諏訪式操糸機の操糸体験 at 宮坂製糸所 岡谷蚕糸博物館
瑠璃紺に砂色格子の郡上紬にれえすの花の白鳥と黒鳥の帯 @ 白鳥の湖
雪の防寒対策 @ 白鳥の湖
臙脂色に朱色の格子の上田紬にれえすの花の白鳥と黒鳥の刺繍帯@白鳥の湖
片倉館
シルクエンペラーと称された片倉財閥によって1928年(昭和3年)に竣工された片倉館。
「きもの」が好きな理由、そして「きものカンタービレ♪」 / 2014年を振り返って
どうしてこんなに「きもの」が好きなのか?
洋装と比べたら、着付けは手間がかかり、着脱も困難、動きやすいとは言い難く、
機能的なものでもありません。
脱いだら洗濯機へポイとできるものは少なく、メンテナンスにもコストがかかります。
ですが…、一反の布に施された染めと織りを「きもの」として着る和装には、
洋装からは決して得られることのできない大きな魅力があります。
きものの最大の特徴は形が決まっていることです。
洋服のようなパターンによる流行はなく、1反の布を8等分して仕立てます。
決まった形の中で、きものと帯そして小物のコーディネートで無限のバリエーションを楽しむ、
そこには知識と教養、そして遊び心が見え隠れします。
時代背景や物語性がある意匠、祈りと願いが込められた吉祥文様、
そして四季がある国ならではの、季節の花と色を纏い移ろう四季を謳歌する喜び。
礼装に求められる「格」も室礼とおもてなしの心を重んじる日本人ならではの感覚です。
知れば知るほど知りたくなる、きものの魅力とその奥深さ!
今年はさらにその糸口を見つけた年となりました。
それは自分が纏っている布の糸1本も命あるものからいただいたものであり、
誰かの手によってつなげられて織られているということを実感したから。
植物から糸をつくる大変さを多く学んだ年でしたが、今年の最後には繭から糸を取り出す
座繰り操糸を体験する機会をいただき、日本が世界に誇った絹糸づくりを身を以て知りました。
命あるものから糸をいただくこと、そして美しい布にするための人の英知と熟練の技から
生まれる手仕事ならではの風合い。
これを最大限に生かせるものは「きもの」である、そして着てみてこそのものであると思っています。
「きものカンタービレ♪」という名には、きものを歌うように楽しむという思いを込めています。
時々誤解されるのですが、ブログはすべて私、朝香沙都子が自腹でやっているものであり、
ブログからの収益というものは1円もありません。 (他媒体での執筆は原稿料をいただきます)
アメブロで表示される広告は邪魔になるので、私がアメブロ側にお金を払って外しています。
「きものカンタービレ♪」の取材にかかる費用、交通費や宿泊費なども自腹。
タイアップなどのお話もお断りしています。
だからこそできる、きものを着る立場(買う立場)からの純粋な主観による情報発信です。
このことは自分なりに誇りに思っております。
つくり手の代弁者となる記録人であり、体現者である「きもの」を着る人
いつまでできるのかわかりませんが、「きものカンタービレ♪」をみてくださる方がいるなら
、これからもできる限りつづけていきたいと思っております。
皆さまからいただくメッセージ、いつも励みになっています。
facebookページへのいいね!もありがとうございました。
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2014年を振り返って…。
芭蕉布の糸づくりを体験。
植物から糸を取り出す困難さを知る。
沖縄への旅は琉球染織の里帰り / 琉球染織巡りの旅 まとめリンク
きもの文化検定の合格祝賀会。前日の工房見学も楽しみにしております。
蓄積は力なり。過去の合格に甘んじることなく努力し続けることが何よりの宝です。
きもの文化検定 合格者表彰式&記念パーティー at 京都ホテルオークラ
たくさんの美術展から内覧会のお招きをいただきました。
きものカンタービレ♪で紹介されると美術館にきもの姿の人が増えると喜んでいただけて嬉しい!
「ザ•ビューティフル ~英国の唯美主義~」内覧会at三菱一号館美術館
「美しいキモノ」の贅沢で華やかな読者イベント。
朝香沙都子の連載は来年で5年目を迎えます。
「大使、大使夫人による10カ国のガーデニング」 at ホテルオークラ東京
きもの学で知り合った皆さまとご一緒したきもの学会研修旅行。
その後の旅も楽しかった~(≧▽≦)
2014年5月 日本きもの学会奄美大島産地実地研修旅行 奄美大島&鹿児島の旅 まとめリンク
東京と大阪できものを着る立場からのレクチャー講師&お手伝い。
とても貴重な経験をさせていただきました。
2014年 「ぬぬぬパナパナのぬぬ」まとめリンク
BSプレミアム「美の壺」に出演。
「きものに日傘が似合う理由」語らせていただきました。登場時間が長くてびっくり
美の壺file314「光を装う日傘」
旅といえば染織めぐりのこの頃ですが、久しぶりにのんびりしました。
我が家はテレビがないのですが、この旅で「美の壺」のOAを見ることができました。
なまこ壁の街並~長八美術館~あじさいの丘 / 2014年夏 伊豆の旅 その4
個人的に伺った能登上布の工房見学も興味深かった!
染織文化講座2年目は、実技や産地研修が充実していました。
染織文化講座 「加賀友禅 実地研修」at 鶴見染飾工芸 / 2014年夏 金沢の旅 その11
中村時蔵さんに投扇興を教えていただきました~(〃∇〃)
投扇興を楽しむ♪ 中村時蔵丈 後援会 夏の会 at 浅草 草津亭
今年の8月にリニューアルオープンした岡谷蚕糸博物館。
実際に糸がつくられる製糸所が併設され見学できるという画期的な試み。
年末に再度訪問し、座繰り操糸体験をさせていただきました。
宮坂製糸所 ~上州式座繰り繰糸、諏訪式座繰り繰糸、自動繰糸~/ 岡谷蚕糸博物館 その4
我が家の恒例、草津の音楽祭と軽井沢での避暑。
名実ともにウィーンフィルの顔であったウェルナー・ヒンク氏と
第35回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル
世界遺産に認定され盛り上がる富岡製糸場見学。
これを機会に日本のきもの産業が盛り上がってくれことを願っております。
富岡製糸場 ~建物と歴史~/ 染織文化講座 富岡製糸場産地研修と草木染実習 その2
現地にいってみなければわからないこと多しと実感した産地めぐり。
古代米琉 諏訪好風先生のお話 at 野乃花染工房 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その2
休みがちで進歩がない自分が歯がゆいですが、この空気感は好き。
牛歩の歩みでもつづけていきたいと思います。
賀寿の祝のお茶会 at 帝国ホテル「 東光庵」/ お茶会の装い 菊桐に御簾の訪問着に四君子の袋帯
古都の紅葉は美しい~。
今年も堪能いたしました♪
真如堂 志ま亀で巡る紅葉の旅 / 2014年秋 錦秋の京都 その5
はじめての南座の顔見世。
花街総見の華やかさに来年も来ようと決めたのでした。
吉例顔見世興行 東西合同歌舞伎 先斗町 花街総見 at 京都四條南座
芭蕉布にはじまり古来からある自然布について学ぶ機会をたくさんいただいた年でした。
コストパフォーマンスだけを考えたら植物を育て糸からつくる自然布は残らない。
しかし、そこには日本人が見失いつつある大事なものが残されていることを知りました。
2014年秋 しな織の里を訪ねる 庄内の旅 まとめリンク
充実した素晴らしい1年でした。今年は良い年だった~ヽ(゚◇゚ )ノ
糸が繋いでくれたご縁に心より感謝いたします。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えくださいませm(_ _ )m
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2015年 謹賀新年
弥彦神社 / 華丸文様の藍染の真綿紬に知念貞男の波に桜と梅の紅型帯
バンジョー柄の久米島紬に城間栄順の塔に梅文様の紅型の帯
常夏の国の琉球染織を雪国で着てみました。
しか~し、外側は防寒装備でまったくわからず…。
ああ、こんな機会はめったにないのに、外で帯つき姿も撮影すれば良かった(ノ_・。)
【1月3日の装い】岩室温泉&弥彦◇雪時々晴れ(海風が強く寒い!) / 最低気温-1℃ 最高気温4℃
バンジョー柄の久米島紬に城間栄順の塔に梅文様の紅型の帯をコーディネート
帯の色はシックですが、久米島紬にはちょうどいい塩梅。
温泉に滞在中は、1日5~6回は温泉につかります。
浴衣は必ず自分のものを持参。
竺仙のふくら雀文様の注染ゆかたに浅野の両面の半幅帯
2014年最後の記事にたくさんのメッセージをありがとうございました。
これまでつづけていて良かった!
涙がでるぐらい嬉しかったです。←涙腺がますます弱くなった
皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。
これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
※メールのお返事、しばしお待ちくださいませ。
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信濃国一の宮 諏訪大社 上社本宮
2015年は寒波の到来で幕が開けました。元旦の諏訪湖です。
「元」には一番はじめの意味があり、「旦」には日は太陽を下の一は地平線を表しています。
なので、元旦とは年のはじめに太陽が地平線を昇る日の出の状態、元日の朝のことです。
信濃国一の宮である諏訪大社へ初詣
諏訪大社の起源は定かでなく日本で最も歴史が古いといわれています。
諏訪湖の周りに上社の本宮と前宮、下社の秋宮と春宮という四つのお宮があり、
神さまが移動するという説が今に伝わり生きています。
「御神渡り(おみわたり)」といわれる真冬に諏訪湖の湖面の氷の盛り上がる現象は、
上社の男神の建御名方命(たけみなかたのみこと)が、下社の女神である八坂刀売命
(やさかとめのみこと)に会いに行った足跡とも、ミシャグチ神が通った跡ともされており、
神が諏訪湖へ降り立ったといわれる諏訪市側を下座(くだりまし)、下諏訪町側の神が
岸へ上がったとされる部分を上座(あがりまし)といいいます。
諏訪湖は周囲約16km、面積13.3平方km、水深約7m。
-10℃以下の日がつづくと湖面が全面が凍って膨張し、ひび割れますが、
そこがさらに凍って割れ目の部分を押し上げて盛りあがります。
これが「御神渡り」です。この亀裂で吉凶を占います。
写真は2013年2月24日の諏訪湖。この年の御神渡りは1月26日でした。
」
2014年12月28日の諏訪湖。うっすら氷が張っています。今年は御神渡りがあるかな。
諏訪大社上社に祀られているのは、出雲大社の大国主命(おおくにぬしのみこと)の息子である
建御名方命(たけみなかたのかみ)とその妻の八坂刀売命(やさかとめのみこと)です。
古事記によると、建御雷神(たけみかずち)を恐れて出雲から諏訪に逃げ延びてきた建御名方命は
諏訪の守矢一族に勝ち、この地で現人神(あらひとがみ)となったとあります。その子孫が諏訪氏です。
武田勝頼の母の湖衣姫(由布姫)の実家でもあり、武人と神官の顔をもつ特異な家系となります。
建御名方命は二度と出雲には戻りませんと建御雷神に誓った為に、10月出雲にいかないので、
諏訪周辺も出雲同様に神無月でなく神在月というらしいです。
諏訪大社には本殿と呼ばれる建物がありません。上社は御山を御神体として拝しているそうです。
古代の神社には社殿がなかったといわれていて、諏訪大社はその古くからの姿を残しています。
社殿の四隅には御柱があり、七年に一度、平安時代以前から行われている御柱祭があります。
樹齢1000年以上になる贄掛けの欅。古くは贄や御狩の獲物を掛けて祈願したのだそう。
1827年(文政2年)建立の神楽殿。四方吹き通しの入母屋造。
龍神が描かれた大太鼓は大晦日から元旦にかけてのみ打たれます。
諏訪の七不思議のひとつ天流水舎。
どんな晴天の日にも屋根から雫が三滴落ちる。日照りの時にはこの雫を持ち帰って雨乞いを
すると必ず雨が降るといわれています。
1773年(安永2年)建立された五間廊。廊下様式切妻造です。
1829年(文政12年)建立された入口御門
御門からつづく参道は布橋といわれます。
明治以前は大祝(最高神官)のみが通行を許された神の通り道であったとか。←異説あり
遷宮の際も布が敷かれたそうです。
境内へ向かいます。
今年は雪の中での参拝となりました。
2015年、皆さまにご多幸がありますように。
初詣恒例のおみくじ
諏訪大社には養蚕の項目があります。
欲をかいてはいけないということですね。はい。
諏訪大社には大相撲史上最強の力士であったといわれる雷電為右衛門の像があります。
雷電は長野出身で江戸時代の力士254勝10敗2分という通算成績を誇る最強の力士。
横綱になることを固辞し最後まで大関で通しました。
諏訪大社のご祭神の建御名方命は相撲の神といわれていることから奉納されたようです。
諏訪大社上社の北参道には社乃風(やしろのかぜ)というお土産処とカフェができていました。
その中で気になったのは、こちら。つきのつゆ。
諏訪にある田毎庵(たどころあん)のお店。
蕎麦会席で好評の満月そばがきがこちらでいただけます。
揚げてあるそばがきを鰹、鰯、鯣の三種類の出汁から選んでいただきます。
美味でした~♪
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越後国一の宮 弥彦神社
元旦は信濃国一の宮の諏訪大社、2日は越後国一の宮の弥彦神社へ初詣
結婚以来寒いところで年末年始を過ごすことに慣れ、雪景色の中の初詣が好きになりました。
弥彦神社(いやひこじんじゃ)は古くから越後国一の宮として広く信仰を集めた古社。
ご神体は弥彦山(やひこやま)です。日本海に浮かんだかのような神々しい山容。
弥彦神社は「いやひこ」が正式名称ですが、地名がやひこなので「やひこ」といわれています。
ご祭神の天香山命(あめのかごやまのみこと)は天照大御神の曾孫。
越の国の祖とされ漁業、製塩、農耕、酒造などの技術を伝えたとされています。
北陸の国造家高橋家の始祖である大彦命という説もあり。
参道は杉並木に灯りの灯されたご神燈がつづきます。
真ん中で写真を撮らせていただきましたが、歩く時は端を歩きましょう。
紀州熊野から天香山命に随行してきた印南鹿神(いなしかしん)を父とする
兄弟の神様が祀られている随人門。
くぐり抜けると弥彦山を背に威風堂々とした拝殿が現れます。
参拝は、出雲大社と同じ二拝四拍手一拝。
拝殿側から見た随人門。ご覧の通り、参拝者でびっしりです。
根雪にはなっていましたが、諏訪と比べると暖かい。
神馬舎(しんめしゃ)。弥彦神社の神馬は木製です。
もともとは神社に馬を奉納するする習わしがありましたが、奉納される神社が世話が
できないことなどから、馬の像を奉納するようになりました。
平安時代から、馬が描かれた絵を奉納するようになったのが絵馬の始まりです。
御手洗川にかかる玉の橋。
神さまが歩かれる神聖な橋で人が渡ることはできません。
この日は岩室温泉に泊まり、翌日ご神体の弥彦山に登ります。
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松枝忍 作品展 @なう at 京急百貨店上大岡展
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雪山でもきもの / 弥彦山ロープウェイで弥彦山山頂へ
越後国一の宮 弥彦神社 のつづきです。
初詣の翌日は弥彦神社のご神体である弥彦山の山頂へ。
弥彦神社からロープウェイ山麓駅まで無料のシャトルバスがでていました。
鬱蒼とした杉並木の中を歩くのも気持ちが良さそうですが(徒歩15分ぐらいだそう)、
さすがに雪道に装備なしでは危険なので、シャトルバスに乗車。
山麓駅では宝山酒造の甘酒の無料サービスもありました。これが暖かかった~(〃∇〃)
山麓から頂上まで1000mを結ぶロープウェイ。
約15分間隔で運行されています。
約5分間の空中散歩です♪
眼下には越後平野が見えてきました!
さすが、米どころの越後。一面の雪の平地はコシヒカリがつくられる田んぼです。
下りのロープウェイとすれ違いましたが、速くてツーショット?にならず…。
暖かいところから見る雪山って何て贅沢なんだろう…:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
山頂駅に到着しました!
しかしものすごい風と雪で息ができない…(><;)
そして、日本海は見えない(T_T)
しかし山の天気は変わりやすいとのことで、ちょっと待ってみると…、
うっすらと青いものが…。
日本海が見えてきました\(゜□゜)/
青い日本海と日本海の白い波
雪山の眼下に広がる日本海。目を凝らすと佐渡島も見えました!
弥彦山の標高は634m。東京スカイツリーと同じ高さです。
標高は低いのですが、海に突き出したような山容は神がかってみえます。
不思議の国の千一夜に登場しそうな山でもあり、ヘンデクアトラタンに会えそうな気が…。
さらに歩くとご神体がある御霊廟があるのですが、雪の中では危険との事で断念。
足袋インナーのヒートふぃっと、牛田織物の絹のレッグウォーマーできっちりと防寒。
きもの姿でも、水屋袴と神職用の雨草履があれば、さすがに登山は無理ですが、
シャトルバスとロープウェイをつかって雪山も楽しめます♪
下山して向かったのは、お気に入りの釜飯屋さん。
こちらのあわび釜飯は鮑の肝をといて出汁にしているので、海の香が行き渡り美味♪
JR弥彦駅の駅舎。
弥彦神社の本殿を模した入母屋造でインパクト大。鬼瓦には兎がいるそうです。
越後国一の宮の弥彦神社の初詣、今年で二回目となりましたが気に入っております。
来年は、出羽三山神社まで足を延ばせないかしらんっと思ったり…、
寒くてもお正月は雪国で過ごすというのは、情緒があって良いものですね♪
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人日の節句と白馬の節会
1月7日は「人日(じんじつ)の節句」
古来より宮中では季節の変わり目となる節目に饗応の宴が行なわれました。これを節会といいます。
平安時代には元日(1月1日)、白馬(1月7日)、踏歌(1月16日)、端午(5月5日)、豊明(新嘗祭の最終日)
が五節会として重んじられました。
白馬(あお)の節会も1月7日です。これは帝が豊楽殿に出御され、左右馬寮から白馬が庭に引き出されるのを天覧になり臣下に宴を賜うものでした。現在では上賀茂神社で白馬総覧神事として行なわれています。この白馬はあおと読みます。春に青、そして馬は陽のもの。両者が結ぶつくと縁起が良いものとされました。
江戸時代になると徳川幕府は人日、上巳(3月3日)、端午、七夕(7月7日)、重陽(9月9日)を式日に定め五節句としました。五節句は中国の陰陽五行思想である奇数が重なる陽の日から選ばれていますが、1月は元旦ではなく人日を取り入れています。五節句の式日の制度は1873年(明治6年)に陰暦から太陽暦(グレゴリオ暦)に変わったときに廃止されますが、民間行事として今でも伝承されています。
人日の由来は中国前漢の東方朔の「占書」にある1月1日に鶏、2日に狗(犬)、3日に羊、4日に猪、5日に牛、6日に馬、7日に人、8日に穀を占い、その日にはその動物の殺傷を避け敬ったというもの。
晴天なら吉、雨天ならば凶の兆しであるとされ、人の日に7種類の野菜をいれた羹(あつもの)を食べ無病息災を祈る習慣が伝来したものです。
日本では宮中行事の年のはじめに若草を摘んで新しい生命力を授かろうとする若草摘みの習慣と結びついて七草粥となりました。枕草子には6日若草摘みをした記述があることから、6日若草摘みをし7日に食されていたようです。
芹(せり)、薺(なずな・ペンペングサ)、御形(ごぎょう・ハハコグサ)、繁縷(はこべら・ハコベ)、
仏の座(ほとけのざ・タビラコ)・菘(すずな・蕪)、蘿蔔(すずしろ・大根)の7種です。
お正月の食べ過ぎ飲み過ぎで疲れた胃腸を七草粥で休める。
現代の事情にもあったことから習慣化されている好例ですね(^_^;)
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臙脂色に朱色の格子の上田紬に故森口華弘の手描きの梅の染め帯
上田紬は表地1枚に裏地を3枚取り替えるほど丈夫なことから三裏縞とも称されました。
縞や格子柄が多いことも特徴です。結城紬、大島紬と共に日本の三大紬ともいわれます。
【1月7日の装い】東京◇晴れ / 最低気温3℃ 最高気温10℃
臙脂色に朱色の格子の上田紬に故森口華弘の手描きの梅の染め帯をコーディネート
帯あげと帯〆は龍工房
森口華弘といえば言わずと知れた「友禅」の重要無形文化財技術保持者(人間国宝)。
得意とした蒔糊友禅だけでなく手描きの染め帯もあります。
染織文化講座で森口邦彦先生のお話でもありましたが、草花の描写のスケッチを
たくさんされていたとのこと。とくに梅の花を好んだようで、百貨店の催事などでは
帯地にその場でササッと描かれたそうです。これはその1枚。今では貴重品です。
作家の宮尾登美子先生の訃報が飛び込んできました。
時代と運命に翻弄されながら強く烈しく生きる女性の姿を入念な取材と読ませる創作力と
小気味よいテンポで描かれた作品は、何度読み返しても心の畑を耕してくれました。
そしてさまざまな分野への興味を引き立ててくれました。
美しいことも醜いこともすべてを含んだ情感ある文章が大好きでした。
数奇で波瀾万丈の人生の中で貫かれた、覚悟が座った筋の通った生き方を尊敬いたします。
ご冥福をお祈りいたします。
朝香沙都子拝
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牛田織物の天平聖武絹の薄すみれ色後染め暈しのきものに双鴛鴦文の唐織のなごや帯
私、ほとんど色無地系のきものを着ません。
帯でみせる無地系のきものは、幅広くコーディネートを楽しめますし、何より上品にみえるので、
嫌いではないのですが、日常きもの生活の私にとってはある面、難関なのです。
というのは、総柄の紬や小紋は着ていてもあまり汚れませんし汚れても目立ちません。
しかし、淡い色の色無地はちょっとの汚れもつけたら目立ちますし、何より着付けのアラと
シワの目立ち方が半端じゃないのです(゚_゚i)
これをどう上手く着こなしていくか…。やはり着付けの特訓…(^_^;)?
これからの課題です。
【1月8日の装い】東京◇晴れ(湿度28%、カラカラ) / 最低気温2℃ 最高気温11℃
牛田織物さんにお願いして誂えた天平聖武絹のきもの。
お誂えの詳細は美しいキモノ2015年春号にてご紹介します。←原稿はこれから書きます
左肩と裾を濃く、後染めの暈かしになっています。
淡いきものの色に抑揚をつけるように帯あげは濃いピンク色をチョイス。
帯〆は藤岡組紐さんに細めでお誂えしたもの。
まるでこのきものに合わせたかのようですが偶然です。
というか…、誂えものは水色が多いのです。
青系といっても幅広く自分がコレっと思えるものをずーっと探しつづけている気がします。
刺繍はやはりきもの学で知り合った月聖子の加藤美恵子先生にお願いしました。
利休バッグは牛田織物、十二段グラデーションぞうりは四谷•三栄
黒のカシミアコートに紫のパシュミナストール。
羽織の誂えのご相談に藤井絞さんの展示会へ。
他にはない自分の好みのものをつくっていただくのが本来の目的ですが、
表現するにはどういう技法があるのか、どの技法が相応しいのか、そもそもできるのかできないのか、
つくり手の方から教えていただくという学びの場でもあります。
そう考えるとお誂えって何て楽しいのかしら:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
しかし、自分の頭の中にボヤーっとあるものを説明するのは難しいですぅ。ああ、絵心が欲しい。
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「日本の手仕事展」at 横浜髙島屋 / 幾何学文様の藍結城紬に岩間奨の絵馬の染め帯
竺仙展と横浜髙島屋にて開催中の「日本の手仕事展」をはしご。
昨年の庄内の旅でお世話になった、しな織の石田屋さんが出展中♪(~1月11日まで)
いつか欲しい…、しな布の日傘。
陽射しを避け尚且つ風を通すのでとても涼しいそうです。
刺し子刺繍と型絵染めされた帯も素敵~(〃∇〃)
しな布の人気商品は何と、帽子なのだそうです。
風を通すので涼しく脱げにくいので、しな布は帽子の素材として適しているとのこと。
年を重ねるごとに飴色になっていくのも魅力です。
ということは…、日傘にも最適ということですね~。ああ日傘が欲しい。
竺仙展のレポは別記事であげます(^-^)/
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
【1月9日の装い】東京•横浜◇晴れ(湿度23%) / 最低気温3℃ 最高気温11℃
幾何学文様の藍結城紬に岩間奨の絵馬の染め帯をコーディネート。
東京手描友禅作家の岩間奨先生の作品。
馬の脚の動きには躍動感があり彩色も細部まで美しい。
たれ先にちょこんとある馬の置物も可愛い(〃∇〃)
絵馬の意匠はお正月を連想しますが、もともとは神社に馬を奉納するする習わしが、
馬の像を奉納するようになり、馬が描かれた絵を奉納するようになったのが絵馬の由来。
なので季節は問わない意匠です。
菊唐草の輪だしの帯あげは京都えり萬、帯〆は京都きねや
獅子舞は獅子に頭を噛まれるとその年は無病息災といわれることからお正月に舞われること
が多いです。ですがお祭りなど演技の良い時に舞われるもので実は季節はなし。
でもやっぱり、お正月らしい装いですね…(+_+)
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第61回竺仙展へ
年初めに行なわれるこの展示会を毎年とっても楽しみにいたしております♪
「明日には日本中に流れちゃうよ…」といわれたのでトップに掲載。
竺仙は天保13年(1842年)に創業された170年の歴史ある老舗。
初代が仙之助さんというお名前で、背が低かったことから市川左團次に「ちび仙」と
あだ名をつけられたことが屋号である竺仙の由来。
浴衣のほとんどが無地か絞りだった頃に、型紙を使って木綿に柄をつける中形と
いわれる江戸染めの浴衣をつくりだし人気を博します。
初代の仙之助は河竹黙阿弥とも親しかった粋人で、黙阿弥の『古代形新染浴衣』は
竺仙のために書き下ろし上演されたものだそうです。
五代目当主の小川文男社長と
防染糊で型付けし色糊をヘラでしごくしごき染めで地染めをする「江戸小紋」
根橋秀治先生と浅野栄一先生と
蛇腹状に重ね折りながら型付けし上から染料を注ぐと同時に下から吸引する「注染」
竺仙の綿コーマ地は、竺仙用に糸からつくって織られいるのだそう。
その糸づくりの現場、是非見せていただきたいです。綿紡績にも興味有り。
長板に生地を張り両面型付けし浸染する両面染めが魅力の「長板中形」
主型と消し型の二枚の型紙をつかって染められる「文久小紋」
紬地のような風合いの綿生地に引き染めの「奥州小紋」
格子状の畝を表面に浮き立たせた薄手の勾配織の「綿紅梅と絹紅梅」
松の煤を呉汁でといて引き染する「松煙染」
そして、知念紅型研究所の「琉球紅型」
知念初子先生と知念冬馬さんと
江戸好みの中になぜ琉球紅型なのか?
それは竺仙が型紙をつかった染めものを主流とする企画製造販売元だから。
竺仙染ともいわれる、型染めに対してのこだわりからです。
竺仙の反物は「竺仙鑑製」と口型に染め抜かれ、証紙が貼られています。
この証紙を貼っている糸、そして反物の耳の糸をみると、巷に流通している自社製品の
製造年代がわかるようになっているのだそう。小川社長のこだわりのお話が面白かった!
最終日は木村孝先生の講演会がありました。
孝先生のきものは山繭の糸の部分だけ浮き立ってみえる一つ紋付の訪問着
振りからチラッと見える薄~い白緑色の長襦袢が華やかです。
先生の手はシミ一つないのですが、その秘訣は指先をよく揉んでいらっしゃるからとのこと!
木村孝先生と知念初子先生と知念冬馬さんと
竺仙の展示会は、実は本物の色のプロフェッショナルの集まり。
とても濃いお話をお聞きすることができ、大変勉強になりました!
いつかまとめて書き残したいと思います。
※会場内での撮影及びきものカンタービレ♪への掲載は許可をいただいたものです。
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