名水点と茶箱のお稽古
茶箱のお点前は楽しい♪ 理路整然としていてきちんと収まるのが好みなのです。
主菓子でいただいた、仙太郎のカボス寒天は竹筒に入って見た目も涼やか~
数奇屋袋は和更紗作家の橋本文子さんのチャンティン染め、古帛紗は鵜飼い、懐紙入れは麻のものを。
チャンティンとは松から取った蠟をつかって染めるロウケツ染めの手描きの技法。
元はインドネシアのバティックを染めるときにつかわれる竹製のロウ引きの道具のことで
インドネシア語で柄杓の意味があります。
お稽古の後はこちらに向かいましたヾ(@°▽°@)ノ
【7月22日の装い】東京◇晴れ(湿度48% 熱風が吹いていました) / 最低気温25℃ 最高気温34℃
青地に小花絞りの絽小紋に龍村美術織物の鉄線の絽綴帯をコーディネート
絽縮緬の帯あげも実は鉄線文様なのですが、帯あげの文様は見えないので自己満足。
透明感のある藤色の帯〆は龍工房。この帯〆の色、好きなのですがありそうでない
観劇の装いは、演目や役者にちなんだ柄にすることが多いのですが、今回は…鉄線の花の帯です。
小紋にあわせるバッグは小さめのほうがエレガントで素敵だと思っていますが、筋書きを入れたり
することを考えると、このぐらいのトートバッグのほうが重宝してしまいますね(^_^;)
こちらは松枝忍の古布デコパージュのトート。
感動いまだ覚めやらず…。
「阿弖流為」の観劇レポは別記事で(^-^)/
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お茶のお稽古後の観劇の装い / 青地に小花の絞り絽小紋に龍村美術織物の鉄線の絽綴帯
「阿弖流為 〜歌舞伎NEXT〜」at 新橋演舞場
すごいものを見てしまいました……:*:・( ̄∀ ̄)・:*:……
新橋演舞場にて上演中の「阿弖流為」の観劇へ(~27日まで)
この舞台、市川染五郎が、20年以上前に読んだ石ノ森章太郎の「マンガ日本の歴史」の
中の阿弖流為の処刑に涙する坂上田村麻呂の1コマから「男と男のドラマがあったのでは?」と
想像の翼を広げて、「いつか歌舞伎にしたい!」と長年に渡って構想を抱いていたのだそう。
2002年に劇団☆新感線の舞台「アテルイ」で染五郎主演で上演されています。
※私は子どもの頃、小学館版「マンガ日本の歴史」で同じ場面を読んでやはり印象深く記憶にあります。
染五郎の念願かなっての「阿弖流為」歌舞伎化!
歌舞伎NEXTと謳われている通り、歌舞伎の新時代の幕開けです。
スピーカーから流れる大音量と照明、そして舞台を花道を、歌舞伎役者が走る走る走る。
しかし、その中で歌舞伎の様式美がしっかりと生きています。
スピード感がある舞台だからこそ、古典的な様式美がより際立つこともあるのか!
とっても新鮮で驚きました。劇中で「それが性だ」という台詞がありましたが、さもありん。
ハイスピードな展開、ときには冗談とツッコミ、観客を全く飽きさせない。
歌舞伎役者の気質と空気感が醸しだすズッシリとした重厚感で、さらに物語の根底に有る
深いものをわかりやすく親しみやすく見せています。
古典歌舞伎ではありませんので、内容のネタバレは避け、ざっくりと感想をφ(.. )
歌舞伎の舞台ではわからなかった役者の個々の魅力が溢れています。
違う世界を知る演出の方の力量もあるのでしょうか、素晴らしかったです。
歌舞伎では見られない殺陣の立回りの機敏さに度肝を抜かれました。
そして歌舞伎で耳慣れた付けと七五調、それに現代語が融合したことが相乗効果。
七之助の立烏帽子の立回り、裾がひろがるのが美しく、カッコいい!!!
風のように花道を駈けていき、また現れる、眼が離せませんでした。
そして何より同じ姿を持ちながら三役?の個性の演じ分けが見事。
剣のたつ立烏帽子、可憐な鈴鹿、そして正体を明かし語る所の声と気迫にゾクッとしました。
怒り、哀しみ、愛憎が溢れでて舞台から客席を覆いこみ、会場がスゴイ空気になっていました。
舞台ならでは、勘九郎が亀蔵の面を剥がす時に、なんと鬘までとってしまうハプニングが発生。
「ハゲじゃないかー!」とアドリブで突っ込んで客席をわかせてました!
そしてカーテンコールでは勘九郎が自ら鬘をとって羽二重頭姿で亀蔵に土下座で平謝り…(^_^;)
観客1人1人に入場する時に、こんなリストバンドが渡されました。
どういうシステムなのか謎ですが、エンディングで一斉に光りだしました\(゜□゜)/
カーテンコールでも光ったので、一斉にスイッチが入るようになっているのでしょうか。
最後はスタンディングで拍手喝采
幕間のお食事は7月公演限定の「阿弖流為御前」を。2階の雪月花で
まめぶ汁という岩手の郷土料理の胡桃餡入りのお吸い物がいただきたかったのです。
知らなかったら甘くて吃驚したと思います。どれも美味でございました♪
鮭を立烏帽子が切り刻むパントマイムが美味しそうだったので、鮭があれば尚良かった(・_・;)
席は花道と桟敷の間の最前列。スピーカーのど真ん前だったでので、はじまってから気がつき
しまった!これはダメかも…と危惧したのですが、舞台の勢いに引込まれ、杞憂でございました。
花道外側は役者さんを至近距離で見ることができますが、後姿でも表情が見えるかのよう。
放つオーラがスゴイ。
そして本来の歌舞伎とは違って花道のスッポンのつかい方が頻繁で面白く間近でみることが
できてラッキーでした♪
染五郎の汗が飛んできそうな臨場感ある席で、両刃の剣にドキドキしっぱなし(≧▽≦)
阿弖流為は高橋克彦の小説で脚光を浴びましたが、歴史上の史料はほとんどない人物。
ゆえにドラマもつくりやすいように思います。
自然を尊び生きた人と律令国家による統一を目指した人、善であり悪となり、悪であり善ともなる
というような、勧善懲悪ではないけれど、そういうことか…と思わせるこの脚本が素晴らしかった!
7月は見逃せない歌舞伎が目白押しでしたので、どうしようか悩んだのですが、
歌舞伎NEXT、見て良かった☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
おすすめです!
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力士の廻し(締め込み)を織る工房へ / おび弘の長浜の山門工場へ
相撲は神事であり、日本の国技。そこには今も伝承されつづけている染織があります。
行司装束はもちろんですが、土俵にあがった力士がただひとつ纏うもの「廻し」です。
本場所の取組で締める廻しのことを「締め込み」といいます。
「うちの工房では今も締め込みを手織りで織っています」と京都のおび弘さんよりお聞きし、
ぜひ織っているところを見せていただきたい!とお願いしておりました。
締め込みは千秋楽が終わってから後援会から問屋さんを通じて注文が入り、そこから糸を染めて、
次の場所までに一気に織られるのものだそう。
千秋楽が終わらないと次の注文が入るかどうかはわからない…とのことだったのですが、
5月場所の千秋楽後に注文が入ったとご連絡をいただき、6月の初旬、染めあがった糸を持って
工房へ向かうというおび弘さんに同行させていただきました♪
その工房は琵琶湖近くの長浜にあります。
じゃ~ん
これが、これが締め込みを織る織機です。機屋(はたや)といわれます。大きい\(゜□゜)/
締め込みを織ることができる機屋が残っていることころがないそうで、現在の締め込みは
ほとんどが力織機で織られています。
こちらは手織りで織られる締め込みの唯一の工房です。
織っていらっしゃるのは中川正直さん。
経糸は何と、3万本
筬の羽に細い経糸が2本通っている繻子羽二重なので15000本×2。
緯糸は4種類の糸を21本撚りあわせたものがつかわれます。
1種類だとその糸の癖で柔らかすぎたり固すぎたりしてしまうのだそうです。
柔らかいもの、コシがあるもの、細い糸、太い糸など、糸質の違う糸のあわせ方によって
締め込みの固さと弾力を調整するのとのこと←力士によって好みがあるそう
どんなに技を凝らしても布は糸で決まる「糸正直」という言葉があると、葛布の村井龍彦先生が
おっしゃっていましたが、取組を左右する締め込みにも糸のこだわりが生きていました!
筬打をする框(かまち)は約40kg( ̄□ ̄;)!!
1人が織るには30分で4寸(約12cm)が限界で、2人1組の4人交代制で織られるのだそう。
気温や湿度で打ち込みの加減を調整し手織りならではの風合いと弾力をつくりだしています。
締め込みの巾は2尺(約76cm)。通常の巾の倍くらいあります。
長さは大体20尺といわれますが、力士の腰回りで違うそうです。約7m~10mぐらいだそう。
はじめて目にする機屋に興味津々で眼を輝かせていると…、「やってみますか?」と
中川さんに機屋に座らせていただきました。
急なことだったので、襷掛けもしていないのですが…(+_+)
踏み木を足で踏み経糸綜絖をあげます。
経糸綜絖があがった状態。
この框の手前の経糸と経糸の間に緯糸の杼を通します。
巾が広いので杼を投げるものの届かきません(>_<)
なかなかうまくいかないのですが、貴重な機会をいただいたので真剣(-_-
40kgの框は手前に引きよせるのも至難の業
私の力では打ち込めず…、この紐で補助して框を引っ張るようになっていました。
これが2人体制になるのですね。
織りあがった締め込みは女性が手を触れることは許されません。
これはすでに織りあがった締め込みをだした後、次に織る締め込みを繋ぐまでの試し織り部分。
織り手にはかつては女性の方もいらしたそうです。
この金色の2本線があるものが、こちらで織られたもの。
締め込みの試し織り地をいただきました~ヾ(@°▽°@)ノ
締め込みは締めてしまうとこの金の線が隠れてしまうことが多いようで、自分の手持ちの写真で
ハッキリわかったのは、稀勢の里でした。
いつも行司ばかりを撮影しているので、力士の取組の写真がほとんどないのですが、9月場所は
廻し姿に注目したいと思います! ←力士のお尻ばかり撮影することになりそうですが(^_^;)
そして、こちらの工房には締め込みの機だけでなく、おび弘の帯が織られています。
これがまた貴重だった!
記事を改めてご紹介します(^-^)/
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台北に残る日本統治時代の建造物 中華民国総督府 / 2015年GW 台湾の旅 その20
台北喜来登大飯店(シェラトン グランデ 台北) / 2015年GW 台湾の旅 その19 のつづき(^-^)/
中華民国総督府。台湾(中華民国)の国家元首が執務を行なう官邸です。
今回は見学は申し込んでいなかったので外観のみ。
毎月第二日曜日は見学自由の開放日となっていて、中での写真撮影も可能なのだそう。
日本総督府時代の台湾総督府庁舎がそのままつかわれています。
ちなみに台湾総督府の初代長官は元薩摩藩士の樺山資紀。白州正子の祖父に当たる方。
庁舎は1919年(大正8年)に完成。日本銀行の建築をした長野宇平治による設計。
長野宇平治が建築に関わった日本橋にある日本銀行は空から見ると「円」になっています。
台湾総督府庁庁舎は日本の「日」
ライトアップされるとさらにまた美しい~♪
※朝香沙都子が写り込んでいない総督府の写真はWikipedia commomsより
後ほど「2015年GW 台湾の旅」のまとめリンクをつくります。
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亜麻、苧麻、大麻の違い / 大麻の糸績みワークショップ at ナチュラル&ハーモニックプランツ
ナチュラル&ハーモニック プランツ主催 ヘンプフェア(~8月10日まで)
大麻博物館館長による大麻の糸績みワークショップへ♪
大麻博物館高安淳一館長と
後に見えているのは盂蘭盆会の門火でもつかう苧殻(おがら)です。
日本では「麻」という言葉が、亜麻(リネン)、苧麻(ラミー)、大麻(ヘンプ)、黄麻(ジュード)などの
草の皮から繊維を採る靭皮繊維の総称としてつかわれていることにより、まぎらわしい状況です。
アマ科の亜麻(英名はリネン)今日本で流通している麻製品はほぼ機械紡績糸のリネンです。
亜麻はもともと日本で栽培されていない植物でしたが明治期に北海道にて栽培されるようになります。
イラクサ科の苧麻(英名はラミー)。機械紡績糸もラミーといわれるのでさらに混乱します。
苧麻は「からむし」ともいわれ、上布といわれる麻布の材料となるものです。
アサ科の大麻(英名はヘンプ)。現在は主に海外産機械紡績糸のことをヘンプといいます。
今の日本で「大麻」というと、え…っ( ̄□ ̄;)!!!?と聞いてはいけないもののような反応をされますが、
古来から日本で栽培されてきた大麻草は麻薬成分をほとんど含まず、戦前までは、漁網や釣り糸、
自家用の衣類や縄などにもつくられつかわれていました。
日本人にとっての大麻は、古の時代から神仏事に欠かせないものであり、布といえば麻であった時代、
大麻は生活とともにあったと考えられます。
盂蘭盆会の送り火と迎え火につかう苧殻(おがら)は大麻草の茎です。
第二次世界大戦終戦後GHQの指示によって禁止され、現在では大麻栽培は許可制のみ。
大麻は戦争中の重要な軍事物資であったため、(アメリカでは大麻農家は徴兵免除の例あり)
日本に戦争をさせないための政策として大麻栽培を禁止したのだそうです。
大麻は1年草のため、1年以上種まきがされないと次の発芽が難しい。
そこで一部の農家に大麻の栽培を許可することになりました。大麻取締法の成り立ちだそうです。
大麻は成長が早いので、麻の葉文様は子供の成長を願う文様としてつかわれ、学校校歌や校章にも
よくみられます。麻の葉文様はこの大麻からきています。
手績み大麻糸で織られた裃
彦根藩が将軍家への献上品としていたといわれる琵琶湖湖東地域でつくられた高宮布。
経糸緯糸ともに大麻糸。苧麻の上布のように上質の糸がつかわれています。
これは高宮布でつくられた幼児用の一つ身のきもの。
背縫いのない一つ身のきものには「背守り」がついていました。
魔は背から入るといわれ、背縫いのない一つ身のきものには背守りがつけられます。
大麻布のきもの、お借りして羽織らせていただきました。
苧麻や芭蕉のきものはヒンヤリしますが、大麻はホッコリする感じでしょうか…。
糸績みのワークショップは別記事にて(^-^)/
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大麻の糸績みワークショップ at ナチュラル&ハーモニックプランツ
ナチュラル&ハーモニック プランツ主催 ヘンプフェア(~8月10日まで)
大麻博物館館長による大麻の糸績みワークショップへ♪
自然布は糸績みに天地が重要となります。
ややこしいのですが、天地の地が頭(根っ子)、天が尻尾(葉のほう)です。
この写真の大麻草の繊維、奥が頭、手前が尻尾。
天と地をつないでいくことによって、繊維の中にある空洞がつながり、生きていた植物の
状態を保つことになるのだそう。逆らうと繊維が毛羽立ってしまうので要注意です。
糸績みは撚りをかけます。大麻の糸績みは反時計回り。S撚りです。縄ないと同じです。
日本では天に向かって行くものは時計回り(神社の注連縄、凧糸、横綱の注連縄)、
身につけるものにつかう糸、実用品の縄(ロープ)は反時計回りなのだそう。
ネジを緩めるときは反時計回り、締める時は時計回りなので、つい逆にしがちなのですが、
これは工業規格で決められているものです。
鉄砲伝来のときにネジの構造を刀鍛冶が理解したと伝わっていますが、もしかしてそれから…?
私、右左の感覚が通常から苦手なので…、理屈を理解するまでまったく進みません(@@;
まずはゴム糸で練習 これがわかりやすい(°∀°)b
左の指で交点を抑えながら、右の指で上と下の糸を手前に向かって撚りをかけていきます。
右手親指を手前に引いていく感じ。
さらに左手で同じ方向に撚りをかけると撚りがかかり、指を離しても撚りが戻りません。
大麻糸でやってみましょう♪
ビニール紐がついていたところがはじまりです。頭(根っ子)です。
繊維を辿っていくと分岐点があるので、そこに新しい繊維の地を口にくわえ唾液で濡らし先端を整え
足して、上二本、下二本の状態に
左の指で交点を抑えながら、右の指で上と下の糸を手前に向かって撚りをかけていきます。
さらに合わせて同じ方向に左の指で撚りをかけます。
右の指で撚りをかけたときに左の指に振動が伝わってくるのですが、そこがポイント。
こんな感じになります。
糸を績んだら紡錘車で撚りをかけます。
水で糸を濡らし整えて
反時計回りに回転させます。
苧殻に巻き付けました♪ なぜか玉糸のように節がある^^;
「北から南 日本の自然布展」のときにも大麻糸の糸績みをちょっとだけさせていただきました。
中々身体にしみついてくれないのですが…。懲りずに諦めず、チャレンジ。
「北から南 日本の自然布展」のレクチャーレポも追々あげていきます♪
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PR: Jeep (R) RENEGADE 今秋デビュー
市川右近さんの楽屋訪問 七月大歌舞伎千秋楽 at 歌舞伎座
七月大歌舞伎が千秋楽を迎えました。
今月は国立劇場、新橋演舞場、歌舞伎座とどれも見逃せないものばかり。
充実の歌舞伎鑑賞の月となりましたヾ(@°▽°@)ノ
昼の部の幕間に楽屋訪問させていただきましたヾ(@°▽°@)ノ
歌舞伎座の楽屋は広く、はじめて2階があることも知りました。
市川右近さんと
さっきまで、芳流閣で馬簾のついた四天の衣裳を纏い大立ち回りを演じていた方が目の前に
いらっしゃるのが不思議な感覚:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
「さ、一緒にお写真撮りましょう!」と気さくにお声がけくださいました。
犬飼現八のお化粧の右近さんとのお写真、嬉しい
ブログへのお写真掲載もどうぞどうぞ!とのこと。お気遣いくださり感謝いたします。
この日は千秋楽ということもあって、たくさんの方の楽屋訪問があったにも関わらず、
貴重なお時間をありがとうございましたm(_ _ )m
お美しい奥さまにお目にかかれたもの嬉しかったです♪
歌舞伎鑑賞の装いと演目の感想は別記事であげます(^-^)/
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七月大歌舞伎千秋楽 と 歌舞伎座五右衛門階段 / 千總の鷺草の絽小紋にアンティークの刺繍帯
歌舞伎座ビルにある五右衛門階段。久しぶりに来ました~♪
千秋楽の観劇の装いは千總の鷺草の絽小紋にアンティーク刺繍の帯です。
とくに演目にも役者にもちなんでいないのですが、歌舞伎座という重厚感ある場所にあいそうな装い。
瓦葺き屋根の瓦には歌舞伎座の紋である鳳凰丸紋がかたどられた瓦が並んでいますが、
その中で一つだけ鳳凰の首の向きが逆になっている逆さ鳳凰があります。
これを見つけると幸せになるとか…?
七月大歌舞伎の昼の部は、この瓦葺きの屋根のような大舞台で幕が開きました
●南総里見八犬伝「芳流閣の場」「圓山塚の場」
斜めの屋根での獅童の犬塚信乃と右近の犬飼現八の大立回り。
屋根の手前が垂直にあがる<がんどう返し>
そして圓山塚での八犬士の<だんまり>、梅玉の犬山道節の<飛び六方>と見どころたっぷり。
朝一にはこれぐらいテンションが高い演目が向いてるかも♪
●与話情浮名横櫛(よわなさけきなのよこぐし)
玉三郎のお富みさんと海老蔵の与三郎。美男美女コンビ。
海老蔵の声は少々苦手なのですが、お富さんに一目惚れして落とす羽織のつかい方は巧い。
そして舞台から客席通路を歩く演出もあって客席が盛りあがる。
そして…、これが凄かった( ゚-゚)( ゚ロ゚)(( ロ゚)゚((( ロ)~゚ ゚
●蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
猿之助の演じる土蜘蛛は早変わりで6変化を見せるのですが、舞台のどこから登場するのかドキドキ。
常磐津長唄囃子連中がズラリと並ぶ中、繰り広げられる舞踊に目が釘づけ(+_+)
赤いきものを着た童が黒御簾内にプールの飛び込みのように飛び込んで消えたり、しゃらん~♪という
音で花道から来ると思ったらいつの間にか舞台に立っていた座頭亀市は吸い込まれるように火鉢に
消えたり…、人の動きとは思えない。。。そして何度もあったイナバウアーのような反り。
蜘蛛の糸も惜しみなく投げられて、見応えある舞台でしたヾ(@°▽°@)ノ
猿之助丈って凄い!!!っと改めて。ガラスの仮面の北島マヤのよう←例えが変ですが
お席は10列目ど真ん中。舞台をまんべんなく見渡せました。
そして…、客席の雰囲気がビンビンと伝わってくる…!
昼の部終演後は歌舞伎をみた!という充足感が会場中に満ちあふれていました:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
終演後は五右衛門階段を抜けて4階ギャラリーへ
歌舞伎俳優のパネル展示と以前の歌舞伎座の模型があります。
日本文化の伝承は難しい局面にきていますが、歌舞伎の世界は着実に若い世代が育っています。
これからもますます楽しみですね♪
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きものを涼しく着るために。暑さ対策アレコレ。
「涼しそうに着ていらっしゃいますが暑くないのですか…?」とよく聞かれますが、
正直に申しあげれば、暑いです…(・_・;)
ですが、暑いのは洋装でも同じだと思います。
この季節になると、<暑さ対策>のご質問をたくさんいただきますので、まとめますφ(.. )
●日常のきもの下着は、木綿の晒し+ユニクロのメンズステテコ
上半身は補正を兼ねて晒しでグルグル、下半身はステテコというスタイルに長襦袢を着ています。
肩こり症の私はできるだけ、肩の辺りはスッキリさせたいので、肌襦袢も着ません。
「丁か半か!」の博打打ちの姉さんスタイルといったわおわかりになるでしょうか…?
菊五郎丈の奥さまである富司純子さんの当たり役であったような…と調べてみたら、
「緋牡丹博徒」という任侠映画の人気シリーズでした。検索してみてくださいませ。
そして<晒し+ステテコスタイル>は姉さんというよりも、博徒の男性そのものでした( ̄□ ̄;)!!
ゆえに女性らしさと欠片もございませんので、ご了承くださいませ。
晒しとは巾34cm×長さ10mぐらいの薄地の木綿の布。
1反(約10m)を3等分してつかいます。左胸のあたりから脇に挟みつつグルグルと巻きます。
私は背中が凹んでいて胸があるので、汗取りを兼ねて背中にはタオルか麻布巾を入れて
寸胴体型になるように調整します。ちなみに冬場は圧力包帯をつかっています。
「晒しはどこに売っていますか?」というご質問もいただきました。
Amazonからも購入できます。(何種類かありました)
晒(さらし)・長さ10m・日本製/1反/特上規格の綿100%の晒
ユニクロのエアリズムの男性用ステテコは足さばきが良く快適。おススメです
ウエストはさすがに大きいのでちょこっと縫い止めるとよいです。
●きものを着る前にサウナで汗を流す
これは時間に余裕があるときに限られるのですが、朝サウナで一度汗を流してからきものを
着ると、汗が抑えられます。ただし脱水症状にならないように水分は補給してください。
気のせいかもしれませんが、朝サウナで汗を流すと日中の汗はシミになりにくい気がします。
●下着類は冷蔵庫で冷やす+シャツクールをつかう
下着類は冷蔵庫に入れて冷やしておきます。
主成分のI-メントールが汗を伝って冷たさを感じさせるというスプレーを下着や長襦袢にスプレー。
汗ばむとヒンヤリ~してきます。冷感の持続性は2時間弱ぐらいでしょうか。
●着つけするときは、部屋をガンガンに冷やす、時間に余裕を持って焦らない
きものは着てしまうと意外と涼しいのです。ですが着付けをするときは汗をかきやすい。
着装前から汗をかくとその後もずーっと不快感がつづいてしまうので、ここが肝心
●ポケットタイプのタオルハンカチに保冷剤を入れて持ち歩く
保冷剤はビニールコーティングのものよりも和紙のようなもので包まれたもののほうが、
水滴がつかず便利です。実は背中に入れていることもあります。
●ひんやり日焼け止めをつかう
最近は色んなものが開発されていますが、こちらも優れもの。
泡状の日焼け止めですがメントールが入っています。
きもの用のものとなると、ちょっとしたものも高価格帯になって売られてしまう傾向があるような…。
きもの用として売られているものでなく、日常的につかわれているものを上手く取り入れるというのも
きものを身近にする大切なポイントだと思います。
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不忍池の蓮 〜 道明 〜韻松亭 / 杉山織物のオーガニックラミーの小千谷縮に風鈴の染め帯
「蓮は泥より出て泥に染まらず」北宋の儒学者 周滋叔の言葉です。
炎天下の中ですが、上野の不忍池にて蓮の花を鑑賞
今が最盛期とのことでしたが、今年は今ひとつのような…。
湯島から弁天島を通って上野公園へと向かいます。
蓮の花は朝に咲くので、午前中の鑑賞がおすすめ。
葉が生茂っていて花が埋もれてしまいあまり見えませんでした…(・_・;)
蓮の池には大きな亀がたくさん。甲羅干しをしていましたが、干涸びてしまいそうで心配…
【7月31日の装い】東京◇晴れ(湿度50%、熱風がムンムン) / 最低気温26℃ 最高気温35℃
小千谷の杉山織物のオーガニックラミーの小千谷縮に季節の風鈴の染め帯をコーディネート
風鈴には、朝顔、向日葵、金魚、花火など夏の風物詩が描かれています。
昨年の越後三産地合同発表会で選んだ、杉山織物のトスコのオーガニックラミーの糸を
つかった小千谷縮。経糸と緯糸の暈かしで不思議な立体感をだしています。
オーガニック何とかと謳われるものをすべて良しとしているわけではありませんが、
環境に優しいということは良いことですし、遺伝子組み換えのものをつかっていない、
生産履歴追跡が可能であるという利点があるのは良いように思います。
何よりも、糸が固すぎず肌触りが良かったです。
蓮鑑賞の前は、有職組紐の道明さんへ。
帯〆がズラリ~
今回は帯〆でなくこちらを選びました♪
龍村の裂地に道明の組紐をつかった香袋
西岡万紀さんが帯飾りにつかっていらっしゃるのを見て、素敵~♪と思っていたのです。
脇から見た着姿は意外と目立つもの。そこにチラッと添えたい。
ちょうだいした和三盆のお干菓子には道明の印が入ってました。
ランチは上野公園にある韻松亭
夏の室礼が素敵でした♪
普段は飲まないのですが…(アルコールに弱い)、真夏の生ビールのはじめの一口は至福に感じる。
油断すると袖から長襦袢が見えてしまうのが麻の難点^^;
しかし肌を露出せず風を通してくれる麻のきものは夏の衣服として優れものだと思います。
暑いのは洋装でも同じこと。ならば見た目にも涼しげなきものが良いですね♪
この後は、東京国立博物館へと向かいました。
記事を改めます~。
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呉服商「大彦」の小袖コレクション at 東京国立博物館 本館特別室
東京国立博物館本館にて開催中の呉服商「大彦」の小袖コレクションへ (~8月2日まで)
呉服商「大彦」は当時友禅といえば京都だった時代1875年(明治8年)に大黒屋初代、野口彦兵衛
が東京にて創業。
様々な染色技術の研究を行い独自の意匠で、京友禅に劣らない東京友禅をつくりだしました。
あまりにも芸術性の高すぎるその作品は、観賞用として世界中にコレクターがいるといわれています。
野口彦兵衛には功造と真造という息子がおり、次男の真造が「大彦」を継ぎ、長男の功造は「大羊居」を創業。その後、功造は子に恵まれず、真造の娘が養女となって「大羊居」を継いだそうです。
現在の「大彦」は新しいものをつくっていないため残念なことに新作をみることはできません。
「大彦」の三代目野口彦太郎の夏の訪問着の装い
大彦はきものの原型である江戸時代の小袖を数多く蒐集しました。
文明開化後の明治時代には江戸時代の小袖は歴史的美術的価値を見出されることが無いままに
古着として売り買いされていたのだそうです。その中で呉服商のコレクションは貴重。
大彦コレクションは震災と戦争で数が減ってしまったといわれていますが、残ったものが昭和40年代
に東京国立博物館の所蔵となりました。
現在も常設展で度々展示されていることや、資料としてつかわれることが多いこともあり、
美しいキモノなどでお馴染みの作品がズラリ。
「帷子 白麻地風景模様」
茶屋染といわれる帷子(麻の単衣)の代表的なもの
茶屋辻の茶屋とは茶屋染という江戸初期(寛文)の頃に開発された模様染めの技法のことであり、
辻とは帷子のこと。中級武家の女性に好まれた夏の正装のきものです。
大奥の衣服制度にも取り込まれ、中臈以下が着用。ちなみに御台所や御簾中が着用したのは本辻。
明治維新後、庶民にも格の高いきものとして受け入れられ、茶屋辻に染め上げられていた模様そのもの
を「茶屋辻」というようになりました。
麻地に藍染めを主として部分的に薄黄色が入ったもので、水辺の風景に橋や蛇籠、草花、
家屋が総模様で描かれています。昔はこの家屋が茶屋なのかと思っておりました(^_^;)
「小袖 薄黄縮緬地縞島取梅枝模様」
この縞は織りでなく友禅の技法で描かれています
この縞は織りでなく友禅の技法で描かれています。
大彦コレクションでは、友禅のことを「友禅」ではなく「加賀染」と表記しているのも特徴。
糸目糊置きをつかったものが友禅の技ですが、この謂れは諸説あります。
私的には、随所にみられる大彦の着物オタク的なこだわりが、大彦の作品に反映されているところ
に強く魅かれているのかもしれません。
「振袖 白綸子地鶴亀松竹梅模様」
段熨斗目に意匠が配置されています。
魅かれたのは、正面から描かれた蓑亀
「小袖 白綸子地遠山帆船東屋模様」
雲や遠山模様というと薄暈しになっているものが多いですが、これは輪郭を刺繍し際立たせています。
コレクションの中には、インド更紗や彦根更紗も。
大彦の意匠は古典的なものより、オリエンタルなものが多いのですが、こういったものから影響を
受けているのかもしれません。
「彩色雛形九重錦」
現存する最古の彩色雛形本。青井南ト筆。天明4年。
雛形とは、いわば江戸時代の美しいキモノのようなもの。きものの見本帳でありファッション誌です。
古典的な意匠はそれを生かす技があれば何時の時代でも素晴らしい衣裳となります。
問題はそれを生かす技があるか、体現できるだけのもの(時間だったり予算だったり)があるか、
ということになるようにも思いますが…、大彦が今はなくなってしまったということが、
本当に残念でなりません…。
東京国立博物館の常設展は東京国立博物館所蔵のものに限って一般の撮影が許可されています。
今回は、広報室に事前許可をいただき、撮影ときものカンタービレ♪への掲載許可をいただいております。
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藍色の琉球壁上布にべにきちのブーゲンビリアの紅型の麻の染め帯
外気の暑さと室内の冷房の温度差についていけず…、ダウンしました(x_x;)
【8月1日の装い】東京◇晴れ(湿度55%) / 最低気温26℃ 最高気温36℃
藍色の琉球壁上布にべにきちのブーゲンビリアの紅型の麻の染め帯をコーディネート
夏になると大活躍する琉球壁上布。
上布といわれますが、絹織物。なのでシワになりにくく熱に強いのでアイロンもかけられます。
経糸は諸撚り糸、緯糸に壁糸がつかわれます。壁糸とは強い下撚り(1400~2000回)をかけた糸
と撚りをかけていない細い糸を引き揃えて上撚り(900~1600回)を下撚りと反対にかけた糸。
下撚りのかかった太い糸は撚りが戻って伸び、撚りのかかっていない細い糸は撚りが増えて縮む、
これによって細い糸に太い糸が波状にからみつくという状態となります。
この壁糸を緯糸にすると、凹凸ができシャリ感のある布が生まれるのです。
八重山上布の裂地でつくられたシーサーの帯飾り。
中には石垣島の塩が入っています。
美しいキモノアカデミーへφ(.. )
婦人画報は創刊から110周年を迎えました。
戦争中も休刊すること無く発刊しつづけたということで、表紙をみると零戦に搭乗している女性も。
ちなみに戦時中は「戦時女性」という名で発行されていたこともあります。
今でこそ「婦人画報」はコンサバティブな雑誌とされていますが、当時は前衛的でもあったようです。
女性誌は各時代の女性を反映しつづけているので興味深いです。
美しいキモノアカデミーのレポートは改めます(^-^)/
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染織家 笠原博司先生のお話 &自分でできる汗抜き講座 at 美しいキモノアカデミー
第8回 美しいキモノアカデミーへφ(.. )
1時限目は染織家の笠原博司先生のお話
笠原先生のお話は「つくる」の起源から。
展示されていたこれらのモノは何だろう…?
ネパールでバターをつくるときにつかわれる「グルロ」というものだそうです。
道具を道具だけにしない、それは工芸の始まりである。民芸はそれに近い。
自然、祈り、遊びから、人が人として培ってきた文化である。
笠原先生はこのグルロのコレクターでいらっしゃるそうです。
そもそも、笠原先生が染織の道にはいったのは、ある1台の織機に出会い、これを動かしてみたい!っと
思ったのがキッカケなのだそう。当初のお話に納得。なるほどー。
茜、蘇芳、ハンノキの植物染料と化学染料の併用で染められた「阿国」
現代的というよりも今様の小袖としてつくられたそう。
動きによって光が反射して色が変わって見える綾織り。
美しいキモノアカデミーでは、休憩時間に両口屋是清さんの生菓子がいただけます♪
「荒磯」と銘された、黒糖の味がしっかりした葛菓子でした。
2時限目は「自分でできる汗抜き」の実技講座。
皮脂汚れ、ファンデーションのしみ抜きの実演。
摩擦によるスレを起こさないようにするためには、ベンジンをたっぷりつかいます。
タオルにベンジンを含ませ吹いた後に、乾いたタオルで拭きとるだけで落ちるものもありますが、
落ちきれなかったものは棕櫚のブラシで掃くように。
汗抜きの実演。
板にタオルを巻いたものを肩口にいれていました。
板に巻いたタオルと長襦袢の汗がある箇所に霧吹きで水をかけます。
あとは拭き取って乾かすだけ…。
自分でもやってみましょう♪
長襦袢持参でとの通達だったのですが、私の場合は夏の長襦袢は水洗いしてしまうので、
自己責任ということで、きものの汗抜きをすることに。
霧吹きで汗をかいた箇所に水をかけ濡らして、乾いたタオルで拭き取るだけということなのです。
この時に、経糸にそって拭くというのがポイント。
ビシャビシャになるまで水をかけて拭き取り、仕上げ。
簡単なことなのですが、輪ジミになったりすることもあるので、慣れないと難しいですね。
ですが、毎回この汗抜きをしておくだけで、あとはシーズン後にお手入れにだせば大丈夫です。
衿にファンデーションがついていたので、ベンジンをお借りして自分で落としました。
本来は油性系の汚れを落としてから水性系の汚れ落としの汗抜きをします。
絽の小紋は汗抜きやシミ落としもある程度までは自分でもできますが、絽縮緬や本塩沢など、
強撚糸をつかったものは躊躇します。
要は仕上げの問題でやることは同じ…ということなのですが、さすがに勇気がいりますね^^;
ただの丸洗い(仕立てあがったきものの状態でのドライクリーニング)では、汗は落ちません。
後々の黄変の要因になるので、着終わったら、自分で汗抜きをしましょうとのこと。
ただし、自分でできる範囲はここまで。
今回の講義をされた、やま忠さんでは、汗抜き剤を噴霧して丸洗いすることによって、
汗抜きと丸洗いができるそうです。
簡単な皮脂汚れと汗抜きまでは自分でやって、シーズンが終わったらプロに依頼。
20年毎に洗い張りし、仕立て替えが良いとのお話でした。
※撮影及びきものカンタービレ♪への掲載の許可を美しいキモノ編集部よりいただいております。
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姫路白なめし革細工の蓮に水辺の生き物文様のお財布
しかし、お土産物屋さんでみる伝統工芸品の多くは、工芸品としての技と素材には魅かれるものの、
デザインが野暮ったかったり、形がつかいにくかったり、惜しい!と思うことばかり…。
でも中にはこんな素敵なものもあるのです♪
兵庫県の指定伝統工芸品「姫路白なめし革細工」のお財布。
姫路地方で生産される植物油による牛革のなめし革は染色や漂白をしていない白色で、
陽にあたるとさらに白くなるという特徴があるのだそうです。
この真っ白な革に型を押して一筆ずつ彩色が施されているのが「姫革」といわれる工芸品です。
何だかよくわからない生物もいますが…^^;
蓮の季節にはいいですよね♪
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バンジョー柄の琉球壁上布にぬぬパナの前津雪絵の琉球絣の交織帯
きものと帯、どちらも琉球絣の幾何学文様。
カクカクして難しいかしらん…と思ったのですが、柄の大きさと余白に違いがあったので、
上手くまとまりました
番匠(バンジョー)柄の琉球壁上布にぬぬぬパナパナの前津雪絵の交織の帯をコーディネート。
日傘はべにきち、ヨットに金魚と犬の古布デコパージュのバッグは松枝忍、ぞうりはカレンブロッソ。
帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房、根付紐は藤岡組紐、ガラスの根付は海馬ガラス
つくり手の前津雪絵さんと
経糸と緯糸の素材が違う、交織(ぐんぼう)の帯です。八重山地方では自家用に織られていました。
経糸は生繭座繰り生糸と節糸、緯糸は生繭座繰り生糸と節糸、そして手績みの苧麻糸。
苧麻糸は中太い糸は石垣産、極細の糸は中国産です。
ぬぬぬパナパナのスペック表示は素晴らしい!
水色は八重山木藍(インド藍)通称ナンバンコマツナギの生葉染め、
茶色はクバデーザー(モモタマナ)の薄色はアルカリ媒染、濃色は鉄媒染。
ブーメランのような絣はツミカタ(爪)、大きな十字はキタハジリ(枠外れ)でもカジマヤー(風車)、
いずでも変形…?。おおらかな枠に魚が泳いでいるような動きがあって気に入っています。
この大柄と小柄の絣の組み合わせと交織の糸づかいがこの作品の魅力ですね~♪
「織りの海道」の絣文様集には、まったく同じものはありませんでした。
この帯はお仕立てによって前柄とお太鼓にどちらの絣をだすかによって印象が変わります
ちなみにつくり手の前津さんはどっちでもいいように織られたのだそう。
前柄はスッキリさせたほうが、コーディネートが楽しめそうとの判断でこちらを前柄にしました。
ぬぬパナの展示ではこちらをお太鼓柄にしておりました。
同じものが2本あったのですが、もう1本をお仕立てされた方はどうされたかしらん。
帯のお仕立ては、ぬぬパナ経由でカクマさんにお願いいたしました。
きものの仕立てと比べると、あまりこだわらずにお任せしてしまうことが多いのですが、
帯の仕立ては寸法によって柄の出方が変わったり、芯によって締めにくかったり…。
帯が締めにくいとその帯はほとんどつかわない状態だったりします。←あるある
芯の色は帯に白色と生成り色の芯を入れてみた状態の写真を送っていただき、照らし合わせて
選びました。白地のほうがパキッとして絣の色が美しかったので、白地に決定。
とても行き届いた対応でした。ありがとうございましたm(_ _ )m
また来年の「ぬぬぬパナパナ」も楽しみです~(〃∇〃)♪
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こんなに暑くてもきもの…?
東京都心部では統計を取りはじめてから最も長い連続の猛暑日がつづいております…
アスファルトに覆われたヒートアイランド…。
街中を歩くと日傘をさしてもサングラスをしても、照り返しでクラクラ(@@;
「こんなに暑い中でも、きものですか?」とご質問をいただきますが、きものです。
「暑くてもきものでエライですね…」といわれることもございますが、好きで着ているだけであって、
偉くも何ともございません。
暑いのはお洋服でも同じことだと思います。
肌を覆い隠し風を通してくれる夏のきものは、夏の陽射し対策には良いのです。
そしてガンガンに冷えた室内の冷房対策にもなります。
きもの生活に慣れてしまった身としましては、なにより靴で歩くことが苦痛となってしまい…、
歩きやすさを考えての選択肢がきものとなります。
なので、海にも山にもきもので行きます。
とは申しましても、本格的に泳ぐなら水着+タオル地ウエアですし、
もしも登山をするなら(しませんけど)登山用の装いをしますので、
これはある程度まで車などで行ける、あくまでもドライブの延長ぐらいでのお話です。
美容院には浴衣で。シャンプー台では文庫結びの帯をクルリと前にまわします。
洋装でお出掛けするのは、着脱にスペースと時間を要する病院での診察、
スポーツとしてのクレー射撃ぐらいでしょうか。
問題となるのは、汗をかいたときのメンテナンス。
長襦袢は洗濯機で水洗いできるものを、きものは着終わったら汗抜きをしています。
これはもう生活習慣となっていることなので…。
慣れてしまえば、洋装よりもきもの生活が楽になるという、ただそれだけのお話です。
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この画に会いたかった! 河鍋暁斎「蟹の綱渡り図」at 三菱一号館美術館
「画鬼 暁斎 ~幕末明治のスター絵師と弟子コンドル~」が三菱一号館美術館にて開催中(~9月6日まで)
この展覧会を待ち望んでおりました (とくに後期展示)
なぜなら、この戯画に会いたかったから。
河鍋暁斎「蟹の綱渡り図」
私お気に入りの麻の染め帯は実はこの戯画を模写したものなのです。感動のご対面。
河鍋暁斎は幕末から明治にかけて活躍した絵師。たくさんの戯画や風刺画が残されています。
この帯をつくったのはもう10年ぐらい前かと思いますが、当時は暁斎についてあまり知らず、
暁斎といったら国芳の弟子で、オドロオドロしい妖怪や蛙や蛇のグロテスクな画の印象を勝手に
抱いておりました。纏や扇子を持ったり三味線を弾くユーモラスな蟹に魅かれて、この帯を
つくったのですが、この画が暁斎の手によるものだと知ったのは、実は後のことです。
帯には綱は描かれていないので「綱渡り」している蟹がどれかわかりませんが、
原画をみて、この蟹だったのか~と判明!
さて、三菱一号館美術館で「河鍋暁斎展」が開かれたのには訳があるのですが、
展覧会の内覧会レポは別記事でまとめますφ(.. )
後期展示に内覧会があって良かった!
※美術館内での撮影及び掲載は主催者から許可をいただいております。
この画に出会え帯とのツーショット?写真が撮れた喜びから、この日のコーディネートを先にお届けします。
【8月6日の装い】東京◇晴れ(7日連続の猛暑日、湿度58%) / 最低気温27℃ 最高気温36℃
クヮンカキー(環掛)カサビグムー(重ね雲)の琉球絣の琉球壁上布に河鍋暁斎の「蟹の綱渡り」の染め帯
絽の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房、根付紐は藤岡組紐、ガラスの小鳥は海馬ガラス
日傘は大井川葛布の葛布の紫鉱染のパラソル。
バッグも蟹にしてみました♪
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きものと8という数字
8という数字は末広がりで縁起が良いとされていますが、きものとのご縁も深い。
きものの最大の特徴、それは形が決まっていることです。
●1反の反物を8枚に裁ち縫い合わせる●
身頃×2、衽×2、袖×2、衿、共衿
●袷の裏につける八掛は8カ所●
裾の前身頃、後身頃
衽の上前、下前
衿先の上前、下前
袖口の左右
●女性と子供のきものには風が通る通気口は8ヶ所●
首周り、袖口の左右、身八つ口の左右、振りの左右、裾周り
形が決まっていることから、きものには洋装のような形による流行はありません。
だからこそ、絵画を纏うような装い、季節感のある装いを楽しみたいと思っています♪
末広がりにちなんで、写真は昨年の夏、中村時蔵丈の投扇興の会より。
今日は立秋、旧暦では秋の始まりです。
記録的な連日の猛暑つづきでまだまだ暑いですが、少しは和らいでくれるといいですね。
8月8日8時に更新♪
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瑠璃色の琉球壁上布にべにきちの南国の鳥尽くし「木立」の紅型帯
立秋を迎え、少しだけ過ごしやすくなりました。
先週の金曜日、記録的な猛暑8日目のコーディネートです。
【8月7日の装い】横浜◇晴れ(湿度49%、記録的猛暑日) / 最低気温27℃ 最高気温36℃
瑠璃色の琉球壁上布にべにきちの南国の鳥尽くし「木立」の紅型染め帯をコーディネート
格子に琉球絣の壁上布。上布と名前がついていますが、壁糸をつかった絹織物。
なのでシワになりにくく熱に強いのでアイロンもかけられます。
経糸は諸撚り糸、緯糸に壁糸がつかわれます。壁糸とは強い下撚り(1400~2000回)をかけた糸
と撚りをかけていない細い糸を引き揃えて上撚り(900~1600回)を下撚りと反対にかけた糸。
下撚りのかかった太い糸は撚りが戻って伸び、撚りのかかっていない細い糸は撚りが増えて縮む、
これによって細い糸に太い糸が波状にからみつくという状態となります。
この壁糸を緯糸にすると、凹凸ができシャリ感のある布が生まれるのです。
沖縄瀬底島にある紅型工房べにきちの「木立」と銘された麻の紅型帯。
アカショウビン、アカヒゲ、サンコウチョウ、リュウキュウキンバト、メジロ、キビタキ、
と南国の鳥たちが染められている鳥好きの私にはモロに好みの意匠です(〃∇〃)
虫が苦手なので、虫の部分は極薄く染めていただき、ヘゴの葉の色調をおさえていただいたことで、
鳥の存在感がまして、奥行きがあるものになりました♪
帯あげは渡敬、帯〆は龍工房、根付紐は藤岡組紐、ガラスの小鳥は海馬ガラス
日傘は大井川葛布の葛布の生成り色パラソル。
持ち手はエゴノキの白木でつくっていただいたお誂えバージョンです♪
バッグは松枝忍の古布デコパージュ、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
この日は型絵染めの遠藤あけみ先生の工房へ♪
織りの作家さんは猫、染めの作家さんは犬を飼っているイメージだったのですが、遠藤先生のところは
アビシニアンのソマリの美猫を飼っていらっしゃいました。可愛い~(≧▽≦)
工房見学にお伺いしたわけは後日~。
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