今日は端午の節句です
端午とは端(はし)の午のことで、もともとは月はじめ(端には始まりという意味合いもあります)
の午の日のことでしたが、午は五と音が通じることから毎月5日のこととなり、のちに奇数月と
同じ日が重なる日を特別な日と考える中国の重日思想と、田植えの前に女性だけが家に籠もり
身を清める日本の五月忌みの風習が結びついたのが、端午の節句の始まりといわれています。
衣紋道高倉流宗会頭の仙石宗久先生のお話によると、端午の節句に鎧兜を飾るようになったのは
鎌倉時代から。旧暦では端午の節句は現在の6月頃(2014年は6月2日)になり、この頃に甲冑の
虫干しをしたこと、そしてこの時季に咲く菖蒲の花と尚武をかけて男児の節句として定例化したの
だそうです。
先日行なわれた、衣紋道高倉流たかくら会の端午の節句行事は鎧直垂の着装実演
小袖姿に大口袴を着ます(今回は切り袴)
梨子打烏帽子をつけます。黒の紗に薄く漆が塗られたもので柔らかいのが特徴。
鉢巻をし後で結びます。
革の足袋、弓懸という手袋をします。着装はすべて左からですが、弓懸のみ右からします。
直垂を着装します。直垂の上衣は衽がない二巾で脇は開いています。
菊綴は上衣は背中と両袖の5カ所、袴は膝上と腿だちの相引きの4カ所についています。
共布でできた脛巾をつけます。
袴の裾を括ります。
太刀を帯びて勇ましいお姿に。行司装束とほぼ同じです。
脛当てをつけます。
貫(つらぬき)という毛皮の沓を履きます。これは熊の毛でできているのだそう。
左の肩袖を脱いで左前脇に畳みます。
左肩袖を脱いだ姿です。
脇立(わいだて)をつけます。
脇立の紐は解かないことが前提でしっかりと結わえます。
戦場から無事に帰った暁には紐は切って落とし、具足は神社などに奉納するもの
だったので、再びつかえるように解きやすくとかは考えないものなのだそう。
脇立までの姿を小具足姿といいます。戦場での休息スタイル。
籠手をつけます。
手には中啓を持ちます。公家の武将装束姿といったところでしょうか。
鎧直垂装束の完成ですヾ(@°▽°@)ノ
大鎧はこの上につけていくこととなります。
が、鎧直垂のこのお姿がかっこいい~
戦場でいつ命を落としても恥じない装いというのが嗜みだったそうです。
【4月23日の装い】東京◇晴れ / 最低気温12℃ 最高気温21℃
端午の節句にちなんで扇に菖蒲の御所解文様の帯をあわせました。
万筋の江戸小紋にぎをん齋藤の扇に菖蒲の御所解文様の塩瀬の染め帯をコーディネート。
菊の絞りの帯あげは京都えり萬、帯〆は京都きねや
流水にあやめの紗あわせの羽織。
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鎧直垂の着装実演 at 衣紋道高倉流たかくら会 / 端午の節句
婦人画報•美しいキモノ•25ans 特別ガラディナー at ホテルオークラ東京
「大使、大使夫人による10カ国のガーデニング」 at ホテルオークラ東京
のつづきです。
「婦人画報」「美しいキモノ」「25ans」共催による特別ガラディナー。
婦人画報は1905年(明治38年)国木田独歩によって創刊された日本最古の女性誌。
出版社の旧婦人画報社は現在はアメリカ最大のメディア企業であるハーストコーポレーション
の傘下の外資系企業となっています。ハースト婦人画報社社長社長のイブ•ブゴン氏。
フランス人でありながら日本滞在歴が長く日本語をネイティブに話され、今時の日本人よりも
日本文化に造詣が深い方でいらっしゃいます。
ガラディナーのシャンパンはヴァランケンポメリーのものが次々と←飲めないのが残念
杜若文様のシャンパングラスにテンションアップ♪
木村孝先生によるトークショー
千總による総柄の御所解文様の訪問着をお召しでいらっしゃいました。
世界の民族衣裳の中でも絵画、風景を纏えるのは、日本のきものだけ。
日本の伝統芸能はきものと共にあり、きものがなければ日本文化はありえない。
大切にしていきましょうというお話がありました。
孝先生のこの華やかさと美しさ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
私の2倍以上の人生を歩んでいらっしゃる方なのです。年を重ねるのも良いものと思えます。
お話に夢中になりすぎて、慌てていただくことになってしまいましたが、ディナーは
目にも堪能させていただきました
お席は、美しいキモノで連載されている裏千家の桂宗裕先生ときものライフプランニング
オフィス主宰、染織•絹文化研究家の富澤輝実子先生とご一緒させていただきました。
国際文化理容美容専門学校校長の荘司礼子先生による、衣紋道高倉流の十二単着装
(五衣唐衣裳のお服あげ)実演と解説がありました。
衣紋道では装束を「お服」といい、装束をお着せすることを「お服をあげる」といいます。
装束をお召しになる方は「お方さま」、お服あげする者は「衣紋者」です。
単に五衣を重ねるごとに衣紋襞をつくり仮紐で固定したら下の衣の仮紐を抜いていきます。
袖を整え入れていく手つきも美しい
五衣に打衣を重ねたら衿を壊さないように
右前ひとつに「解き合わせ」
表着(うわぎ)をつけます
唐衣をつけ小腰をつけます
檜扇をもって完成です
着装実演は現代の十二単(五衣唐衣裳)ですが、平安期の十二単(五衣唐衣裳)も
登場しました。
わかりやすい違いは後ろ姿
現代は唐衣の上に裳をつけますが、平安期は表着に裳をつけその上から唐衣を着用します。
美しいキモノ編集長の富川匡子さんによるご挨拶。
夏号も楽しみにいたしております~♪
お土産にアスタリフトの美容液をいただきました。
女性誌のイベントは至れり尽くせりですね
読者の皆さまの装いがみられるのが何よりも楽しみ。ほんと興味深いです。
お声掛けくださった方、お写真くださった方、ありがとうございましたm(_ _ )m
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ラ•フォル•ジュルネ•オ•ジャポン / 増井一平の雨音江戸小紋に龍村美術織物の帯
雨の色にこだわってお誂えした、増井一平先生の「雨音」小紋です♪
朝日新聞2008年6月8日付天声人語で紹介された鏑木清方の随筆の一節
「糸のような春の雨には茅ぶきの屋根が似合う。そして、急な雨なら瓦屋根がいい。
夏の夕立など茅屋根では折角の力が抜けて面白くない。急がるる仕事もなく、
訪ないくる人もなき閑日の昼下がり、真昼の雨のこまやかなるもよし。」
型彫り師の増井一平先生が、この随筆から思いつき、ショパンのソナタの譜面から
写して彫り上げた「雨音」
雨らしい青の色にこだわって、小林義一先生に染めていただきました。
生地選び、色選び、小林染芸さんへ / 増井一平「雨音」お誂え その1
小林染芸さんにて / 江戸小紋の工程、地張り~型つけ / 増井一平「雨音」お誂え その2
お誂えの醍醐味 江戸小紋の色選び / 増井一平「雨音」その3
生地は赤城の座繰り糸をつかって織りあげられたもの。独特の光沢感があります。
雨の色にこだわってつくったので、初おろしは雨の日のクラシックコンサート
10年目を迎えたラ•フォル•ジュルネ•オ•ジャパン♪
フランスの熱狂の日の日本版で毎年ゴールデンウィークに開催されます。
期間中は朝から晩までどこかで音楽のイベントがあるお祭りです。
感動したのは、急遽代役でラフマニノフのピアコン3番を演奏したフランスの若手ピアニスト、
レミ•ジュニエ。繊細で丁寧な演奏でいくところはいく大胆さもあり(若いから?)、表現力が豊か。
素晴らしかったです
夜はこちらへ。
端午の節句らしい目にも美味しい会席料理でした。
【5月5日の装い】雨のち晴れ(肌寒い…) / 最低気温17℃ 最高気温21℃
増井一平の雨音の江戸小紋に龍村美術織物の鳥の織なごや帯をコーディネート
帯あげは京都きねや、帯〆は五嶋組紐
この龍村の帯が色合いもピッタリあって嬉しい~(〃∇〃)
バッグはRADLEY、雨傘はHANWAY、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
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お知らせ / 「ぬぬぬパナパナのぬぬ」展 レクチャーの申込みについて
効率化が求められ忙しなく生きる現代では、かつて当たり前のようにつくられていた布を纏って着ることが非日常的なものになってしまいました。
自然と共存しその叡知が生みだした素朴な風合いの布は、手間はかかりますが洗練された手仕事による賜物。
では、それをどう着こなす?
芭蕉布や宮古上布、水に強い繊維なので自分でも洗えるはず。
でもそのお仕立ての糸が絹だったら…。
お仕立ての糸はどんなものがつかわれているか考えたことはありますか?
きものを日常に着るということは、かつては当たり前のことだったのですが、今となってはわからないことがいっぱいあります。
「ぬぬぬパナパナのぬぬ」展
東京展開催日の夜限定で、レクチャーというか座談会(井戸端会議)を行ないます。
きものを日常に着こなしてみたいと思っていらっしゃる方、着こなしていらっしゃる方、お申し込みをお待ちしています。
今回ご一緒に講師をしてくださる、着付師の西岡万紀さんと和裁師の松下妙子さんと現在、奄美大島にて研修旅行中。この記事は未来記事設定による予約投稿です。
facebookページではリアルタイムでレポしてます♪
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〈開催日限定プログラム〉
キモノ文化講座 (1)「キモノ井戸端会議 vol.2」
日程:5月23日(金)
時間:19:00~21:00
講師:朝香沙都子、西岡万紀、松下妙子
料金:2,500円(茶果付き)
定員:20名
申込み受付は 5月8日(木)より
いずれも先着順にて受付け、定員になり次第締め切らせて頂きます。
お申込方法(東京展)
有料レクチャー・ワークショップはお申し込みが必要です。
メール、ファックスのいずれかで、
・氏名(参加者全員)
・住所、連絡先(メールまたは電話番号)
・参加希望イベント番号と日にち
〈お申込先〉
*件名キモノ文化講座 (1)「キモノ井戸端会議 vol.2」を明記してください。
E-mail:info@nunupana.com
Fax:06-6853-1712
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PR: チャージのいらない電子マネー、QUICPay
指宿@なう
明治神宮の大祭 薩摩琵琶奉納鑑賞 / 紫の花織風格子紬に紅型の帯、江戸小紋両面染め日傘
日本きもの学会奄美大島産地研修旅行&鹿児島の旅より帰って参りました~。
充実の旅でございました。さすがに疲れてバタンキューです
ご一緒してくださいました、きもの学会の皆さまありがとうございましたm(_ _ )m
私にとっては、工房見学や産地巡りの旅はレポートにまとめて公開するまでつづいています。
自分の眼で見て知らないことを知ったばかりのようなものです。
さらに調べつつ、本場奄美大島紬の魅力についてたっぷりとお伝えしたいと思います。
その前に、書き残してしまったゴールデンウィークのレポをいくつかザックリと。
明治神宮の春の大祭へ
この日は薩摩琵琶の奉納がありました。
正伝士風薩摩琵琶 士弦会による演奏
「川中島」 ♪~鞭聲肅肅夜河を過る~
正伝薩摩琵琶普門院流二世宗家 森岡史城氏
「本能寺」
琵琶には雅楽の合奏でつかわれるものと、盲僧による笹琵琶があります。
盲僧琵琶で有名なのは平家琵琶でしょうか。
薩摩琵琶は島津忠良によって島津藩士の教養のためにつくられたものといわれています。
ちなみに語り物の筑前琵琶は薩摩琵琶を改良したもの。
情緒がありダイナミックでもある薩摩琵琶の演奏ですが、広すぎる屋外では
音が拡散してしまいます。やはりお座敷でしっとりと聴き入りたいものですね。
夜は会席料理をいただきました。
端午の節句前でしたので、端午の節句にちなんだお料理
和食がユネスコ無形文化遺産に登録された理由の中に、年中行事との密接な関わりがあります。
美しさと文化がひとつのお皿の盛りつけに共存するという和食ならではのこだわり。
【5月2日の装い】東京◇晴れ(陽射しが強く単衣でも暑い)/ 最低気温17℃ 最高気温27℃
花織風の単衣の格子紬に鳥文様の紅型の染め帯をコーディネート
日傘は廣瀬染工場の江戸小紋の両面染め
堅牢度が弱い水色に紫の日傘、色焼けが心配ですが、考慮した染めになっているそうです。
外側は鮫小紋に雨縞、内側は貝文様
外側の雨縞が日に透けると映り込んで波のよう~
傘の持ち手は楓。とても持ちやすくしっくりきます
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亀戸天神の藤 / 水色地の鳥文様の紅型の付けさげ訪問着に露芝文様の切り嵌めの帯
藤の名所、亀戸天神へ
今年は藤の開花が早かったそうで、残念ながら藤棚の見頃は過ぎていました~
スカイツリーができてますます人が増えたようで、夕方でもたくさんの人。
大藤はまだ咲いていました
夕景の藤に鷺
現代における最も定番の帯結び「お太鼓」の語源は、1817年(文化14年)に
亀戸天神の太鼓橋が完成したときに深川芸者が太鼓橋に形を似せて結んだのが
始まりとされています。
お太鼓結びが考案されたことにより、帯〆や帯あげが使われるようになりました。
【5月4日の装い】東京◇晴れ / 最低気温15℃ 最高気温23℃
水色地鳥文様の紅型の付けさげ訪問着に露芝文様の切り嵌めのなごや帯をコーディネート
帯あげは京都きねや、帯〆は五嶋組紐
バッグはジャマン•ピュエッシュ、ぞうりは菱屋カレンブロッソ
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第48回日本伝統工芸染織展 at 日本橋三越
衣紋道高倉流たかくら会のお食事会と仙石宗久先生の講演会の後、 ←後ほどレポします
国展が開催中の国立新美術館へ。
ところが…、がーん((((;゚Д゚)))))))
国展の最終日は14時閉会でした。国画会の先生方の作品展、また見逃してしまった
この春は見たかった展示会、展覧会をたくさん見逃しているので、やはり無理してでも
行ける時に行こう!っと、明日が最終日の日本橋三越にて開催中の日本伝統工芸染織展へ
今年で48回目となる日本伝統工芸染織部会が開催する染めと織り作家の公募展。
日本工芸会会員の方と一般作家を対象に公募された作品の中から選りすぐりの入選作が
展示されています。(~5月13日まで)
文化庁長官賞を受賞された中野真由先生の作品。
博多織の無限の可能性を感じます。素晴らしい☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
写真だとうまく色がでていないのですが、とても美しい青が立体的に織りだされています。
中野先生、糸の美しさを織りだすのが巧い!と、注目している作家さんです。
うっとり~するような作品ばかりなのですが…。気になったもの2点。
渡辺桂子 茶屋染着物「豊穣の海」
茶屋染ということは麻布?
白、紺、金茶色の染め分け地にさまざまなカモメがとても可愛らしい
野村篤子 久留米絣着尺「ステンドグラス」
古典的な絣柄なのですが、藍色と白のコントラストがくっきりしているからか、現代的。
工芸会の重鎮の先生方の作品はもちろん目の保養になりますが、新たな息吹を感じさせて
くれる作家さんとの出会いは、公募展ならでは。
貴重な機会です。お見逃し無く
※展示会場内の撮影及び掲載は、三越さまより許可をいただいております。
撮影は三越の方立ち会いのもとでおこなったものです。
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「藤本能道 〜色絵に生きる〜 展」at 菊池寛実記念 智美術館
記事が遡ります…。
「大使、大使夫人による10カ国のガーデニング」ガラディナー
の前に、
ホテルオークラの近くにある、菊池寛実記念 智美術館へ
パーティーの前なので、ぞろっとした訪問着で美術館鑑賞(^_^;)
現代陶芸の素晴らしいコレクションが所蔵されている美術館です。
菊池寛美(きくちかんじつ)という人は、あまり表にでてきませんが、戦後の
三大億万長者のひとりともいわれ、石炭王であり投資家だったようです。
菊池寛実の娘である菊池智さんは現代陶芸のコレクターであり、陶芸家の支援家。
菊池寛実ゆかりの虎ノ門の地に2003年にこの美術館を創設されました。
「藤本能道 ~色絵に生きる~」展が開催中(~6月29日まで)
色絵磁器の重要無形文化財保持者(人間国宝)の藤本能道(ふじもとよしみち)。
富本憲吉の助手をつとめつつ九谷焼の色絵技法を習得したとありましたが、如何にも
つくられた磁器という感じがしない…、繊細な日本画のようです。私好み~
陶磁器の世界でありがちな古典的な摸倣的文様でなく、自分の眼で捉えた鳥の姿を
絵皿に写し出している作品群。
そして、その表現のために釉薬の開発と研究が重ねられたことがうかがえます。
色絵 鴨之図四角筥
草白釉 釉描色絵金彩 翡翠図六角筥
梅白釉 釉描色絵金彩 鴉落葉図扁壺
釉描加彩 樹陰宿鴉図四角筥
雪白釉 五位鷺図扁壺
草白釉 色絵金銀彩 木乃葉ずく文八角筥
色絵十二角皿 より
霜白釉 釉描色絵金彩 花鳥図四角大皿
美術館のつくりもですが、展示の仕方にも、とことん美意識の高さが感じられました。
※展示室内の撮影及び掲載は美術館の許可をいただいたものです。
そして、こちらには超穴場のフレンチレストラン「ヴォワ•ラクテ」が 併設されています。
ヴォワ•ラクテとは、天の川のこと。天井には星空が煌めいているのです。
この日のホテルオークラはごった返していたのでこちらに来て大正解。
ランチタイムは終わっていたのですがゆっくりとお茶を楽しみました♪
こちらのクレープシュゼットがお気に入りなのです(〃∇〃)
隣接する大正時代の西洋館。
ティファニーのステンドグラスをはじめ貴重な調度品で飾られた館内は、展覧会会期中に
限定公開されている日があります。
都会のど真ん中にある美術館ですが、美意識の高さが隅々まで行き届いた非日常空間。
人の喧噪からフッと離れたくなったらおすすめの超穴場スポットですね
きもので訪れるにもピッタリです。
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タイル文様の藍絣木綿にヴェネツィアの染め帯
木綿の藍絣、大好きです
木綿の絣はどうしても民芸調になってしまうので、帯はあえて洋風なものを、
帯あげ、帯〆はシンプルに、日傘やバッグはモダンなものをあわせます。
【5月13日の装い】東京◇晴れ / 最低気温18℃ 最高気温21℃
タイル文様の木綿の単衣藍絣にヴェネツィアの風景が描かれた染め帯をコーディネート
全身で見ると縦ラインが強調されるデザイン
帯の水面にサハラガラスの鳥がいるようにみえるかも。
ヴェネツィアの水辺の風景が描かれた染め帯。
この帯でヴェネツィアにいきたいな:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
江戸小紋の両面染めの日傘。
外側の鮫小紋に雨縞が内側に透けて見えるのが波のよう。内側は貝殻文様です。
バッグはRADLEYのシグネチャーシリーズ。ゴンドラつながり。
日本伝統工芸染織展、最終日でした。
前日、日傘を会場に忘れたので…、2日連続いくことに。見つかって良かった
おかげで撤収作業に来ていらした工芸会の先生方とお話ができて幸せ~(〃∇〃)♪
奄美大島レポートはこれからです~。
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奄美大島へ! 日本きもの学会産地研修 / 奄美大島&鹿児島の旅 その1
2014年日本きもの学会の産地研修は奄美大島でしたヾ(@°▽°@)ノ
言わずと知れた本場奄美大島紬の産地。
梅雨入り目前の奄美大島。何を着ていくか直前まで悩みました。(おかげで梱包間に合わず)
暑いだけでなく、湿度も高そう…。きものの大敵は湿度です!
GWを沖縄で過ごすときは、単衣か夏物なのですが、本場大島紬の単衣と夏物が手元にない
せっかくの産地研修ですし、やはり大島紬の里帰りがしたいと思い、袷の大島紬でいざ出発です!
下着は晒しでグルグル、長襦袢は夏物の爽竹に塩瀬の半衿をつけました。←これ快適
【5月7日】東京◇晴れ(早朝は寒かったです) / 最低気温11℃ 最高気温22℃
当初、前日まで台湾にいる予定だったので、台北→那覇→奄美というルートを
考えていたのですが、台湾行きが先延ばしになり、羽田から伊丹経由で向かうことに。
2泊3日の旅の荷物は国内線機内持ち込みOK(機種によるので、帰りはダメでした)
のグローブトロッター18インチトロリーケースに詰め込みました。
国内旅行は宅急便をフル活用しているのですが、奄美大島まで東京から最低4日間
かかるということを知らず…。あまりにギリギリすぎてしまい、万が一届かないと困るので、
今回は手持ちでいくことに。
日本の宅急便の即日配達のシステムも、今年の2月の大雪、3月の消費税前のドタバタ
で遅れることがあると実感し、余裕がないのはやはり危険と判断いたしました。
袷の大島紬2枚、単衣の結城縮1枚、雪花絞り1枚、長襦袢1枚、下着類、化粧品が入っています。
この日は快晴 富士山がとてもよく見えました。
飛行機に乗るときは、翼が写り込むぐらいの後方席の窓側で、西に向かうときは
富士山が見えるように右側の席をキープします。
離着陸時の翼の動きを見るのも好き。←車には興味ないけれど、鉄道と飛行機好き
伊丹空港できもの学会の皆さまと合流! この地点ではきもの率は半分ぐらい?
伊丹から西へ向かうルートははじめて。眼下には明石海峡大橋。
そして、鹿児島上空。大隅半島と薩摩半島。
桜島も見えました。噴煙を上げている煙もしっかり見えます。
屋久島もクッキリ。
奄美空港に降り立つ時に見た、奄美の海の美しさが素晴らしかったです~。
離着陸時なので写真はありませんが、海の色と森の色の対比が人工的でない
素朴な感じがとても良い。
奄美空港へ到着するとこんな看板が!
「いもーれ」とは「いらっしゃいませ」の意味。
奄美大島では多様性を大事にするという試みから、今も残る島言葉がつかわれています。
小中学校には方言マップがテキストとして配られ、方言の日や方言で話すニュース番組
もあるそうです。
まずはランチ。奄美空港からほど近い、ばしゃ山村に向かいます。
「ばしゃ山」とは糸芭蕉の群生林のことなのだそう。
奄美大島の北部には質の良い芭蕉の林があって、昔は糸芭蕉から糸を績んでいました。
※大島紬の源流となる絹の手紡ぎ糸がつかわれたのは江戸時代から
昔、ばしゃ山を持っていた大地主の娘さんの婿が決まらなかったときに、ばしゃ山付きと
銘打ってお婿さん探しをしたことから、ばしゃ山は不美人のことをいうのだそうです。
現地バスガイドさんのお話、ためになりますね。
奄美食材のレストラン、アマネシアへ
琉球料理に近いかな?
窓から見える奄美の海!
今回の奄美滞在の中で、南国リゾートぽいところはここだけだった気がします。
何といってもこの透明感。
奄美の海と本場大島紬~。
陽射しは強いですが、袷の大島紬でも長襦袢が夏物で下着は晒しのみなのが
幸いし、思っていたよりも快適です。着付けもゆるゆるで着ています。
しかしこの大島紬は本場大島紬ではありますが鹿児島の旗印なのが残念!
※本場大島紬は、奄美大島、鹿児島市、宮崎県都城市の3つの産地があります。
【5月7日の装い】奄美大島◇晴れ(光が眩しい!) / 最低気温16℃ 最高気温24℃
袷の大島紬では暑くて耐えられないかしらん…と心配いたしましたが、日蔭に入れば快適。
今では珍しい、割込絣の本場大島紬に花織風の博多帯をコーディネート
縮緬無地の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房。このセットはあわせやすく万能!
本場奄美大島紬といったら、やはり何といっても泥染め。
泥田の見学に向かいます(^-^)/
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フライングの真夏の装い
陽射しが強い1日でした
薄物の装いはまだまだ早すぎますが、訳あって本日、真夏の装いです。
正直なところ、クールビズならぬスーパークールビズで、真夏のような強い陽射しの日の
普段着は薄物といわれる真夏のきものでも良いと思っております。
現在のきものの衣更えの習慣は、明治政府の定めた洋服の衣替えに倣ったもの。
明治に入ると西洋化政策がすすみ、明治5年11月9日には改暦が発表され23日後の
明治5年12月3日を1873年(明治6年)1月1日と改めて、グレゴリオ暦(太陽暦)に改暦されます。
明治政府は、役人.軍人.警察官の制服の衣替えを新暦の6月1日~9月30日を夏服、
10月1日~5月31日を冬服と制定しました。
これによって、目安とされたのが現在の衣替えです。
6月1日~30日、9月1日~30日は単衣(裏地のないきもの、絽ちりめん、紗あわせ)
7月1日~8月31日は薄物(麻、絽、紗、透ける織物)
10月1日~5月31日は袷(裏地のついているきもの)
きものが日常着だった頃はあくまでも目安であって臨機応変に対処されていたようですが、
きものを着ることが非日常となり、さらに着付け教室の台頭によって定着するものとなりました。
温暖化の昨今、無理せずきものを楽しむには、衣替えの習慣にとらわれるよりも自由に着たいもの。
しかし現代の洋装のように、冬でもノースリーブのようなメリハリのない装いが定着してしまうのは
つまらない。
やはりきものは季節感を大事にしつつ、そして適度に快適にというのが理想でしょうか。
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大島紬 泥染め見学 at 金井工芸 日本きもの学会産地研修 / 奄美大島&鹿児島の旅 その2
日本きもの学会産地実地研修 奄美大島レポートです
(^-^)/ 前回はこちら☆
さて、どのようにまとめていくのが見てくださる方にわかりやすいものか…。
まずはサラッと本場大島紬について説明することにします。
本場大島紬には、奄美大島、鹿児島市、宮崎県都城市の3つの産地があります。
製造工程はほぼ同じですが、産地によって特徴があり、組合は各産地別にあります。
各産地で共通する本場大島紬の定義は、
①絹100% ②先染め手織り ③平織 ④締機による手作業での絣加工 ⑤手機で絣合わせ織りあげる
現在の大島紬は、紬といわれますが紬糸ではなく本絹糸がつかわれています。
それによって、軽くてしなやか、そして独特の艶やかな光沢のある布になったのです。
奄美大島でつくられる大島紬は、何といっても泥染めが中心。
鹿児島産は色大島、白大島、都城は草木染めや色大島が多くなります。
奄美大島紬の要である泥染めの見学に龍郷村にある金井工芸へ
金井工芸の金井一人社長と
1720年(享保5年)薩摩藩が、奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島の4つの島に
「与人・横目・目指・筆子・掟までの役人には絹布着用を許すが下の者には絹布着用を一切許さず」
として「絹布着用禁止令」を下したことから、当時から絹の大島紬が一般に普及していた
ということが伺えます。
この頃の大島紬は手績みの真綿紬糸で織られていたようです。
薩摩藩の役人から隠すために泥田に沈めたら、美しい烏の濡れ羽色に染まったのが
泥染めのはじまりともいわれています。
伐採されたテーチ木(車輪梅)の山。
伐採して2週間以内につかわないと染液がでなくなってしまうのだそうです。
こちらは奄美名瀬港近くの道路脇に咲いていた車輪梅の花。もう終わりかけでした。
泥染めでつかう車輪梅は樹齢30年ぐらいのもの。奄美大島産のものがよく染まるのだそうです。
伐採したテーチ木はチップ化されます。泥染めにつかうテーチ木の量は大量( ̄□ ̄;)
テーチ木は季節、山にあるもの、海にあるもので色の出方が違うのだそう、現在は植林も
されています。
約600gのチップを2000ℓの水で2日間かけて煮だします。
通常の草木染めとの違いは、染液を常温に戻してからつかうこと。
かなり強烈な臭いがします。常温に戻すことによって発酵されているのかな…?
大島紬の絣筵です。
大島紬の経緯絣の糸染めは、地糸の経糸、緯糸、絣筵の経糸、緯糸の4種類の糸を
染めることになります。白から泥染めの黒になるのに1週間~10日間ぐらい。
4種類の糸を染めあげるには1ヶ月以上かかるのだそう( ̄□ ̄;)!!
緯糸の絣筵は暖簾状になっていて経糸の絣筵にはミミがない。
地糸の染色です。
テーチ木を煮だした染液で30回染めます。
糸は水に濡らさずそのまま染液をかけます。
ただ浸けるのでなく揉み込む。
染液は一度つかったら絞って捨てて新しい染液で染めます。どんだけ車輪梅が必要なんだか
テーチ木の染液に含まれるタンニン酸を定着させるために、タンニン酸が無くなったら
捨てて新しい染液をつかうということを繰り返すのだそう。
3回揉み込んだら石灰で中和させます。
こちらは、テーチ木で染めた後に泥染めをした絣筵。
テーチ木染めを30回繰り返し乾燥させてから、泥田で染めます。
泥田で染めてから再びテーチ木で10回以上染めてさらに泥田への繰り返し。
トータルでテーチ木染めは80~120回、泥田は4回ぐらいになるのだとか。
泥染めは絣が少ない無地場の多いものの方が誤摩化しができず難しいのだそう。
う~ん、ここでは泥染めの大島紬を里帰りさせてあげれば良かったかな…。
金井工芸の工房の隣にある泥田です。
大きなイモリが泳いでました
泥は粘土質で粒子が細かいのが特徴。粒子が細かくないと絹糸が毛羽立ってしまうとのこと。
奄美大島の円形が美しい赤尾木湾は隕石が落ちて形成されたという説があるそうで、
奄美クレーターといわれています。それによって龍郷村の泥田には良質の鉄分が含まれて
いるのでは?というお話があったのですが、直接の因果関係はないそうです。
それよりも、泥田に含まれている微生物による効果が重要で、ここの泥を別な場所に持って
いって染めても同じような美しい泥染めになることは決してないのだそうです。
こちらの四角に覆われているところに泥を入れて足でかき回しながら濃度を調整し染めます。
糸の間に入るように揉んだり叩いたりしながら2時間かけて染めていきます。
これを1週間に3回ほど繰り返すとのこと。
絣糸の本数で泥の濃度は調整。目が細かい絣は濃すぎると泥が入っていかないのだそう。
一度はじめると2時間つづけなければならないそうで…、見学にはその時間がなく、実際に
染めている現場は見られませんでした。残念!
泥染めをした後の絣筵の一部をいただきました。
この太い1本の糸は16本の束になっています。同じ絣糸が16反分つくられるということ。
こんな美しい絣糸になるのです。綿糸で締められていたところが染め抜かれています。
こちらは貴重な泥藍大島の緯糸の絣筵
このケバケバしている糸が締機で織られた綿糸。
これを解く工程を「バラ裂き」といいます。
藍で下染めをしてからテーチ木と泥田で染めたもの。絣の部分が藍色になります。
う~ん、美しい 泥藍大島紬もいいなあ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
泥田の見学が終わった頃、地糸のテーチ木染めが終わり乾燥させているところでした。
伝統工芸品の実演はさまざまなところで行なわれていますが、奄美大島の光と空気、そして
この泥田はここに来なければ見られないもの。次の日は大雨だったので、この日がお天気
だったのも幸運でした♪
さて、もうひとつ、大島紬の産地でなければ絶対にみられない、工程見学へ向かいます(^-^)/
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仙石宗久先生のお話「地震と女官 お清とお次」at 明治神宮文化館
「昭憲皇太后百年祭記念 ~明治の皇后~」展 の鑑賞会と
衣紋道高倉流宗会頭の仙石宗久先生によるお話とお食事会へ
「昭憲皇太后百年祭記念 ~明治の皇后~」展についてのレポは、こちら☆
過日「祐宮(後の明治天皇)の御深曽木の儀の再現」の後にも参加させていただい
たきましたので、2回目です。
仙石先生の今回のお話は、前回の「お清とお次」という宮中の習わしのお話に加えて、
「地震と女官」のお話がありました。
1854年(嘉永7年)日米和親条約が締結されますが、この後、京都では大火があったり、
日本は安政の大地震といわれる大きな地震が連発します。
地震のときの宮中のようすはどうなっているのか…?
京都御所には地震殿という避難所の建物があるのだそう。
屋根の軽いもので、ハリがないのが特徴
天皇のお世話をしているのは、女官なので、地震の際も女官が天皇皇后陛下をリードする
ことになるけれど、上の女官(典侍)は装束を自分では着ないので、典侍に仕える女官が
2分で着せてから、3分で天皇(主上)のところへとんでいく、という状況なのだそう。
これらは、お清とお次という宮中の習わしからきているものであり、こういった感覚は
今でも日本人のどこかに残っているというお話。
腰から下を触るとお次になってしまうことから考えだされた、両面袷縫いの白麻の浴衣。
腰から下のものを触った手で上のものを触るのは…となると、女性は手袋を
持ち歩いたほうがエレガントというアドバイスもありました
仙石宗久先生と
会の後は、明治神宮へ参拝。
参道には、昭憲皇太后の御生涯のパネル展示がされています。
本殿に入る門。
ここをくぐるとパーッと視界が開けます。
拝殿前の楠の緑が美しい~。
衣紋道高倉流東京道場会頭の荘司礼子先生と
美しい社殿と清涼な空気。都心のパワースポットです。
【5月12日の装い】東京◇晴れ(陽射しが強い!)/ 最低気温17℃ 最高気温23℃
志ま亀の貝文様の単衣小紋に笹づる緞子の塩瀬の染め帯をコーディネート。
単衣の小紋に長襦袢は夏物の爽竹に塩瀬の半衿です。
半衿、帯、帯あげ、帯〆は袷仕様で。
帯あげ、帯〆も志ま亀のトータルコーディネート。
式典やお茶会以外では、暑い日は年中、単衣のきものを袷仕様にして着ています(^-^)
しきたりにとらわれすぎるより、気候や陽射しにあわせて快適に、そして暑苦しく
見られないように装うというのも大切なのではないでしょうか。
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ぬぬぬパナパナ展 はじまりました @なう
PR: PANDA ファーストアニバーサリーフェア開催
ぬぬぬパナパナ展 キモノ文化講座①「キモノ井戸端会議」at ラ•ケヤキ
「ぬぬぬパナパナ展」開催中です。(~5月26日まで)
開催初日の昨晩、「キモノ井戸端会議」のレクチャーをさせていただきました。
「すみれ庵」主宰着付師の西岡万紀先生と和裁師の松下妙子先生と
お花は「美しいキモノ」編集部さまよりいただきました。ありがとうございます!
「美しいぬぬ(布)を日常にサラッと着こなすための知恵と工夫」を軸として、
きものの楽しみ方についての井戸端会議とさせていただきました。
その中で「きものカンタービレ♪」をはじめた理由についてお話させていただいたのですが、
皆さまの反応が大きかったこと。
「明日何を着よう…、暑いかしら、寒いかしら…」と悩む時の解決法です。
きものカンタービレ♪のコーディネート覚書としてのつかい方の一例。
きものカンタービレ♪の右側には、最新記事•プロフィール•カレンダー•月別と表示されています。
その下に「このブログを検索する」という空欄があります。
天気予報できものを着る予定日の天気や気温を確認して、この襴にその気温を入れます。
すると、最低気温か最高気温が22℃の時の記事がズラッと一覧表示されます
その日のお天気と体感もできるだけ書くようにしているので、自分の記憶の中から、あの
きもので暑かったとか寒かったとか、一目でわかるのです
こういったブログの覚書のつかい方を、私は「記憶の糸口」としています。
これはコーディネート覚書に限らず、きものセミナーや美術館でのレポートも同様で、
さまざまなことにつながっていくのです。
そして、「美しいぬぬ(布)」を着こなすために…。
ということで、動物性繊維の絹のきものと、植物繊維の芭蕉などの自然布のお仕立ての糸は
同じで良いのか?という疑問から、3件の大手百貨店の呉服部、外商担当、3件の呉服屋、
5人の和裁師の方に事前にご質問をさせていただきました。
木綿糸、細い木綿糸、ポリエステル、シャッペスパン、絹糸、織りと同じ素材の績んだ糸…。
それぞれに答えは違いました。
自然布といってもさまざまですし、芭蕉布でもいろいろなので、その布をみないことには…、
ということがあるかと思います。
自分でお手入れ(水に通すこと)をするか、プロにお手入れを頼むのか、
着る人の購入後のきものとの向き合い方で変わってくるということでしょうか。
布に馴染みが良い糸は切れやすいとしても、昔の人はご自分で和裁ができるのが普通
だったので、解けたり破れたりしたところは都度チクチクと直しながら着ていらしたように
思います。
※私の不躾な質問に詳細にお答えくださいました皆さま、ありがとうございました。
今回レクチャーをさせていただき、色々と見えてきたこともありました。
私自身がとても勉強になりました。
貴重な機会を与えてくださいました、ぬぬぬパナパナ主宰の浦令子さま、
一緒にレクチャー講師をしてくださった、西岡万紀さま、松下妙子さま、
細かい質問に応じてくださいました、ぬぬぬパナパナのつくり手の皆さま、
そして、夜遅くからスタートのレクチャーに足を運んでくださった皆さま、
(中には海外からいらしてくださった方、関西からいらしてくださった方も)
心より感謝申し上げます。
「朝香さんが鳥好きだから~」と、鳥のモチーフの帯やアクセサリーでいらしてくださった方
もいらして、嬉しかったです
ありがとうございましたm(_ _ )m
そして、告知です
ぬぬぬパナパナの大阪展の初日6月5日のキモノ文化講座では、
「素材の話 ~苧麻、芭蕉、棉、羊毛~」
のつくり手の方による、それぞれの素材や制作工程についてのお話があります。
この聞き手を西岡万紀さんとご一緒にさせていただきます。
大坂まで参ります~。
まだ残席があるそうですので、ぜひ!
【5月23日の装い】東京◇晴れ(爽やかな陽気) / 最低気温18℃ 最高気温22℃
青色の琉球風の単衣紬にぎをん齋藤の麻絽地に貝文様の染めと刺繍の帯
ぬぬぬパナパナ展はうちくい展がスタートだったことから琉球染織がたくさんあります。
夏物の展示の中で袷仕様は暑苦しいので、あえて単衣に夏帯のコーディネート。
レクチャーでは、浦令子さん所有の苧麻の柚木沙弥郎の型絵染めの帯を
自分のワードローブの米琉にあわせてみました。
こういったコーディネートのご提案も面白い。
ワークショップ「ぬぬパナを着てみよう」にご参加いただいた方は、
森伸子先生の八重山上布とコーディネートして着ていただきました。美しい~
こちらもまだ残席がございます。体験したい方、この機会を逃さずに
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10年目のうちくい 、美しすぎる布たち at ぬぬぬパナパナ展
「ぬぬぬパナパナのぬぬ展」 (~5月26日まで)
比較的、夏の着尺や帯の展示が多いこともあって夏の装い。
ぬぬぬパナパナ展の前身は、2004年の「うちくい展」
「うちくい」とは、沖縄の八重山諸島でつかわれる伝統的な大きな布のこと。
風呂敷のようなものですが、風呂敷の語源である風呂にいくためのものを包む布ではなく、
つくり手の想いが込められた布です。祭礼や結婚式などでもつかわれます。
自然の恵みの糸を紡ぎ、草木で染め、織りあげる、それは気が遠くなるような時間をかけて
手仕事でつくられるもの。その布にはつくり手の想いが技として体現されています。
今回は10年目ということもあって、さまざまな「うちくい」が展示されています。
自然光がたっぷり入る窓辺に展示されている布(ぬぬ)に囲まれると幸せ
まるでステンドグラスのような美しいぬぬ(布)
自分で纏ったらさらに幸せ~
右奥◇亀田恭子の苧麻交織の九寸なごや帯
左手前◇平山ふさえの芭蕉布なごや帯
こちら、芭蕉布の花織というまず滅多にお目にかからない帯!
芭蕉布に赤という色が入っているのも珍しい~。
染料に紅露(クール)と茜がつかわれています。
赤×青の格子の花織って、めちゃ可愛い(≧▽≦)
ぬぬパナのいいところは、経糸、緯糸の糸は何か、染料は何か、技法が何か、
明確にスペックが表示されているところ。きものオタクには嬉しい♪
う~ん、こちらも良いなあ
絹に苧麻糸。 こちらのほうがつかいやすいかしらん…。悩むぅ。
着心地を試してみたいと思っている、手紡ぎ木綿。
流通している米綿と違って、和棉は断面が空洞になっていて速乾性があり柔らかく
着心地が良いのだそうです。普通の綿(米綿)と違ってふわっと柔らかいのだそう。
手紡ぎ木綿をされている作家さんは皆さま、ほんわかした雰囲気をお持ちなのです。
癒し系だと思います。
手紡ぎ木綿を纏ったら癒されそう~。 こちらは帯です。着尺は初日に売れてしまいました。
手紡ぎ木綿と手績みの大麻という、着心地が良さそうなものも。
会期期間中の13時~13時半はつくりてによる作品解説があります。
原千絵さんの天女の羽衣のようなストール
白は家蚕、金色は天蚕(ムガシルク)。どちらも自然の色そのままだそうです。
白井仁さんによる竹筬のお話も
つくり手ではないので恐縮なのですが(^_^;)、今回出展されている紅型作家の
吉田誠子さんの作品の魅力を語らせていただきました。
きものカンタービレ♪では度々登場する、沖縄瀬底島の紅型工房「べにきち」
竹繊維の生地の紅型の八寸帯。←こちらも初日に売れました
紅型の八寸帯をみたのもはじめて!
そして、こちらはピーニャというパイナップルの葉脈繊維からつくられる羽衣のように薄い布
帯芯の色を黒か藍色にすると、紅型の隈取りがよりハッキリと現れます。
うーん、こんな紅型の帯もみたことないわ~。
あまりにも美しすぎてクラクラしそうな布をつくる、つくり手さんにお会いになりたい方、
おすすめです
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