講師の三橋順子先生(右)と着装モデルをつとめてくださったYUKOさん(中央)と
三橋順子先生は女装家でいらっしゃり、性社会、文化史研究者でもいらっしゃいます。
三橋先生の銘仙への愛が伝わってくる講座でした!
着装モデルの方もいて、楽しかった~♪
講義の詳細は染織文化講座HPの講座記録にアップされます。(3月20日頃)
●銘仙についてのまとめφ(.. )
先染めの平織。北関東の養蚕地帯では形の良い正繭でない出荷できない玉繭や
出殻繭からとった節糸を染めて自家用のものとしてつくっていたのがはじまりです。
明治末期からは工場で大量生産、大量流通の量産品の絹織物としてつくられ、
経糸は生糸緯糸に絹紡糸をつかって力織機で織りあげられました。
銘仙の工程の特徴は、経糸を仮織りし捺染で型染め、それを織機にかけ
仮織りした糸をほぐしながら緯糸を入れ織りあげるというもの。
最先端の流行をとりいれたものが次々とつくられたのは、低コストになることから。
生地が弱く一生ものとはならないことも、流行を追った前衛的なものがつくられた要因
となります。現在はきものの反物としては絹糸がつかわれているものが多いそうです。
経糸は青緑色、緯糸は朱色の経糸捺染絣の平織
経糸と緯糸が違う色で緯糸が濃い色だと玉虫色になる。秩父銘仙の特徴なのだそう。
秩父産地研修レポで歴史的背景を入れた工程についてご紹介します(^-^)/
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染織文化講座 「銘仙の歴史と銘仙きもの」
桜色の黄八丈に木蓮の染め帯 / マグノリアの花達
あまりの風の強さに着姿の写真は断念します。
帯まわりのアップのみ。
桜色の黄八丈に木蓮の染め帯をコーディネート
サッと描かれた日本画のような染め帯、とても好きです♪
黄八丈は黄色や蔦八丈の茶色、黒八丈の濃灰色の印象が強いですが、桜色のものもあります。
桜よりも少し早く春の訪れを告げるように咲く木蓮。
蕾は必ず北を向いていることから、コンパスフラワーともいわれます。
紫色のものが木蓮。紫木蓮(しもくれん)とも。
樹に咲く蓮に似た花だから木蓮というのがその名の由来です。
蘭に似ていることから木蘭といわれることも。
白い花は白木蓮(はくもくれん)
こちらは辛夷(こぶし)。
白木蓮との違いは白木蓮は上もしくは斜め上を向いて咲きますが、辛夷は斜め上もしくは
横向きで咲きます。辛夷は花が咲くとき葉が1枚でているのが見分けるポイント。
ちなみに、マグノリアというのはモクレン科の花の総称のこと。
木蓮、辛夷、泰山木、大山蓮華など、みなマグノリアなのです。
白亜紀の地層からマグノリアの化石がみつかっていることから、地球最古の花木といわれます。
こちらは大山蓮華の花。
花々が咲くのは楽しみですが、花粉に悩まされるこの時季…、
花粉に殺されてしまいそうです(T_T)
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ちちぶ銘仙館 (建物と整経場) / 染織文化講座 秩父産地研修 その1
染織文化講座の秩父産地研修レポートですφ(.. )
三橋順子先生による座学の講義の翌週に行なわれました。
この座学+産地研修という講座スタイルがとても良かったです
見学する時間は限られていましたが(しかも大人数)、座学の中で、銘仙とは何か、
その歴史的背景や工程についてお聞きしていたので、見るべきポイントを抑えることが
できて、とても有意義な見学となりました。
三橋先生もご同行くださり、さらに深いお話をお聞きすることができたのも嬉しかった♪
ちちぶ銘仙館へ
1930年(昭和5年)に建築されたアールデコ調の建物が素敵
もとは県営の繊維工業試験場でした。後に廃止されていたものを秩父市が譲り受け、
2002年に銘仙の史料展示や技術伝承を目的として「ちちぶ銘仙館」として開館しました。
フランク•ロイド•ライトが考案した石積み建築はきものが似合う♪
館内は昔々の学校のようなつくりになっていて、展示直売所、整経場、資料室、体験室、
糸繰場、織場、染場とわかれています。
銘仙は養蚕業が盛んな地域で出荷できない屑繭から糸をひき自家用に織られたのがはじまり。
秩父は絹産業の地なのです。整経場には糸づくりの機器が展示されていました。
製糸場などでよくみられる、自然光が入るトラス構造式の三角屋根です。
袋錘撚糸機(昭和40年代製)
リング糸、飾り撚糸、からみ撚糸等の撚り糸をつくる撚糸機。
イタリー式撚糸機(昭和40年代製)
錘(太い針状の鉄棒)が左右のどちらかに回転し、糸に撚りを加える。
スタイロボビンワインダー(昭和30年代製)。
整経機にかける経糸を綛の状態からスタイロボビンに巻き取る糸繰機。
緯糸も同様に綛から巻き取って管巻をする。
整経機(昭和30年代製)
個々の経糸を所定の本数、長さ、一定の張力にして巻き取る整経機。
秩父銘仙の最大の特徴は、経糸を仮織りしステンレスの枠の型紙で捺染し織りながら解く
「ほぐし織り」です。
銘仙につかわれる絹糸
つづきます(^-^)/
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鶴に唐草文様の越後型の道行と白地の総絣80亀甲結城紬にすみれの花の染め帯
道行と羽織が活躍する季節です♪
【3月13日の装い】東京◇晴れ(湿度32%、風強し) / 最低気温2℃ 最高気温18℃
鶴に唐草文様の道行
白地花模様総絣80亀甲の結城紬にすみれの花の染め帯をコーディネート
帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
翡翠色地にすみれの花が描かれています
絞りと鳥文様の古布デコパージュの籠バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
まだ糊が固い…。
いよいよ明日は北陸新幹線が開通♪
加賀友禅大使の皆さま頑張ってくださいませ~o(^▽^)o
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ちちぶ銘仙館 (仮織り、捺染) / 染織文化講座 秩父産地研修 その2
ちちぶ銘仙館 (建物と整経場) / 染織文化講座 秩父産地研修 その1 のつづき(^-^)/
銘仙の最大の特徴は、経糸がずれないように仮織りした状態のものを型紙と刷毛で捺染し、
染めた経糸を織機にかけて仮織りした糸をほぐしながら織るというもの。
1908年(明治41年)に秩父出身の坂本宗太郎がこの技法の特許を習得しています。
これによって銘仙特有の大胆な色づかいで大柄の織物ができるようになったのです。
※後で調べたところ、伊勢崎、足利でも特許を取っています。
この捺染の技法はシルクスクリーンに近いもの。
日本の型紙がヨーロッパに流出し、後にヨーロッパではシルクスクリーンの技術が生まれます。
(1907年に英国でシルクスクリーンの特許が申請されていますが、量産されたのは、
フランスのリヨン式)
それが日本に型染めの技術として入ってきた例や、各産地も独自に研究していた、
さらに戦前は特許の期間が短かったことなどが要因?
そして、大正時代に爆発的に銘仙ブームが起きることになります。
わかりやすい銘仙の製造工程表。
銘仙は経糸に捺染する絣なので、経糸の工程が多くなります。
加藤式仮織機(昭和40年代製)
捺染するときに柄や文様がずれないように経糸を仮織りする織機。銘仙ならではのもの。
整経機で揃えた経糸をかけて粗く緯糸をいれ仮織りします。
ジグザグにゆるやかな緯糸が入っている状態です。
これを見ただけではどうやって織られたのかサッパリわかりませんでした(・_・;)
が…、新啓織物での実演で謎が解けることになります。
捺染加工台は長さ7m60cm、奥行80cm、高さ65cm
端から経糸をビョーンと伸ばして糸に捺染するのです。
捺染はステンレスの枠に入った型紙をつかいます。
外側のアタリといわれる印(対角線に2ヶ所あり)をあわせて送っていきます。
ーーー
※今回の見学ではこの経糸の捺染の実演がみることができなかったのが残念。
文化学園大学で開催された「染織技術をささえる人と道具」研究会の中での
パネルディスカッションで新啓織物さんの説明で捺染の工程が紹介されていました。
許可をいただきこちらの写真をご紹介します。
以下6枚の写真はシンポジウムでの映像から抜粋
この捺染は色の数だけ型紙を必要とします。
さらに色を重ねて
立体的な文様が浮き上がってきました。これは経糸だけなのです!
地色を染めるのは、しごき篦をつかっています。これもはじめて理解した!
蒸して染料を定着させてから織機にかけます。
ーーー
地染めでつかう、しごき篦。
たくさんの枠付きの型紙。色数分必要となれば大量生産しなければ元はとれませんね…。
ちちぶ銘仙館では、申込みをすると捺染の体験もできるそうです。
う~ん、これはこなければ…。
つづきます(^-^)/
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手描き友禅 腰原きもの工房 展覧会 at ルーサイトギャラリー
腰原きもの工房の展覧会が柳橋にあるルーサイトギャラリーにて開催中(~3月15日まで)
こちらは大人気芸者で歌手であった市丸姐さんのお宅だったところだそうで、
風情ある日本家屋がギャラリーとなっています。
2階では隅田川を眺めながらお茶をいただけます。普段はカフェ夜はバーになるそうです♪
花鳥風月という言葉がありますが、花と鳥にも季節があり、風にも月にも趣があります。
それを美しく表現した染め帯が並んでいます。
鳥好きにはたまらない作品も♪
腰原英吾先生と奥さまの伸子先生
ノスタルジックな空間で楽しいひとときを過ごさせていただきました。
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2014年夏 金沢の旅 まとめリンク
北陸新幹線の開通を祝して、金沢の旅のまとめリンクです♪
B級グルメの金沢おでん、ハントンライスから老舗の料亭大友楼、能登上布に加賀友禅にetc…。
金沢の旅のご参考にどうぞ
そういえば…、私が新幹線の前輪のタイヤに彩色した加賀友禅のタペストリーは
飾られたのかしらん(・_・;)
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
金沢そして能登へ 染織文化講座 金沢編 & 加賀友禅産地研修 / 2014年夏 金沢の旅 その1
能登上布について その1 at 山崎麻織物工房 / 2014年夏 金沢の旅 その2
能登上布 工房見学 その2 at 山崎麻織物 / 2014年夏 金沢の旅 その3
枝垂桜の絞りの道行と桜文様の小紋に龍村美術織物の小鳥の織なごや帯
【3月14日の装い】東京◇晴れ時々曇り(湿度32% 予報では降水確率40%だったので雨傘持参)
/ 最低気温5℃ 最高気温15℃
桜文様の意匠は、桜が開花するより先取りが良いとされていますが、
私は毎年、桜が咲く前から散り際まで目一杯楽しんでいます♪
鬼シボ縮緬の桜文様の小紋に龍村美術織物の鳥文様の織なごや帯をコーディネート
こちらの龍村美術織物の織りの九寸なごや帯はお気に入り♪
枝垂桜の絞りの道行
陽射しが強い時間帯の撮影になってしまい、きもの色が飛んでしまってるのが残念。。。
撮影してくれる人(夫です)は自然光にこだわるのですが、これなら室内のほうが…(-。-;)
桜の花が咲き、葉が生茂り木陰ができるまでの辛抱かな。
春はもうそこまで来ています。
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ちちぶ銘仙館 (織り、糸繰室、今とこれからの銘仙) / 染織文化講座 秩父産地研修 その3
ちちぶ銘仙館 (仮織り、捺染) / 染織文化講座 秩父産地研修 その2 のつづき(^-^)/
経糸が捺染されたところに緯糸を織り入れて、仮織りした糸を解く。
それが「ほぐし織り」です。
仮糸が入ったまま捺染されているので、どうなっているのかマイクロスコープで見てみました。
こうなっています!仮糸も捺染で染められている。
経糸1本は何本かの合糸であることもよくわかります。
加藤式半木製力織機(昭和20年代製)
秩父地方独自の織機。紬糸を織るのに適しているのだそうです。
織っていて綜絖の向こう側に手が届きそうになったら解す…?
こうやって手を入れて糸を切って抜き取る…。
織り子さんは1人で4台の織機のほぐしを担当されるとのこと。
この地点では今ひとつ???
解した糸はゴミ箱に捨てていく。
ちちぶ銘仙館では後継者育成教室があり、生徒と研究生(織物の経験者)が募集されています。
3年かけて秩父銘仙の技術を学ぶのだそうです。
その研修生のための織機がズラリ~。
素敵なデザインのものが織られていました。
新しい秩父銘仙、どんなものができていくのでしょう~♪
糸繰室
糸繰りの工程が説明されています。
生繭乾燥機、煮繭機、多条繰糸機、小枠浸透槽、揚返機がありました。
埼玉のブランド繭「いろどり」
美しい天蚕
資料室は撮影禁止です。
今回は事前に撮影許可申請をしていなかったので、写真はありません。
地機の織機、高機の織機、秩父銘仙のきもの、史料などが展示されていました。
中でも三橋先生に教えていただいて注目したのが「秩父大島」
一見大島紬のようにみえますが、反端が型紙捺染によって染まっていることでわかる。
昔はどこの産地でも、大島紬モドキが生産されていたのだそうです。
展示室では秩父銘仙とスウェーデンのコラボでつくられた作品が展示
秩父市はスウェーデンのシュレフテオ市と産業連携交流協定を結んでいるそうです。
シュレフテオ市は毛織物が鉱業が主要産業。
秩父は絹織物とセメント業が主要産業、そのつながりでしょうか…?
スウェーデンのデザイナーによるデザインの銘仙は私好みでした(〃∇〃)
つるし飾り展も開催中。雛飾りも華やか~♪
体験もしたいしもっとじっくり見たかった。こちらはまた訪れたいと思います(^-^)/
次は寺内織物の見学です(^-^)/
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寺内織物 工房見学 / 染織文化講座 秩父産地研修 その4
ちちぶ銘仙館 (織り、糸繰室、今とこれからの銘仙) / 染織文化講座 秩父産地研修 その3 のつづき
埼玉県では県内の伝統的手工芸品を製造している産地14ヶ所のうち、26の工場を
「埼玉県伝統工芸モデル工場」に指定し、工芸品製造の見学や体験ができるようになっています。
そのうちのひとつである、秩父銘仙の寺内織物へ
寺内織物は1914年(大正3年)の創業。ご当代は伝統工芸士の寺内秀夫さん。
当時は秩父銘仙の最盛期で500もの工場があったのだそう。
こちらも銘仙の機屋の特徴である自然光の明かりを取り込むためのノコギリ屋根です。
こちらは1周5mになるという巨大な整経機
ちちぶ銘仙館にあったものよりも大型~(ノ゚ο゚)ノ
たくさんの織機は今まで見たことがないタイプのものも多く興味津々(-_☆)
現在も稼動するものは8台、動かない(つかっていない)ものあるとのこと。
1936年(昭和11年)製の大型の鉄製の力織機
戦時中は軍需物資(パラシュート?)などを織るためにつかわれたのだそう。
今は座布団地やショールなどが主力製品として織られています。
鉄枠の重厚感が蒸気機関車のようだわ~。時代を感じます。
ぎゃー(x_x;)、何だか動きが気持ち悪い…←失礼
経糸切断検出感知器だそうです。経糸が切れると自動的に止まる仕組みだとか。
緯糸のシャトルが鉄製の枠にガチャンガチャンと当たる音が大きくて吃驚(=◇=;)
かつて秩父銘仙の最盛期だったころは、この音が子守唄のようなものでしごく普通だったそう。
ジャガード機などでみられるパンチカードやフロッピーのかわりがコレ。
1964年(昭和39年)製の自動織機
織機といえば、豊田か津田駒…。こちらは津田駒製です。
こちらは寺内織物で織られた、袋織生地に天蚕糸が入っているショール
寺内織物さんは以前は40人ぐらいの方が働いていらしたそうですが、今はご家族でやって
いらっしゃるそうです。100年前に建てられたという建物は大所帯だったころの名残がありました。
秩父地場産センターにてお昼ごはん
せいろ蒸しご飯と地元秩父産のお蕎麦に秩父の地野菜~。
食後は寒い~と凍えながらイチゴソフトクリームをいただきました♪
雪が積もる武甲山。日本武尊が兜をこの山の岩室に奉納したと伝わっています。
セメントの材料としての石炭が産出されることから山が縞縞になっています。
三橋先生はこの山の姿が変わっていくのを見るのがしのびないと憂いていらっしゃいました。
つづきます(^-^)/
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知念幸徳の二玉のトゥイグワーとヒキサギー模様の琉球絣に墨描きの桜の染め帯
暖かくなりました~。来週には桜が開花しそうです
【3月18日の装い】東京◇曇り(湿度49%、花粉飛んでます) / 最高気温22℃ 最低気温11℃
知念幸徳の二玉のトゥイグワーとヒキサギー模様の琉球絣に墨描きの桜の染め帯をコーディネート
墨で描かれた桜の樹の風情がお気に入り♪
前柄は蕾から開花したものまであるので、少しずつずらして、咲く前から満開まで楽しみます。
2日前は、加藤萬の桜の花の絞りの帯あげに龍工房の細い桜色の帯〆
蕾だった桜が咲いたという装いなのです♪
本日は、加藤萬の桜色の無地の帯あげに龍工房の紫色の帯〆
更紗の古布デコパージュのバッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソのお誂え
枝垂桜の染め分けの絞りの道行
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
美しいキモノ編集部にて、「次世代へつなぐ 日本の染めと織り」の打ち合わせ。
サブタイトルとして染織レッドリストを救えとなっています。夏号は関東地域。
花の子ルンルンのようですが、♪~ いつかあなたの住む街にいくかもしれません ~
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
さて、ここは日本に居ながらして…、音楽の都ウィーン♪のようなところ。
スモモとリンゴのソースで食べるパンケーキ、カイザーシュマーレン
ウォッカと蜂蜜が入ったコーヒーでホッと一息~♪
秩父産地研修レポートにつづきます(^-^)/
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新啓織物 ほぐし織の謎の解 / 染織文化講座 秩父産地研修 その5
寺内織物 工房見学 / 染織文化講座 秩父産地研修 その4 のつづき(^-^)/
新啓織物へ。
二代目の新井教央先生と
銘仙は、経糸をザックリと仮織りしたものを型紙で捺染し、再び織機にかけて
仮の緯糸を解しながら織るという「ほぐし織」が特徴。
経糸の仮織りの実演を見せていただきました(-_☆)
このジグザグに斜めに入る緯糸はどういう動きでこうなるのか不思議だったのですが…
緯糸のシャトル(杼)はまっすぐに進んでいるのですが、打ち込まれません。
そのまま千巻(織りあがった部分を巻き取る棒)にスルスルと巻かれていくのです。
千巻に早く巻き取るから斜めになる。
ところどころで、千巻に巻き取るスピードを落として、緯糸が真っすぐになるようにし、
並行に密になるように緯糸を入れます。これが三橋先生がいっていた止め糸。
仮織りの実演を拝見して、ようやく理解できました
この時、自分がレベルアップした音が脳内で聞こえた気がしました。←気のせい
♪~チャチャチャ、チャッチャッチャー~
仮織りした経糸を型紙で模様を捺染し、織機にかけて本織りします。
ところで…。どうやって織りながら仮糸をほぐすのだろう??? と思っていたら…。
綜絖の反対側にいって、手を入れて仮糸を切って抜き取っていく!
うっすらと仮緯糸が入っているのが見えますでしょうか?
力織機なのでシャトル(緯糸)の打ち込みは自動だからできることなのですね。
織機の音で経糸が切れたかどうかなども瞬時に察知して対応。
経糸が切れてしまうと、柄が崩れてしまうので気を抜くことができない作業です。
座布団の生地が織られていました。
銘仙の名の由来は目が詰まった織物、目が千からからきているといわれます。
これは仮織りされた解す糸がハッキリとみえますね。
シャトルに毛が入っているの???
緯糸がズレないように猫の毛が張られているのだそうです。
銘仙の「ほぐし織り」は他では見ることのない技法。(他の国にはあるのでしょうか?)
新井教央先生は、技を継承しつつ、新たな銘仙を生み出しています。
つづきます(^-^)/
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「一衣舎展」at 代官山ヒルサイドテラス
和裁師の木村幸夫先生が主宰されている一衣舎の展覧会へ
代官山ヒルサイドテラスにて開催中(~3月21日まで)
木村幸夫先生には、以前に自然布の仕立てにつかう糸のことで不躾ながら
ご質問させていただいたことがあります。
とても真摯にお答えくださり、勉強になりました。
木村先生の著書「きものの仕立て方、頼み方」を愛読しているので、
前々からお会いしたいと思っていたのです。
水洗いしても伸縮率がかわらないお仕立てなど、きものを着る人にとって本当に
必要なところに真摯に取り組まれていらっしゃいます。
唐桟織の斎藤裕司先生にもお会いすることができました。
細い木綿糸で織られ砧打ちされた唐桟織の風合いには、絹のような艶があり、触り心地は
柔らかくて弾力がありました。シワになりにく着心地が良さそう。着てみたい~ヽ(゚◇゚ )ノ
木綿ということは水に強い!これは重宝するでしょうねえ。
館山の唐桟織の織元は斎藤先生のところのみ。染織レッドリストの1件です。
あ~、次世代に残したい、、、というよりまずは私が着てみたいですね
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青海波に七宝、菊、向かい蝶の総柄小紋に蝶文様の織なごや帯
海外からのお客様とお会いすることになっていたので、話題に事欠かない
日本の文様たっぷりの総柄小紋をチョイス♪
【3月20日の装い】東京◇曇り(雨が落ちてきそうな…、湿度63%) / 最低気温10℃ 最高気温15℃
青海波に七宝、菊、向い蝶、笹蔓緞子などの総柄小紋に蝶文様の織なごや帯をコーディネート
笹蔓緞子文様の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
鶴、亀、松竹梅の雪輪文様の利休バッグは伊と忠
土筆と春の花文様の花緒のぞうりは神田胡蝶
松葉文様の羽織
羽織紐は龍工房
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にっぽん文楽 ほろ酔い文楽鑑賞♪ at 六本木ヒルズ
「にっぽん文楽」鑑賞へ
六本木ヒルズの高層ビルの谷間にあるヒルズアリーナに、野外文楽劇場が出現!
開放的な野外で江戸の芝居小屋のように文楽を楽しもう♪という企画なのだそう。
木戸口も中々立派もの。
舞台側面からみるとこんな感じです~。上からの写真、撮り忘れた…(_ _。)
にっぽん文楽の幟と帆掛け船の幕が大衆娯楽の雰囲気です。
櫓には槍と牡丹槍(たんぽやり)
このプロジェクトの為につくられた文楽専用舞台は移動組み立て式。
2020年の東京オリンピックの年まで、年2回のペースで日本全国を巡るのだそうです。
舞台も客席の縁台も吉野山の檜からつくられてるのだそう。
この日は雨上がりの影響で檜の香りがたっていて都会にいながらして森林浴でした♪
左は竹本座、右は近松家の定紋
盆回しといわれる回転とびらもありますが、今回は廻りません
さて「にっぽん文楽」は、食べながら飲みながらがコンセプトの企画。
大坂の料亭の大和屋三玄のお弁当は予約でいっぱい。←入場券よりお高い
私は抹茶ババロアと純米生原酒をいただきました。
日本酒をいただいても、ビルの谷間風は寒かった(((( ;°Д°))))
夜の部ではホットサングリアがあったのだそう~。←すみれ庵の西岡先生情報
雨対策の雨コートを着用。野外を甘く見てはいけません。防寒対策はしっかりと。
●元NHKアナウンサーで古典芸能解説者の葛西聖司さんによる文楽の楽しみ方の解説。
客席の中をハンドマイクで行き来して楽しいお話をしてくださいました~♪
にっぽん文楽の客席が縁台なのは、背もたれがないので寝れないように!なのですって。
コンセプトからいって従来の文楽ファンというより、より多くの人に文楽を身近に楽しんで
欲しいといったところでしょうか。ええ、とっても楽しかったですよ♪
●「二人三番叟」
杮落し公演に相応しい祝儀もの。五穀豊穣を祝い邪気を払うお目出度い演目。
鶴の首抜き文様の素襖に松文様の袴、剣烏帽子。
物語らしい物語があるわけでなく、鈴を鳴らしながら舞うのは種まきかな。
●舞台転換のときには太夫と三味線による解説
豊竹希大夫による浄瑠璃のお話
床本といわれる台本に書かれている浄瑠璃文字について。
大夫が語る登場人物、若い娘から武将までの演じ分け。義大夫節はすべて関西弁であることなど。
鶴澤清公による三味線のお話
譜面もなく、その音色で自然現象から登場人物の喜怒哀楽までを表現する三味線。
旋律で場面を謳いあげるさまについて。
床本が置かれる見台が立派~。義太夫がバンバン叩いても大丈夫。
●「日高川入相花王 渡し場の段」
安珍清姫の道成寺もの。清姫の首がガブとよばれる形相に変身します。
舞台の躍動感がジンジン伝わってきたのは、観客が新鮮だからか、それとも外の空気かしら?
川の中で泳いでると鱗文様の白装束になる早変わりも野外で見るといっそう面白い。
※清姫の主遣いを演じられた豊松清十郎さんに以前文楽レクチャーをしていただいた時の写真
来月、人間国宝であった師匠吉田玉男の名跡を継ぎ襲名される、吉田玉女さんと
人形遣いは、胴体と右手に手を入れる真の主遣い、左手担当の左遣い、両足担当の足遣いの
3人が一体となって演じます。主遣いは紋付袴で顔をだして演じる人形に生命を吹き込む役。
人形の首の動き手の添え方で心情がつくりだされる、何とも不思議な世界なのです。
私、文楽鑑賞は数えるぐらいしかありませんが、野外で見るのはまた新鮮でした。
演目も心情に訴えかけるようなものでなく、わかりやすいもので、ほろ酔いで見る
文楽鑑賞はとっても楽しかった~(〃∇〃)♪ 寒かったですけど…。
文楽では3人で操る人形の他に1人で操るツメ人形があります。(その他大勢)
そのマスコット、ツメやん。
ストール留めにキツネを♪
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大相撲春場所 千秋楽 / 伊勢ヶ濱部屋快進撃 そして 第37代木村庄之助の引退
大相撲 春場所は白鵬が34回目の優勝を飾りました
終わってみれば、白鵬の優勝!
やっぱり、白鵬は強い…。
しかしながら、今場所も伊勢ヶ濱部屋は頑張った。そして強い結束力でした!
※↑2013年9月 伊勢ヶ濱親方理事就任&照ノ富士十両昇進祝賀会より
今場所、新関脇となった照ノ富士は大活躍。
十両昇進から1年半、今場所から新関脇、新三役。
※↑2013年9月 伊勢ヶ濱親方理事就任&照ノ富士十両昇進祝賀会より
金星を手にし、14日目は逸ノ城との水入りの熱戦の末に勝利。
そして千秋楽は好取組で豪栄道に勝ちました。
さらに、日馬富士が白鵬に勝てば、再び白鵬との優勝決定戦という…、大盛り上がり。
※2015年1月 初場所千秋楽打上式より
今場所の賜杯の行方は、伊勢ヶ濱部屋の兄弟子である日馬富士にかかることに
日馬富士対白鵬戦は素晴らしかった!!!
照ノ富士に援護射撃したい兄弟子の心意気が漲る、気迫溢れる相撲でした。
久しぶりに胸が熱くなりました…(>_<) 日馬富士…かっこいい。
※2012年12月 第70代横綱昇進披露祝賀会より
応援していて良かった~と心から思います
※2015年1月 初場所千秋楽打上式より
優勝決定戦をみることができなかったのは、残念だったけれど、とっても満足の千秋楽でした。
大坂まで見にいきたかった~。
伊勢ヶ濱部屋万歳~ヽ(゚◇゚ )ノ
ここからエールを贈ります♪
そして、第37代木村庄之助の引退の日でもありました
最後の立行司装束の文様は出身中学校の校章だそうです。
前から何の紋だとうと思っていたのですが、そうか…、校章か。
※2014年初場所より
半世紀の行司人生、軍配に迷ったことは一度もないとのこと。
最後の結びの一番、心に残る良い取組みでした。
ありがとうございましたm(_ _ )m
五月場所が楽しみだ~♪
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茶飯釜の茶事 / 珊瑚色の一つ紋付色無地に青海波に帆船文様の唐織のなごや帯
茶飯釜(ちゃはんがま)の茶事へ。
茶事ですので一つ紋付の色無地です。
数奇屋袋と懐紙入れは龍村美術織物、古帛紗は北村徳斎、茶巾入れは嘉門工藝
寄り付きにて、さくら湯。
ここですでに気持ちが高揚~♪
麗らかな春の日
茶飯釜の茶事は、ひとつの釜でご飯を炊きお湯を沸かしてお茶をいただきます。
茶飯釜には「飯来飢」そして「渇来茶」と鋳込まれています。
お腹がすいたらご飯を食べにいらしてください、喉が渇いたらお茶を飲みにいらしてください。
炭点前。
釣り釜なので五徳はありません。炭はいつもよりたくさんつかいます。
釜にお米がサラサラと入りました。
火ふき竹で、フーフーと火を起こします。
折敷には向付と飯椀の蓋と汁碗の蓋。
ご飯が炊けるまで、向付をいただきながらまずは一献。
そして、椀もの。
釜から沸々と湯気が…。湯気がでてこなくなったら炊きあがり。
釜を下ろして、汁を火にかけます。
ご飯、吃驚するぐらい、美味しく炊けていました\(゜□゜)/
ご飯とお汁
焼き物、煮物は御重に入ってきました。お花見の趣向かな~♪
鳥団子、筍、こごみ、豆腐田楽
汁がよそわれた後、下げられた釜が洗われて戻ってきました。
焚きあわせは、菜の花とウド、そして青柳
海のものと山のものの八寸
茶事でいただくお酒はどうしてこんなに美味しいのでしょう(〃∇〃)
主菓子をいただきます。
黄身餡が美味でした~♪
再び席入り
茶飯釜の向きが変わっていたことがわかります。
濃茶につづいてお薄を
干菓子が箪笥に入っていて可愛い~♪
亭主側は、道具を整え、懐石を用意し、花を生け、庭に水を撒き、お茶とお菓子に心を配り…。
客は、その心を知り、茶を楽しむ。
何と贅沢な時間なのでしょう。生活に取り込まれていたら素晴らしい~♪
春の息吹をいただいた、素晴らしい茶事でした。
ありがとうございましたm(_ _ )m
明日は茶飯釜の茶事の裏方のお手伝いですσ(^_^;)
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茶飯釜の茶事 / 魚の骨にみえるウールのきものに築城則子の縞縞の昼夜帯
社中の茶飯釜の茶事2日目、今日は裏方です。
懐石の盛りつけを担当。
茶飯釜は席中でご飯と汁をよそうので、折敷には蓋のみセット。
この後は写真を撮っている余裕はありませんでした(@@;
昨日は御重だったのですが、鉢でお出ししました~。
タイミングを見計らって暖かいものを暖かいうちにお出しする…。難しいです~(_ _。)
色々と反省…。とっても勉強になりました。
茶飯釜で炊いたご飯、美味しい~♪と、お客さまから歓声があがっていました。
茶飯釜は飯盒炊爨のようなもの…。そういえば飯盒で炊いたご飯も美味しかった気がします。
お台所にかかりっきりなので、洗濯機で洗えるウールのきものに襷掛けです。
築城則子先生が糸の選定とデザイン監修をされている、インテリアファブリックの
広幅の生地「縞縞」でつくった、昼夜帯をコーディネート
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里山の桃源郷
里山の桃源郷の桃の花が見頃でした~
桃源郷とは再び訪れることができない地といわれますが、今年も桃の花が咲く
この時季に訪れることができました♪
桃、レンギョウ、桜も咲いています。緑の丘にピンクの花々の濃淡が美しい。
日本昔話にでてきそう~。春のとっておきの場所なのです
夕刻の丘の風は冷たかった~。
桃は中国では古来より邪気を祓う霊木とされ、桃の木でつくった弓矢での悪霊除けの
風習があります。樹皮や木の形がどことなく神秘的で霊力がありそうです。
仙女が棲む地の桃の木は三千年に一度実をつけ、これを食すと不老不死が得られる
という西王母伝説があることから、吉祥文様とされています。
日本でも古事記の中でイザナギの命が桃の実を投げ鬼女を退散させた逸話や桃太郎の
民話などにあるよう邪気を祓う果実とされました
「我ら三人、生まれし日時は違えども、兄弟の契りを結びしからは、心を同じくして助け合い、
困窮する者たちを救わん。上は国家に報い、下は民を安んずることを誓う。
同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を願わん」
三国志の桃園の誓いはこんな桃畑の中で行なわれたのかもしれません
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