さて、歌舞伎鑑賞は「ちなみ柄」で楽しむことが多いのですが…。
今回の演目は…、「寿式三番叟」「井伊大老」「熊谷陣屋」
「熊谷陣屋」の熊谷氏の紋は向かい鳩。
鳩は戦いの神である八幡神の使いといわれています。
熊谷直実は軍功をあげ源頼朝から鳩の紋を賜ったようです。
熊谷陣屋の紋は向かい鳩が八の字を表す「鳩八」。
鳩居堂のマークは鳩ですが、1663年(寛文3年)熊谷直心が本能寺前ではじめた
薬種商「鳩居堂」がはじまり。熊谷直心は直実から20代目にあたるのだそうです。
5代目歌舞伎座新開場の初日に「熊谷陣屋」を観劇したときに、今度「熊谷陣屋」を観劇
するときには、鳩の意匠がいいな~と思ったのでした。しかし、間に合わなかった…(・_・;)
鳩は日本では江戸時代までは軍神の使いとして家紋などに用いられましたが、
明治になって西洋文化の影響を受けて、平和の象徴となります。
「井伊大老」の井伊家の紋は橘。
橘の意匠は好きなので、ワードローブの中でもたくさんあるのですが…。
どれも、何となく気分でなかった…(^_^;)
「寿式三番叟」なら松に鶴?
松に鶴の唐織の帯、この訪問着は橘。しかし観劇には重すぎる装い…。
「寿式三番叟」には五穀豊穣の祈りもあることから、竹にふくら雀の装いにしました。
羽織ものは、紗合せの道行コート
紅葉しかかった蔦の葉の奥に扇面が浮き上がったようにもみえる、紗合せの絵羽文様の道行。
元々のドレスコードでいったら、9月に着るものだと思いますが、地球温暖化の現代、
塵よけを着て汗をかいていたら意味がありません。
なので、私は紅葉シーズンにも着ています。
【11月2日の装い】東京◇曇り (湿度73%、ジメジメ) / 最低気温15℃ 最高気温22℃
きもの、帯、帯あげ、帯〆、バッグ、すべて志ま亀。
バッグは志ま亀、ぞうりは神田胡蝶
志ま亀の装いが一番似合うところは歌舞伎座のような気がします♪
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歌舞伎座の観劇の装い / 志ま亀の竹にふくら雀の小紋に笹蔓緞子の染め帯
2014年染織文化講座 講座記録 寄稿しました。
「染織文化講座」2014年のすべての講義の講座記録を寄稿しました。
http://report.kimono-bunka.net/
染と織にかかわる第一人者、そのお話には名言も飛び出します。
自らの自由を獲得すること。自由だけは与えられるものではない。
ーーー「友禅」重要無形文化財技術保持者 森口邦彦ーーー
2015年はさらに充実したラインナップになるそうです。
まだ募集ははじまっていませんが、随時、染織文化振興会HPをご覧ください。
http://kimono-bunka.net/
朝香沙都子拝
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新田 紅花染め きもの文化検定工房見学会 その1 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その8
宮坂考古館 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その7
のつづきです(^-^)/
全日本きもの振興会主催による、きもの文化検定の工房見学会。
今まで京都で開かれる合格祝賀会の前日の工房見学はありましたが、地方は初です。
米沢駅で皆さまと合流し、2班に分かれ、私たちは紅花染めの新田へ
5代目新田源太郎さんにご説明いただきましたφ(.. )
新田家は上杉家とともに越後から移封した武家の家。
16代目新田留次郎が1884年(明治17年)に機屋として新田を創業。
袴地の生産は現在でも米沢が市場占有率で全国1位ですが、新田も創業時は袴地の
生産が主流だったそうです。
直江兼続からはじまる米沢の殖産興業としての染織の歴史。(おさらい)
上杉鷹山は桑の栽培と養蚕に力を入れ、青苧の麻織物から絹織物への転換をはかります。
越後からは縮織り職人を呼び縮役場を設け家中の女子に技術を習得させ殖産興業へと
結びつけました。武士の必需品であった袴地を生産したことで収益をあげ、米沢藩の
財政基盤となります。現在でも袴地の90%が米沢で生産される米沢織です。
上杉鷹山公が奨励した最上紅花の栽培。
「紅一匁(もんめ)金一匁」といわれるぐらいの高級品で、最上川から京都へ
つながる紅花を摘んだ北前船は紅花舟といわれます。
紅花染めは化学染料の普及により衰退し、戦後には幻の花となってしまいますが、
1963年(昭和38年)新田3代目米沢秀次が途絶えていた紅花染めの復元に着手し、
米沢織に生かすことに成功。そして今に至っているのだそう。
紅花餅と烏梅をつかった紅花染めの実演。
染めの良し悪しを決める紅花餅。
春先に種を蒔いて初夏に収穫した紅花からつくられます。
紅花には黄色と紅色の色素が含まれています。紅色は1%だそう。
黄色は水溶性ですが、紅色は水には溶けないアルカリ性。
つかったのは1%の紅色の染液と米酢です。
ここに布をくぐらせても染まりません。
ここに「烏梅(うばい)」を1日つけておいた液を入れると発色し定着します。
烏梅とは、梅のみを煤をまぶして燻したもの。奈良県の月ヶ瀬村でつくられています。
烏梅は媒染剤でなく、中和剤とのこと。
紅色そのものがアルカリ性で、烏梅(酸性)をつかって「中和」させることによって発色し定着する
こんなに鮮やかな紅色に発色しました~。
ひとつの染液で時間で染め分け、さらに重ね染めした紅色のグラデーション。
紅花、一斤(約600g)で絹一疋(きもの2反)を染めた時の色が一斤染であり、平安時代の
紅色の聴色(ゆるしいろ)の上限です。薄い~。いかに紅花が貴重であるかがわかります。
植物染料の仕様部分と媒染の表もありました。
掛けられている綛糸は、紅花に藍や刈安で重ね染めしたもの。
紅花は呉の国から来た染料ということで、呉藍(くれあい)ともいわれ、※くれないの語源
蓼藍×紅花で染められた紫色は二藍(ふたあい)といわれます。
つづきます(^-^)/
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新田 米沢織 きもの文化検定工房見学会 その2 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その9
紅花染め 新田 きもの文化検定工房見学会 その1 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その8
のつづき
大正時代に建てられたという新田家の家屋も素敵でした♪
工房見学
こちらは絵羽の訪問着を織っていらっしゃるところ。
染め分けられた緯糸で連なる山並みをあらわすのだそう。
この印を目安に緯糸の杼を通し筬で打ち込みます。
微妙な色のグラデーションで描く訪問着は長年の経験と感覚からつくられるとのこと。
これは裂地でつくられた糸
裂織の半幅帯を織っていらっしゃいました。この6寸帯があったら可愛い
「整経」糸枠から必要な本数の経糸を長さを揃えてドラムに巻き取り織機の千切へ
「糸返し」染色された糸を枠に掛けるところ
美しく染められたたくさんの糸です。
新田さんの糸には透明感がありますね:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
糸染めだけでなく、真綿に暈かし染めして、糸紡ぎされるものもあるそうです。
5代目新田源太郎さんと
第61回日本伝統工芸展 米沢平袴「時見草」 ◇新田源太郎
美しい~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
自動織機が動いている音がジャガジャガ聞こえていたのですが…、
こちらも見学させていただきたかったな~。
新田さん、とても活気がある印象でした! ありがとうございました。
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花兎模様の大島紬に読谷山花織の帯の装い
花兎模様の大島紬に読谷山花織の帯の装い
兎の文様は月に棲む兎の伝説の仏教説話とともに日本に伝えられました。
古くは天寿国曼荼羅繍帳に描かれています。
花兎文様としては、桃山時代の京都の豪商であった角倉了以の愛用裂として伝わる
「角倉金襴」が有名ですが、縹地花兎金襴、紺地花兎金襴、萌黄地花兎金襴、花兎紹巴、
木瓜花兎緞子、霊芝花兎緞子、など他にもたくさんの名物裂があります。
角倉金襴は、明代に中国から伝わった名物裂で大名物「槍の鞘肩衝茶入」中興名物「思河茶入」
などのお仕覆に用いられています。
花兎文様にみられる、盛られた土状を作土文様といいます。絵画では土坡(どは)といわれる
自然な土の盛り上がりをあらわしたもの。植物や動物とともに意匠化されます。
【11月6日の装い】東京◇曇りのち雨(小降りの雨、湿度69%) / 最低気温14度 最高気温23度
帯あげは木の葉文様、紅葉色の帯〆は龍工房
沖縄染織にちなんで、上原久美さんの八重山シーサーの帯飾りをつけました。
躍動感ある鳥の古布デコパージュのバッグは松枝忍
ぞうりは菱屋カレンブロッソ
雨コートは蛇の目傘文様。二枚重ねの雨傘はHANWAY
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お茶会に持っていくもの。男性用と女性用
賀寿の祝のお茶会 at 帝国ホテル「 東光庵」/ お茶会の装い 菊桐に御簾の訪問着に四君子の袋帯
茶道の先生のご主人様の賀寿の祝いのお茶会でした。
帝国ホテルの東光庵。村野藤吾による建築のお茶室です。
屋上庭園があり優しい自然光が入ってきます。
主菓子は「宝珠」
お軸は後西天皇の御宸筆
お水指は安土桃山時代の古備前
お茶入れは落穂手「音羽山」
お軸は淡々斎半白筆「南山寿無彊」
お水指は清時代のもの
お干菓子は「鶴と緑毛の亀」
年を重ねるのが素敵だと思える師がいるというのは幸せなことだと感謝いたしております。
おめでとうございます。
【11月8日の装い】東京◇曇り (今にも雨が落ちてきそう) /最低気温13℃ 最高気温15℃
矢代仁の菊桐に御簾文様の付けさげ訪問着に川島織物の七宝に四君子の帯
一つ紋付でお茶席に相応しい装い
菊と紅葉文様が主ですので秋限定の装いとなりますが、秋は炉開きもありお茶会シーズン
ですし、控えめに装いたいパーティーでも重宝します。
菊は仙境に咲く邪気を祓い延命長寿の効能がある花とされているので、賀寿の祝いには
相応しいのですが、主題と重なりすぎるのは室礼とかぶることもありますので、要注意。
七宝に四君子が入った帯。
四君子は、中国明代の書家であり画家であった陳継儒(ちんけいじゅ)が、「梅蘭竹菊四譜」の中で
梅蘭竹菊を四君子と呼んだことがはじまりなのだそうです
「寒なれど秀、春来るを率先して報ず」厳寒の中他の花に先駆けて咲く梅
「善人は蘭の如し、王者の香りありという」貴人の風格があると称えられる蘭
「虚ろなるに因りて益を受く」暑い日差しの中でも悠然と立つ竹
「身を軽くし、気を益し、人の寿を延ぶ」延命長寿の象徴でもある菊
帯あげは京都きねや、帯〆は龍工房
バッグはかづら清老舗、ぞうりは四谷•三栄の十二段グラデーション
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PR: 持続可能な地球の未来をつくるESDって?-政府ITV
きものサローネ in 日本橋 前期 at 日本橋三井ホール COREDO室町
きものサローネ in 日本橋 が開催中。
【前期】11月8日~10日 日本橋三井ホール COREDO室町
【後期】11月11日~13日 YUITO 日本橋室町 野村ビル
きものに関わるメーカーが新しいスタイルを発信する見本市のようなものでしょうか。
去年は各展示ブースがまるで蚕が繭をつくる蔟のように狭く、出展者の方も居心地が悪そう
だったのですが…(゚_゚i) 、今年の前期の会場はブースは広めです。
きもの好きの一般ユーザーがつくり手やメーカーと直接つながることができる、いい試み♪
と楽しみにしおりますので、きもの業界の内輪受けのノリでなく、ぜひ一般のきものユーザー
に向けて、ここぞとばかりにプレゼンテーションしていただきたいなあ…と願っております。
押し売りされるのは苦手だけれど、つくり手(メーカー含む)の話はお聞きしたい
きものヘビーユーザーの1人として、そして消費者としての本音でございます。
そんな中でも楽しみにしているのが「きものサローネファッションショー」
●DENIMDOSU(秦流舎)のファッションショー
気軽に着られるデニムきものをつくっていらっしゃる秦流舎。
今回のテーマは「北欧」
スゴイ、デニム着物が進化している
お洋服の中で浮かない着物が求められる時代ですから、こういった洋服感覚のきものも
ありだと思います。デニム地でトコトン楽しむならこれぐらいの方が面白い。
着心地がどんななのか興味があります。そして、水で洗えるのかしらん…?
●羽田登喜のファッションショー
羽田登喜先生は友禅の重要無形文化財保持者でいらっしゃった羽田登喜男を祖父に
羽田登先生を父にもつ、羽田工房の三代目でいらっしゃいます。
登喜先生の作品は甘い砂糖菓子のような可愛らしさ。でも安っぽくない
アシンメトリーのタイプが多く、さらに斬新な印象でした。
男性の友禅のきものも新鮮ですね。
出展ブースからいくつか
…といっても、突き当たりの偏ったコーナーの一角のみなのですが(^_^;)
●染めもの中野
「いろはにキモノ vol.3」←でもご紹介した、手描き友禅作家の中野スズミさん
お一人ですべての工程をこなされます。伸び猫の訪問着と鯛の染め帯がユニーク♪
●あらた
東京友禅作家の佐藤節子先生と
今回はじめてご本人とお会いできました!
羊雲の手ぬぐい、ありがとうございます! 可愛い~(〃∇〃)
●本場奄美大島紬協同組合
きもの学会の奄美大島産地研修旅行ではお世話になりました!
まとめリンクはこちら☆
あの時の龍郷柄ショルダーバッグ、大活躍しております。ひそかにブーム?
●神田胡蝶
最近は日本橋三越でもすげ替えサービスで出展していらっしゃいます
●仕立ての藤工房
藤工房の加藤義裕さんと裏地、襦袢地の浅見崇史さん
浅見さんの帯が気になり、思わずお声がけ。
米沢織の近賢織物さんのものだそうですが、経糸を残していて結べるタイプ。
これなら貝の口や方ばさみができない方でも兵児帯感覚でできる。しかもお洒落!
藤工房さんでは「仕立てとお直し読本」を購入。
裄直しの図解説明もあり、勉強になりそう。自分ではやりませんが理屈は知りたいのです。
~番外編~
●アルチザン京都●
サローネの会場から徒歩5分のところに、別会場で出展されています。
三井ホールの照明だと色がわからない…(-""-;)と常々思っていたので良かったかな。
アルチザン京都は、京友禅、京鹿の子絞、摺型友禅、京繍、西陣織、仕立て、襦袢•裏物。
きものづくりのプロフェッショナルが連携し新たなものをつくっていく試みをされています。
藤井絞の藤井浩一さんと
ご相談にのっていただくつもりが、つい話し込んでしまいました…
色々教えていただき、ありがとうございましたm(_ _ )m
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比翼付き仕立ての織なごや帯
二重太鼓には二重の喜びを重ねるという意味合いがあるので慶事に相応しいものですが、
あくまでも帯は文様の格でコーディネートします。
二重太鼓の袋帯でも洒落ものは準礼装にはなりません。
七宝文様は七宝の円形が円満をあらわすことから吉祥文様とされ宝尽くしのひとつにも
なっていますので、格式ある席に相応しい文様。
着装した時に二重太鼓のようにみえる比翼付で仕立てた織なごや帯は、軽くて着ていても楽、
お太鼓の形もつくりやすいので朝が早いお茶会などではとても重宝です。
志ま亀の松皮菱取りに源氏車に四季草花文様の訪問着に七宝文様の織なごや帯の装い。
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東京染小紋 体験染め / きものサローネ in 日本橋 後期 at YUITO
きものサローネ in 日本橋 後期 が開催中。(~13日まで)
●東京染小紋の染め体験●
ランチョンマットを染めてみました♪
ご指導くださったのは、伝統工芸士の小林義一先生
糊に顔料が入っています。通常の色糊よりも固くてしっかりしています。
江戸小紋でつかう伊勢型紙をつかいます。
長板に生地を貼り型紙を乗せて、その上にヘラで金糊をしごきます。
ヘラが板と並行になって糊が斑にならないように
あぅ、斑になってる…(゚_゚i)
仕上がりは、よくできました
結城紬でするには危険過ぎ^^;
MY襷をご持参されることをおすすめします。
きものサローネレポ、つづきます(^-^)/
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100人コーディネート展 / きものサローネ in 日本橋 後期 at YUITO
東京染小紋 体験染め / きものサローネ in 日本橋 後期 at YUITO のつづき(^-^)/
おススメは100人コーディネート展♪
ずらーっと並んだマネキンが100体(ノ゚ο゚)ノ
早朝から搬入そして着付け (お疲れさまです)
じゃ~ん
きもの作家、スタイリスト、着付け師、産地、小売店、etc…。
個性的ではありますが、想像していたよりもグッと身近な今のリアルなきもの。
きものは着てこそのものなので、反物でかかっている状態よりも、小物までコーディネート
された着姿があると、出展者の方々のイメージがつかみ易くより参考になります。
スタイリストや着付け師さんからは、カラテア結びのように次世代に繫がりそうな、
新しい発想の着付けやスタイリングの提案の場になるのかしら…と思っていたのですが、
皆さま控えめなのか、意外にも普通だったかな。
好きなコーディネート、印象に残ったコーディネート、購入したいコーディネートにお答えする
アンケートもありました。←私は答え忘れて帰ってきてしまいましたが…σ(^_^;)
この100人コーディネートを企画された、染色家の中野光太郎さん。
お隣は友禅作家の成瀬優さんのお弟子さん。ご自身で染められたきものだそうです。
「100人コーディネート」の会場は導線の最後にあります。
こちらを見てから再び会場をグルッとしてみるのが楽しいです♪
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丹後柿渋織と爪掻本綴織 / きものサローネ in 日本橋 後期 at YUITO
100人コーディネート展 / きものサローネ in 日本橋 後期 at YUITO のつづき
●小林染工房
小林染工房の小林知久佐さんとガラス作家の小上馬香織さんと
柿渋には防染の効果がありますが、それを生かした柿渋織。
小林知久佐さんは引染め士でいらっしゃいますが、丹後で青い渋柿を採って潰して染料の
柿渋をつくるところからされているのだそう。
柿渋の染料をつくって3年寝かせて絹糸を何度もくぐらせ染めあげる、その年によっても
色は違ってくるのだとか。
それを縫い取り縮緬の技法で織りあげます。織ったのは柴田織物。
そして引き染めをすると、柿渋で織られたところが浮き上がります。
おお~っ(ノ゚ο゚)ノ 七宝に南十字星が浮き上がってるみたい♪
丹後柿渋織のきもの、着ている本人が何よりウットリできそうです(〃∇〃)
●京都綴会
綴織職人の平野喜久夫さんによる、爪掻本綴織の実演
ピンと張った経糸を杼ですくって、爪先で緯糸を掻き寄せて、櫛をつかって織り込みます。
綴織は下絵にそって緯糸で描くように織りあげられます。
表裏が同じ文様となり、境目には把釣孔といわれる隙間ができるのが特徴。
爪掻きのための爪のギザギザはこうしてつくられます。
遠方からいらした職人さんのお話が聞けたり、実演がみられるのがサローネの良いところですね。
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PR: 心を豊かにするマイレージ
きもので囲炉裏焼き / 黒地紅型風小紋に木に小鳥の織なごや帯
寒いですね…(((( ;°Д°))))
米沢レポートがまた途中ですが、明日から再び東北入り。
紅型風の小紋に木に小鳥の織なごや帯
きもので囲炉裏焼き…
美味しいですけど、煙がモクモクです
帯周りのアップ
絹のきものは1日陰干ししておけば、臭いは落ちます。
でもきもので囲炉裏焼は、おススメいたしません(^_^;)
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PR: フォード・フィエスタを買うなら今がチャンス!
重陽香 at 衣紋道高倉流たかくら会 東京道場
ハロウィンが過ぎると街はすっかりクリスマスムードですが、紅葉狩りはこれからです
しかし、今年は冬の訪れが早そうですね…。
衣紋道高倉流の「重陽香」
古代中国では菊は仙境に咲く邪気を祓い延命長寿の効能がある花とされています。
能の枕慈童(私がかつて習っていた宝生流ではこういいますが、観世流では菊慈童)
という演目にもなっているお話なのですが、ザックリとご説明すると…、
魏の文帝の頃、勅使が酈縣山の麓から涌く霊水の源を探しに行くと菊の花が咲く山の庵で
少年と出会います。その少年は周の穆王に仕えていたというのです。
周というのは遥か昔の国(紀元前11世紀~紀元前256年?※諸説あり)の700年も昔の国のことで
いぶかしむと、少年は周の穆王に仕えていたが、王の枕をまたいでしまったことから、罰として
この山に配流されたとのこと。でも少年に悪意のないことを知って憐れんだ王が、その枕に法華経
の二句の妙文を書きそえて少年に与えました。その文字を菊の葉の上に写して書くと葉の露が
霊薬となって少年は700年も不老長寿のままだったというお話からきています。
菊に流水の唐織の能装束に枕慈童の能面が飾られていました。
菊は奈良時代末期に唐から伝来し、当初は薬草として使われ後に観賞用になります。
平安時代に極限られた人々によって栽培されますが、一般に普及したのは江戸時代に
なってからといわれています。
平安時代には陰暦9月は菊月とよばれ、9月9日は9が重なることから重陽の節句とされ
宮中では、菊の花を浮かべたお酒を飲む菊花の宴、菊花の杯で邪気を祓いました。
1878年(明治11年)より宮中では「観菊会」が行なわれ、現在は秋の園遊会となっています。
「山人の折る袖にほふ菊の露うちはらふにも千代は経ぬべし」(新古今和歌集より)
藤原俊成(定家の父)が後鳥羽天皇の妃の入内に詠んだ歌にちなんでのお香席です。
高倉流のこちらの会のお香席は、はじめての方でも楽しめる席ですが、仙石先生が出香
される香木は名香ばかりなのです。
試香「仙人(やまびと)」1包、「袖」1包 / 無試「菊」無し
完全正解でございましたので、本香の「菊」をいただきました♪
高倉流宗会頭の仙石宗久先生と
【11月13日の装い】東京◇晴れ(湿度34%)/ 最低気温11℃ 最高気温21℃
臙脂地に菊と牡丹の総柄小紋に松と菊に鴛鴦の綴帯をコーディネート
帯あげ、帯〆ともに龍工房
通常のお茶会などでは室礼とかぶる文様はさけます。
今回はあえて、菊×菊で装ってみました。
山帰来に小鳥の古布デコパージュのバッグは松枝忍、草履は神田胡蝶
このあとは、早稲田大学の一般聴講「かわいいだけじゃダメですか?」←別記事でレポします
そして、きものサローネは最終日でした~。都内をグルッと。
第61回日本伝統工芸展で日本工芸会奨励賞を受賞された水橋さおりさんと
丸山伸彦先生が、江戸時代の遊びの要素を彷彿させると絶賛していらした
尽くし文様であり見立てにも見える、羊文様の帯をされていました!
石垣市織物事業協同組合の皆さま
何と、今日からの旅もご一緒です~♪
そうなのです。これから旅にでます。やっぱり米沢レポートが追いつかなかった!
現地からはfacebookページと「なう」でリアルタイム報告します。
いってきます(^-^)/
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