服あげする者は「衣紋者」です。
雅やかな音色の中で流れるように行なわれた「お服あげ」ですが、驚くのはこれから…。
十二単を纏われた方々が優雅に歩きます。
有職の装束は多色使いで華やかですが、決して派手ではない。
これだけ揃っても只只美しい~
装束を纏われていらっしゃるのは、国際文化の教職員の方々です。
これだけの人数のお服あげは裏方の方々も大変なことと思います。
が、たかくら会には、できる方々がいらっしゃるのです。ホント素晴らしい~。
60周年にあわせて60人の十二単は壮観です
でも、一番驚いたのは…、
たった今まで前衣文者をされていた荘司礼子先生が小袖に袴姿から五つ紋付のきものに
着替えられて壇上に登場されたこと(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
この間、5分もなかったと思います。髪型まで違う! どんだけ早変わり~
荘司礼子先生は、開場されたときには皆さまのお出迎えもされていました。
ということは、五つ紋付から小袖に袴姿、そして五つ紋付へと早変わり。
先生のお心映え、思いやりのあるお言葉やお気遣いはいつも素晴らしく見習いたいと
思っております。中々できることではありませんが、憧れております
素敵な先生がいらっしゃるというのは本当に幸せなことです~。
つづきます(^-^)/
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国際文化学園 創立60周年祝賀会 at 帝国ホテル その2
国際文化学園 創立60周年祝賀会 at 帝国ホテル その1
のつづきです(^-^)/
高倉流宗会頭の仙石宗久先生と有職文化研究所の橋本麻子さんと
これだけの大人数でも帝国ホテルのサービスは行き届いてました
旧御三家のホテルの中ではこちらが好みかな。
今年2月にヴェネツィアのサンマルコ広場で行なわれた「お服あげ」の映像が流れました。
ヴェネツィアカーニバルといえば、街中が仮面舞踏会になりますが、日本から上陸した
この面々は黒のマントにマスク、後には狐の面をつけて現れます。
そして、マントを取り去ると小袖に袴姿 カッコイイ~
ヴェネツィアカーニバルでも最も豪華だったのではないでしょうか。
私も参加したかった!←もちろん観客としてですが(゚ー゚;
先日はロシアでもお服あげのデモンストレーションをされたそうで、国際的です
美しいキモノ エディトリアルスーパーバイザーの棚町敦子さんとライターの笹川茂実さんと
オーケストラによる生演奏もあり♪
ソプラノ歌手の森麻季さんの歌。
東日本大震災復興支援の歌「花は咲く」 この曲を聴くと涙がでちゃう…。
作曲の菅野よう子さん、私実は「信長の野望」の頃からの古参ファンです。
坂の上の雲のテーマ「Stand Alone」 凛として立つという意味がこめられています。
そして、国際文化学園の校歌にて〆。森麻季さん歌声もお姿もたいへんお美しい方でした~。
国際文化学園の方が花道をつくってくださりお見送りくださいました。
「礼にはじまって礼に終わる」
衣紋道の精神と重なる国際文化学園の教育の姿勢が伝わってくる祝賀会でした。
国際文化学園さまの益々のご発展をお祈りいたします。
ありがとうございましたm(_ _ )m
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆
この日の私、ヘアも着付けも酷いのです…(T_T)
朝からバタバタ、電車は遅れ満員状態で、会場に着く前にすでにヘアはボサボサ
着付けは自分でしたのですが、夏帯の二重太鼓が上手くできない、さらに襦袢を普段用
のものにしてしまったので、きものとあっていない…。もともと不器用なのですσ(^_^;)
美容業界の蒼々たる方々が集まるパーティーにご招待いただいたのに、何と迂闊なことを
してしまったのかと猛反省しております(_ _。)
こういった時には勉強するつもりで、お金も時間も惜しまずプロにやっていただいたほうが
良いとつくづく実感いたしました。
【9月17日の装い】東京◇晴れ(湿度低く日本晴れ!) / 最低気温20℃ 最高気温29℃
台風一過のきもの日和でした。単衣でも快適。
四季草花の刺繍の単衣訪問着に河合美術織物の露芝に兎の夏唐織の袋帯をコーディネート。
光沢のある絹糸がつかわれていますが同系色なのでとても上品。
十五夜が近いので兎のコーデです。ちなみに2013年の中秋の名月は9月19日。
河合美術織物の露芝に兎の夏唐織りの袋帯とHANWAYの天使と兎の刺繍がされた日傘
をあわせてみました。
バッグはかづら清老舗、ぞうりは四谷•三栄の十二段グラデーション
一期一会を大切に…。いつもいつも装いは360℃完璧にとはいきませんが、準礼装では
とくに粗が目立ちます。気をつけようと反省しました。
袋帯の着付けにも慣れなくちゃいけませんね。これから練習したいと思います!
第60回日本伝統工芸展 at 日本橋三越 / 駱駝にオアシス文様の絽縮緬小紋に月に雁の夏帯
毎回楽しみにしている日本伝統工芸展へ 日本橋三越にて(~9月30日まで)
日本工芸会の主催による、染織、陶芸、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門の
国内最大規模の公募展です。今回は60回を迎える記念すべき展示会。見応えありです
重要無形文化財保持者の作品をはじめ、一流の目で選定された素晴らしい工芸品を
ガラス越しでなく間近でみることができる貴重な機会。
そしてこの日はレセプションパーティーがあったので、作家の先生方がたくさんいらしていました。
こんなに美しいものを生みだす人はどんな人なんだろう~っと、とても興味深く拝見しております。
きものの良し悪しを見極めるには、値段が高いものかどうかではなく、とにかく美しいもの
良いものを見て眼を養うことが大切です。
何度も同じことを書くようで恐縮ですが、試着はできなくとも呉服屋さんの展示会できものの
値札を見ているよりも勉強になること間違いないです。
今回の展示は、染織部門が本館と新館の両方にわかれて展示されているので要注意!
出品作品一覧の案内図をもらって見たほうが良いです。
会場でお会いした近藤好江先生と森田空美先生と
森田先生はいつもながら着付け姿は360℃どこからみても隙はなし。完璧です!
着物の好みのテイストは私とは違うのですが憧れちゃいます。
そして何て深い色の紬:*:・( ̄∀ ̄)・:*: いつか私にも着こなせるかしらん…。
森田先生好みを着こなすには森田先生級の美人でないと難しいとつくづくσ(^_^;)
近藤好江先生はこの度、日本工芸会会長賞を受賞されました。
会場でお会いすると先生自らご案内くださり大感激(≧▽≦)
この日はレセプションの日だったこともあって撮影許可を頂かなかったのでフライヤーより。
綾織絣着物「半夏生」近藤好江
この写真ではわかりにくいですが、経絣の変り織りの紬です。経糸の2本をずらして絣足の
ようなズレをつくられています。ご説明いただいたのですがイメージが今ひとつ掴めず、
織りの綜絖は難しいですね。近藤先生の東日本工芸展での作品もだったのですが、とても
計算し尽くされた幾何学的な印象があります。が、染めが上品で柔らかい。
この意匠はある洋書にでてくるものを再現したのだそうです。
美しい翡翠色は桑から染めたもの。濃き薄きの暈かしもとても立体的でモダン。
どことなくオリエンタルな雰囲気もあります。
着こなしは難しそうですが、とても好み~
前回の染織文化講座で鈴田滋人先生がご紹介くださった作品もありました
写真は染織文化講座でみせていただいた設計図と下絵図です。
お父様の鈴田照次氏と二代に渡って思い入れのあるベニハナトチノキの意匠。
肩山から裾にかけて文様が大きくなり色の移りも美しい
この作品は紬地に染められています。紬地は木版摺が大変だったとのこと。
鈴田先生の作品はいつか手にしたいきもののひとつ。ああ、遠いなあ( ̄_ ̄ i)
木版摺更紗着物「花翔文」鈴田滋人
以下、写真はないのですが私が気になった作品覚書です。
作家の方から直接お話を伺っていない作品は染め技法等には触れないでおきます。
友禅訪問着「葡萄蔦文」稲木久
会場で稲木先生とお会いでき直接お話をお聴きすることができましたヾ(@°▽°@)ノ
葡萄蔦となっていますが、葡萄蔓(えびつる)をあらわしていて、裾から天に向かって生えています。
秋の葉の風情がとてもきれい。先生曰く青々としているものよりも枯れかけているぐらいのもの
のほうが絵になるとのこと。なるほどー。
友禅訪問着「躍動」生駒暉夫
今展示会のご案内をいただきました。生駒先生いつもありがとうございます!
躍動の名の示す通り生き生きとした竹の作品。衣桁にかかっている状態で周りを圧倒するかの
ような勢いがありました。生地は変わり織りのものがつかわれていて、縮緬のような光沢はありません。
竹の中に2回糊置きして微妙な蒔き糊の模様がでていました。
型絵染着物「王妃の花園」岩井香楠子
背中心と袖の外側そして裾が額のようになった作品。細やかな模様、そして色、とても丁寧
な作品。着姿がどのようになるのかも気になります。
博多織帯「晶」上野真由
絹糸の美しさがとてもよくでていた作品。博多帯にしては(失礼な表現かもしれませんが…)
粋というよりも品格があって素敵。御簾文様調な感じもして古典的な染めものにあわせても
面白そう。
型絵染着物「山滴る」釜我敏子
首抜模様のところは合歓の花(だと思うのですが…)であとは違う花だと思うのですが、
奇抜でなくとても自然な模様変り。こんなものも着てみたい
浮織着物「清冽」宮入映
とても美しい透明感のある作品。何とも美しい紫色でした。何で染められたのだろう…。
他にも素晴らしい作品がたくさんありました
すべてをチェックできていないので会期中何度か行きたいと思います。
そして、できたらご紹介いたします。
染織文化講座で講義をしてくださる、佐々木苑子先生、山岸幸一先生、松枝哲哉先生も
いらっしゃっていました。講座がますます楽しみです~♪
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆
【9月19日の装い】東京◇晴れ(湿度低く快適)/最低気温19℃ 最高気温29℃
初秋の乾燥した日に着る絽縮緬は大好き
駱駝にオアシス文様の絽縮緬に月に雁文様の夏帯をコーディネート
中秋の名月の日だったので、月にちなむこちらの帯をチョイス
ブーゲンビリアの日傘は沖縄瀬底島のびんがた工房べにきちの吉田誠子さんの作品
砂漠の意匠にピッタリ サハラ砂漠の砂からつくられた自然のオリーブグリーンのガラス。
海馬ガラスさんの作品です。
このガラスの小鳥にあわせて探した懐中時計はdetiti のもの。とっても気に入ってます
バッグはジャマン•ピュエッシュ。月に雁、月の砂漠をイメージして金色をチョイス。
これから染織文化講座へ
夜はパーティーなのでお勉強には似つかわしくない華やか小紋で行きます(^-^)/
PR: 毎日、腹筋100回は無理!
千總の若冲の雲取り菊文様の単衣小紋に川島織物の七宝文様の絽綴れの帯
日中は30℃に届いてしまう暑さですが、湿度が低いととても心地よく感じます。
今日は湿度が高いようで蒸し蒸し 再び薄物で出掛けちゃおうかな…( ̄_ ̄ i)
ここ数年、重陽の節句を過ぎてもお彼岸までは体感にあわせて無理せず薄物のきもので
過ごすことが多いです。
昨日はカラッとした暑さでしたので、単衣の縮緬でも歩き回らなければ快適
日中は染織文化講座へ
講座レポは染織文化講座HPの講座記録に寄稿していますこちら☆
Bコースの終了から1週間ほどであがります。とても貴重な講座の数々ですので、是非
休憩時間にお菓子の差し入れをありがとうございましたm(_ _ )m
どなたさまからだったのでしょう(・_・;)? ありがたく美味しく頂戴しました!
夜は、赤いバラ大賞の祝賀会へ
後ほど別記事にてご紹介させていただきます。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆
【9月20日の装い】東京◇晴れ(湿度が低くカラッとした暑さ)/ 最低気温20℃ 最高気温29℃
千總の若冲の雲取り菊文様の単衣小紋に川島織物の七宝文様の絽綴れの帯をコーディネート。
着やすさを考えて単衣でつくりましたが袷の時季に入ってから着ることが多い小紋です。
利休バッグは丹後でつくられている西陣の帯の工房見学にいった際にいただいた裂地を
牛田織物さんにてバッグにしたてていただいたもの。
濃紺から浅葱色へのグラデーション十二段ぞうりは四谷•三栄のもの
雲取りに千鳥文様の絽の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
「えっ?夏帯ですか?」と言われることがありますが、9月中は木村孝先生に従って
基本的には帯は夏帯のことが多いでしょうか。半衿、帯あげも夏物をあわせています。
その日の陽射しによっては綴帯、塩瀬の帯をあわせることもあります。
染織文化講座の受講生にはきもの姿の方がたくさんいますが、夏帯は少数派です。
9月のきもののコーディネートには皆さま悩まれるとお聴きしますが、日常のきものは
その日の天候にあわせて自由に楽しまれたらよろしいのではないでしょうか?
まずは何より着ることからです(^-^)/
有職織物の古帛紗
有職織物は公家の装束や調度品につかわれた織物。
その文様はシルクロードの彼方の古代ギリシャやササン朝ペルシャの意匠が中国から日本へ
渡来し国風文化とともに日本風に洗練されていったものです。
平安時代の装束は、かさねの色目で色を表したので、単色で文様が繰り返されるものが
主流となりました。
かさねの色目には、女房装束の五衣のように重ね着でかさねた襲の色目、袷の表地と裏地
の配色を多のすむ重ねの色目、経糸と緯糸の色を違えて反物を織りだす織色があります。
かさねの色目を生かすために、有職織物は単色で文様をくり返す上品な織物となっていきます。
装束として身につける機会はまずありませんが、有職織物の古帛紗を集めています。
衣紋道山科流の装束製作を司る宮中内蔵寮御用装束調進方高田家の製作による古帛紗。
明日は炉開きです
開炉の茶事•炉開きの装い / 菊の青海波文様の付けさげ小紋に鎧縅文様の織なごや帯
今日は社中で同じ曜日にお稽古させていただいている皆さまと炉開きでした
炉開きとは、風炉から炉にかわり、初夏に摘んで寝かせておいた新茶をはじめてつかう、節目。
ここから新しい年がはじまる、お茶の世界のお正月のようなものです。
炉開きでは宮中行事の玄猪(げんちょ)にちなみ亥の子餅(いのこもち)かお善哉をいただきます。
玄猪とは、旧暦10月上亥の日に無病息災、子孫繁栄を願って行なわれた行事。
古くは中国から入ってきた行事のひとつで、大豆、小豆、大角豆、胡麻、栗、柿、糖(あめ)の
七種の粉を入れた餅をついたものを食する宮中行事でした。源氏物語にもでてきます。
鎌倉時代になると猪は多産であることから子孫繁栄を願って、亥の子餅を食したのだそう。
江戸時代には、亥の月の最初の亥の日を玄猪の日と定め、玄猪の祝いともいわれていました。
このため、亥の子餅を玄猪餅とも言います。
先生お手製のお善哉は上品な甘さで美味しかったです!
亥の子餅を包んだ玄猪包みを象った香合です。
玄猪の儀は京都の護王神社で今でも神事として行われています。
床の軸は、大徳寺195世翠巌宗珉(すいがんそんみん)(1608年~1664年)
布袋さまが描かれています。布袋さまの手にしているのが堪忍袋。人々の不平不満を
代わりに入れて背負ってくださっているのですが、いっぱいになると緒が切れる…。
ことから、堪忍袋の緒が切れるの語源です。
年々時が過ぎるのがあっという間…。
季節を楽しみすべてのもの慈しむことができるよう寛容であれと自分を戒めたいところです。
【11月11日の装い】東京近郊◇晴れ時々小雨(寒かった!) / 最低気温13℃ 最高気温17℃
菊の青海波文様の付けさげ小紋に鎧縅文様の織なごや帯をコーディネート。
裾にいくほど菊文様が密集し大きくなります。
帯あげは桜色と卵色の染め分け、帯〆は龍工房
数寄屋袋は草紫堂の紫根染、更紗の懐紙入れは鈴木一時代裂研究所
美しいキモノ60周年記念作品展 木村孝先生トークショー at 目黒雅叙園
美しいキモノ創刊60周年×目黒雅叙園創業85周年 特別企画
先日の五島美術館でも展示された、美しいキモノ創刊60周年を祝ってつくられた日本を
代表する染織の最高峰の各社の作品群が、目黒雅叙園の和室宴会場の鷲の間にて
展示されています。入場無料です(~2013年11月14日まで)
もちろん作品も見応えありますが、展示されている空間が素晴らしいので、この機会に
ぜひ御覧になられることをおススメいたします。
正面には能舞台がある123畳の畳敷きの宴会場。美しいキモノ創刊からの表紙パネル展示
も見どころのひとつ。60年のきものとメイクの変遷がみられます。
天井画は扇面に描かれた美人画と草花図
旧目黒雅叙園の玄関を再現した和室宴会場の入り口の天井
旧目黒雅叙園から新しい目黒雅叙園に建て替えた際に美術品は5000点から2500点に
なったのだそうですが、この日は美しいキモノの読者の晴れやかなきもの姿で、それに
劣らぬ豪華さです…っ、との目黒雅叙園の方によるスピーチもありました。
四季が表現された美人画の彩色木版彫刻の壁面がいたるところにあり、その中に入って
撮影するのも一興とのお話。きもの姿だと同化することもあるとかないとか…。
東京手描き友禅作家の腰原淳策先生ご夫妻と腰原英吾先生伸子先生と
腰原家之皆さまに囲んでいただきました(≧▽≦) ありがとうございます。
今日はお食事と木村孝先生のトークショーのイベント。
別会場でのお食事も楽しめました♪
その後は、木村孝先生のトークショー
孝先生の装いは三つ紋付の色無地に細川家伝来の能装束文様の写しの唐織の帯。
トークショーの会場はきもの姿の人々でいっぱい。訪問着の人が思いの外多かったです。
孝先生のお話から抜粋φ(.. )
戦後のきもの史。今では定着した訪問着と付けさげの違い。
かつてお出掛け着のきものとして、散歩着、プロムナードというものがあったのだそう。
きものは年齢と立場を表現するもの。キレイな色で身ぎれいにしなければ損ですよ。
洋服(上等な)には色んな形があって風景を描くというようなことはしないけれど、きものは
定型で色と柄で表す奥ゆかしい衣裳。
ワンピースのようなものと違って、きものがあり帯があり帯あげ、帯〆があり、自分の眼で
選んで責任を果たすもの。感性を衣服に込めることができるのです。
何十年経っても変わらない好きなものをもっていることで、自信をもって楽しんで着こなす
ことを自分のものにしましょう。
着物は人のためにある。しきたりは社会と共にある。知っていることを守るのも大切だけれど、
時代とともに変わっていくもの。
「お茶会に草木染めの紬でいってはいけないのでしょうか?」というご質問に対しては、
「昔々のようにあまった糸で紡いでつくっていた時代のものと違うのでしょ。作家の方が
新しく創作するものは着ていっても良いと思いますよ。紋は草木染めは色が抜けないので
縫い紋で宜しい」とのお答え。
孝先生のお考えはいつも臨機応変だと思います。そして人に優しいです。
洗顔後につけてのばして洗い流すパック、エレクトーレフェイストリートメントのお試しコーナー。
洗顔石けんとパックは参加者全員がお土産としていただけました。
エルビュー化粧品会社の冨宅孝子社長さまと
体験コーナーよりも社長のお美しさが何よりの説得力がありますね(ノ゚ο゚)ノ
※会場内での撮影及びきものカンタービレ♪への掲載の許可を主催者さまよりいただいております。
コーディネートは別記事にて。
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薄紅色地に金雲に鶴の刺繍の訪問着に唐花亀甲文様の綴の袋帯
昨日の美しいキモノのイベントはランチ&孝先生のトークショー×展覧会、とくにドレスコードは
設けられていませんでしたので、古典柄の小紋にしようか、訪問着にしようか迷ったのですが、
anniversary yearのお祝いの気持ちを込めて、吉祥文様の訪問着にいたしました。
日本画で飾られた目黒雅叙園には、古典柄のきものがあいます♪
読者イベントですと、装いはさまざま。紬の方から訪問着の方まで色んな方がいらっしゃって
面白いです。今回は訪問着率が高かったです。
事前に何を着ていったら良いのでしょう?というご質問もいただいたのですが、格式にこだわる
パーティーではないので、紬でも小紋でも訪問着でも、自由だと思っております。
慶事のお席では着にくいけれど…、というような、日本工芸会の先生方の創作紬や紅型の
きものはこういうときに是非着たいものです。妄想が膨らみます:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
う~ん、購買欲がうずうず…
寒い寒いといいながら…、目黒雅叙園にきたらいただくお気に入りの甘酒フロート
気管支喘息は一向によくならず…、お見苦しい咳で周りの皆さまに申し訳ないです(_ _。)
ハニージンジャーティーでも治まらない。。。
【11月12日の装い】東京◇晴れ(12月の寒さでした!) / 最低気温8℃ 最高気温12℃
薄紅地に金雲に鶴の刺繍の訪問着に唐花亀甲文様の綴の袋帯をコーディネート。
左袖を見せるようにしないと色留袖のように見えちゃいますね(゚_゚i)
上前、左袖前、右袖後、後に4羽の刺繍された鶴が飛んでいます。
紋は入れなかったのですが、入れたほうが良さそうです。上半身が間が抜けちゃう気がします。
かづら清老舗の鼈甲風の鶴の簪をあわせました。
雲取りの刺繍の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
唐花文様なので季節を問わないのですが、萩と菊があるので春にはつかいません。
この綴の袋帯は自分では上手くできないので、着付けをお願いしています。
バッグは丹後の帯の工房見学で頂いたものを牛田織物さんにて仕立ててもらったもの。
ぞうりは四谷•三栄の黄色~白の12段グラデーション
絵羽の道行はお気に入りの鳥文様の刺繍のもの。
手持ちの準礼装のほとんどにあう優れもの
美術館で女子会 / 薔薇文様の本塩沢にれえすの花の白鳥の刺繍帯
三橋順子先生のお話「銘仙とその時代〜昭和戦前期の着物文化〜」
大正から昭和にかけて、女性の普段着として普及していた銘仙。
大衆絹織物として日本の和装文化の全盛期を彩ったきものです。
つくり手の方は高齢化し後継者もいないまま、今や風前の灯火となりつつあるきもののひとつ。
普段着として無理なく買える程度の価格、しかも今見ても斬新でデザイン性に富んだもので、
大変魅力的なきものなのですが、どうして現代に残らなかったのか?
三橋先生の講義でとてもよく理解することができました
公開講座ではないので一般聴講はできませんが、ご縁があって聴講させていただきました。
三橋先生の魅力(ファンになりました)と講義の明瞭さから、これは是非きもの好きの方々に
知っていただきたいなので今回掲載許可をお願いしました。ありがとうございます!
三橋順子先生と
女装家でいらっしゃり、性社会、文化史研究者でもいらっしゃいます。
三橋先生は1955年(昭和30年)銘仙の里のひとつである秩父生まれ。
当時は生産量もピークの頃で、周りは一面の桑畑、鋸型の大きな建物の機屋が立ち並び 、
自動織機のジャカジャカという音が聞こえ、背の高い糸干場から絹の束が下がっているのは
本当にキレイだったとのこと。そして溝には化学染料の廃水が流れていて登校時には赤い溝、
下校時には黄色い溝のような状況だったのだとか。これが公害問題にもなります。
しかし昭和40年代に入ると急速に衰退し、銘仙は地元でも忘れ去られてしまったのだそう。
銘仙は、先染めの平織。北関東の養蚕地帯では形の良い正繭でない出荷できない玉繭や
出殻繭からとった節糸を染めて自家用のものとしてつくっていたのがはじまり。
明治末期からは工場で大量生産、大量流通の量産品の絹織物としてつくられました。
一生ものです!がセールストークの呉服業界の中で、流行を追ってつくられたもので、都市の
大衆消費文化の目玉商品として百貨店が売り出します。
銘仙は絹の艶と鮮やかな色を染めることを生かすとするために糸が弱いのが欠点(紬との違い)
なので流行に左右されるファッション向きでもあります。
流行に応じるために産地では熾烈な競争も繰り広げられ、コピーが大量に出回ることになり、
産地の違いはあれど見分けにくいものが多いのだそう。
講義ではモデルさんが銘仙を着こなして登場。
昭和戦後になって、銘仙が急速に衰退したのはどうしてなのか?
赤線地区の娼婦の方が銘仙を着用したことによって、そのイメージが定着し嫌われることに
なった…?というお話。
当時赤線地区は原色の街だったそうで(吉行淳之介の小説にもあり)、そこに自分を広告塔
として立つ女性には銘仙が好まれたのだそう。
洋装化がすすみ、礼装、社交着としてのきものが生き残ります。
紬は伝統工芸品として高級化していきますが、銘仙は工場生産品ゆえに伝統工芸、美術品
にならず、保護されることもなく消滅していきます。技術的な復活は難しいののだそう。
2000年代のアンティークきものブームで、銘仙は再び脚光を浴びます。
大正、昭和初期のきもの文化の再評価、ネットによる情報流通の増大からきものを着て
自由に楽しむ場が増えたことなどから、着る人も増え、興味をもつ人もたくさんいらっしゃると
思うのですが、技術が継承されていかないのは何とも残念なこと。
創造性溢れ、当時アール•ヌーボーやアール•デコなど最新デザインも導入しとっても面白い
きものであった銘仙。しかも高級品でもなかったのに、なぜ急速に衰退してしまったのか。
三橋先生のお話、とてもわかりやすかったです。
銘仙を着た人の戦前から戦後への時代背景もとてもよく見えた気がします。
きものはその人を表すものでありますが、時代とともに変わっていきます。
やはり良いものは残していきたいですね…。