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ハブとマングース♪ at 琉球村 / 2016年GW 沖縄の旅 その8

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琉球古民家を巡る at 琉球村 / 2016年GW 沖縄の旅 その7 のつづきです(^-^)/

琉球村にはハブセンターがあります。

「きものカンタービレ♪」に度々登場しているこのぬいぐるみ(カメラケースですが)は、じつはマングースですマングース。「のだめカンタービレ♪」に登場するマスコットキャラクターの着ぐるみで中にはのだめが入っています。作中ではシュールなギャグとしてつかわれています。


琉球村ではハブvsマングースのショーが観光の目玉として開催されていましたが、動物愛護の法令の改正により廃止されました。現在はハブとマングースの生態をガイドする形式になっています。


マングースはジャコウネコ科の雑食動物でコブラの天敵として知られていました。もともと沖縄に生息していたわけではなく、ハブ退治のために1910年(明治43年)にインドから沖縄に輸入され、沖縄本島に21頭が放たれました。

明治時代にはハブの抗血清がまだつくられておらず、ハブに噛まれて死亡してしまうことが多々あったのだそうです。もしヘビに噛まれたら先ず牙の跡を確認すること。2本ならハブの可能性が高いそうです。出血しどんどん腫れて痛みが酷くなるので、なるべく動かずに即病院へ!

ハブは卵から孵った時から有毒をもっているのだそうです。

解説の方は慣れた手つきでハブに触ってましたが…(((゜д゜;)))

人々の生命を脅かす存在であるハブ対策の苦肉の策として外来種のマングースが導入されました。しかしハブは夜行性、マングースは昼行性。マングースはハブを食べずに他の動物を襲うようになりました汗沖縄のヤンバルクイナ、奄美大島のアミノクロウサギなど希少動物を絶滅寸前にまで追い込んでしまったのです。。。

マングースが強いのは本当のようなのですが、じつは自然界では行動動線からして会うこともない。マングースがハブを食用にしているわけではないので、人間が煽らなければマングースとハブは戦うことはないのです。マングースがやってきたことで沖縄や奄美大島の生態系は崩れてしまいました。

そしてマングースは有害外来生物として環境省の駆除対象になっています。

ハブ対策の期待の星から有害外来生物となってしまったマングース。今では近視眼的思考に踊らされ人の浅知恵が招いた愚かな結果の例として語り継がれることになってしまいました。
きもの カンタービレ♪

琉球村では、沖縄の伝統を知るアトラクションが色々。

道ジュネーといわれる、絵巻行列があります。民謡、琉球舞踊、エイサーの複合パレード。

エイサーは迫力満点。琉球村に太鼓の音色が響き渡っていました。


紅型の琉装着用体験もあります。ただ羽織るだけでない琉装の着付け体験はしてみたいな~と思ったのですが、この日は着付け師がいない…!?とのことで叶わず。次回の楽しみに。

つくられた観光地にはあまり興味がないのですが、ここはとっても良かったドキドキ
今度はゆっくりと、三線教室やサーターアンダギーづくり体験もしてみたいですね♪

このヤンバルクイナの帯の手先には、じつはマングースが隠れているのです! ←誰もわからないですけど


沖縄の旅レポ、つづきます(^-^)/

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やまだ織のダイヤ柄の本塩沢にれえすの花の金魚の染め帯

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いつの間にか新宿南口が変貌していました…(・_・;)
あっ、日傘が同化してしまっている…。


【6月14日の装い】東京◇曇り(湿度67%、ジメジメっとした陽気) / 最低気温18℃ 最高気温26℃

やまだ織のダイヤ柄の本塩沢にれえすの花の金魚が描かれた絽塩瀬の帯をコーディネート

金魚が大胆に描かれています♪

糸目糊置きの友禅染め。金魚の周りの暈し加減も良い感じです♪

夜に泳ぐ金魚という様子がまた良いのです。

お太鼓に隠れてしまうところには黒い金魚もします。

翡翠色の染め暈しの絽の帯あげは加藤萬、オレンジ×緑の帯〆は龍工房

日傘は大井川葛布の葛布の日傘

バッグはジャマン•ピュエッシュ

ビルの緑化政策が進みオープンカフェなどオシャレな休息所もたくさん。ビル風が強い…(@@;


毎日の楽しみ♪
燕の子が見えるようになってきた!


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「無為 〜あるがままに〜」おび弘 & 染と繍 村山刺繍店 作品展 at 銀座清月堂画廊

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京都の「おび弘」と「染と繡 村山刺繍店」の作品展「無為ーあるがままにー」が銀座清月堂画廊にて開催中(~6月19日まで)

おび弘の池口寧祥社長とカメラ

おび弘は、どっしりとした重厚感ある本袋帯、袋帯、紋綴帯、櫛織など、さまざまな織りが今も手織りでつくられている帯屋さんです。


昨年は、アザラシの紋綴帯のお誂えをお願いいたしました♪


工房見学もさせていただきました!
相撲の本場所で力士が締める廻しの締め込みを唯一手織りで織っているところでもあります。

経糸は30,140本。筬の羽に細い経糸が2本通っている繻子羽二重なので15070本×2。組織は5枚繻子。筬打の框は40kg!もあるのです。


奥様の奈津子さんの可愛らしいカエルの帯は、綴れに絽綴れを併用した技で織られていました。

こちらは、櫛織のカエルの帯


さまざまな技術を有しているからこそつくれるものがあります。さらに既存の概念にとらわれず独創的な意匠を生みだしていらっしゃるのも素晴らしい~ドキドキ
次は、ある祭礼に相応しい帯をつくっていただく予定です~♪

染と繍 村山刺繍店の村山裕俊社長とカメラ
村山刺繍店では、意匠デザインから、染め、金彩から刺繍までを工房で行なわれるのだそうです。

豪壮な刺繍の技! 今ではこういったものはなかなかお目にかからなくなりました。

きめ細やかで美しい村山刺繍の繍は、千總やぎをん齋藤の仕事も請け負われているのだそうです。


展覧会のテーマの「無為」はあるがままの美から。

京都の底力を感じるとても見応えのある作品展でした:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


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西陣の花織風のきものにれえすの花の紫陽花の刺繍帯

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しっとりとした梅雨の風情を楽しむ装い♪
梅雨を彩る花といえば、やはり紫陽花でしょうあじさい。


紫陽花は日本固有の花。原種はガクアジサイです。花弁(花びら)にみえるのは、顎弁。

藍色が集まったもの「あづさい(集真藍)」から「あじさい」になったといわれています。紫陽花は土壌によって色が変わるのも特徴。酸性なら青、アルカリ性なら赤になるのだそう。

花の色が変わることから「八仙花(はっせんか•あじさい)」、四枚の花びらのような顎弁から「四片(よひら)」いわれました。紫陽花という漢字表記は白居易がライラックにつけた名が誤って広がったという説が有力です。


【6月15日の装い】東京◇雨のち曇り(湿度80%、ジメジメ) / 最低気温20℃ 最高気温22℃

西陣の花織風の暈しのきものにれえすの花の紫陽花の刺繍帯をコーディネート

土壌によって色が移り変わる紫陽花の花言葉は「移り気」「浮気」と良い印象はありませんが、色のグラデーションが楽しめるので絵になる花ですね。

蝶はとっても苦手なのですが…(^_^;)

帯地と刺繍のバランスや色合いがとっても気に入っております♪

楊柳の帯あげは渡敬、帯〆は龍工房

雨傘はHANWAY、バッグは松枝忍。紫のグラデーションでまとめてみました♪


今日の燕ツバメ  パタパタ

親子で未来を見る図

クチバシを開くとさらに可愛いо(ж>▽<)y ☆

夜は夫婦で巣を守っていました。飛び立つ日まで楽しみです~♪


蒸し暑く雨も多いこの季節ですが、きものは気持ちを晴れやかにしてくれます。
人さまの評価を気にするより、今の季節と今の自分を楽しみましょう。

着たいと思うきものがいつまでも着られるわけではない。
人は確実に老いるのです。
年を重ねること、それはそれで楽しめますが、人生はそう長くないのですよ。
今を楽しみましょう。

若い方に、声を大にして言いたい。
きものって楽しいですよ~♪

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広げよう実践の環!あなたの食事は大丈夫?-政府広報: PR

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健全な食生活を実践するには?世代別・性別に見る栄養バランスのとり方は?

真栄田岬 日航アリビラとニライビーチ そしてブセナテラス /2016年GW 沖縄の旅 その9

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ハブとマングース♪ at 琉球村 / 2016年GW 沖縄の旅 その8 のつづき(^-^)/

沖縄本島西海岸は美しい海岸線のドライブルートがつづいています。GWの真っ直中の日中は、ブセナリゾートから南下する道は流れていましたが、北上する道は大渋滞になってました(@@;

真栄田岬

琉球石灰岩が隆起してできた岬で、透明度の高いコバルトブルーの海が広がっています。

絶好のダイビングスポットなので、ダイバーが乗る船がいっぱい

青い洞窟もあるのだとか。

沖縄ではよくみるアダン。パイナップルのようですが食用には向かないのだそう。アダンの葉は煮て乾燥させてから繊維としてつかわれ、座布団や御座、帽子やぞうりなどがつくられていました。


日航アリビラへお茶に♪

太陽が似合うスパニッシュコロニアル様式のホテルです。ずいぶん昔に宿泊したことがあります。

ブセナテラスよりもファミリー向け。ゆったり~というよりもワイワイな雰囲気ですね。

遠浅に広がるニライビーチでは子どもも安心して遊ぶことができます。

干潮時には遠浅の海をかな~り遠くまで歩いていくことができて楽しいのです♪


ちなみに、引き潮のときですとこんな感じになります。

こーんな遠くまできものでいくことができるという\(゜□゜)/


今回は夕方の満潮時に近かったので、ここまでだったのが残念!

それにしても、すごいアオサでした^^;

ティールームでハーブティーとチーズケーキをコーヒー


沖縄本島の西海岸の景勝地である、残波岬には日航アリビラ、万座毛近くにはANAインターコンチネンタル、そして部瀬名岬にはザ•ブセナテラスがあります。北部にはJALオクマリゾート、こちらには喜如嘉にいったときに滞在しました。沖縄でゆったり過ごすなら海は目の前!というのが好きです♪リッツ•カールトンとエグザスは景観は悪くありませんが海までが遠いのが難点でしょうか。

ゴールデンウィークの沖縄は梅雨入り寸前のベストシーズン♪

どこに出掛けても人がいっぱいの日本列島ですが、敷地がゆったりとしたブセナテラスは異空間。

ロビーの開放感が素晴らしい:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

建物は年季がはいってきましたが、室礼やお食事、そしてサービスを含めると、リゾートはブセナテラスでのんびり~というのが気に入っています♪

うちの家族はそれぞれにこの部屋が良い!というお気に入りがあるようですが、お部屋のタイプも色々あるので、私は色んなタイプを試したいほうです♪


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白地に立涌の絣の単衣紬に野口の青地に睡蓮とカエルの刺繍の絽塩瀬の帯

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単衣の紬でも暑い陽気になってきました。
梅雨明けはまだまだですが、夏がやってくる感じがします!

【6月17日の装い】東京◇晴れ(湿度58%、風はあるけれど暑い…) / 最低気温19℃ 最高気温29℃

白地に赤青黄色の立涌の絣の単衣紬に野口の睡蓮にカエルが刺繍された絽塩瀬の帯をコーディネート
立涌は水蒸気が立ちのぼるところを意匠化した文様。水を文様としてしまう、それをきものの意匠としてしまう日本人の感性って素晴らしい! 

丹後ブルーの暈しの帯あげは小林染工房、瓶覗きぐらいの薄い藍色の帯〆は龍工房
ガラスの小鳥は海馬ガラスのサハラ砂漠の砂からつくったもの、根付紐は藤岡組紐

睡蓮の葉は葉脈のみが刺繍されているところが気に入っております♪

睡蓮は未の刻(午後2時)の頃に白い花を咲かせることから未草(ヒツジグサ)ともいわれています。夜になると花を閉じてしまうことから「睡蓮」と名付けられていますので、「水蓮」と表記されるのは間違いです。池の地下茎から長い茎を伸ばして、水面に花と葉を浮かべます。
宮崎の御池(みそぎがいけ)の睡蓮。宮崎レポは来週からスタートします。

宮崎のお土産に購入した秋山真和先生の綾の手紬染織工房の藍染めの日傘が大活躍♪
頭上に藍染めがあると浄化されるようにスッキリとします。

古布コラージュのバッグは松枝忍

菱屋カレンブロッソのぞうりの花緒は小林染工房の丹後ブルーのしけ引き


今日の燕燕

日に日に眼がしっかりとしてきました!


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墨色地の長襦袢で透け感をおさえる / 琉球藍の琉球壁上布に墨描きの鵜の麻帯としな布の日傘

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陽射しを避けつつ風を通す、しな布の日傘♪

墨で鵜が描かれた麻帯にあわせました♪

すっかり真夏の装いですが、墨色地の長襦袢で透け感をおさえております。


今日の気温は32℃。「30℃超えでも、6月だから頑張って単衣を着ています。もしくは単衣は暑いから着られない(だからきものは着ない)」というお話をお聞きしますが、そもそも日常着に頑張ってきものを着る意味があるのでしょうか…(^_^;)?
もちろん人それぞれですし、ご自身が頑張られるのは一向に構いませんが、周りにアピールし強制することは、今の気候を鑑みると「単衣が我慢できないなら、きものを着るな」といっているようなものかもしれません。準礼装や礼装を着るときにはその場に応じた装いが求められます。それはきものでも洋装でも同じこと。マナーの問題ですので、自分の都合ではなく周りにあわせることが礼儀です。しかし日常に着るものは天候や陽射しや目的によって自由で良いと思います。周りに着用ルール?を強制したり我慢アピールをするよりも、きものを着て楽しむこと。そして周囲に違和感を持たせない工夫があれば、さらに良いのでは~と思っています。

【6月18日の装い】横浜◇晴れ(湿度44%、蒸し暑い…) / 最低気温24℃ 最高気温32℃

琉球藍の琉球壁上布に墨描きの鵜の麻帯をコーディネート。
墨色地の長襦袢で透け感をおさえることによって単衣のようにみえます。

帯あげは絞彩苑種田、帯〆は龍工房

鳥獣戯画の古布コラージュバッグは松枝忍、しな布の日傘はしな織工芸いしだ。
しな布の日傘は現在発売中の美しいキモノ夏号でご紹介した、朝香沙都子のこの夏の欲しい小物のひとつ。先日ようやく購入しました~ヾ(@°▽°@)ノ


日中は厳しい暑さに倒れそうでしたが、夜風は気持ちが良い~♪


今日の燕blue.

大きくなって巣から落ちそう…!?



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琉球絣事業協同組合へ / 2016年GW 沖縄の旅 その10

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真栄田岬 日航アリビラとニライビーチ そしてブセナテラス /2016年GW 沖縄の旅 その9 のつづき(^-^)/

今回の旅は、染織関連巡りは予定にいれてなかったのですが…、何度かお世話になっていることもありご連絡し、急遽立ち寄らせていただきました。

琉球絣事業協同組合へ♪
現在の琉球絣は90%以上を南風原にて生産しています。素材は絹が90%。これは夏ものの琉球壁上布です。上布という名がついていますが、素材は絹。麻の上布と比べる嵩高くならずに適度に身体にそってくれて、シワにもなりにくい。私が一番良く着ている夏のきものです。


琉球絣の模様は約600種類あるといわれ、モチーフは自然や生活道具、鳥などから。図案は琉球王朝のころから伝わる「御絵図帳(みえずちょう)」から職人がアレンジしオリジナルをつくりあげています。御絵図帳とは琉球王朝時代に貢納布として織らせるためのデザイン帳のこと。琉球王朝には絵図奉行という職があり、模様や染色にも指定がありました。

琉球絣の工程は32工程。 大雑把にいうと、図案をつくり、糸を括り、染め、織るのですが、絣がズレないように糸を糊で固める「糊づけ」、絣模様になる部分を木綿糸で括る「手結」、経糸の地糸と絣糸を同時に筬に巻き取る「巻取り」など、琉球絣の特徴となる工程があります。

絣好きとしては、手織りの絣でありながら価格的にも比較的手頃な琉球絣は素晴らしいと思っております♪


琉球絣事業協同組合では後継者育成のための研修制度があり、公募によって集まった研修生は7ヶ月間琉球絣について学ぶことができるようになっています。


この日はゴールデンウィークの真っ直中だったので織っていらっしゃる方は少なかったのですが、たくさんの作品が機に掛かっています。

大きな絣柄が好みなのですが、中々流通ではお目にかからない…。ここではしっかりと織られていました。


前に訪れたときに目にして、欲しい~と思っていた琉球壁上布を購入♪
野原理事長をはじめ、組合の皆さま、ありがとうございましたm(_ _ )m

紫芋のようなこの紫色がとっても気に入っておりますドキドキ


2016年GWの沖縄本島の旅レポはこれにてコンプリート。
つぎは宮崎の旅レポです!

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裁縫をしないきもの生活 / 襦袢シャツ「ふぁんじゅ」

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きもの生活をしている私ですが、じつは裁縫がとても苦手です。きものを着るには必ず半衿のついた長襦袢を着ますが、半衿は汚れますので、きものを着る都度その前には半衿付けをしなければなりません。そして「きものを着るなら半衿ぐらい自分でつけることが当たり前」という考えが、きものを着ることを苦痛にし諦める要因となっていたのです。
しかし「半衿付けは自分ではしない、得意な人にお任せする」と考え方を切り換えたことによって、きものを着ることが苦にならず、毎日きもの生活ができるようになりました。人には向き不向きがあるのです。もちろん何でも自分ですることに越したことはありませんが、苦手なことは人に委託するという考えもありだと思います。

そして、長襦袢を着ず長襦袢を着ているようにみえるもので工夫することもあります。
このきもの姿はじつは長襦袢を着ていません。

どうしているかというと、こちら。襦袢シャツの「ふぁんじゅ」を着ています。

素材は光沢のある綿100%。洗濯機で洗えるのでTシャツ感覚で着ることができます。

衿まわりが空洞になっていて、そこに衿芯を差し込むだけ。


衿を外側に折ると衿付のTシャツのようにもなるきものと洋服兼用になる優れものなのです。きもの初心者にとってはこういったものがまず役立ちます。

半衿付Tシャツなので、袖に振りはありません。

なので、うそつき袖をつけないとこんな感じで、袖の振りは空洞になります。軽くて動きやすいので、家の中や旅先で動き回るときにはとても楽です。

袴やモンペのときは長襦袢が邪魔になりますので、半襦袢を着用することが多いのですが、こういうときもTシャツサイズである「ふぁんじゅ」は役立ちます♪ 仕舞をする学生にも好評。私もよく着ているのですけど、着てるときは生活感がありすぎて撮影していないので写真がない…(^_^;)


ぬぬぬパナパナのぬぬ大阪展でも出展されていて大人気でした♪

「ふぁんじゅ」を開発されたのは「着物さくさく」の須賀凌子さん。一番右側の女性です。 ぬぬパナ八重山勉強会の旅、そしてキモノ文化講座のレクチャーもご一緒させていただきました。須賀さんは和裁師であり着付師でもあり、そして何よりご自身がきものを愛する方であるからこそ、きものを着やすくするアイテムを開発できたのだと思います。


ちなみにあるところから類似品がでていたのでそちらも試しましたが、衿まわりの形がおさまらず、実用性はない形だけの模造品でした(-。-;) 

きもの関連はさまざまなアイディア商品がでていますが、きもの関連というだけでお値段が高いことがほとんど。コストパフォーマンスもよく実用的だな…と思うものはほんのわずかです。

半衿付けをせず、衿芯をさし込むだけ。「ふぁんじゅ」は、気軽にきものを着る人を増やすことができる画期的であり実用的な商品だと思います。素晴らしい~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

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「ぬぬぬパナパナのぬぬ 」大阪展 「キモノ文化講座」 at うめだ阪急

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振り返ってみると…、5月は忙しかった@@;

「ぬぬぬパナパナのぬぬ」大阪展では「キモノ文化講座」が、うめだ阪急特別室にて開催されました。


●半衿攻略法●

和裁師の松下妙子先生(写真右)、須賀凌子先生(写真左)による半衿付け講座が開催されました。

総勢20名の方がご自分の長襦袢を持参されて参加

まずは和裁師による実演のお手本

長襦袢の衿側を手前にして長襦袢の表側をだし、背中心の真ん中で半衿と長襦袢をあわせて待ち針でとめます。そして左右衿肩あきのところ、さらに半衿の端までとめていきます。

衿先から縫っていきます。見本ではわかりやすいように、赤い糸を使用

表側が終わったら内側を縫います。美しい半衿付けのポイントとなるのは衿まわりの曲線。衿肩あきから背中心までの弛ませ方です。これが巧くできないと餃子のようになるのです…(・_・;)


染色補正師の本井宏史先生による衿と袖口の汚れ落とし

つかったのは、ベンジンと歯ブラシ。棕櫚のブラシなどがない場合は歯ブラシで代用。ポイントはベンジンの量をたっぷりつかうこと。


「キモノ井戸端会議vol.4」

ぬぬパナ八重山勉強会の旅のご報告
ぬぬパナ八重山勉強会の旅のまとめリンク

東京展の井戸端会議を見直し反省して要点を絞ってレクチャー。内容が専門的すぎたようにも思いますが、サラッとでも聞いておいていただけると、反物の見方の一面がわかってくるように思います。
宮古上布については、東京展の後さらに各所に確認し、重要無形文化財指定と伝産品指定の違いがよりわかりましたので、詳細は別記事でレポします。宮古上布を着たときかな…。


きものの多くは高額な贅沢品です。だからこそその素材や技法については売る側に知識としてあってしかるべきではないかと思っております。…が、間違った知識なのかあやふやな表現で売りたいだけの確信犯なのか…、不正確な説明で販売されているものが多々あります。
「ファッションとしての魅力」のみで、ただの布として売られているならそれまでですが、大概において、このきものは○○で○○の糸…などと講釈があります。ならばわかりやすく正確なスペック表示をしてほしい。しかしなぜかスペック表示をする必要はないといわれてしまうことのほうが多いのが現状です。モノの本質は自分で学びそれを扱う人を含めて自分の眼で見極めるしかないのかもしれません。


「ぬぬぬパナパナのぬぬ」には若いつくり手がたくさんいます。きものエンドユーザーがどれだけ支援していけるか…。美しいぬぬの未来は、つくり手だけでなく、着る人の気持ちにかかっています。


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みやざきエクスプレスに乗船! きものでカーフェリー / 2016年5月 宮崎の旅 その1

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お待たせいたしました! 宮崎の旅レポがスタートです♪


「ぬぬぬパナパナのぬぬ」大阪展の会場からそのまま宮崎へと向かいました。「朝香さんってタフですよね」といわれますが、気力だけでどちらかというと病弱です(-。-;)

神戸~宮崎間はフェリーがでていると情報をいただき、きものでの船旅も面白そうと今回初体験してみることに。阪急梅田から阪急三宮まで阪急電車で移動。阪急電車の落ちついた臙脂色の車両が好みなのです。もし京都にも拠点をおくとしたら阪急沿線が良いなドキドキ
{C12DDE98-4C15-40AC-8F72-6A44353E0B1A}

三宮から神戸港フェリーターミナルまではフェリーの出航に合わせて連絡バスがでています。じつは、うめだ阪急に日傘を忘れたことに電車の中で気がついたのですが…、取りにもどって船に乗り遅れてはシャレにならないので、諦めることに…。サンサンと陽射しが強い太陽の国へいくのに日傘がないという事態に…(゚_゚i)

神戸港に近づくと乗船するカーフェリーが見えてきました。大きい~(ノ゚ο゚)ノ

チケットはネットから2等寝台を予約しました。乗船名簿に必要事項を記入しチェックインするとお部屋が指定されるシステムです。チェックインのとき「きものなら下のほうが良いですね」といわれましたが驚く様子もなく普通の対応でした。(驚かれることほうに慣れているので、あっ、普通だと嬉しくなった)
ネット予約ができるのは2等寝台(2段ベッドの8人部屋)と2等の大部屋のみです。1等以上はネット上にはないので満席なのかと思いましたが、電話予約のみとなっています。浴室付きの2人部屋の特等室、1等は4人部屋と1人部屋があります。1等の1人部屋だと着替えも楽そうですね。

「みやざきエキスプレス」は全長170m×27m、11931t、航海速力25ノット(時速に換算すると45km)

ターミナルの2階から丸い筒状のものが船へとつづいていますが、ここを通って乗船するのです。

では、船へ向かいます♪

カーフェリーなので大型トラックがたくさん。トラックの方々はドライバー室やドライバー専用レストランがあるのだそうです。(後から知った)


宮崎といえば新婚旅行の聖地。1960年~1970年にかけての空前の新婚旅行ブームで多くの人が宮崎を訪れました。1960年(昭和35年)昭和天皇皇女の清宮貴子さまと島津久永氏とのご成婚後の新婚旅行の地が宮崎だったことによって注目を集めたことがきっかけだっといわれています。その後、当時皇太子であられた天皇皇后両陛下が訪れ、さらに話題を集めることになり、朝ドラの舞台となったり、「フェニックスハネムーン」という歌謡曲が流行したのだそうです。しかし新婚旅行ブームが去ると、陸の孤島といわれるひっそりした観光地となりました。


六甲山に沈む夕日を見ながら19時に出航船

暮れゆく神戸の街を見ながらの船出は旅情があって良いものです~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

神戸ポートタワーやメリケンパークなどの夜景スポットを海から望むことができます。

空の旅が好きなのですが、海の旅もいいな~。時間がかかりすぎる…と移動手段の選択肢にいれていなかったのですが、旅先での夜にでて朝につく移動なら宿泊を兼ねることになるのでコストパフォーマンスも良いです合格
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瀬戸内海にかかる明石大橋のライトアップがみえました! ←山の稜線の夜景かと思ったσ(^_^;)


さて、、、船内ではどうすごすか…。お部屋のベッドでは過ごしにくいので、長い時間外の甲板にいました。その後は海が見える通路の椅子席へ。天候がよけれな夜風にあたりながら甲板で暗い海をみてるのもけっこう好きかも。

私は利用しませんでしたが、レストランもあります。


船内では、きもの→ゆかた→きものと2回着替えました。
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きもの→ゆかたへは寝台ベッドの中でゴソゴソと着替え、ゆかた→きものへは朝一番に大浴場の脱衣所で着替えました。フェリーの良いところは大浴場があるところですね♪


航路は室戸岬、足摺岬を通って宮崎へ舵


朝起きてデッキにでているとどんどん雨がひどくなり…、見知らぬおじさまに船内に連れ戻されるという…^^;

宮崎港がみえてきました目

陸地がどんどん近づいてくるところを甲板にでて見ることができなかったのが残念(T_T)

つぎは晴れているときに乗船したい!

船の接岸はみていて楽しい♪

宮崎港フェリーターミナルに到着です。


晴れ女の私にしては珍しい、旅先での大雨との遭遇…。あっ、日傘を忘れたからだ( ̄□ ̄;)!! ←雨傘はもっていた


つづきます(^-^)/

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藍暈しの経緯絣に中野スズミのカエルの親子の絽縮緬の染め帯に蓮の花の日傘

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先週末は薄物に袖を通しましたが、雨で涼しくなったので再び単衣を着ています。
どんよりした梅雨空に似合いそうな色と文様を選びました。蓮の花、カエル、そして河童です♪

【6月22日の装い】東京◇曇り(湿度86%) / 最低気温21℃ 最高気温24℃

藍暈しの経緯絣に中野スズミのカエルの親子の絽縮緬の染め帯をコーディネート

お太鼓にはカエル。そしてたれ先からグルッと前にもオタマジャクシが帯の周りを泳いでます♪

千鳥の絽の帯あげは加藤萬、帯〆は伊藤組紐

日傘は、椿ラボ京都。防水スプレーをかけて軽い晴雨兼用にしています。

河童の描かれた古布コラージュバッグは松枝忍、ぞうりは小林染工房の丹後ブルーの花緒の菱屋カレンブロッソ


今日の燕燕

大きくなって、翼の色も黒くなりました!そろそろ旅立つころかな…。


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西川はるえ•勝山英恵•原千絵 〜3人の手しごと展〜 at 日本橋高島屋

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Textile COCOONの西川はるえさん、シルバージュエリーデザイナーの勝山英恵さん、染織作家の原千絵さんによる「3人の手しごと展」が日本橋高島屋にて開催中(~6月28日まで) ※その後、横浜高島屋(7月6日~12日)へ巡回します。

左から、原千絵さん、西川はるえさん、木村孝先生、勝山英恵さんカメラ


孝先生とお会いすることができたので、ご一緒させていただきました。ひとつひとつの作品を丁寧にみてくださり「好きなことができる(つくれる)というのは本当に幸せなことよ」と何度も何度もおっしゃっていました。


ぬぬパナのつくり手でもある原千絵さん。
佐々木苑子先生に師事し、大塚テキスタイルデザイン専門学校で講師を務め、さらに大城廣四郎工房で琉球絣の技を取得、現在は郡上で織物をされています。ぬぬパナでも原さんの作品を拝見していますが、素人にはわからない高度な技をつかいながらも完成度も高い作品をつくられる方です。そしてマイクロスコープで見ると織の精密な揃いに驚きます(^_^;) ご一緒させていただいた八重山の旅はとても勉強になりました!

野蚕糸の自然の色をそのまま生かしたすくい織の帯。リボンのようにみえるのは生皮苧糸がつかわれています。この生皮苧の糸も自然のままの色。孝先生に「この織りは、またエラい手のかかることをしてはるな~、価格はこれでいいのん(安すぎじゃない?)」と評されておりました。いつも思うのですが、難しいところですね…。凝ったものは真面目につくられているものほどお安かったりするので。。。

裾濃の緑から黄色が美しい駒上布のきもの。琉球絣の技が生かされています。
近い将来、原さんにしかつくれないであろう私好みの絣着尺を織ってもらいたいな…:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


Textile COCOONの西川はるえさん。
じつは前々からお会いしたいと思っていました! というのは、日本では今はほぼ織られていないイラクサの織物をつくられている方がいると、古代織産地連絡会の方からお聞きしていたから。


西川さんは喜如嘉の芭蕉布会館の伝承生出身。現在はネパールからイラクサ糸と大麻糸を取り寄せ、工房で草木染めをし、帯や小物をつくられています。

ネパール産のイラクサ糸。苧麻もイラクサ科ですので仲間ですが、ネパールのイラクサはアローというのだそうです。


アンデルセン童話「白鳥の王子」の中にイラクサの織物がでてきます。
呪いをかけられてしまった11人の兄を救うために、無言でイラクサの織物をするお姫さまのお話です。イラクサの布を織りあげるまでは口を聞いてはいけない、イラクサには棘があってイラクサ摘みでは血だらけになってしまう、糸をつくるために足でイラクサを踏むと傷だらけになってしまう、しかし織りあがった布で兄たちは呪縛から開放され白鳥から人間の姿になって、めでたしめでたし♪ (ひとりの王子は袖が間に合わず片手が翼のまま…という説もあり。アンデルセン童話って怖いところがあった気がする…)
この童話の影響なのか、棘のあるイラクサの繊維の織物というものに憧れを抱いております♪


このスピンドルで紡がれます。ネパールのマガール族の人が紡いでいる動画をみせていただきましたが(ありがとうございます!)、ろくろのように操っていました(@@;


ネパール産の大麻糸。日本の大麻糸は根と天を撚りつないで績んでつくりますが、ネパールでは紡ぐのだそう。糸にするときに叩くそうですが日本の大麻糸よりちょっと固めでザックリした印象。


ネパール産の大麻もイラクサもどちらの糸も素朴で野趣あふれるものですが、織りにくそう。アッツシに近い印象でした。苧麻や芭蕉と同じく乾燥には弱いのか、毛羽は立たないのか、染めやすいのか染めにくいのか、いろいろとお聞きしそびれました…(^_^;)

今回(というか新宿髙島屋の最終日)は、大麻の花緒をいただきました。焦茶か臙脂色系のザックリした台でぞうりをつくりたい。


シルバージュエリーデザイナーの勝山英恵さん

ご自身もきものがお好きとのことで、洒落た帯留をつくっていらっしゃいます。

孝先生は、シルバー細工の帯留を簪にオーダーされていらしゃいました。月にかかる瑞雲のイメージだそうです。なるほど。。。


今の時代「手しごとによるモノづくり」は好きでなければできません。そして製作できる環境が整うかどうかが難しいところです。孝先生がおっしゃるところの、<好きなことができる(つくれる)つくり手の作品>を着ることができたら、きもの好きとしてもより幸せだと思います。(「あんたはどこまでも前向きやな~」っとおっしゃってくださいましたが…^^;)
自分が着てみたいものは数限りなくたくさんありますが、そのすべてを購入することはできませんので、せめてその作品が、もとめられている誰かの眼に届くようにつながったら良いなと思っています。どんなに良いものも滞っていたら次の作品づくりにつながりませんし、それではこの先つくられていない…という事になりかねませんので。良いものが伝承していくことを願って「きものカンタービレ♪」をつづけていますドキドキ

「3人の手しごと展」それぞれの素材選びから個性が溢れる魅力的な作品展です。おすすめ!


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太物って何? 太物サミット at 宮崎市民プラザ その① / 2016年5月 宮崎の旅 その2

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みやざきエクスプレスに乗船! きものでカーフェリー / 2016年5月 宮崎の旅 その1 のつづき(^-^)/

G7伊勢志摩2016年サミットの翌日、宮崎では「第1回 太物サミット」が開催されましたヾ(@°▽°@)ノ G7のサミットと時期がかぶったのは偶然だそう。私は関西からフェリーで当日の朝現地入りしましたが、前日は大韓航空機のエンジン出火で羽田空港の滑走路が閉鎖される事態となり、欠航や遅延が相次いで、東京からの人は大変だったようです。


太物サミットの会場は宮崎市民プラザ。宮崎港からバスで30分くらいだったでしょうか。この日はあいにくの大雨でした。しかし<太物>を語るには、この雨はじつは悪くない…と思っておりました。


そもそも「太物」って何でしょうか。<布の歴史のおさらい>
※サミットでは語られていないので朝香沙都子の見解です。

かつて庶民にとって絹織物は特別なものでした。絹の中で紬は庶民が着ても良しとされたのは、長い繊維が取れない屑繭を農閑期に時間をかけて糸にしたからです。当時は時間にかかる賃金はカウントされていません。※これが現代との大きな違いで、今は時間がかかる手紡ぎの紬は高価格です。


多くの庶民にとっての日常着は、古代は野山に自生する植物(藤、楮、葛、シナノキなど)から繊維を取り出して布を織り、麻(大麻、苧麻)の栽培がされようになると麻織物でした。<布>は麻織物の代名詞となりました。


江戸時代になり国産木綿の栽培に成功すると一気に綿織物が普及します。この頃の綿花は和棉といわれている短繊維。短繊維を手紡ぎすると糸は太くなります。太い糸で織ると地厚で織り目も粗くなることから綿織物のことを「太物」というようになりました。綿織物は他の植物のように績むのではなく紡いで糸にします。そして染色もしやすい。さらに柔らかくて保温性が高く摩擦に強く丈夫であることから庶民の日常のきものとして定着しました。明治になると産業革命から長繊維の木綿の紡績糸が生産されるようになると和棉は減少の一途を辿ることになり、今では希少品となっています。
絹織物を扱うところは「呉服商」、綿織物、麻織物、毛織物を扱うところは「太物商」といわれたことから、その名残りもあり広義の意味で絹織物以外の反物を「太物」というようになります。絹糸と比べると糸が太いことから反物の巻きが太くなることからでもあったようです。

水洗いができること、絹にはない、野趣あふれる素材や素朴な風合い、絣や縞の魅力もあるとことが太物の魅力です。量産できるものは低価格帯であるのも日常着として重要。和棉や原始布、上布など希少性の高いものは高級な日常着となっています。


今の時代は身分格差がありませんので、庶民でも日常から絹織物を着ます。そしてきものを着ることが多くの人にとっての特別なオシャレになると、太物を着る人は激減してしまいました…。

しかしここ数年の傾向ですが、きものを日常で楽しむ人がでてきました。すると「水で洗えるきものを着たい」という利便性を重視するきものユーザーが増えてきたのです。夏ものの麻織物の小千谷縮をはじめとして、単衣として季節を問わない木綿のきものも着る人が多くなりました。

一度無くなりかけたものというのは、後継者がいません。なので太物をつくっているところは産地でもたった1件というレッドリストとなっているところがとても多いのです。そして扱っている呉服屋さんもあまりないのが現状です。すると日本全国で同じようなきものを求めている人は同じようなところに集まります。

今回の太物サミットは宮崎にある1件の呉服屋さんの発案ではじまりました。「染織こだま」さんです。もともとはごく一般的な呉服屋さんで、太物専門というわけでもなかったそうなのですが、現在の社長である児玉健作さんが日常にきものを着るようになってから太物を多く扱うようになったのだそうです。

そして「もっと自然に多くの人にきものを楽しんでほしい」という熱い想いからの太物サミットの開催だったかと思います。


つづきます(^-^)/

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太物サミットでの装い 太物サミット その② / 2016年5月 宮崎の旅 その3

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太物って何? 太物サミット at 宮崎市民プラザ その① / 2016年5月 宮崎の旅 その2 のつづき(^-^)/

太物サミット当日の宮崎はザンザン降りの大雨でした。太物である綿や麻の利点は、水に強く縮まない摩擦にも強いということ。雨だからといって着ることを諦めることがないきもの、それが太物です。なので太物サミットの日が雨でもそう悪くはないのです。

今では太物は先染め(糸を染めてから織る)ものが主流となっていますが、後染め(白生地に織りあげてから染める)の小紋タイプもあります。私的には、雨の日でも心置きなく着ることができる木綿のきもので後染めのオシャレなものをつくってほしい~と思っていますので、ぜひ、つくり手の方や着物業界の方にも知っていただきたい!と藍の型染めの木綿きものを選びました。

正藍型染師の田中昭夫さんが理想とする藍染め木綿のために、木綿の源流の産地といわれる三河岡崎の機屋さんと相談してつくったという、半紡績の神谷木綿は真綿紬のように柔らかい。 和棉だけではないようですが、和棉のような風合いです。身体にどっしりと沿いますがその落ち感が着心地が良いのです。そして藍染めが清々しく気持ちが良い~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

【5月28日の装い】宮崎◇大雨(湿度92%、土砂降りでした) / 最低気温19℃ 最高気温23℃

田中昭夫の藍染めの神谷木綿にぬぬパナの前津雪絵の絹×苧麻の八重山交布(ぐんぼう)の六寸帯をコーディネート。袖口をみると浸染による藍染めだということがおわかりになるかと思います。手にしているのは東京からいらしたきもの好きの方のロボホン。お利口でびっくり@@;

旅には便利なカルタ結びにしています。六寸帯なのでもっと大きくすることもできるのですが、コンパクトにまとめました。太物サミットの参加者のカルタ結び率は高かったです!3分の1ぐらいでしょうか?

帯〆の代わりにフランス製のアンティークリボン、帯留は瀬底島のびんがた工房べにきちの髪留

リボンはしごき帯のようにわざと長くしています。


エキシビジョン•太物スタイルズと太物サミットの様子へつづきます(^-^)/

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歌舞伎鑑賞の装い 鳥づくしコーデ♪ / 葦に水鳥の付けさげ小紋に鴛鴦のすくい織袋帯

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六月大歌舞伎の千秋楽前日に歌舞伎座へ♪

六月大歌舞伎は「義経千本桜」の三部制となっています。

第一部の「碇知盛」を鑑賞目
市川右近丈のご長男、武田タケルくんの初お目見得だったのです~ヾ(@°▽°@)ノ

「碇知盛」の安徳天皇役を演じられました。動く市松人形のよう可愛い~(〃∇〃)ラブラブ 滑舌もよく長台詞もスラスラと。この先も楽しみな役者さんになりそうですね♪
記念のキャンディーを頂戴しました。お名前と祝水引そして歌舞伎座の定式幕がデザインされていますguruguruame☆いちご

「碇知盛」は超定番人気演目ですが、高麗屋×沢瀉屋バージョン、なかなか良かったです!細部までがとっても丁寧。平家の品格と哀切がビシビシ伝わってきました。そして目が釘づけになったのは、「時鳥花散里」の白拍子帚木の春猿丈、何て美しいのでしょう~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:恋の矢


【6月25日の装い】東京◇雨のち曇り(湿度62%、ジメジメ) / 最低気温22℃ 最高気温29℃

義経千本桜にちなんで桜、碇知盛にちなんで碇、平家にちなんで蝶、渡海屋にちなんで魚尽くし…。知盛の銀の白糸縅にちなんで鎧縅、銀平のアッツシの長着にあわせてアイヌ文様もありかなあ…。などとちなみ柄をいろいろと妄想。結局、今回は魚尽くしならぬ鳥尽くしにしてみました。(なので、ちなみ柄ではない)

葦に水鳥文様の単衣の付けさげ小紋に鴛鴦文様のすくい織の袋帯をコーディネート。

すみれ庵の西岡万紀さんから譲っていただいた、こちらの鴛鴦の帯。袋帯だったことを失念していて、朝方着つけに焦りました(^_^;)

すくい織で表現された鴛鴦の羽が味があって良い感じなのです~ドキドキ

バッグは松枝忍の古布コラージュバッグ、雨傘はHANWAYの24本富士絹クラシクス

ぞうりは菱屋カレンブロッソ。


水鳥に鴛鴦に雀と鳥尽くしの装いです。

毎日の楽しみだった燕の子どもたち。

最後にみた燕たちは巣からはみだしていました(^_^;)

そしてとうとう燕は巣だって行きました~。毎朝の楽しみがなくたって淋しいですが、無事に巣立って良かった良かった。

つづきます(^-^)/

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東京の下町巡り かっぱ橋道具街 〜 浅草寺へ

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歌舞伎座の後は下町巡り。海外在住の方々に便乗してはじめてやってきました!

かっぱ橋道具街へ♪

厨房用具から包丁や食器など何でも揃う問屋街。写真撮影はNGのところも多いので要注意。

かっぱ橋といわれ河童がシンボルですが、合羽橋。


海外で大絶賛されるという日本の食品サンプル

素材も活き活きしてみえます。こちらはすべて日本でつくられています。

焼きカレイがスマートフォンケースになっていました(=◇=;) バッグの中で探しやすそう!?


帆布でつくられた洒落た鞄屋さん。

この街には、きものに合いそうな割烹着や前掛けも揃っています。



浅草寺へ♪
東京での日本らしい観光名所。いつも大変な混雑ですが、夕方だったこともあってゆったり歩けました。

藤棚ではミストがあって涼めます。

浅草寺のおみくじは凶が多い…という話になり、試しに引いてみることに。

アタタタ…これはよろしくない。。。ということで、引き直して吉。じつは浅草寺の戦略だったりして(^_^;)


浅草といえば、むぎとろ。夜の懐石をいただきました割り箸

夏はビアガーデンもありますビール

スカイツリーの夜景。


海外からの観光客が増えつづけている日本。この先は日本人よりも日本通の外国人が多くなるかもしれませんね(・_・;)


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久留米絣 量産型と重要無形文化財指定条件 / 縞に花柄絣の夏久留米絣に染谷唯の熱帯魚の紅型の夏帯

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水で洗えて丈夫な木綿のきもの。普段着として着るのにとても実用的ですが、絹と比べると暑いのが難点です。久留米絣の夏バージョンの夏久留米絣は肌への接触面を少なくすることによって春先から初夏向きにつくられています。こちらは、量産型のお手頃価格帯の久留米絣です。


「お安いものは偽物ですか…?」と聞かれることがありますが、どこの産地でも時代によって効率化されたモノづくりがされていきます。産業革命以降、機械化によって量産化されていき、産業革命前の手仕事の技によるもののいくつかは、文化財保護法に基づいて重要無形文化財に指定されています。さらにややこしいのですが、重要無形文化財の技の指定条件と経済産業省による伝統的工芸品の指定条件は異なります。

なので、化学染料や力織機で織ったものだから、偽物というわけではありません。久留米絣の場合は、重要無形文化財や伝統的産業品の指定条件を満たし昔ながらのつくり方を伝承しているものと、生産効率をあげて実現した手頃な価格帯でつくられているものがあるということです。

「本物か偽物かではなく」て、「売り手がその違いをきちんと把握し、消費者に伝えることができているのか?」ということが重要かとおもいます。

残念ながら、きもの業界の方でも理解していない人が多いように見受けられます。ファッションとして着ているきものエンドユーザーが理解しなければならない理由はありませんが、知らないことにつけこむ(もしくは自分も知らないから曖昧となる)きもの業界の方がいらっしゃるのが現状です。

現代ではどうしても高価格帯になってしまう昔ながらの手仕事によるものが、量産型のものと混在して扱われ、売れなくなりつくられなくなってしまう…、という状況を少しでも打破できるように、日々学び、それぞれの特性を理解して、きものエンドユーザーの視点から解析し、情報を発信しています。

●重要無形文化財の指定条件は満たしていない、お手頃価格の久留米絣●
これは夏久留米絣です。夏久留米絣ならではの織りの工夫の具体的なところは未確認。これから調べます。
久留米絣は水洗いができ丈夫ですので普段きものとして着るのに適しています。重要無形文化財の指定条件を満たしているような高価格帯のものを日常に着つづけることは中々難しいので、効率化され量産化されたものがあるというのは、きもの生活をしている私にとって有り難い。絣つくりや織りは機械化されているところがあるとはいえ多くは熟練の技をつかった人の手でつくられています。


●久留米絣の歴史●
江戸後期に井上伝という13歳の少女が、着古した藍染めのきものが白い斑文になっていることに興味をもち、その布をほどいたところ、糸が藍色に白の斑になっていることから、藍色と白の斑の糸で織りあげることを思いついたと伝えられています。後に東芝の創始者である田中久重(当時15歳)の協力によって板を彫って糸を挟んで模様をだす絣の板締め方法を考案し絣を織りだすことに成功します。これらは雪降り、霰織などといわれたのだそう。後に有馬藩の御用絵師であった大蔵太蔵による緯線台の考案から生まれた「絵台」の発明によって世界に類のない絵絣がつくられるようになりました。

明治時代、産業革命以降の生産の効率化により他地域に先駆けて機械化され量産されるようになり普段着のきものとして大きく発展していきました。現在も重要無形文化財の指定条件を満たしている手づくりのものと機械化され化学染料で染められているものまであります。

●久留米絣の重要無形文化財の技の指定条件●
①手括りによる絣糸をつかっていること ②純正天然藍による糸染め ③投杼の手織り織機で織ること

●久留米絣の伝統的工芸品の指定条件●
•先染めの平織り •絣糸は経糸及び緯糸、もしくは緯糸につかうこと •緯糸の打ち込みは投杼もしくは踏木による飛杼 この3つの技がつかわれている絣織であること。絣糸の染色法は括りか織締め。木綿糸。

こちらは、重要無形文化財指定条件の技を満たしている松枝哲哉先生の久留米絣
松枝哲哉先生の講座「絣を創る」のレポはこちら☆


【6月27日の装い】東京◇晴れ(湿度51%、暑くてジメジメ…) / 最低気温21℃ 最高気温30℃

縞に花柄絣の夏久留米絣に染谷唯の熱帯魚の紅型の夏帯をコーディネート

丹後の小林染工房の丹後ブルーの暈しの帯あげに龍工房のレースの帯〆

古布コラージュのバッグは松枝忍、小林染工房の丹後ブルーのしけ引き花緒の菱屋カレンブロッソ


日傘は綾の手紬染織工房の藍染め


う~ん…、縞のきものはやっぱり似合わない気がする…。

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サマーウールのきもの / 西陣ポーラの井桁に水雲の絣に腰原英吾の洋傘の染め帯

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梅雨寒でしょうか、今日は涼しい~♪

【6月29日の装い】東京◇雨のち曇り(湿度82%) / 最低気温19°C 最高気温24°C

西陣ポーラといわれるサマーウールに袖を通しました。
オーストラリア産のウールに絹糸を螺旋状に巻きつけた壁糸仕様の糸で織られています。壁上布のようなシャリ感はありますが、ウールですので、気温は25°Cぐらいがベスト。
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腰原きもの工房の腰原英吾さんの洋傘文様の絽塩瀬の染め帯をコーディネート
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雨の日も気持ちが明るくなる帯なのです♪
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今日はこちらへ。レポは後日に~。
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