川越中院の枝垂桜が見頃を迎えていました
タクシーの運転手さんにすすめられ、待ち合わせの前に立ち寄り♪
枝垂桜の名所だそうですが、早朝は花見客も少なく、心地よかった~♪
臙脂色地の格子の上田紬にアンティークの蛇の目傘に燕の染め帯
帯あげは桜文様の絞り、帯〆は桜色
帯の手先には桜の花びらが散っています
唐花文様の羽織を合わせました。
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川越 中院の枝垂れ桜 / 唐花文様の羽織と臙脂色地格子の上田紬に蛇の目傘に燕の染め帯
川越唐桟 〜 東京友禅 〜 江戸紅型 / 関東近郊をグルッと染織巡り
美しいキモノ「次世代へつなぐ 染めと織り」の取材
「川越唐桟手織りの会」が活動されている川越市立博物館へ
唐桟とは、江戸時代から南蛮船で輸入された縞の織物のこと。
インドのセント•トーマス島からもたらされたことから、サントメ縞といわれ、
唐渡りの唐サントメから唐桟となったといわれています。
※オランダ船によってもたらされましたが、当時は舶来ものは唐ものといいます。
細い木綿糸で織られる唐桟は江戸時代は庶民の手に届くものではなく、とても高級品でしたが、
欧米での産業革命によって細い木綿糸がつくられ、開国後は日本に安価の細い木綿糸が
輸入されるようになり、それに目をつけた川越商人によって川越唐桟が織られるようになりました。
川唐といわれ親しまれたのだそう。
その後、一時期途絶えてしまいますが、現在は川越唐桟手織りの会によって織られています。
皆さま和気藹々と作業されていらっしゃいました~♪
川越唐桟の特徴は細い木綿糸を引き揃えた双糸で織りだされる縞模様。
極めて細い双糸をつかうことによって絹のような柔らかな風合いをもっています。
経糸の数は2000本あるのだそう。
和棉の手紡ぎ糸は緯糸にしかつかわれませんが(現在流通の川越唐桟のきもの着尺では
つかわていない)、棉栽培から糸づくりまで取り組まれているのだそうです。
短毛種の和棉の種です。
こちらをいただいたので育ててみたいと思います(^-^)/
唐仁原先生と須藤先生と
ありがとうございました~m(_ _ )m
東京手描き友禅の畠本祥園先生の友禅挿し
江戸紅型の麻生工房の型付け
関東近郊の染織は驚くほどバリエーションに富んでいます。
詳しくは、美しいキモノ夏号(5月20日発売)をお楽しみに~♪
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三月大歌舞伎 千秋楽の装い / 桜文様の小紋に川島織物の雲に四方瓜に菱文様織なごや帯
三月大歌舞伎の千秋楽へ
通し狂言「菅原伝授手習鑑」
仁左衛門の菅丞相に胸いっぱい:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
動きはないのですが胸に秘めた思いが犇犇と伝わってきます。
心乱さず澄みきった境地、そして品格。素晴らしかったです!
歌舞伎は江戸時代の庶民の娯楽。昔の英雄が江戸時代の風俗の中で描かれています。
ゆえに設定も装束も時代考証や有職故実にとらわれていません。
菅原道真の弟子が寺子屋をやっていたり、御台所の装束は打掛だったり…。
でも直衣装束に烏帽子なしというのにはどうにも違和感が…(・_・;)
歌舞伎座に着ていくきもののことで、ご相談をいただくことが多いのですが、
演目での装束から考えても、歌舞伎はあくまでも娯楽です。
杮落しや襲名披露などの祝の舞台では礼を尽くした装いを考えますが、
紬でも小紋でも、好きな装いで良いと思っています。
私は「ちなみ柄」をよく着ていますが、あくまでも自己満足の遊び心です♪
「菅原伝授手習鑑」鑑賞の装いは演目にちなんでの梅文様にしようか…、
仁左衛門丈にちなんでの銀杏文様にしようか…
う~ん…( ̄_ ̄ i)
どちらも桜の開花がはじまり、桜色で華やぐ東京ではあまりにどちらも季節外れ…。
結局、桜文様の小紋にしました。
枝付の具象的な桜の花の意匠は桜が咲く前に、桜が満開の時期は桜と競わず桜の文様は避け、
桜が散りだしたら名残惜しみつつ桜の花びらの意匠を纏うのが日本人の美徳といわれています。
野暮だと思われる方もいらっしゃることはわかっておりますが、あえての桜です
私は季節に同化しつつ目一杯楽しみたいほうなので、桜の季節に桜の意匠を着ることもあります。
1階花道の内側1列目の端。ここも良席でした~
桜の小紋に川島織物の雲に四方瓜に菱文様の織なごや帯をコーディネート
蝶の絞りの帯あげは京都きねや、帯〆は龍工房
松竹梅の利休バッグはかづら清老舗
枝垂れ桜の絞りの道行はこの時季に大活躍です♪
幕間でのお楽しみ~♪
めで鯛焼き
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「念う•祈る•願う〜金沢職人の手仕事〜」展 at 求道会館
求道会館にて開催中の「念う•祈る•願う~金沢職人の手仕事~」展 へ(~3月29日まで)
日本にアールヌーボーを紹介したとされる武田五一の設計による求道会館
重厚感ある煉瓦づくりとアーチ窓、そして石柱の洋風建築は教会のようですが…、
じつは1915年(大正4年)に浄土真宗の信仰のために建てられたもので、
中には阿弥陀如来を安置した六角堂があります。
北陸新幹線の開通で、今注目を集めている金沢の伝統工芸。
金沢箔、金沢表具、加賀友禅、金沢仏壇。
その技と素材の美がこの空間にデザインされた展示会です。
地紋が浮き立った綸子地に加賀五彩で染められた反物が友禅流しのよう。
伸子張りされた下からの背景も面白い
太田正伸先生の加賀友禅訪問着「富貴」
こちらは鶴見晋史先生による加賀友禅ができるまでの工程を表した訪問着。
「下絵」白生地に青花で図案をなぞる。
「糸目糊置き」 蘇芳が入った糊(赤糸目)を筒先から絞り出すようにして糊を置く。
「彩色」 糊で防染された内側に色を挿す。
「中埋め」 彩色したところに地染めの色がつかないように糊を伏せ大鋸屑をかける。
「地染め」
どうやって仕上げをされたのか、不思議~。
各工程も意匠となると面白いです。
加賀友禅作家の太田正伸先生(左)と鶴見晋史先生(右)と
金沢仏壇。加賀蒔絵の最高峰の技がつかわれています。
周りに散らばっているのは仏壇につかわれるパーツ。
仏壇つくりの技を生かした柱には木地蒔絵と螺鈿蒔絵が施されています。
神聖な気持ちで祈るためにつくられた場所でもあります。
加賀友禅の技の胡粉で仕上げられた白い暖簾と表具の技が生かされた楮紙の屏風
匠な技で打ち延ばされた金箔
重厚感ある建物に飾られた職人の技。
共鳴し不思議な空間を生み出していました~。
夜には場所を移してのレセプションがあり、作家の先生方との交流会、実演もありました。
別記事でご紹介します(^-^)/
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木村孝先生とティータイム@銀座の金沢 at キラリトギンザ
桜が咲きこの上なくお花見日和のこの日は、金沢関連のイベントのハシゴ
本郷~銀座~青山と慌ただしく駆け回りました(^_^;)
銀座1丁目交差点近くに昨年秋にできたキラリトギンザにある「銀座の金沢」
金沢の魅力を紹介する伝統工芸品ギャラリーとお食事処があります。
加賀友禅技術振興研究所主催による「木村孝先生とのティータイム」
孝先生、いつもお美しい~(〃∇〃)
慌ただしくやってきた私をご心配くださいました…(><;)
孝先生とのティータイムだったのですが、先生は相変わらず立ってお話をされます。
そういえば、孝先生との移動は電車のことが多かったですし、地下鉄の乗り換え
や出口にもとってもお詳しい。こういったことも若さの秘訣なのでしょう。
自分の手足をつかう、そしてめんどくさいと思ってはいけない、、、。
孝先生の装いは、西陣の縞御召に正倉院文様の袋帯。
白地に絞りの帯あげが効いています。帯〆は白にするか迷ったが若草色にされたのだそう、
「年々歳々、花は同じでも人は同じでない」
若いうちは華やいだ色を、年を重ねたらそれにあった奇麗な色を選ぶこととのこと。
孝先生のように年を重ねていきたいものです。
加賀友禅ファンクラブの集いだったこともあり、会場には華やかな加賀友禅の
訪問着の方々がいらっしゃり、春爛漫
加賀友禅ファンクラブの方は日本橋三越の加賀友禅着装体験をされていらしたのだそうです。
ティータイムということで、お茶菓子つき。
加賀棒茶が美味しい~♪
こちらはランチタイムとディナータイムでは加賀料理がいただけます。
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新啓織物 今の銘仙をみせていただく / 染織文化講座 秩父産地研修 その6
銘仙といえば、大正時代のレトロな大柄で派手な配色の印象が強かったのですが、
新啓織物で今つくられているものをみせていただき、認識を改めることになりました。
銘仙の特徴は経糸の捺染。
仮織りし型紙で捺染した経糸を再び織機にかけて仮の緯糸を解しながら織りあげます。
緯糸を変えることによって色、光沢、奥行の全く違った銘仙になるのが面白い。
経糸と緯糸が違う色で緯糸が補色の濃い色だと玉虫色になります。
これが秩父銘仙の特色のひとつ。
銘仙は養蚕業が盛んな地域で出荷できない屑繭から糸をひき自家用に織られたのが
はじまりですが、現在の銘仙は絹糸をつかった平織で織られています。
新啓織物では緯糸に真綿糸をつかったものも織られています。
柔らかくおっとりした印象になります。この違いも面白い~。
こちらは秩父ほぐし織りとなっていました。
新井先生の奥さまの銘仙を羽織らせていただきました。
大胆な花柄と光沢が魅力的~♪
そして、雨コートにしたら絶対可愛い!!!!と一目惚れしたのがこちらの反物
皆さまには白地ピンクをおすすめされたのですが、即決できず(^_^;)
やっぱり雨の日にあいそうな水色にしようかな…。
こちらも素敵
そういえば、秩父銘仙館にあったスウェーデンのデザイナーによるデザインの銘仙も
新啓織物で織られたものなのだそう。
う…、手に入るならこちらを雨コートにしようかしらん。。。
銘仙はもともとは分業制ですが、新啓織物では捺染もご自分のところではじめられています。
秩父銘仙は2013年に伝統的工芸品に指定され注目されています。
今の時代にもあった銘仙、これからも楽しみです~♪
この産地研修は座学の講師をしてくださった三橋順子先生が同行してくださいました。
秩父出身の三橋先生からお聞きしながらまわった産地研修は秩父の風土や情景が
よりリアルに感じられとても充実したものとなりました。
三橋先生、ありがとうございましたm(_ _ )m
染織文化講座の産地研修は次は丹後(4月23日~24日)です
ご興味がある方はこちら☆
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加賀繍 &牛首紬 at 日本橋三越
いしかわ伝統工芸フェアでお世話になった、加賀繍の高田千春先生が、
実演をされるとお聞きして、日本橋三越へ
そしたら…ガーーーーーーーーーーーーーーン、すでにお帰りになったとの事(T_T)
刺繍台はあるけれど、これは後で送ることになっているそうでご本人がいらっしゃらない。。。
う~ん、残念。
特撰サロンでは牛首紬展が開催中(~4月7日まで)
こちらも座繰りの実演は昨日までした。あたたたた…(x_x;)
牛首紬は先練りか先染めの平織り。経糸は生糸、緯糸は座繰りによる玉糸がつかわれます。
軽くて丈夫なのが特徴。着心地良さそう~。
後染めの紬の訪問着は今のところあまり着る機会がないので、型染めの小紋感覚の
牛首紬を着てみたいです。色目が落ちついたものが多いのでまだ先のお楽しみでしょうか。
牛首紬をみていたら、お帰りになったはずの高田千春先生が戻っていらっしゃり(偶然です)
お会いできましたヾ(@°▽°@)ノ
こちらが高田千春先生の作品♪
泳ぐ金魚のヒレの躍動感が素晴らしい~\(゜□゜)/
刺繍で表現されているのがとっても新鮮。これ着装したらカッコイイと思います。
加賀繍のワンポイントも可愛いですね
北陸新幹線の開通で盛りあがる、石川の伝統工芸。
京の雅やかさとはまた違った魅力があり楽しいです♪
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レ セゾン 帝国ホテルメインダイニング / 志ま亀の水色地ふくら雀の小紋に桜蝶の染め帯
年を重ねるごとに、古き良きものを求めるようになっているような気がします。
老舗ホテルのメインダイニングからはしばらく遠のいていたのですが、
自分が年をとったのと、こちらが新しいスタイルを打ちだしてきたことが、
うまく調和したのか、ここ数年はこの雰囲気が落ちつきます。
そもそもレストランとはフランス語の「Réstaurer(レトール)」回復させるが語源。
ゆったり食事を楽しみつつ身体を回復させるには、重厚感があってホスピタリティが
行き届いた感覚が何よりなのです。
帝国ホテルのメインダイニングであるレ セゾンへ
シェフのティエリー・ヴォワザン氏と
世界一美味しいといわれたランスのシャトーレストランのスターシェフだった方です♪
前菜は色んな貝が入ったもの。そして、オイスターリーフは牡蠣の味でした。
魚料理は菜の花と蟹、メインは20時間煮込んだ子羊。
どちらもソースが美味しい!! お料理に合わせて焼いてくださったパンにつけて♪
小菓子とピスタチオと木いちごのパリブレスト。
サービスが行き届いたレストランはお茶事でのおもてなしと重なりますね~♪
志ま亀の水色地ふくら雀文様の小紋に桜蝶の染め帯をコーディネート
軽いポップな印象の木立文様の絞りの羽織をコーディネート
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金沢職人塾 レセプション at LIFE CREATION OVE青山
「念う•祈る•願う~金沢職人の手仕事~」展 at 求道会館 より先行開催されていた
金沢職人塾のプチ展示会の会場で開催されたレセプションパーティーへ
加賀友禅作家の太田正伸先生(左)と鶴見晋史先生(右)と
職人の技が生かされた作品が展示されていました。※会期は終了しています
金沢の具材をつかったお料理とお酒を楽しみながら職人の方々と交流できるレセプション
金箔が鯛に~ 日本の金箔は98%が金沢で生産されています。
お酒も色々。加賀梅酒が美味しかった~♪
職人の方々による実演もありました!
●松村製箔所の松村謙一先生による箔置きの実演
箔は和紙に挟んで叩いて延ばされます。
植物にも箔を貼ることができるのだそう。
●拾翠堂の武部正典先生のお話
表具でつかわれる刷毛について。そして軸のしまい方についても。
前から疑問に思っていた「裏側に糸が通った金襴などの裂地はどう表装するのか?」
お聞きすると、裏側の糸は切ってからつかうとのこと。なるほど~。
●大竹仏壇製作所の大竹善信先生による加賀蒔絵のお話
漆と顔料を混ぜたもので文様を描いて金をのせていきます。
アワビや夜光貝をつかって文様の形に切って埋め込む螺鈿細工も加飾方法のひとつ。
●加賀友禅の太田正伸先生による彩色の実演と鶴見晋史先生のお話
体験もさせていただきました!
筆づかいが大胆とのご指摘が…σ(^_^;)
加賀友禅ならではの先暈しは毛先が斜めに切ってある片刷毛をつかいます。
加賀友禅産地研修のときは、難しすぎるから~ということでつかえなかったので、嬉しい!
染料を皿の上にとった状態でも暈しになっているのがわかりますでしょうか。
斜めの刷毛をつかって暈していくのですが…。染料つけすぎました
左側が太田先生、右側が私。染料つけすぎで暈しになってない~。
鶴見先生による刷毛をつかった暈しの実演
暈しのグラデーションは決してインクジェットなどではできない妙ですね。
情緒あふれる新内流し
おひねりを懐紙に包んで袂にそっと。
浄瑠璃の情感と三味線の音色には風情がたっぷり~。
金沢職人塾の展示会をプロデュースされた、インテリアデザイナーの関洋さんのご挨拶で〆。
工芸の技を継承していくには従来の方法では難しい状況なのだと思いますが、こういった
技をもつ人をつなげ、発信していこうと尽力をつくされる方もいらっしゃいます。
求道会館での展示会は、工芸を空間に生かすという新たな方向性を提唱されていました。
金沢の伝統工芸、これからの展開が楽しみです♪
まずは加賀友禅。着こなすには自分自身も磨きませんとね…(・_・;)
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桜色の黄八丈に桜の花びらに蛇の目傘の帯
東京は雨が降りだしました。
満開の桜が散ってしまいそうです…。
入学式までは咲いていて欲しいですね。
想い出に残る記念写真は桜の下のほうがより素敵ですから…
【4月1日の装い】東京◇小雨のち曇りのち雨(湿度74%) / 最低気温13℃ 最高気温19℃
桜色の黄八丈に桜の花びらに蛇の目傘の帯をコーディネート
黄八丈といえば植物染めなのですが、これは化学染料が入っているかもしれません。
というのは、八丈島の植物染めは八丈島に生息する植物だけで染められるので、青と赤の
染め色はないとお聞きしているから。(足るを知るの精神で、あえて藍染めなどはしない)
ピンク色はあるのですが、この黄八丈は薄い緑色が入っているので、これは化学染料かも?
帯あげは京都きねや、帯〆は龍工房
桜吹雪に蛇の目傘が描かれてところどころ刺繍がされています
バッグは松枝忍、ぞうりは晴雨兼用にもなる菱屋カレンブロッソ
蛇の目傘に桜吹雪
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日本刺繍 紅会 第40回 紅会全国展 at 東京銀座画廊美術館
紅会はプロの刺繍工房ですが、その技を広く伝承していくため刺繍教室を開催しています。
私が桜の花が満開の頃に開催されている紅会の展覧会をとっても楽しみにしているのは、
展示されている作品だけでなく、ご自分で刺繍されたきものや帯を着ていらっしゃる方を
拝見することができるから…。
ご自分のため、ご家族のためにと、一刺し一刺しに込められた溢れるような思いを
お聞きすることができたりもします。
伝統の技の継承が危ぶまれる昨今、商売として成り立たせようとするとできないようなものは、
趣味から高じたもので形となり残されていくのかもしれません。
人から人へ思いとともに伝えられていくものなのですから、プロの技を習得できる機会を
提供している教室というのは、可能性も秘めているように思います。
紅会会長の齊藤信作先生と副会長の高橋信枝先生と
お声がけいただき光栄でございました♪
今度はぜひ東金の工房へ見学に伺いたいと思います。
会場では刺繍体験もできます♪
まずは、下糸と上糸を撚ります。
糸を台にくくり左右にわけ、片側を両手で挟み左手を右手の下から上にあげていきます。
左右の糸の撚りが同じになるように調整し、左右両方の糸を合わせて、
さっきとは逆に右手を左手の下から上にあげていきます。
左手で下から上に糸を通します。真ん中からスタート。
糸を引き上げたら右手で上から下へと刺していきます。
針と糸は苦手中の苦手なのですが、お裁縫と違って刺繍は塗り絵感覚で楽しい♪
いつか、時間に余裕ができたらやってみたいな~♪と思います。
染めや織りよりも刺繍のほうが写経のように無心でできそう。
皆さまに、はじめるなら早いうちがいいわよ!!とアドバイスいただきましたが…σ(^_^;)
私の不器用さは半端じゃないので…。はじめたらそれだけで人生が終わってしまいそう。
なので、いつかのお楽しみにとっておきます。
紅会の刺繍は昔の小袖の繍いや唐織の能装束のようなふっくらしている印象があります。
とても美しい光沢がはっきり浮き出ていて存在感のある作品が多いです。
意匠は個人の方発案のものは少なく、ほとんどが本部からくるものなのだそうですが、
同じ図案でもわずかな色の違いで印象が変わります。
呉服屋さんでは見ることができない、素晴らしい作品ばかりでした。
会場ではちょっとだけ小物が売っていました。
可愛らしい千鳥の刺繍の花緒を購入
つくられた方とご一緒に
素晴らしい貝文様の帯をしていらっしゃいました~♪
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菜の花と桜 / 四葉のクローバーの絵絣に市松文様の帯
麗らかな春の日♪
前日の雨で澄みきった青空でした。菜の花と桜との対比が美しい~
桜の花も散りはじめました
あれ…、もっと桜並木になっていたような気が…。
伐採されて山積みになっていました…(・_・;)
青梅の梅林も伐採されてしまいましたし、害虫被害とかあったのでしょうか。残念ですね。
ちなみは去年はこんな感じでした。去年のお花見は花曇り。
菜の花が咲く頃は菜種梅雨という言葉があるぐらい実は雨のことが多いので、
こんな青空は珍しいのかもしれません。
【4月2日の装い】東京近郊◇晴れ(湿度45%) / 最低気温7℃ 最高気温17℃
四葉のクローバーの絵絣に市松に抽象柄の織なごや帯をコーディネート
暖かくて羽織ものは必要なし。すでに単衣でも良いぐらいの陽気です。
大柄の絵絣は里山の風景によく似合います
民芸調の絣、大好きです(〃∇〃)
帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
バッグはジャマン•ピュエッシュ、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
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桜吹雪〜♪ / 唐花文様の後染めの紬に川島織物の幾何学文様の織なごや帯
昨日は風が強かった。桜吹雪が舞っていました
東京はこの週末が最後のお花見となりそうですね。しかしお天気が今ひとつ…。
降り積もる花びらが雪のようですね~♪
【4月3日の装い】東京◇曇り時々小雨(湿度79%、風強し) / 最低気温12℃ 最高気温20℃
唐花文様の後染め紬に川島織物の幾何学文様の織なごや帯をコーディネート
この紬、ぜんまい紬となっていますが、ぜんまい綿はほんのちょっとのような…。
節糸に捺染したもののような気がします。
ちなみに、ぜんまいには防虫効果があるので箪笥に1枚入れておくと良いそうです。
帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
バッグはジャマンピュエッシュ、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
夕方からは小雨がパラパラ。
蛇の目傘文様の雨コートにHANWAYの24本骨の富士絹クライシスの雨傘
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装束雑事抄から学ぶ「諒闇の装束」 at 有職文化研究所
有職文化研究所主催による「雑事抄を中心に宮廷装束を見る」勉強会へφ(.. )
1399年(応永6年)に衣紋道高倉家19代高倉永行によって著された「装束雑事抄」
衣紋道の家である高倉家に伝わる装束に関するアレコレを記した古文書です。
これを読み解きつつ装束について学ぶ勉強会です。
読み解いてくださるのは、高倉流宗会頭の仙石宗久先生。
※「衣紋道」とは、すなわち装束の着装法のこと。
本来は装束も衣服のひとつですので、平安時代摂関政治の頃までは装束は緩やかな
ゆったりしたもの(柔装束)を自分で着用していたと考えられています。
平安末期、院政を行った鳥羽上皇は装束に対して並々ならぬこだわりがあり、
生地を厚くし糊を利かせて、かっちりした姿を好みました。
衣紋道の祖と称される源有仁と共に装束のデザインに取り組み、威儀正しく
美しい装束を考案しました。これが強装束です。
強装束は、ごわごわして着にくいため特別な着付け技術が必要となり、この技術が衣紋道と
なりました。衣紋の技を体得した公家の中で徳大寺家、大炊御門家が有能な装束師を輩出し、
徳大寺家から山科流、大炊御門家から高倉流が生まれ、現在の宮中でも並立して採用されています。
宮中の喪についての史料は、鎌倉末期に吉田兼好によって書かれた「徒然草」に
チラッとでてくるぐらいでほとんど知られていないように思います。
天皇が父母の喪に服する期間を諒闇(りょうあん)といいます。
諒闇の期間に天皇がお籠りになられるのが倚廬(いろ)御所。
倚廬御所にお入りになられるときの装束から平時の装束。
錫紵(しゃくじょ)といわれる素服、諒闇装束の重服と軽服。
夏冬で更衣があり、冠から扇に至るまで決まりがあります。
色の表現は時代によって変化しているということと、
亡くなった人との距離感での装いに違いなど、興味深いものでした。
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桜と枝垂桜の美しい禅寺
桜が美しい禅寺へ
手入れのゆきとどいた参道はひっそりとしていました。
山門にはソメイヨシノの大樹
境内には枝垂桜
別名で糸桜ともいわれます。
見あげると桜が枝垂れてくるのが何とも良い…。
可愛らしい花です。
青空に桜が映えていました~
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巨大クロネコが出現!
耳
目
鼻
髭
モフモフしてますが…
じゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
何と! これポスターなのです\(゜□゜)/
クロネコヤマト宅急便が4月1日にスタートさせた宅急便コンパクトのキャンペーンなのだそう。
このお兄さんが、ずーっと毛繕いをしていらっしゃいます。
で…、私もさせていただきました♪
モフモフの巨大クロネコポスターは5日(日)終電まで。
良い毛並みしてますよ~♪
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緑色か葉っぱ文様がドレスコードのさくらのお茶会 at 有職文化研究所
日曜日は桜雨でした
有職文化研究所のさくらのお茶会へ
衣紋道高倉流宗会頭でいらっしゃる仙石宗久先生は宮家の方々との
おつきあいが深くていらっしゃることからロイヤルマナーに精通されています。
社団法人日本エチケットプロトコール協会の主宰でもあり、エチケットとプロトコールの
スペシャリストを養成する講座もひらいていらっしゃいます。
今年は生憎の雨で桜がハラハラ舞う中でのアフタヌーンティーにはなりませんでしたが、
可愛らしい室礼に囲まれた優雅な午後を過ごさせていただきました♪
テリアのクッキーが可愛い♪
靴のまま入れるサンルームとつながった和室という和洋折衷のつくり。
参考にさせていただきたいと思います~♪
愛猫のゴンちゃん。ちょっと大きくなった…?
仙石宗久先生と
ソメイヨシノの他に樹齢80年になるオオシマザクラとコシノザクラがあります。
オオシマザクラとコシノザクラは先に葉が芽吹き、花はソメイヨシノよりも少し遅咲き。
ソメイヨシノは散りはじめオオシマザクラは見頃でした
今年のドレスコードは、緑色か葉っぱ文様
春の花文様の付けさげ小紋に龍村美術織物の葉っぱに小鳥の織なごや帯をコーディネート。
この付けさげの梨地の綸子の光沢が苦手であまり気に入っていないのですが…
パールトーン加工してあるので雨の日に着ています。
桜文様の絞りと刺繍の加藤萬の帯あげに新緑色の龍工房の帯〆
ぞうりは菱屋カレンブロッソの定番型。
さすがにこれはカジュアル過ぎですね…。歩きやすいものでつい^^;
雨傘はHANWAYの24本富士絹クラシクス
ビーズバッグはジャマン•ピュエッシュ
ハンドトートバッグはRADREYのシグネチャーシリーズ
お茶会の後の移動中に渋谷駅で巨大クロネコに遭遇したのでしたヾ(@°▽°@)ノ
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桜とチューリップのお花見
天気予報では雨となっていましたが、汗ばむぐらいの暖かな陽気でした♪
桜の花は散りはじめ。あっという間ですね…。
花びらがハラハラと舞うこの頃のお花見が一番好きです
桜吹雪~♪
水面を漂う桜の花筏
そして、流れ着く先は、花の浮き橋
春のお気に入りのこの場所は、天を仰げば桜の屋根
足元は花びらが敷き詰められた桜のカーペット。
桜とチューリップの共演が見られるこの数日間は楽園です♪
チューリップは江戸時代後期に日本へ伝来しました。普及したのは大正時代。
新潟の小田喜平太氏が巨費を投じてオランダより球根を買って栽培したのがはじまりです。
鬱金の香りがすることから、和名を鬱金香(うこんこう)といいます。
親指姫が生まれてきそう♪
散りゆく桜と咲くチューリップに春を惜しむ
臙脂色のウーピンのような絣にアンティークの染め帯をコーディネート
前柄は土筆、蕨、菫の春の草花
お太鼓柄は蛇の目傘に柳に燕。手先には桜の花びらがチラッと描かれています。
籠バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
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明治神宮へ / 観世水に花の丸文様の小紋に龍村美術織物の花喰鳥文様の織なごや帯
緑が芽吹きはじめた明治神宮へ
ここは何時来ても清々しい~
衣紋道高倉流東京道場による「ひめみこ裳着」のイベントが参集殿にて行なわれました。
後ほど別記事でご紹介いたします♪
参拝でお賽銭を入れようとして、お財布を持っていないことに気がつき大慌て
今はPASMOでタクシーにまで乗れてしまうので、ここまで気がつきませんでした…(・_・;)
というわけで、ゆっくりしたかったのですが…、
慌ただしくお先に失礼させていただきましたm(_ _ )m
【4月7日の装い】東京◇霧雨のような小雨 / 最低気温10℃ 最高気温13℃
観世水に四季の花の丸文様の小紋は書道家の矢萩春恵先生プロデュースのもの。
文様はとっても気に入っているのですが、色づかいが今ひとつ…( ̄_ ̄ i)
矢萩先生の着こなしのセンスの大ファンなのですが、先生のお名前をつかって商品化
されるものは先生のセンスとは違ったところにあるような…。
プロデュースものは大方がそういうものなのでどうにも残念に思います。
とはいっても、この小紋は四季を問わず着ることができ、さらにほどよく上品なので
重宝いたしております。そう考えると、とても良いきものですね。
龍村美術織物の花喰鳥文様の帯をコーディネート
帯あげと帯〆は龍工房
利休バックはかづら清老舗、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
雨足が強くなりそうだったので、小物は持ち替えました。
伊勢神宮会館で購入した神職用の雨草履に古布デコパージュのバック。
雨傘はHANWAYの富士絹24本クラシクス。
花流しの雨です
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「ひめみこ裳着」at 明治神宮参集殿
衣紋道高倉流たかくら会による「ひめみこ裳着」の再現。
裳着とは女性の通過儀礼のひとつで男児の加冠に相当します。
現代でいうところの成人式のようなものです。
正装である十二単(五衣唐衣裳)にの裳をつけます。
参集殿入口では随身の蛮絵装束の方々が皆さまをお出迎え♪
「ひめみこ裳着」は1023年(治安3年)4月1日に行なわれた、三條天皇の皇女である
禎子内親王の裳着の設定だったようですが、高倉流宗会頭の仙石宗久先生の解説では、
933年(承平3年)醍醐天皇の皇女である康子内親王の裳着というお話になっていました。
こういった機会に色んな装束を見ていただこうということで、さまざまな装束が登場し、
仙石先生による解説が入ります。これがとても勉強になります。しかも楽しい~♪
康子内親王は醍醐天皇の皇女ですが、この時の治世は兄である朱雀天皇の御世。
朱雀天皇が御召しになられているのは、御引直衣です。
御引直衣とは天皇もしくは東宮、上皇の日常着。
現在の今上天皇は御一代で2回だけお召しになられるそうです。
袴の上に羽織ってガウンのように着るもの。外出の時には引き上げて着るのだそう。
天皇がこの装束を着るようになってから他の身分のものは着なくなります。
冬は白地、夏は年齢に応じて二藍、縹、浅葱色。赤の長袴は女性のものと同じ仕立て。
天皇は冠物は冠。冠は垂纓と巻纓があります。垂纓の纓は後桃園天皇の頃から天皇の
権勢を示すために持ち上がってきたのだそう。明治天皇の時に直立。
天皇につき従う女房の装束は小袿切袴から道中着の袿袴道中着へ。
単をつけているのが正装で単を着ないと略礼装となります。
西洋化がすすめられたこといより、宮中ではきものが着られることはなく、洋服か装束かになり、
1884年(明治17年)には小袿姿を簡略したこの袿袴が宮廷服となりました。
昨年、出雲大社権宮司の千家國麿さんと高円宮女王典子殿下のご結婚式で出雲大社の
参道を歩かれた典子さまの装束が袿袴道中着のお姿です。
随身に先導されて2階のロイヤルボックスへ。
内親王の方々の髪型はミディアムヘアの現代風の新たなスタイル。遊び心でしょうか♪
裳のつけ方は平安期のもの。
現代は唐衣の上に裳をつけますが、平安期は表着に裳をつけその上から唐衣を着用します。
紅梅の直衣。冬の直衣です。
紅梅の直衣は重ねの色目ではなく表地が紅梅色。
三位以上の殿上人の朝服である黒の束帯です。
康子内親王です。汗衫(かざみ)装束を着ていらっしゃいます。
成人前の童女は裳を纏うことはできませんので、この十二単にかわる晴れ着として
発達したのが汗衫装束。元来は汗取りとして着用されたことが汗衫の由来。
汗衫の袍は十二単(五衣唐衣裳)の裳のように長いもので長袴よりもさらに後に引いています。
成人前の髪型は総角(みずら)。
紅の布地に転生をあらわす蝶と鳥文様、紫と白の段染めの紐をつかっています。
髪上げをします。
前髪をあげて釵子をさします。
日蔭の絲は、シダの一種の日蔭蔓(ヒカゲカズラ)でつくられたものから。
これは白い絹糸を撚って蜷結びにしたもの八筋。
汗衫から十二単(五衣唐衣裳)へお服あげ。
衣紋道では装束をお服といい、装束をお着せすることをお服をあげるといいます。
裳の腰結をした大臣の束帯は濃紫の束帯
髪上げ、お服あげをした衣紋者には天皇より白の大袿が拝領されます。
拝舞で謝意をあらわします。
叙位、任官、賜禄の際などに謝意を表して左右左を行う礼のこと。
葵祭りでは今でも走馬の儀で騎乗の拝舞をみることができます。
再拝の後、左に向けて両手を左にのばし袖をあわせて袖をくるり。さらに右に向け同様に。
後に座して同様に。
最後に、東京道場の荘司礼子先生によるご挨拶
荘司先生は康子内親王の母である藤原穏子でした。
後に控えていらっしゃるのでわかりませんでした…(・_・;)
裳着の大役をされた大臣と康子内親王と
裳。美しい引腰と裳
黒の束帯、カッコイイです♪ 宝塚の世界ですね。
石帯の上半分の石が見えるのが高倉流、石を見せないのが山科流です。
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