「画鬼•暁斎 ~幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」展が三菱一号館美術館にて開催中(~9月6日まで)
河鍋暁斎「蟹の綱渡り図」と帯の話はこちら
この画に会いたかった! 河鍋暁斎「蟹の綱渡り図」at 三菱一号館美術館
幕末から明治に「画鬼」と称され大活躍した絵師、河鍋暁斎(かわなべきょうさい)。
6歳のときに浮世絵師の歌川国芳の門戸を叩き、後に狩野派で学び、他の流派の技法を取り入れ、
浮世絵、大和絵、錦絵、風刺画、春画、幽霊画、戯画とあらゆるジャンルを描いています。
河鍋暁斎といったら、こういった妖怪的なものを描く絵師といった印象が強かった
猫又と狸とか…。怪しげな動物達。
一番魅かれたのは、現在はメトロポリタン美術館所蔵となっている暁斎の晩年の作品群。
元となった下絵も展示されていて照らし合わせてみることができます。
蛙を捕まえる猫の表情は妖気が漂ってるのですが、蛙は何だかユーモラスな表情。
ダイナミックな筆致!
「月に狼図」は狼が生々しい生首を咥えているのですが、暁斎は9歳の時に神田川から拾った生首を
写生したといわれています。
蛙を眺める美女
蛙をアップにしたらこれがまた面白い。表装の一文字は蝶。
「18歳以上は大人といっしょに」という春画のコーナーが薄い黒幕の向こうにありました。
何も無かったらスルーしちゃいそうなのですが、囲われてるのでかえって入りにくいという(・_・;)
さて、暁斎が注目を集めたキッカケとなったのは、1881年(明治14年)第2回内国勧業博覧会に
出品した「枯木寒鴉図」に暁斎自ら100円という高価格とつけたことからだそうです。
ちなみにこの画は榮太郎飴の初代の方がお買い上げ現在も榮太郎飴総本舗所蔵。
この内国勧業博覧会の会場はジョサイア•コンドルによる設計の上野博物館。※関東大震災で焼失
コンドルは日本建築に多大な功績を残していますが、それと共に日本美術愛好家であり、暁斎の
弟子でもありました。博覧会で暁斎の作品をみたのが出会いではないか、とのこと。
コンドルが描いた「河鍋暁斎」
コンドルのスケッチブックも公開されていました。
コンドルといったら、鹿鳴館。鹿鳴館の階段と壁紙も展示されています。
そして、この展覧会の会場である三菱一号館美術館もコンドルによる設計。
元の建物は1894年(明治27年)に建てられ1968年(昭和43年)に解体されてしまいますが、
丸の内最初のオフィスビルだったそうです。2010年に三菱一号館美術館として復興されました。
ゆえに、暁斎とコンドルの師弟愛がテーマの展覧会となったのだそうです。
こういった企画って本当に面白い!
この展覧会は内覧会以外でも撮影できるスポットが用意されていました。
こういった試みは他の美術館もやって欲しい~。
コンドル先生と記念写真
巨大な猫の出現に驚いてみた((((((ノ゚⊿゚)ノ
内覧会の後には、ブリックススクエアにある京おばんざいお茶屋bar豆まるさんへ
「画鬼•暁斎展」コラボメニューの蛙の琥珀寄せ。
赤煉瓦で遊ぶ暁斎の蛙がイメージされています♪
暁斎の魅力たっぷりのこの展覧会。
おすすめです
ああ、暁斎の画のモチーフの帯、またつくってもらいたいなあ~っと、妄想が広がる広がる…。
※展覧会場での撮影及び掲載は内覧会で主催者より許可をいただいたものです。
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「画鬼•暁斎 〜幕末明治のスター絵師と弟子コンドル〜」at 三菱一号館美術館
WAKOの星に牡丹唐草刺繍の二枚張りレースの日傘と樋口工芸社の雪輪文様小千谷縮に地球に白熊の絽帯
素敵な日傘をみつけました…(〃∇〃)
閉じて良し、射して良しです
チュールレースの二枚張りの日傘
星と牡丹唐草が刺繍されています。
内側からみた透け感が涼しい感じ
銀座WAKOのオリジナル日傘です♪
WAKOオリジナルものはどれも丁寧につくられていて感覚も好み
【8月11日の装い】東京◇晴れ(湿度49%、どんより猛暑) / 最低気温25℃ 最高気温36℃
この猛暑でもお気に入りの日傘があると、ちょっと歩きたくなってしまう♪
小千谷縮に絽の染め帯をコーディネート
小千谷縮作家の樋口隆司先生にお誂えをお願いした雪輪文様の小千谷縮。
只今発売中の美しいキモノ2015夏号の連載でご紹介しているものです。
星空の下、地球に横たわる白熊が可愛い
メダカが泳ぐ紗の帯あげは加藤萬、レースの帯締めは龍工房
紗の裂地に燕のデコパージュされた籠トートバッグは松枝忍
ぞうりは菱屋カレンブロッソ
日傘の星の刺繍と帯の星空がリンク
雪輪に白熊文様、素材は透け感のあるもの。
見た目だけでも涼しさをお届けコーディネートでした。
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きもので旅行におすすめ♪ グローブトロッター
オフィス街は人も少なくタクシー移動も道はスムーズ。夏休みなのですね
お問い合わせいただくことが多い、グローブトロッターのスーツケースについて。
何度か書いていることですが、抜粋してまとめますφ(.. )
象が乗っても壊れないといわれる頑丈さと軽量さに定評あるグローブトロッター。
特有のヴァルカンファイバーという紙素材の質感がきものにあいます。
汚れやすい色ではありますが、アイボリーのサファリがお気に入り♪
21インチトロリーケースは国際線のエコノミークラスでも持ち込み可能サイズ。
JAL、ANA、KLM、英国航空、オーストリア航空では大丈夫でしたが、ルフトハンザではキャリー部分
が持ち込みサイズ規定外ということで預けるようにいわれたことがあります。(結果持ち込めました)
グローブトロッターの良い所はトランクの中に余分な仕切りや物入れなどの段差がないこと。
キャリー付きも外付けです。ゆえにルフトハンザのように規定外とされる場合もあります。
三つ畳にしたきものがピッタリと収まるサイズですので、きもので旅行される方におすすめです
中身が動かないようにきっちり収納すればアイロン掛けの心配がありません。
18インチは国内線でも持ち込み可能。ただし機種によっては持ちこめません。
奄美大島~鹿児島では泣く泣く手荷物預かりにしました。
きものは袖畳みでピッタリ収まるサイズです。1泊2日~3泊4日の旅用。
自分で持ち歩くことを考えるとバランス的には18インチぐらいにとどめておきたいところです。
千總の創業460周年を記念しグローブトロッターとコラボレーションが発表されたタイプ。
外装は漆が塗られ内装は千總の京友禅で描かれた鶴。こちらは受注生産のみだそうです。
今までのコラボのものはボッテリした京友禅で旅の軽快さにあわないような気がして
シンプルなタイプを選んでいましたが、鳥の意匠というのは羽ばたく感じが良いですね♪
ヨーロッパの空港はスーツケースをラップでパッキングしてくれるシステムがあります。
これだと安心して手荷物預かりに預けられます。成田や羽田でも導入して欲しい~。
ですが海外旅行でのロストバゲージやディレイトバゲージはよくあることですので、
トランジットがある場合はきものが入った荷物は機内持ち込みになるようにしております。
宅急便の梱包記事は別記事で^^/
良い旅になりますように~♪
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竺仙の青海波に千鳥文様の綿絽の長板中形に西村織物の紗献上の帯
油断しました…。
朝方に雨が降り涼しいかと思い綿絽の長板中形をきものとして着ましたが、湿度が高く蒸し蒸し
目的地についたときには汗だくになってしまい、不快感がずっとつづくことに…(-"-;
綿絽は絽目があるので透け感を抑える意味でも、長襦袢を着てきものとして着ることになるのですが、
涼しげにはみえるものの、着ているととても暑いです。
風が抜けてくれない…、熱がこもってしまう感じがします。
麻や絹の壁上布や絽のきものは、やっぱりずっと涼しい~。
【8月13日の装い】東京◇雨のち曇り(湿度72%) / 最低気温25℃ 最高気温31℃
竺仙の青海波に千鳥文様の綿絽の長板中形に西村織物の紗献上の帯をコーディネート
長板中形に紗献上の帯という装いに、日傘とバッグで甘さをプラスしてみました♪
紗の帯あげは加藤萬、レースの帯〆は龍工房、根付紐は藤岡組紐、ガラスの根付は海馬ガラス
晴雨兼用の日傘はHANWAY 、バッグはRADLEYのシグネチャーシリーズ
どちらもパッチワークでテイストが似ています。
丹後の小林染工房さんが釣った烏賊を食する会へ。
美しい丹後の白烏賊!釣りたての急速冷凍ものはたっぱり違う。
小林さん~、美味しかったです(≧▽≦)!!!
そしてガラス作家はインド料理だけでなく烏賊料理も上手い:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
ありがとうございました。来年もぜひ♪ ←他力本願
丹後流の烏賊の食べ方。生卵が入っているとご飯がすすみすぎる…。
皆さま持ちよりの手料理もとっても美味しくいただきました~♪
私はスイカのケーキを持参いたしましたが、六本木から目的地まで迷子になり、あっちかな、
こっちかな、と迷っているうちに、ケーキがグシャグシャに( ̄□ ̄;)!!
〆がこのケーキで申し訳なかった…(^_^;)
さて旅の荷造りしなくっちゃ(@@;
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信州@なう
諏訪湖花火大会@なう
カモシカに遭遇!
PR: 関係あるかも!知っておきたい「相続税」の今-政府広報
杉山織物のオーガニックラミーの小千谷縮に墨描きの鵜の麻帯
第67回諏訪湖祭湖上花火大会 / 2015年 諏訪湖花火大会レポ
国内最大の花火大会である、諏訪湖祭湖上花火大会へ
1949年(昭和24年)の開催から毎年8月15日に開催され今年で第67回を迎えました。
終戦の日でもあるこの日の諏訪湖花火大会の打ち上げ数は、何と4万発!
隅田川花火大会、長岡花火大会でも2万発なので規模の大きさがおわかりいただけるでしょうか。
しかし、打上げ数が多すぎるゆえか、雨雲を呼び込んで?記録的な大雨に見舞われたり、
煙に覆われて雷雲の向こうでドンパチが行なわれている状態だったり…(・_・;)
記録的な大雨で開催中止となった2013年の諏訪湖祭湖上花火大会
諏訪湖上の桟橋に取り残される大惨事となったのですが、花火をみるならここがベストポイント!
今年はホテル紅やの所有するマリーナの桟橋先端の指定席での鑑賞です。
諏訪湖上の桟橋ほぼ先端の席でしたヾ(@°▽°@)ノ
花火の打ち上げ台がある初島からとても近い指定席。
目の前の頭上には2kmに及ぶナイアガラの導線がみえます。
毎年8月15日は人口5万人の諏訪の街が50万人の人でいっぱいとなり、すべての交通網が麻痺します。
なので指定席であっても余裕をもって会場入りしました。
有料観覧席は色々ですが、入場ゲートが決められていて開門前からゲート前に並んで良い席を
とるケースが一般的。テントや日傘で日除け対策されているみたいですね。
諏訪湖上なので日蔭はありませんが、夕方の湖上をわたる風は心地よい~。
そう、この風と風向きが花火大会の良し悪しを決めるのです!今年は良い感じに風がある。
銀座伊勢由の雀文様の藍染めの絹紅梅に西村織物の紗献上の博多帯をコーディネート
この日の諏訪湖周辺は屋台でギッシリ
じつは屋台のものを食べたことが、今までの人生でほとんどないのですが…^^;
シャーピン餅、ドネルケバブ、牛タン焼といただきました♪
わりと早めの時間に買っておかないと美味しそうなお店は大行列となります。
山々に囲まれる諏訪湖の夕景
心地よい風にあたりつつ生ビール♪
今年はお天気だったので日も長くまだ薄明るい中はじまりました!
第67回諏訪湖祭湖上花火大会の開幕です
スターマインがドンドンあがります
3年連続鑑賞しましたが、3度目にしてようやくお天気に恵まれましたヾ(@^▽^@)ノ
湖畔の対岸の灯りと花火
そして盆地ならではの花火の大饗音\(゜□゜)/
周囲を山々に囲まれた諏訪湖はフライパンの底のようなもので破裂音と音の余韻が大迫力。
フライパンで炒られる豆になったような心地でした( ̄□ ̄;)!!
新作花火もつぎつぎとあがりました♪
湖面に写る花火も美しい
花火の写真は難しい…。カメラの花火モードよりもオートで撮ったほうがまだマシでした。
諏訪湖花火大会の名物、半円状にあがる花火
スターウオーズのテーマ曲の大音響と共にドンドン湖畔に近づいてくるのです。
着火すると逃げてくる船がみえます\(゜□゜)/
最後は近過ぎて火の粉も降ってきました
地響きもすごい( ̄□ ̄;)!!
そしてここは桟橋なので揺れます(^_^;)
このキッスオブファイアは臨場感を楽しみたかったら桟橋で、美しさを堪能したかったらホテルの
観覧席からの鑑賞がおすすめです。
そして、メインのナイアガラ大瀑布
湖上2kmに渡って花火の滝が流れます
これがみたかったのです~ヾ(@^▽^@)ノ
頭上を煙が流れていくので滝の中にいるみたい
諏訪湖の花火大会のクライマックスです♪
臨場感が伝わりましたでしょうか
諏訪湖周辺は通行止めになっていて交通規制が解除されるのは23時です。
周辺各駅も23時ごろまではごった返します。
ホテルの観覧席の良い所は花火の後もしばらくはロビーを開放してくださっているところ。
こういったサービスがありがたいですね♪
そして、この花火大会のためにさまざまな臨時列車が上諏訪駅に集まっています。
花火鑑賞が目的でない全国から電車オタクの皆さまが集まる機会でもあるそうです(^_-)☆
念願叶ってのお天気!そして最高の席での花火鑑賞となりました♪
諏訪湖の花火…、素晴らしかったです:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
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竺仙の白地に鉄線唐草文様の注染綿コーマ地浴衣
去りゆく夏の風物詩 諏訪湖の灯籠流し
諏訪湖祭湖上花火大会の翌日、その会場とは対岸となる天竜川の釜口水門付近で、
灯籠流しが行なわれ、2000発の花火があがります。
日が落ちると舟から一つづつ諏訪湖へと灯籠が落とされていきます。
灯籠流しとは、お盆に帰ってきた死者の魂を現世からあの世に送り出す行事のひとつ。
京都の大文字が山の送り火、こちらは湖の送り火。
湖上に浮かぶ灯りが幻想的で美しく、暮れ逝く夏を惜しむかのような風物詩です。
供養の読経が朗々と響く中を流れる灯籠の揺らめきが何とも風情があります:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
前日の花火大会と違ってあまり人出もなく、風情を楽しむ穴場だったのですが…
みておわかりのように、今年はどうしたことか、ものすごい人出…\(゜□゜)/
諏訪湖対岸の街の灯りと湖上に揺らめく灯籠、そして天空には花火
ああ、日本の夏だなあ~。
人は多かったのですが、灯籠の数は例年よりも少ないように感じました。
水の流れよりも風が強く、灯籠が沖に流されてしまったので、さらに少ない印象。
有松絞りの張正の雪花絞りの浴衣に西村織物の紗献上の博多帯をコーディネート。
張正さんでお仕立てをお願いしたら、あまり裂地で巾着バッグをつくってくださいました♪
塩嶺王城スカイラインからみた諏訪湖。
中央高速道路の岡谷ジャンクションの先が灯籠流しがある釜口水門です。
この日の日中は、岡谷近代産業遺産群巡りをしました♪
レポートは後ほど(^-^)/
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美しいキモノ 2015年秋号 vol.253 本日発売!
美しいキモノ 2015年秋号が本日発売です
きものカンタービレ誌上連載「つくり手の思いと技を着るお誂え」
江戸小紋の両面染めを生かしたお誂えとして「KOMON HIROSE」の日傘をご紹介しています。
傘を閉じたときは竹、傘をさすと雀が飛んでいる。
江戸小紋といっても様々ですが、色の微妙な機微にこだわりをもち現代の感覚に沿ったモノづくりを
されている廣瀬染工場の4代目廣瀬雄一先生にお願いしました♪
日傘の制作は前原光栄商店。その発注先である京都の小野内商店へ工房見学に伺いました。
小野内商店の小野内香織さんは、私も出演した美の壺file314「光を装う日傘」のその3の方なのです!
このご縁をとっても嬉しく思っております♪
日傘の制作工程は誌上ではご紹介しきれませんでしたので、折りをみてレポートさせていただきます。
次世代につなぐ日本の染めと織り ~染織レッドリストを救え!~は日本のど真ん中「中部編」
取材協力と寄稿をいたしております。
信州紬のひとつ伊那紬。地元の植物を用いた染料と化学染料を併用し多彩な色の紬が織られています。
信州紬といえば縞と格子の印象が強いです。こちらの格子の紬は私好み~♪
取材させていただいた駒ヶ根の久保田織染工業の皆さまと
シルクロードから東廻りで日本に入ってきた日本古来の上州式操糸。
取り入れ開発された諏訪式操糸。
そして、本塩沢の産地である南魚沼市の林宗平先生の工房見学からレポートもφ(.. )
たまに誤解される方もいらっしゃるので改めて申しあげます。
「きものカンタービレ♪」でご紹介しているもの、美しいキモノでの連載のお誂え、
すべて朝香沙都子の自腹でござます。
提供していただいているものでも広告宣伝でもございません。
身銭を切ってご紹介しているからこそ、たくさんの方にみていただけて、きものユーザーに影響力が
あるのだと自負しております。
これからも、きものを自腹で購入して着て生活するという、きものエンドユーザーとしての立場から、
つくり手ときものエンドユーザーをつなぐことをつづけていきたいと思っております。
きものにかける時間も予算も無い袖は振れませんので、できるかぎりではありますが…(^_^;)
身に余るようなお話をいただくこともありますけれど、自分にできることをひとつづつ丁寧に。
美しいキモノでの連載と寄稿はそのひとつなのです(^_-)☆
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「伝説の洋画家たち 二科100年展」内覧会 at 東京都美術館
「伝説の洋画家たち 二科100年展」の内覧会へ
上野公園にある東京都美術館にて開催中(~9月6日まで)
画家の登竜門である文展といわれる文部省美術展覧会(現在の日展)の審査に不満を抱いた
若き気鋭の画家たちは、日本画のように古典的なものと新進的なものをわけた新旧二科制を
文部省に願い出ますが受け入れられず、文展を離れ在野の公募展を立ち上げました。
二科展のはじまりです。1914年(大正3年)に開催され今年は100年のアニバーサリーイヤー。
これを記念しての展覧会です。学芸員の方の説明によると二科会にはインテリが多かったとか。
東郷青児「ピエロ」 1926年 東郷青児記念館 損保ジャパン日本興亜美術館蔵
現在は、絵画部、写真部、デザイン部、彫刻部からなっています。
芸能人やアイドルが入選すると話題になる印象が強いのですが、選りすぐりの今展覧会は
ずっしりと見応えがありました。
有島生馬「鬼」1914年 東京現代美術館蔵
有島武郎の弟の有島生馬は二科展の創設者のひとり。日本にセザンヌを紹介した人です。
鬼と題されていますが角はありません。こんなキャラがでてくる映画があったような…。
浅蜊売りのおじさんがモデルだったと娘さんが証言しているのだそう。鬼にされてはお気の毒ですね;;
東郷青児「パラソルさせる女」1916年 一般財団法人陽山美術館蔵
東郷青児が19歳のときに第三回二科賞を受賞した作品です。
光の演出なのか不思議な色合い。女の人の視線にもドキッとします
夏らしい情景
鍋井克之「春の浜辺」 1931年 大阪市立美術館蔵
岸田劉生「初夏の小路」 1917年 下関市立美術館蔵
躍動感ある動物たち
浜田葆光「水辺の鹿」 1932年 奈良県立博物館蔵
坂本繁二郎「放牧三馬」 1932年 石橋財団石橋美術館蔵
洋画で描かれるきもの姿の女性像に注目してみました(-_☆)
木下義謙「横向きの婦人像」 1925年 和歌山県立美術館蔵
湯浅一郎「椅子によれる女」 1916年 群馬県立近代美術館蔵
散逸したものも一堂に集めた、日本洋画界の開拓者たちの軌跡。見応えありです♪
佐伯祐三、安井曾太郎、梅原龍三郎といった好きな画家の作品もありましたが、
それよりも今まであまり気にしていなかった画家の作品のほうが印象深かったです。
※会場内の撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は主催者より許可をいただいております。
夜の東京都美術館のライトアップは美しい~。
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旧岡谷上水道集水溝へ そしてカモシカに出会う / 岡谷近代化産業遺産群巡り その3
アルプスに囲まれた諏訪湖畔地域は精密機械工業が盛んであることから東洋のスイスといわれます。
精密機械工業が発展したのは、この地域は製糸業で栄えたときの家庭内手工業による下請け制度の
土台があったことにあるそうです。
日本の近代化を支えた製糸業と精密機械工業の街、岡谷。
製糸で隆盛を極めた痕跡が今も街のあちこちに見られ、経済産業省により近代化産業遺産として
15ヶ所が認定されています。
2015年夏の岡谷近代化産業遺産群巡りレポートです♪
ちなみに2014年夏のレポートはこちら↓
丸山タンク~金上繭倉庫~旧岡谷市役所庁舎~旧山一林組 / 岡谷近代化産業遺産群巡り その1
旧林家住宅と製糸家のまとめ/ 岡谷近代化産業遺産群巡り その2
旧岡谷上水道集水溝へ
夫も奥へいくのは尻込みした塩嶺峠の山麓の中にあります。
木が倒れていたり道ならぬ道もあり、まるでインディジョーンズの世界です。
ありました!
岡谷の製糸業の全盛期を支えた上水道の集水溝です。
1927年(昭和2年)に建てられ翌年から給水が開始。1988年(昭和63年)まで岡谷市民の喉を潤し、
製糸業、精密工業の用水としてつかわれました。
山側壁面の隙間から湧き水をとり動力をつかわず傾斜を利用したのだそう。
文化庁の登録有形遺産にも指定されています。
じっとしていると蚊が群がってきてしまうのであまり写真は撮れず…、でも頑張りました~。
そして塩嶺峠でカモシカに出会いました(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
はじめはイノシシだと思ったのです(^_^;)
でも角がある!
カモシカは鹿の名前がついていますが、シカ科ではなくウシ科。
鹿ではなく牛の仲間なのだそうです。
さらに近づいてみた!
安全な斜面からこちらをじーーーーーーーーーーっとみていました。可愛い(〃∇〃)
森の賢者さまの印象。悩み事を解決してくれそうな眼をしていました。
近代とはいえ産業遺産は今は過去のもの。
旧岡谷上水道集水溝への道はちょっとした冒険でした。
つづきます(^-^)/
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左前と右前 / 鏡越しの自撮りによる左前 / 左前ではいけない理由
左右対称の構造がきものの特徴ですが、これによって混乱しがちなのが、衿合せだと思います。
花火大会で、男性はお洋服、女性は浴衣姿のお二人が屋台で私の前に並んでいました。
女性の浴衣姿は左前になっていて、ああっ…(-"-;、と気がついたのですが…、指摘するのは、
楽しい状況に水をさすようなものなので、あえて視線をあわせないようにしておりました。
すると男性の方から「あのー、彼女の浴衣は変ですよね?」と話しかけられました。
聞かれたらお答えしないわけにもいきません。
「その着方は左前といわれるもので、衿合せが逆です。時間と場所があれば着付けをし直してあげたいけれど…、ここではできないので、もうじき暗くなるから今夜は花火を楽しんで、次から必ず右前になるようにこうして着付けましょう~」ということをお話しました。
彼女はネットで検索しながらご自分で着付けたとのことで、ネット上にはこういう着方の人もたくさん
いるとおっしゃいます。えっ、そんなことが…(=◇=;)?
混乱を招いている事例のひとつが、ブログ、twitter、facebookでの鏡をつかった自撮り写真の投稿。
写真を反転させている方もいらっしゃいますが、させる人がいたり、いなかったりというのも、
きものを知らない人からしてみたら、右前と統一されているものではないと誤解する要因となります。
左前を見慣れてしまうことで、左前の着姿に違和感がなくなってしまうということもあると思います。
あえて鏡越しに自分の着姿を写り込ませて撮影してみました。左前になります。
文字が写りこんでいれば、鏡越しの撮影だということがわかりますが、そこまで注意深く見ない人が
いるから生まれる誤解があるということです。
和装は、男性も女性も、浴衣でも着物でも、右前に着装します。
自分で着付けをする時は、右手に持っている衿の先を自分の身体に合わせてから着る、
右側が自分にとって身体に近いほう、手前(先)にくるから「右前」です。
男性は洋服のあわせ方と同じですが、女性は逆になります。
右前の衿合せは相手から「y」の字に見えます。
右手が懐に入るので、右利きの人は懐からモノを取り出しやすいという利便性もあります。
そもそも、なぜ左前はいけないのか?
古代の埴輪や高松塚古墳の壁画には左前の着装がみられますが、日本が大和政権による中央主権
となり、税制を整え律令を取り入れ、律令国家として成立していくにあたっては、古代中国からの影響
を多分に受けています。
古代中国では、北方の騎馬民族が馬で弓を射るために左前の装束を着ていたことから、左前は野蛮
であるとされていました。※諸説あります
孔子の「論語」の一節には「四夷左衽」という言葉があり「左前は野蛮人の風習」という意です。
日本では、719年(養老3年)に元正天皇によって発令された衣服令から、きものの衿合せは
右前に統一されます。これが右衽着装法です。
続日本書紀に「初令天下百姓右襟」(天下百姓をして衿を右にせしむ) とあり、
「天皇から百姓まで、衿合せは右衿を先にあわせなさい」という意です。
この衣服令を境として、きものは右前に着ることが習わしとなり、今に至っているのです。
左前は仏式の死装束である経帷子の衿合せです。
生前とは逆の衿合せをして死後の世界へ送りだすものですので、左前は忌まれ縁起が悪いとされます。
花火大会はお盆の時季にあることが多いため、さらに連想させるかもしれません。
左前について「常識」の一言で糾弾してしまう方がいらっしゃいますが、多くの日本人がきものを
着ることが滅多に無い状況となってしまったのですから、小馬鹿にするのではなく、何度でも丁寧に
伝えていくことが必要だと思います。
大人になってからこういった間違いを公の場で指摘されるのはキツイものです。
これからのきもの振興を考えるなら、幼児教育からきものの基礎知識を学ぶ機会を取り入れていくこと
を切に願います。
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波に千鳥 / 砂色の琉球壁上布に波に千鳥の染繍の絽塩瀬帯とキタムラの晴雨兼用日傘
夏の意匠に多い波に千鳥文様ですが、俳句で千鳥は冬の季語です。
学術的にいうとチドリ目チドリ科の鳥は世界中に60種いるそうですが、
日本で千鳥といわれているのは野山や水辺で群をなす小鳥の総称。
多くが群れるから千鳥といわれるとも「チチチッ」と鳴くから千鳥といわれるともいいます。
雀のようにもみえますが、たぶん千鳥
砂色の琉球壁上布に波に千鳥の染繍の絽塩瀬の帯をコーディネート
帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
竹に雀の古布デコパージュのバッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
お天気雨が多い季節、晴雨兼用の折りたたみの傘が重宝します。
折りたたみ式なのでシワになっていますが…^^; 犬が刺繍されています
傘袋も可愛い(〃∇〃)
通りがかった六本木ヒルズでかき氷祭をやっていました。
鎌倉の鯛やき屋さんのしろくま。
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日本に居乍らして…ペルー♪ / 砂色の琉球壁上布にぬぬパナの前津雪絵の八重山交織の帯
新橋、虎ノ門界隈の変貌に吃驚いたしました\(゜□゜)/
久々の荒井商店!
金物屋さんのようなお名前ですが、ペルー料理のお店です。
リクエストしていた亀の手。忍者の手のようにみえなくもない。。。
ペルーというとインカ帝国を連想してしまうせいか、海のものの印象がないのですが、
じつは魚介類も豊富でこちらは魚介料理も美味しいのです。
このソースが美味しい!
シェフの荒井さんのつくる料理は素材が生きた丁寧なお味。
ペルーのドーナツ
ペルーといえば、インカ文様。太陽に近い国の染織は色が強い。
砂色の琉球壁上布のしりとりコーデ。
ぬぬぬパナパナの前津雪絵の八重山交織の帯をコーディネート
白地の帯はベージュとのコントラストが優しい印象になります。
帯あげと帯〆の色はもっとパキッとさせたほうが良かった…。
水色は八重山木藍(インド藍)通称ナンバンコマツナギの生葉染め、
茶色はクバデーザー(モモタマナ)の薄色はアルカリ媒染、濃色は鉄媒染。
経糸と緯糸の素材が違う、交織(ぐんぼう)の帯です。八重山地方では自家用に織られていました。
経糸は生繭座繰り生糸と節糸、緯糸は生繭座繰り生糸と節糸、そして手績みの苧麻糸。
苧麻糸は中太い糸は石垣産、極細の糸は中国産です。
晴雨兼用の日傘はHANWAY、音楽の古布レコパージュの籠バッグは松枝忍
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葦の葉に水鳥文様の絽の紅型小紋に鵜文様のアンティーク刺繍帯
銀杏並木
話には聞いていましたが、駅の変貌に吃驚~\(゜□゜)/
構内も様変わりしていました。でもこの銀杏並木は変わらず。
この空気!身体が覚えてる。
大好きだったお店は今もありました~♪
この砂糖壷ならした~。そしてケーキは進化していた!
葦の葉に水鳥文様の絽の紅型小紋に鵜文様のアンティークの刺繍帯をコーディネート
小紋なのですが、和裁師の方が上手く仕立ててくださったようで柄あわせが気に入っております。
鳥いっぱい♪
羽のグラデーションも美しいのです。
帯あげは渡敬、帯〆は龍工房、根付紐は藤岡組紐、根付の小鳥は海馬ガラス
日傘はやふそ紅型工房の屋富祖幸子
籠バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
夏休みが終わったらまた来ます~♪
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型絵染めの糊置き体験 at 遠藤あけみ工房 / 織田工房の飛び柄の捺染絣に麻の八寸帯
前掛けに襷がけスタイルです。
美猫ちゃんがみてる…(-_☆)
そして、なぜか糊置きをはじめるときものの裾に入ってくる…
可愛いいぃぃっぃぃ~(〃∇〃)
いや、あの、だけど、邪魔なんですが…(・_・;)
写真でみると様になっている?ようですが、型絵染めの糊置きのヘラづかいは、江戸小紋の糊置きとは
また全然違う…。なかなか糊が乗らず、遠藤先生にはとってもお時間をとらせてしまいました(x_x;)
ありがとうございましたm(_ _ )m
今まで考えていなかったことに、はっと気がつき、これは勉強し直さなくては。。。
知れば知るほど知らないことを知る底なし沼です。
遠藤先生の作品には、夢がありますね:*:・( ̄∀ ̄)・:*:♪
工房見学レポートは追々まとめてまいりますφ(.. )
織田工房の柿渋で色づけした飛び柄の燕文様の捺染絣に手績み麻の八寸帯をコーディネート
柿渋色の絣が飛び柄小紋のように入っているのです。マンガン捺染という技法がつかわれています。
何なのか今ひとつハッキリしない麻の帯は反物のまま切り分けて譲っていただいたもの。
とても軽いのですがパリッとしすぎていました。
芭蕉布のように前日に水をかけておいたほうが締めやすいということに後から気がつきました!
コーデがあまりにも地味なので、帯あげと帯〆でメリハリを。
絽の帯あげは渡敬、帯〆は龍工房、根付紐は藤岡組紐、ガラスの小鳥は海馬ガラス
古布デコパージュの籠バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
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