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加賀蒔絵 ワークショップ at いしかわ伝統工芸フェア2015

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「いしかわ伝統工芸フェア2015」は東京ドームプリズムホールにて開催中(~2月8日まで)

加賀前田家は徳川幕府体制下における外様大名という立場から、加賀藩の文化政策に
力を入れ軍事放棄を表明したといわれています。
そのおかげで、金沢には、加賀友禅、加賀繍、金箔、加賀蒔絵、九谷焼、加賀水引など
今に伝わる伝統工芸品が多くあります。

加賀蒔絵に挑戦。


日本の伝統的加飾方法として漆をつかったものがあります。
現存する日本最古の蒔絵は東大寺正倉院宝物殿に所蔵されている「金銀鈿荘唐大刀」
といわれていますが、渡来ものなのか、日本でつくられたものなのかは、技法についてとともに、
さまざまに論じられてきました。この話は興味深く、もうちょっと調べてみたいところ。

加賀蒔絵は加賀藩3代前田利常が、室町時代より将軍家お抱えの蒔絵師の家である
五十嵐家の3代五十嵐道甫を京都より金沢に招いたことにはじまります。

漆を塗って接着剤としその上から金粉銀粉を蒔いて定着させる技法。
ワークショップでは、銘々皿に蒔絵をします。

こちらは見本。エルジー粉という日本画の画材につかわれる粉で彩色されてます。

金で下絵が書かれた銘々皿をつかいます。この下絵を置き目というそう。

朱色のものが漆の代用品であるカシュー。

同じ配色にするところに、漆を置き目の内側をくくり塗っていきます。

毛棒で粉を置いていきます。
周りに粉を落として周りから掃きかけて寄せていくように。

漆の色が朱色だったので、これが彩色なのかと勘違いしちゃったのですが…(^_^;)
彩色を先に決めて、少しずつやっていったほうがいいですね。

乾きが思ったより早いので粉がつきにくくなります。

染まりかけの紅葉は漆をまま残して金粉で、桜の花の色は臙脂色の粉と銀粉を混ぜてつくり、
葉の色はエメラルドグリーンの色をそのままつかってみました。

紅葉は金、桜は銀にしたかったのですが、金線を残すことにとらわれて金にしました。
考えてみたら金線も漆で塗って隠してしまえばよかったのか( ̄□ ̄;)!!

テレピン(除光液)をつかってはみだしてしまったところを修正、さらに漆を塗って金で補正。

粉を落として

完成しました!

塗り方は酷くお粗末なのですが、←不器用
配色や黒を残したバランスは気に入っています合格

桜の花の中心にはほんのり金を後乗せしました。

加賀蒔絵がつくられる一端を知ることができて大満足です(^-^)/


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能登上布•牛首紬•加賀友禅 at いしかわ伝統工芸フェア2015

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「いしかわ伝統工芸フェア2015」は東京ドームプリズムホールにて開催中(~2月8日まで)

●能登上布●
シャリ感のある肌触り、通気性が良く軽く、捺染でつくられる絣が特徴の能登上布。
かつては京都でも夏のきものといえば能登上布という、能登上布隆盛の時代があった
そうですが、昔は140件あったという織元も今は山崎麻織物1件のみです。
伝統工芸フェアの中でも「希少伝統的工芸品」として出展されています。

山崎麻織物の山崎隆先生と姪御さんとカメラ

経絣糸、緯絣糸共にロール捺染の十字絣
能登上布は昭和になってから、ラミーといわれる紡績糸がつかわれています。
ラミーの糸の利点は糸の太さが均一であり手績みの苧麻よりも丈夫であること。
能登上布につかわれるラミーの糸は蒟蒻糊で固めることによって、毛羽立ちがなく
しなやかに織りあがり、尚且つシャリ感があります。

絣の技法には手括り、締機、板締め、捺染とありますが、能登上布の絣の特徴は、
絣糸は捺染によるものということ。

こちらは櫛押し捺染の絣
櫛で押すわけではなく…、弓のような木型の布が貼られた側面に染料をつけて、
板巻きした糸に染料を摺り込みます。木型が櫛に似ていることから、櫛といわれます。


能登上布の工房見学させていただいた時の詳細レポは こちら☆ こちら☆

●牛首紬●
平治の乱で敗れた源氏の一族が技を村人につたえたのがはじまりといわれています。
この地方は山間地で畑が少ないため養蚕で生計をたて、品質の良いものは売りに出し、
残りのくず繭といわれる玉繭(ひとつの繭に2個の蚕)で織られた反物が牛首紬です。

糸繰りの歴史には中国に端を発し東周りの日本古来の座繰りの形式とヨーロッパを経由した
西回りの座繰りがあります。牛首紬は東周りの日本古来の伝統的なやり方。
そして玉糸からつくられる緯糸は「玉糸機(たまいとばた)」で織られます。

経済産業省による牛首紬の伝統的工芸品としての指定条件は3つ
①先練り又は先染めの平織りとすること。
②経糸は生糸、緯糸は「座繰り」による玉糸とすること。
③緯糸の打ち込みには、「手投杼」又は「引杼」を用いること。

縞が苦手な私もこれは着こなせるかもっと思った夏牛首。
③の項目は満たしていないので伝産指定品ではありませんが、その分価格的にはお手頃。

きものは骨董品でも美術品でもありません。
あくまでも着るものでありファッションのひとつです。
なので、伝産品であるかどうかは全く重要視していないのですが、どういったことが手間がかかって価格に反映しているのか(その逆も)知った上で購入したいといつも思っています。



牛首紬…。着てみたいです!
そして知りたいことがたくさんあるので、ぜひ産地見学にいってこの眼でみて学びたい。

●加賀友禅
加賀友禅の起源は約500年前の加賀独特の染め技法であった梅染といわれています。
梅染とは梅の樹皮や芯材を細かく砕いて炊きだした染液につけ石灰などで媒染する
無地染めのこと。梅染の染法で黒味を帯びた色に発色させたものは黒梅染と呼ばれました。
模様が施されるようになったのは加賀御国染めとよばれる兼房染や色絵、色絵紋が確立され
た17世紀中頃で、この頃に現在の加賀友禅の基礎が確立されたようです。

京友禅の祖といわれる扇絵師の宮崎友禅斎は金沢の紺屋棟取の太郎田屋に身を寄せ
斬新なデザインの模様を創案し友禅糊の技法を定着させ加賀友禅の発展に大きく寄与しました。
加賀友禅の特徴は加賀五彩といわれる臙脂(蘇芳)、藍、黄土、草(緑)、古代紫(墨)を
基調とした落ち着きのある写実的な草花模様を中心とした絵画調の柄。
外を濃く中心を淡く描く先ぼかしや木の葉の虫食葉(わくらば)の技法がつかわれます。
仕上げに金箔や絞り、刺繍などがつかわれないことも特徴。

加賀友禅の花緒も素敵~♪
加賀で加賀友禅作家と称されるには加賀染振興協会に落款登録をすることが必要です。
どんな作品にもひとつひとつに落款が入っています。
加賀友禅の落款は朱肉でなく糸目糊で描き入れられるのが特徴。


つぎは「加賀繍」のワークショップのレポートです(^-^)/

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「小山憲市紬織展」at 銀座清月堂画廊

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銀座清月堂ギャラリーにて開催中の小山憲市紬織展へサーチ (本日最終日です)

玉繭から手引きされた糸や座繰りの糸をつかって織られる上田紬。
その技法をつかい風合いを残しながら、透明感ある現代的な織物をつくる作家さんがいます。

小山憲市先生です。


小山先生の作品は単色にみえるようでいて経糸だけでも数十色の糸がつかわれます。
糸の撚りのかかり方もそれぞれ違う。
糸の精練から染色、織りまでご自分の工房でされるとのこと。

緯糸には手引きによる撚りのかかっていない糸が織り込まれることによって、
独自の地風が生まれ紅梅織のようにもみえるのです。


こちらは経糸に手引きの糸がつかわれた作品。すごく織りにくいそうです…。
しかし着姿がとても美しい作品になります。
iphoneの充電切れでこちらはデジカメで撮影させていただきました。


昨年の個展で出会って、素敵~(〃∇〃)ドキドキと、一目惚れした作品のお誂えを
お願いすることにいたしました。
マイクロスコープで経糸と緯糸の色を確認し、その中の1色から八掛の色を選ぶことに。
とはいえ、はじめに「これがいい!」と思った色からははずれないものですね。


小山憲市先生とカメラ


私、たくさんのきものとの出会いがあるので、欲しい!と思っても即決での購入は
できるだけ避けるようにしています。(ない袖は振れないだけともいいますが…)
ある程度時間を置いて、どーしても着てみたい!と思ったら、それは間違いないものなのです。
後ろ髪ひかれる思いで諦めることばかりですが、少しずつ…。

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加賀繍 ワークショップ at いしかわ伝統工芸フェア2015

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加賀蒔絵 ワークショップ at いしかわ伝統工芸フェア2015 のつづき

「加賀繍」に挑戦♪


加賀繍は打敷、袈裟などの装飾技法として室町時代に京都から伝えられたといいます。
金沢では金箔、刺繍といった工芸が発達しますが、加賀友禅にはつかわれません。
武家の文化の質実剛健といったものが好まれたから…ともいわれていますが、
写実的な友禅の表現にあわないからでは…?と推測しています。
昔の加賀友禅(木村雨山や談義所栄二)には箔と繍がふんだんにつかわれたものもあります。

見本の梅の花を刺繍します。桜の花びらもありました。

刺繍糸の色は外側の2色を使用。生地の色は数種類から選べます。


まずは刺繍糸を撚るところから。
が…、糸を撚るときと縫うときに固定するものが机の厚みにあわず…。

椅子に固定してすることになりました。

糸を台にくくって、片側を両手で挟んで、右手を左手の下から上にあげていく。3~5回。

撚ったほうを口にくわえて、もう片方も。

あら…、必殺仕事人みたい

左右両方の糸をあわせたら、さっきとは逆に左手を右手の下から上にあげていく。


刺繍の仕方のレクチャー。
真ん中に糸を通して左から右と向けて。上に向かって進み、その後下に向かって。

最後の糸切りは糸と糸の間に縫い込んで始末する。

真ん中からスタート。

反対側も真ん中から刺して同じように。

金糸で花芯を刺繍したら、丸いところは相良繍を。
ローマ字のeの字をつくり、その上から輪をとって丸をつくり引く。

こんな感じになりました。うわっ…ガタガタ(・_・;)

相良繍のアップ


額にはいる大きさに切ります。仕上げにアイロンをかけて、額縁に装填。

この日の装いにあわせた文様と色の刺繍額ができあがりましたヾ(@°▽°@)ノ

ご指導くださった先生とカメラ ←お名前お聞きしそびれたあせる
最後の最後に「ブログみてます!」っといってくださったのが嬉しかったです~♪


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藍に茜に砥粉色の格子の郡上紬に森口華弘の手描きの梅の枝文様の染め帯

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ざっくりとした風合いに独特の光沢がある格子の紬。
手にした時は、ちょっと重い…?と思ったのですが、着てみると何とも着心地が良い合格 
そして暖かく、まったくシワにならない♪


郡上紬です。
口織の切れ端が行方不明なのではっきりしたことはわかりませんが、
宗廣陽助先生の作品ではないかと…。
経糸には節がある玉繭からのとられた糸、緯糸は本真綿の手紡ぎ糸。

郡上紬は都から逃れた平家の落人が地元の野蚕糸を草木で染め織りはじめたといわれています。
(ちなみに牛首紬は源氏。こういった伝承は物語性があるので、染織に限らずよくあります)
もともとは郡上の農家の人が屑繭をためて自家用に地機で織られていたもの。
明治になると衰退の一途を辿ります。自家用に織られていたものはとくに衰退しやすい…。
それを復興されたのが、故宗廣力三です。昨年は生誕百年で記念展が開催されていました。

春繭の真綿を紡ぎ、どぼんこ染といわれる草木染めで染められます。
どぼんこ染は糸を垂直に染料につけ繊維が自然に染料を吸い取る力をつかった染め。
宗廣力三の代表的な作品は自然なぼかしで丸紋を表現した絣があり、憧れています(〃∇〃)


藍に茜に砥粉色の格子の郡上紬に森口華弘の手描きの梅染め帯をコーディネート。



ほとんど見えていませんが、白地に赤い梅の絞りの帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房

森口華弘の染め帯との相性も合格


ほぼ車での移動だったので、サクッと羽織れる、くるりのケープマントをあわせました。

バッグはジャマン•ピュエッシュ、ぞうりは菱屋カレンブロッソ


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建国記念の日 / 茶色地に朱の緯絣の結城紬に松に烏のアンティーク刺繍帯

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今日は建国記念の日旗日
その由来は、日本を統一したといわれる神武天皇即位の日とされています。

日本書紀によると、神武天皇が大和橿原の宮にて即位されたのは「辛酉年春正月庚辰」
とあり、歴代天皇在位年数をもとに逆算すると、西暦紀元前660年になります。
即位月が春正月、即位日は庚辰とあるので、それにより神武天皇即位の日を
紀元前660年2月11日としたそうです。※他にも説があります。
これが戦前に行われていた四大節のひとつ「紀元節」です。

現在は宮中祭祀において紀元節祭は行われていませんが、昭和天皇と今上天皇は
2月11日に宮中三殿で臨時御拝を行い、橿原神宮へ勅使を派遣されています。

神武天皇を橿原の地へと導いたのは八咫烏。
三本足の烏といわれますが、古事記も日本書紀も足が三本であるとは書かれていないため、
後世になってから中国の三足烏と混同されたという説が有力です。

安達吟光「神武天皇東征之図」 Wikipedia commonsより


茶色に朱の横絣の結城紬に松に烏のアンティーク刺繍帯

八咫烏にちなんで、烏の刺繍帯。この烏の足は1本ですね(^_^;)


烏の子どもかしら…。可愛い~(〃∇〃)ラブラブ


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華文の真綿の塩沢紬に知念貞男の波に梅と桜の花文様の紅型の帯

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極寒の中咲く初々しい姿、ほのかに匂う香り、花の終わりの「こぼれる」という表現、
梅の花は愛おしい赤梅

いっせいに咲き広がり、夜には辺りをぼんやり明るく見せ、潔く散り、そして散ると
勢いよく緑が芽吹く、桜の花は美しい桜

寒い日がつづいていますが、美しい日本の春はもうそこまで来ています♪

華文の真綿の塩沢紬に故知念貞男の波に梅と桜の花文様の紅型の帯をコーディネート

経糸に生糸と玉糸、緯糸に真綿からの手紡ぎ糸がつかわれています。
しっとりとした柔らかで暖かい風合いの塩沢紬は今は生産反数が少なく幻の紬といわれています。

帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房

手先とたれ先の色が儚い水色なのが、水に漂う花のようで気に入っています合格

梅の花と桜の花。新年から春先まで目一杯楽しめる帯です♪


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やまだ織の黒地石畳模様の本塩沢にれえすの花の竹に雀の刺繍帯

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私にしては渋い装いです…σ(^_^;)


やまだ織の山田社長さんからは「これは今の貴女には地味だろ~」とアドバイス
いただいたのですが、今着てみたかったのです。
この先長く着られることを考えて買うことは滅多になく、今しか着られないものを
選ぶのですが、私にしては珍しい。

細かな300絣で大きな石畳をあらわした絣の強弱に魅かれたました。
社長さんは手裏剣っとおっしゃっていました。どことなく動きがある感じも良い♪

本塩沢は越後で織られていた麻縮の技法を応用してつくられる絹織物。
八丁撚糸といわれる強い撚りをかけた右撚りと左撚りの緯糸を交互に織りあげて、
湯もみによって撚りが戻って縮みしぼをだしシャリ感のある生地をつくりだします。


【2月13日の装い】東京◇曇り(湿度26%) / 最低気温2℃ 最高気温12℃

やまだ織の黒地石畳模様の本塩沢にれえすの花の竹に雀の刺繍帯をコーディネート。


渋さを軽減させるために、帯あげの色は慎重に選びました。
縮緬地で同じような薄い緑色でもちょっとした差で印象がかわるものなのです。

加藤萬の若柳色を選びました。帯〆は龍工房

帯〆の色はお太鼓柄にある鳥かごの紐と同じ紫色を。

籠バッグも竹に雀です。ぞうりの色は黒だと重過ぎるので雀の色と同じ茶色で。
バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソ。


それにしても、渋い…。

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「新匠会展」京小紋染 at 銀座清月堂ギャラリー

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「新匠会展」が銀座清月堂ギャラリー2階にて開催中(~15日まで)


京都にある4社が集まっての「型染め」のきものと帯の展覧会です。

型をつかって繰り返し染めるものを「小紋」といいます。
故小宮康助が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されたときに、裃などでつかわれた
細かな型をつかった型染めを「江戸小紋」というようになったことに対して、写し糊をつかった
型友禅の小紋が「京小紋」といわれるようになりました。

型染めは量産するための技法と思われがちですが、元々は違います。
型をつかうことによって、手間が省ける量産品となったのは、江戸時代後期以降のこと。
明治になり武家社会が終わるとともに、大量の型紙がヨーロッパに流出します。
産業革命後のヨーロッパでは、日本の型紙は洗練された工業的意匠として賛美され、
アールヌーボーやユーゲントシュティールに影響を与えました。
そして浮世絵と共にジャポニズムの大ブームを巻き起こすことになるのです。
日本の型紙がヨーロッパに渡ったことで、型紙の紗張りからスクリーン捺染が発展。
そして日本へは化学染料が輸入され、広瀬治助が考案した写し糊によって型友禅が普及します。

「京小紋」といっても、柿渋紙をつかった染めからスクリーン捺染など様々なものがあります。
江戸時代から伝わる型紙を彫り直して染めたもの。
技法も摺り込みもあれば糊をつかって暈すもの墨描きのようにみせるもの…。

どの作品がどういった技法で染められているのか…。
代表的なものだけでもご紹介したかったのですが、今回は写真だけ。

三好染工

万葉染織

吉江染工場

小糸染芸


落ちついた空間でじっくり鑑賞することができますよ~♪

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臙脂色薔薇模様の本塩沢にれえすの花の椿に百舌の刺繍帯

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日中は暖かですが、陽が落ちるとグッと冷えます…。風が冷た~いY(>_<、)Y

【2月15日の装い】東京◇晴れ(湿度29%、強風) / 最低気温0℃ 最高気温11℃

臙脂色薔薇模様の本塩沢にれえすの花の椿に百舌の刺繍の帯をコーディネート


よくみなければわからないのですが、薔薇模様というのは珍しい。

帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房

色調を合わせて。
これが薔薇と椿が搗ち合ってうるさくなりすぎないギリギリのところでしょうか。

雀だと思っていたのですが、鳥に詳しい方から百舌では?と、教えていただきました♪

椿の帯はたれ先にも刺繍がされています。花の色のグラデーションも良い♪

バッグは松枝忍の古布デコパージュ。油絵で描かれたような林檎と鳥です。

黒のカシミアコートの衿にも、松枝忍の雀の古布デコパージュのブローチ


花と鳥尽くしの装いで出掛けたのは、山種美術館の内覧会。
「花と鳥の万華鏡 ~春草•御舟の花、栖鳳•松篁の鳥~」(~4月12日まで)

「竹垣紅白梅椿図」作者不詳 ◇山種美術館蔵

山種美術館といえば、展覧会にちなんで青山菊家がつくる生菓子。
黒糖風味の大島餡が美味~(〃∇〃)♪

こちらの絵にちなんでつくられました!
「百舌巣」速水御舟 ◇山種美術館蔵


※展覧会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は許可をいただいたものです。

詳細は別記事でレポートします。
鳥好きの私には幸せすぎる~展示でございました♪

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婦人画報3月号の付録 志ま亀の手土産トートバッグ / 志ま亀のふくら雀の小紋に貝桶の帯

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婦人画報3月号には志ま亀デザインのトートバッグがついています♪

志ま亀の女将である武内美都さんのお嫁入りの際につくられた「疋田入松に菊」の
訪問着の意匠でつくられたもの。

20cm四方の底板がついたマチがたっぷり深めのバッグです。
フルーツや菓子折りなどが入るようになっていました。その名も手土産トートバッグ。

数奇屋袋、替え足袋、風呂敷、化粧ポーチ、カメラなどがスッポリ。

利休バッグには入らない、雨コートや折りたたみの傘を入れて持ち歩くのにも重宝します。

きっとギフト特集にちなんでの付録なんですね。
付録バッグの良いところはコンパクトに畳めること合格


書店では完売してしまったところもあるそうですが、
amazonなら購入できるようですよ♪矢印

婦人画報 2015年 03月号

志ま亀コーデにあわせるとこんな感じドキドキ


【2月16日の装い】東京近郊◇晴れ(湿度20%、カラカラ) / 最低気温1℃ 最高気温13℃

志ま亀の黒地竹にふくら雀文様の小紋に貝桶文様の染め帯をコーディネート

二枚貝は対になる貝殻としか合わないことから貝あわせのお道具は婚礼の調度品として
つかわれました。夫婦和合の象徴でもあります。

帯〆、帯あげ共に志ま亀。

バッグは志ま亀、ぞうりは神田胡蝶


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エアメールの形をしたRADLEYのお財布

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バッグはその日の装いにあわせて、コーディネートしますが、お財布はあまり変えません。
必ず持ち歩くものなので、お気に入りのものがあると嬉しい~。

イギリスのRADLEYのお財布です♪

エアメールの形をしています。

二つ折りタイプになっているので嵩張らない。

ファスナー式の小銭入れもつかいやすいです合格


RADLEYのシグネチャーシリーズはお財布もありますが、大きすぎて嵩張るのが難点だったのです。


二つ折りタイプ、重宝しております(^-^)

今夜は寒いですね(((゜д゜;)))
明日は雪になりそうです。

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岸派と千總「花と鳥の万華鏡 ~春草•御舟の花、栖鳳•松篁の鳥~」内覧会 ①at 山種美術館

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山種美術館にて開催中(~4月12日まで)の
「花と鳥の万華鏡 ~春草•御舟の花、栖鳳•松篁の鳥~」へサーチ

「花鳥風月」という言葉がありますが、四季折々の美しい日本の景色には
花と鳥が共に描かれることが多いです。
季節を彩る花、そこに鳥が描かれることによってさらに空気も伝わってくるような…。

そう、私が数多くある意匠の中で鳥を好むのは、この空気感なのです。

「花鳥図」岸連山 ◇ 山種美術館蔵


岸連山は岸駒(がんく)の孫娘と結婚し岸派の後継者となった江戸末期の日本画家。
そして岸連山の娘婿は岸竹堂です。

「友禅の祖といわれる宮崎友禅斎の出世譚は岸駒に酷似している、このことが
明治期の友禅ブームつくりだした背景にある」

と染織研究家の丸山伸彦先生はおっしゃっています。

江戸時代、友禅の下絵は画工といわれる職人の手によって描かれていました。
明治になり西欧化が進む中で京都画壇の日本画家を画工の顧問として迎え、
友禅の下絵を描かせたのが、千總12代目の西村總左衛門です。

有名なのは岸竹堂と今尾景年、そして竹内栖鳳。
西村總左衛門は岸竹堂に日本画を習っていたといわれています。

こうした背景を知って鑑賞するとより楽しめます。
山種美術館はきもの割引もありますよ♪

松に丹頂鶴

薔薇と鸚鵡

水辺の白鷺

牡丹と孔雀


ふぅ~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

内覧会レポートつづきます(^-^)/

※展覧会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は許可をいただいたものです。

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表装を見る「花と鳥の万華鏡 ~春草•御舟の花、栖鳳•松篁の鳥~」内覧会② at 山種美術館

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岸派と千總「花と鳥の万華鏡 ~春草•御舟の花、栖鳳•松篁の鳥~」内覧会 ①at 山種美術館
のつづき(^-^)/

山種美術館が所蔵する日本画は表装も素敵なのです:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


幾度か書いていることですが、表装はきもののコーディネートととても似ています。
面積の狭い裂によって作品を良くも悪くもみせるのです。
私は書にはあまり興味がないのですが、それでも時々見にいくのは表装を観るため。

本紙(作品そのもの)=きものでいったら着ている人
天地(縦長の上下にある裂)=きもの
中廻し(中縁)=帯
風帯(天から下がる2本の裂)=帯あげ
一文字(本紙の上下についた細長い裂)=帯〆
というのが私の印象。

「双鶴」竹内栖鳳 ◇ 山種美術館蔵

この作品は、水の中にある鶴の足に注目。
山﨑妙子館長のレクチャーでは、ここに栖鳳の技があるとのお話も。


「風かおる」竹内栖鳳 ◇ 山種美術館蔵


「みみづく」竹内栖鳳 ◇ 山種美術館蔵


「鴨雛」竹内栖鳳 ◇ 山種美術館蔵


「春朝」横山大観 ◇ 山種美術館蔵


「急湍翡翠」橋本関雪 ◇ 山種美術館蔵


「芙蓉白鷺」狩野芳崖 ◇ 山種美術館蔵


きもののコーディネートになぞらえて、帯回りのアップのように近接アップで掲載してみました。
遠目で見て良し、近くで見て良し。
ぜひご自分の肉眼でじっくり鑑賞されてください(^-^)/

鳥好きなので、内覧会レポートまだつづきます。

※展覧会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は許可をいただいたものです。

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魅了される「花と鳥の万華鏡 ~春草•御舟の花、栖鳳•松篁の鳥~」内覧会③ at 山種美術館

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表装を見る「花と鳥の万華鏡 ~春草•御舟の花、栖鳳•松篁の鳥~」内覧会② at 山種美術館 のつづき

躍動感にグッと引込まれた!
「海鵜」小山硬 ◇ 山種美術館蔵


四季の色香で息ができなくなりそうな4幅対(+_+)
「四季花鳥」荒木十畝 ◇ 山種美術館蔵








「四季花鳥図」鈴木其一 ◇ 山種美術館蔵

琳派の代表的な画家が描く花鳥。
しかし鶏の親子だけをよく見ると何だかユーモラスでもあります。


「翠苔緑芝」速水御舟 ◇ 山種美術館蔵

絶妙な金地の余白と緑のバランスが不思議な世界観を醸し出しています。
琳派の進化系なのでしょうか。何度見ても魅力的な作品です:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

ひび割れた味のある紫陽花は経年劣化ではなく、御舟の意図的なもの。
その技法はご家族にも明かされず謎なのだそうです。


気になった作品を部分アップでご紹介♪

「孔雀図」岡本秋暉 ◇ 山種美術館蔵

孔雀の羽の美しさが際立っています


「雉竹長春」荒木寛畝 ◇ 山種美術館


「松楓啄木鳥図」今尾景年 ◇ 山種美術館蔵


「五客図」瀧和亭 ◇ 山種美術館蔵
五客とは宋の国の宰相であった李昉が飼っていたという五種類の鳥。
宋の時代に鸚鵡がいたのか~とちょっと驚き。


「白牡丹」菱田春草 ◇ 山種美術館蔵

山種美術館のカフェ椿でいただける、青山菊家がつくる展覧会にちなんだ上生菓子。
こちらは柚子餡でした♪


四季の色香漂う花、そして美しい鳥、まだまだ魅了される作品がたくさんありますドキドキ

※展覧会場内での撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載は許可をいただいたものです。


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美しいキモノ 2015年春号 vol.251 本日発売

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美しいキモノ 2015年春号の発売日です本

「きものカンタービレ♪」の誌上連載は5年目を迎えました。
これも偏に「きものカンタービレ♪」をみてくださる皆さまのおかげでございます。
ありがとうございますm(_ _ )m

今号からの連載は「つくり手の思いと技を着るお誂え」です。
美しいキモノの姉妹誌である「いろはにキモノ」での「伝統的技法をつかった誂え」
のコラムが好評だったとのことで、編集部からのご要望でこのテーマとなりました。

私はどちらかというと誂え派ではありません。
お誂えが好きな方は、自分だけのオリジナルを求める方が多いと思います。
私は自分が好きなものを季節とシチュエーションに合わせて装うことが楽しいので、
人と同じになっても気にしません。(着用する時はかぶらないように配慮します)
かといってお揃いが好きなわけではなく、ひたすら我が道をいくタイプでしょうか。

私にとってのお誂えの魅力とは何か?
それは「つくり手の方の思いと体現する技を知る」ことです。

他にはない自分好みのもの、例えばこういったものが欲しい!と思ったとして、
それを表現するにはどういった技法が相応しいのか、そもそもできるのかできないのか、
それを探るのが楽しいのです♪
つくり手の方から教えていただく学びの場でもあります。

試行錯誤しながらも、つくり手の方とコミュニケーションをとり、きものを誂えて着こなす。
「きものカンタービレ♪」でもリアルタイムでご紹介していますが、美しいキモノの連載では
お誂えの流れをまとめてお見せできるので、よりわかりやすいかと思います。
文字数の関係で説明しきれなかったことは、「きものカンタービレ♪」にて補完いたします。

今号のお誂えはコーディネートは違いますがこちらのきもの。
牛田織物の天平聖武絹です。

どのような糸がつかわれているのか、糸づくりの現場も取材させていただきました。
ですが、糸についての説明をするには文字量が足らず…。
こちらにつきましては、今月末に別記事でレポートします。


そして「染織研究年間特集」がはじまりました。
染織レッドリストを救え!とサブタイトルがついておりますが、次世代に残したい布たちです。
今号は「北海道~東北編」です。私も取材執筆させていただいております。

「染織研究年間特集」で特に気になったのが、秋田県の「天鷺ぜんまい織」。
天鷺ぜんまい織は経糸は生糸、緯糸は羽毛糸とぜんまい糸がつかわれています。

緯糸は真綿から糸を引き出して撚りを掛ける時にぜんまい綿を巻き付けた糸と
羽毛を巻き付けた糸なのです。
機能性というよりもデザインのアクセントとしてつかっているとのこと。
羽毛が織りこまれているなんて、鶴の恩返しのようですね:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


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美しいキモノ 2015年春号

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蜜柑文様の訪問着に龍村美術織物の華皿の帯

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市田先生を囲んで
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着替えました\(^o^)/
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ありがとうございました!

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京都より戻ってまいりました。

パールトーン、しょうざんの工房見学、そして京都滞在1日目の夜、午前様で飲み
お忙しいところお集まりいただき、お付き合いくださいましてありがとうございました。
「きものカンタービレ♪といったらこのポーズでしょう~」←そうなの(・_・;)?
という藤工房の加藤さんの仕切りで、ハイ♪


京都滞在2日目は「きもの文化検定表彰式&パーティー」
一緒に学んでいる大切な友人たちが見事に1級合格! おめでとうございますヽ(゚◇゚ )ノ
パーティーではたくさんの方にお声がけいただき嬉しかったです。光栄でございました!


京都滞在3日目は、「美の壺 光を装う日傘」つながり。
日傘の3つ目のツボ「日傘に蘇る人生のツボ」に登場された、明治創業の傘工房の
小野内商店さんに、お誂えの日傘の制作工程を見学させていただきました目


詳細は後日改めます。

皆さま、ありがとうございましたm(_ _ )m
心より感謝を込めて。

朝香沙都子拝

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