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和楽の森田空美先生のきもの塾 at セルリアンタワー東急ホテル 金田中 草

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和の心を楽しむライフスタイルマガジン「和楽」による森田空美先生のきもの塾へ。
「森田空美のきもの塾」の発刊と森田先生監修による「いとほしby森田空美」の
発売記念イベントです。

森田空美先生とカメラ 
都会的でシックな装いには美しい肌とパキッとした着付けが必須でしょう。
森田先生のお肌は上質なシルクに負けない艶感と透明感!美人ってすご~い(〃∇〃)ドキドキ

森田先生の装いは、田島拓雄先生の地機の紬に小島秀子先生の帯。
帯あげは今日の天気を見て空の色を、帯〆は春の菜の花の色をあわせたのだそう。
根付は金工家の井尾健二作の袖香炉。いとほしby森田空美の逸品です。


会場はセルリアンタワー東急ホテルにある金田中 草。

和のアフタヌーンティーとのことでしたが、しっかりボリュームあるお料理でした。
今日は人日の節句、大人の雛祭りです桃の花


森田先生のお話からザックリとφ(.. )

大人が素敵に装うために。今の時代に着るならこんな風に着て欲しいという装いの提案。
晴れの日の装いは自分が着たいからではすまない。まず考えるのは相手のこと。相手に
失礼にならないように。
空間、インテリア、会の人数、自分のおかれた立場で装いを考えること。
フォーマルではないけれどオシャレでカッコいいよそいきのスマートカジュアルのススメ。
無地感覚の紬は帯び合わせ次第で違った印象を与える。
生地の存在感で着る人を格調高く。
真綿のマットな色は夜の照明を吸い込んでしまう。夜は間接照明の中でも映える、
八丈織や花織のきものが良い←これ納得ですひらめき電球
季節は素材感でだす。
さりげなく季節の色を纏って、さし色で表現する。わかりやすい強い色でなく色数は控えめに。
帯あげと帯〆は同じ色にせずはずす。
本物を身に纏うこと。本物はどんなものよりもその人を引き立てる。無駄なものは買わない。
糸の力のあるもの、着心地の良いものを。
シンプルになればなるほど素材感が目立つ。
オシャレは面倒と思ったらできない。努力を惜しまないこと。

「いとほしby森田空美」は森田先生が提案する新ブランド


袖香炉。開閉式の蓋の毬状のもので香をいれて袖の袂に偲ばせたものだそう。
唐草に鴛鴦文様の正倉院柄。森田先生がつけていらしたのは 小さめの根付タイプ。


絹のセリシンを残すことによって、適度なハリの質感を残したショール。


抱き幅をたっぷりとって着崩れを防ぎ和装ブラジャーもなくてもいいスーピマ綿の肌襦袢と
絹でまとわりつかない裾除け。こちら悩んだのですが、私の体型ではむずかしい(x_x;)


金工家の井尾健二作による、花喰鳥の帯留。ブローチタイプもあります。

森田先生は簪としてつかっていらしゃいました! 銀の光が抑えめなのがポイント。


さて、私の好みはきものらしいきもの。ハッキリいえば古くさい昭和テイストなので、
森田先生の提唱される、洋装の中でも浮かない都会的でシックなきものとは違います。
好みは違っても自分では着こなせなくても、それを提唱されそのスタイルをつくりあげた方を
見るのは大好きですし、自分なりに取り入れられるところは取り入れたいと思っています。

森田先生のお召しになられているものは、糸の力(絹の光沢)が強いシンプルな本物。
これを着こなすには、この絹の光沢に負けない美しい肌とスタイル、そしてその人なりの個性
が必要だと思っておりまして…、これは中々にむずかしい(x_x;)

きものの楽しみ方は人それぞれですが、自分とは違ったテイストをお持ちの方のお話を
聞くこと、見ることも、大切です(^-^)

雑誌の読者イベントはお土産も豪華~ヾ(@°▽°@)ノ
アモーレパシフィックのハンドクリームをいただきました。


「森田空美のきもの塾」
この本には、私も持っている竺仙の雪輪文様の長板中形と有松の雪花絞りが掲載されています。

amazonから購入できます矢印


和楽読者の皆さまのさまざまな装いも拝見できて楽しいイベントでした~♪

【3月3日の装い】東京◇雨のち晴れ(風が強くて寒い!) / 最低気温4℃ 最高気温10℃

森田先生の会なので、無地っぽいきものを着ようかと思ったのですが…(^_^;)、
予定していたものは間に合わなかったこともあり、季節にあわせた私らしい装いにいたしました。
予想通り森田先生っぽいグレー系の装いの方が多かったですが、やはり様々です。

染の北川の松竹梅文様の小紋に龍村美術織物の鳳凰丸紋の織なごや帯をコーディネート。



バッグはかづら清老舗、ぞうりは四谷•三栄の十二段グラデーション

傘はHANWAYの24本冨士絹クラシクス


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伊差川洋子染色工房•びんくらふとギャラリーへ at 琉球染織巡りの旅 その18

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大城拓也さんのNUNU工房へ / 琉球染織巡りの旅 その17 のつづきです(^-^)/

紅型染染織作家であり古琉球紅型浦添型研究所会長の伊差川洋子先生の工房
&びんくらふとギャラリーへサーチ

伊差川染色工房は那覇空港から車で15分ぐらいの高台にあります。
窓からは内海が見える明るい環境。

伊差川洋子先生にはお目にかかれなかったのですが、前日に先生からお電話を
頂戴し見学させていただきました。お弟子さんが色挿しをされているところでした。

伊差川先生は古紅型裂地帖から黒摺古紅型を発見したことからその研究に邁進されます。
糊防染による紅型以前にあったとされる「墨の摺り込み」と表記された古紅型を研究し、
復元されました。それは木綿の栽培から木綿を紡いで生地をつくり、蒟蒻型といわれる
今は伝承されていなかった浦添型の研究によって可能となった紅型です。
失われてしまったものを再現する探究心が、さらに新しく美しいものを生みだしていく
力となっていらっしゃるのです。
伊差川先生の紅型はものすごい力がありますが、強烈ではなく自然と馴染む感じがしました。


新しいもののひとつとして、紅型の袖無し羽織もつくっていらっしゃいます。

袖無し羽織、帯の塵よけにもなり嵩張らないので動きやすい。
これなら琉装のように対丈のきものに細帯にあわせてもいいかも。

お洋服にもあいます。


フライトまでのわずかな時間だったのですが、色々と作品を見せていただきました。

伊差川先生の描く、鳥や魚は愛嬌ある面相。身に纏っていたら幸せな気持ちになりそう。


近いうちに、伊差川先生にも作品にもお目にかかれることを願っております。
伊差川染色工房の皆さま、お忙しいところありがとうございましたm(_ _ )m

琉球染織巡りの旅は、まさに「糸が繋いでくれた縁」によって実現したもの。

自然布つくりの大変さを体験し、丹誠込められつくられる美しい布たちに感動。
日常にサラッと纏いたいと思いつつも、やはり高級品となってしまうものも多く…。
きもののこれからについても考えさせられた旅でした。
私に何ができるのか…。やはり買って着てご紹介することでしょうか。

お会いした皆さま、ご一緒してくださった方々、本当にありがとうございました。
心より感謝をドキドキ


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沖縄への旅は琉球染織の里帰り / 琉球染織巡りの旅 まとめリンク

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沖縄でつくられた布を纏って沖縄を旅するというのはテンションがあがります(〃∇〃)♪
きものの里帰りです。

出来るだけ荷物を少なく、小物をフル活用できるように考えた4泊5日の沖縄の旅
コーディネート覚書とまとめリンクをφ(.. )

【1月25日の装い】

東京◇晴れ / 最低気温3℃ 最高気温12℃
下着は夏仕様にしできるだけ重ね着。波に千鳥文様の刺繍の羽織にラビットファーショール。

沖縄◇晴れ / 最低気温16℃ 最高気温23℃
城間紅型工房へは城間栄順先生の紅型の帯で。帯の里帰りです。
きものは故大城カメのティージクンピーマ(拳骨)模様の琉球絣。


夜には古代織産地連絡会のウエルカムパーティーがあり着替えました。
久米島紬に故知念貞男のグンバイヒルガオ文様の紅型の帯。


【1月26日の装い】沖縄•北部 曇りのち大雨 /最低気温13℃ 最高気温20℃
旅行中のホテルでのくつろぎ用に浴衣を持参しています。
南国らしく竺仙の鉄線文様の注染綿コーマの浴衣に両面つかいのできる半幅帯。
半幅帯はミンサーか首里織にするべきでした…。まだまだ甘い(-""-;)

知念幸徳の二玉のトゥイグワー(燕)とヒキサギー(引き下げ)模様の琉球絣に
故知念貞男のグンバイヒルガオの紅型の帯。


【1月27日の装い】沖縄•北部 晴れ(カンカン照り) / 最低気温15℃ 最高気温20℃
有松の張正の雪花絞りに両面つかいの半幅帯。
宿泊したホテルには別棟に大浴場があったので、朝一で通っていました。

芭蕉布つくりのワークショップのため、久米島紬に水屋袴。

糸芭蕉の汁はついたら絶対に落ちず血痕のようなシミになるとお聞きしていたので、
二部式の雨コートを用意。こちらフード付き、袖はゴムになっていて完全防水です。

屋内の糸作り用には道中着型の塵よけで。木村孝先生よりいただきましたドキドキ

帯は読谷山花織。なんと汗で久米島紬の色が写ってしまいました(゚_゚i) 

着用写真を撮り忘れたのですが、夜は久米島紬に城間栄順の紅型の帯。


【1月28日の装い】沖縄•南部 晴れ / 最低気温16℃ 最高気温21℃
竺仙の燕文様の長板中形に半幅帯。

故大城カメのティージクンピーマ(拳骨)模様の琉球絣に故知念貞男の
グンバイヒルガオの紅型の帯。


【1月29日の装い】沖縄•南部 晴れ / 最低気温16℃ 最高気温22℃
知念幸徳の二玉のトゥイグワー(燕)とヒキサギー(引き下げ)模様の琉球絣に読谷山花織の帯。


きもの3枚(琉球絣2枚、久米島紬1枚)、帯3本(紅型の帯2本、読谷山花織の帯1本)、
浴衣3枚(綿コーマ2枚、長板中形1枚)、半幅帯1本、雨コート1枚、塵よけ1枚、水屋袴1腰
そうりは雨でも安心のカレンブロッソ、遊中川の麻のバッグをセカンドバッグとして。
メインバッグは松枝忍の両面に違う古布のデコパージュバッグ。これ重宝します!


琉球染織巡りの旅は時系列を無視してレポートしたのですが、コーディネート覚書で
時系列がおわかりいただけたでしょうか。
2月の京都でお会いした方々に「朝香さん、沖縄にいるんじゃなかったのですか?」
と聞かれたのですが、1日の出来事を何回かにわけてレポートいるのと、私、
1日に何回も着替えるのが当たり前なので…、誤解されたのだと思いますσ(^_^;)

以下、まとめリンクです矢印

喜如嘉の芭蕉布と自然布ツアー •城間びんがた工房見学 / 琉球染織巡りの旅 その1

喜如嘉の芭蕉布と自然布ツアー•ウェルカムパーティー /琉球染織巡りの旅 その2  

芭蕉布づくりワークショップ•苧剥ぎ at 喜如嘉の糸芭蕉畑 / 琉球染織巡りの旅 その3

芭蕉布づくりワークショップ•苧引き at 芭蕉布会館 / 琉球染織巡りの旅 その4

芭蕉布づくりワークショップ•苧績み at 芭蕉布会館 / 琉球染織巡りの旅 その5

芭蕉布今昔展 at 大宜味村農村環境改善センター / 琉球染織巡りの旅 その6

喜如嘉の七滝と長寿弁当 / 琉球染織巡りの旅 その7

日本の自然布展 at 大宜味村農村環境改善センター / 琉球染織巡りの旅 その8

ひろいのぶこ先生「樹皮と草皮の布、その可能性」at 喜如嘉公会堂 / 琉球染織巡りの旅 その9

古代織産地連絡会シンポジウム「自然布の行方」at 喜如嘉公会堂 / 琉球染織巡りの旅 その10

勢理客の獅子舞 at 喜如嘉公民館 & 琉球料理 & 最終日の夜/ 琉球染織巡りの旅 その11

瀬底島の紅型工房「べにきち」へ / 琉球染織巡りの旅 その12

琉球かすり会館へ / 琉球染織巡りの旅 その13

大城廣四郎織物工房へ / 琉球染織巡りの旅 その14

首里織工芸館 那覇伝統織物事業協同組合へ / 琉球染織巡りの旅 その15

首里花倉織の伊藤峯子先生の工房へ / 琉球染織巡りの旅 その16

大城拓也さんのNUNU工房へ / 琉球染織巡りの旅 その17

伊差川洋子染色工房•びんくらふとギャラリーへ at 琉球染織巡りの旅 その18

これにて琉球レポ終了。次は、京都です(^-^)/

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唯、美しく

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余韻に浸ります(((o(*゚▽゚*)o)))



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「織三蹟」展 「おび弘」at 代官山ヒルサイドテラスE棟ロビー

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帯の展示会もテーマがありこだわれば美術展です。
京都西陣の織屋である「おび弘」「帯屋捨松」「織楽浅野」の三社による作品展、
「織三蹟」展へサーチ (~3月11日まで)

「織三蹟」とは、書道の大御所の三人、小野道風、藤原佐理、藤原行成の三蹟に学んで、
唐様ではなく和様の美を三者三様に表す心意気のこと。
「西陣に織れぬものなし」の言葉に違わぬ、紋織物の伝統と革新、その技と美ビックリマーク

和様にちなんで、土台は和紙でできています。


この作品展では見せ方のひとうひとつに美のこだわりが強く感じられました。

西陣織の紋紙に漆を塗ってつくったという額。上には杼がついています。
紋紙とは、設計図の紋意匠図を織るために織機に指示を与える紙。模様が細かくなるほど
枚数は増え穴の位置と数で糸の量が決まります。今ではフロッピーになったので、紋紙の
再利用が色々とされています。これは素敵合格 帯も素敵!


「おび弘」の池口寧祥社長カメラ
おび弘は創業60年を迎えられるとのことで、新しく生まれ変わる意味をこめて、ひよこの
誕生の綴れ帯をつくったのだそう。これスッゴク可愛い~(≧▽≦)ドキドキ

ひよこの質感はモールで織りだされています。唇が肉感的。ぱかっ誕生

水色地はコントラストがはっきりしていてより印象的。
前柄がちょっと怖いんですが…(゚_゚i) 


今ではあまり見なくなった本袋帯。左はブルックリン橋。お太鼓には橋、タレには自転車。
右はセーヌ川。エッフェル塔、凱旋門が見えます。

裏側は、ビッグアップルと京都鴨川。


おび弘では今でもほとんどが手織りでつくられているので織り組織の様々な組み合わせが
可能。そして帯を軽く仕上げるために裏糸が渡らないようにもできるのだそうひらめき電球


左側の滝文様の帯は経糸で水の流れを表し波濤は引箔。引箔経錦の帯。


櫛織りの帯に後染め(カチン染めと友禅)で文様づけされた帯。


ティファニーのステンドグラス文様。錦地引箔に海は綴織、藤は唐織。


練貫地に竹文様は唐織、引箔に疋田の雲文様。小袖柄です。


力士の廻しも特別な織機で織っていらっしゃるそうで、力士によって廻しは固いもの、弾力
のあるものと好みがあるのだそう。「金の二本線が入っているものがおび弘のもの」と
教えていただいたので、五月場所でチェックします(-_☆)
滋賀県の工房で織っていらっしゃるとのこと。
ぜひ見学させていただきレポートしたいと思います。これは面白そう~♪

「織楽浅野」「帯屋捨松」につづきます(^-^)/

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「織三蹟」展 「帯屋捨松」「織楽浅野」at 代官山ヒルサイドテラスC棟ギャラリー

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「織三蹟」展 「おび弘」at 代官山ヒルサイドテラスE棟ロビー  のつづき(^-^)/

安政年間創業の「帯屋捨松」
かつて西陣には徳田義三という図案家の方がいらっしゃいました。その方の考案した意匠は
素晴らしくて、作品集をみるだけでもウットリドキドキ その流れを受け継いでいるのが帯屋捨松です。

帯屋捨松7代目木村博之社長

飾られていた振袖は社長の妹さんが成人式でお召しになられたもの。素敵!
紗の上から糊を置く技法をつかって描かれている今ではほとんど見られない技法なのだそう。


気が遠くなるような時間をかけて織りあげられる作品群は美術品のよう。

こちら! ドストライク(〃∇〃)恋の矢

古代エジプトの首飾りをデザインしたこの帯も色づかいが何とも上品。



「織楽浅野」
お櫃の台に料紙。その上に帯が展示されています。

平面の中に様々な技法を凝らした美意識「装飾料紙とかなの美しさが和様の美」とのこと。

徳川美術館所蔵の名物裂「金海黄」を見た浅野さんは、衝撃を受け織物のイメージを手帳に
メモし記憶とともに持ち帰り、新しいジャガードを用いて織りあげたのだそう。
経糸の本数を増やして色の与える深みを表現。

レオナール•フジタの乳白色の肌の秘密は和光堂のシッカロールということが近年判明して
います。そのイメージを織りあげると…。

装飾料紙の二次表現、その美を表現。ただ美しいだけでなく独特の陰影があります。


浅野裕尚社長とカメラ
はじめてお話させていただきました。色と質感にとても拘りをもっていらっしゃる!
さまざまなものに真摯に向かいその陰影を織りあげる探究心、素晴らしい~。


平安の三蹟は後世に多大な影響を残しますが、平成の織三蹟も確かな技を伝承しつつ
新しいものを取り入れ、さらに次世代へとつづく美の織り道を残してくれそうです。

とても良いものを見せていただきました!
ありがとうございましたm(_ _ )m

今週末は展示会ラッシュです。果たしていくついけるかしらん…(゚_゚i)

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「ザ•ビューティフル 〜英国の唯美主義 〜」内覧会 at 三菱一号館美術館

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三菱一号館美術館にて開催中の「ザ•ビューティフル ~英国の唯美主義~」へサーチ
(開催中~5月6日まで) 
※撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載許可を主催者さまよりいただいております。


唯、美しい…:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
唯美主義の芸術家たちの理想世界は、古代ギリシアとローマ、そして日本と
いわれています。
古代ギリシアのローブのような装束を纏った女性たちが持っているのは扇子。
そしてマリーゴールドの花輪。ここだけ時が止まっているかのようです。

アルバート•ムーア 「真夏」 


さて、唯美主義とは何ぞや?
これを語ることこそ野暮ったいのですが、一言でいえば「唯、美しく」

19世紀中頃の英国、産業革命によって大量生産というものが可能となります。その結果、
美しくない手軽なものが大量に流通するようになります。←今のきもの業界とかぶる(-"-;

そんな世情を憂い、ただ美しくあるべき!物質的な豊かさだけでなく生活にも美を!
と唱えた主義です。唯美(ゆいび)主義も耽美(たんび)主義も英語ではaestheticism。
唯美主義は美を追求すること、耽美主義は美に耽溺することです。
ちなみに唯美主義では、百合は女性、向日葵は男性、孔雀は芸術の気高さをあらわします。


百合の花に鶴の屏風。美しいものの象徴として日本の屏風!そして百合。
フレデリック・レイトン 「母と子(さくらんぼ)」


19世紀末の英国で活躍した金細工デザイナーの作品。男性の象徴である向日葵。
トマス•ジェキル 「柵の部品」


パヴォニアとはラテン語で孔雀のこと。古くから美の象徴とされてきました。
この女性の眼差しの強さ、唯、美しい!
フレデリック・レイトン 「パヴォニア」


邸宅を飾るためにつくられたもの。表面が浅彫り、金と白金の箔がつかわれています。
エドワード•バーン•ジョーンズ 「ヘスベリデスの園」


古代ギリシアの装束に日本の扇子。これが唯美主義の理想郷。

左◇アルバート•ムーア 「花」 / 右◇アルバート•ムーア 「黄色いマーガレット」


壁面に梅と波文様。日本の小袖文様ですね。

ウィリアム・ブレイク・リッチモンド 「ルーク・アイオニディーズ夫人」


手にしている和本は北斎漫画だそう!金魚鉢も日本の美。

エドワード•ポインター 「メアリー•コンスタンス•ウィンダム(エルコ卿夫人)」


こんな室内履き、あったら欲しかった!
エドワード•バーン•ジョーンズ 「室内履きのデザイン」


シメオン•ソロモン 「月と眠り」


ジョージ・エイスチン 「客間の装飾デザイン 孔雀のいる装飾欄間」


ウォルター・クレイン 「奥方の部屋」


鳥好きの私は鳥をチェック(-_☆)
ぜひ会場で探してみてください。





ミュージアムショップStore1894ではヴィクトリア&アルバート博物館オリジナルグッズを
直輸入。唯、美しい~ものがズラリラブラブ

ウィリアム•モリスのバッグやポーチ

こちらのブッグカバーのテキスタイルは今展示会のオリジナルドキドキ

英国バーレイ社のCALICOシリーズ

ヴィクトリア朝を彷彿とさせつティーセット

今展覧会の図録にもウットリです:*:・( ̄∀ ̄)・:*:


唯美主義が展開された1894年(明治27年)に建てられたジョナサン•コンドルの
設計によるイギリスクィーンアン様式の建物を復刻した三菱一号館美術館。
この展覧会にピッタリすぎるぐらいピッタリの相応しい美術館です。


美しいものっていいな~っと幸せな時間を過ごすことができましたドキドキ

ふと、昔の日本人はもっときものを楽しんでいたのではないかな…と思いました。
効率化、量産化、周りとの調和、わかりやすいしきたりが求められる今の日本、
産業革命時代を彷彿とさせます。

英国で産業革命後「唯、美しい~」ものを追求する美の感性至上主義が生まれたように、
きもの業界にも、ただ美しいものをつくりだそうというムーブメントが起きるといいのですが…。
その前に美しいものをつくり出す人たちが埋没してしまいそうで心配です。
唯美主義者たちが理想とした日本は今は無い…。この状況が哀しいですねえ(ノ_-。)

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「菅原伝授手習鑑 〜車引〜」「處女翫浮名横櫛 〜切られお富〜」at 国立劇場

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国立劇場 三月歌舞伎公演へサーチ (~3月26日まで)


●菅原伝授手習鑑 ~車引~ 吉田社頭車引の場

「菅原伝授手習鑑」は昌泰の変(菅原道真が藤原時平の讒言により太宰府に左遷された事件)
をモチーフに描かれた人形浄瑠璃、歌舞伎の傑作。

「車引」はその中のひとつ場面。
これぞ歌舞伎ビックリマークといえる、隈取り、元禄見得、飛び六方が見られるので、はじめての
歌舞伎鑑賞や海外の方の鑑賞にもおススメの演目。歌舞伎の様式美を堪能できます。

車引の三つ子が三人揃いで着ている紫の格子は童子格子という文様。
童子格子は大江山の酒呑童子の意匠から名づけられた名称で、太い筋のそれぞれの脇に
細い筋を1本添えた格子で子持ち格子…、なんですが、子供であることを強調する意味で
紫×白の太縞格子も童子格子というようです。
襦袢は、松王丸は白地に松、梅王丸は赤地に梅、桜丸は赤地に桜。

松王丸(錦之助)、梅王丸(萬太郎)、桜丸(隼人)の三つ子が新鮮でした。
この三つ子は若い役なんですが、ほんと若い…。
萬太郎の声はとても良い。これからが楽しみの役者さんです。

この日の観劇の装いは、車引を意識して御所車文様の帯を選びました。
格子よりは雅やかなほうをチョイス。


幕間にお弁当を割り箸 
観劇の幕間は時間が短いので、おしゃべりしていると食べ損ねます。



●處女翫浮名横櫛(むすめごのみうきなのよこぐし) ~切られお富~

お富(時蔵)はかつての恋人与三郎(錦之助)との逢瀬が旦那である赤間源左衛門(橘三郎)
に知られるところとなり切り刻まれます。じつはお富を手に入れようとした蝙蝠安(弥十郎)の
策略。後に与三郎と再会し彼のために自分を傷だらけにした源左衛門を強請にいき、そして
その片棒を担がせた蝙蝠安を出刃包丁で刺し殺してしまう。与三郎に二百両を渡し、
最後は切り口上で幕。お富は悪婆といわれる役柄の典型です。

お富が強請に行く場面から着る悪婆の衣裳は弁慶格子のきものに翁格子の帯。
きものの弁慶格子は経と緯の幅が同じ太縞で経緯の交差する部分は色が重なり濃くなる碁盤格子。
帯の翁格子は太い縞の格子の中に細い縞の格子を交えた文様。
翁三番叟の衣装に格子がつかわれたからとも太い縞(翁)が細い縞(孫)を守る見立てともいわれます。

ひゃー、時蔵の凄味と刹那的な色気がすごーい(ノ゚ο゚)ノ
弁慶格子と翁格子がわかりますでしょうか。


ちなみに、勧進帳の弁慶の衣裳は翁格子。弁慶格子ではないので要注意ですビックリマーク
まぎらわしいのですが、弁慶格子という名前は、歯切れよく男らしい柄の印象から
名づけられた名称で、勧進帳で弁慶が着ているのわけではないのです。
切られお富では、どちらの格子も見られます。この格子×格子の装い上は必見です目

この手のお話は実は苦手汗、どの登場人物にも共感できないのですが、
お富(時蔵)が強請にいったときにみせる茶目っ気と立ち回りのキレの良さ、見惚れました(〃∇〃)恋の矢

ジャーン!! 中村時蔵さんとカメラ 
何と国立劇場の舞台の上です\(゜□゜)/
素顔の時蔵さんのお肌は艶艶でツルツルでいらっしゃいました。


つづきは別記事で(^-^)/

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歌舞伎の舞台裏へ at 国立劇場

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「菅原伝授手習鑑 ~車引~」「處女翫浮名横櫛 ~切られお富~」at 国立劇場 のつづき(^-^)/

観劇の後は大劇場のバッグステージツアーへ目

まずは花道を通って舞台に向かいます。花道の長さは19m。
うわ~っ、花道を歩くことができて感激(≧▽≦)♪

舞台からの客席の眺めです目 
客席のひとつひとつがよく見えます!役者さんからも観客側が見えるということですね(^_^;)


国立劇場の廻り舞台(盆というそうです)は直径約20m。舞台転換につかわれます。
実際に廻してくださいました。これが結構早くて目がグルグル(@@;;;;

この廻り舞台は歌舞伎が発祥。1758年(宝暦8年)に大坂で狂言役者の並木正三が
独楽の回転をヒントに開発したのだそう。この視覚的に訴える舞台転換は明治以降に
海外の劇場で取り入れられるようになりました
そういえば、中華料理の回転テーブルは目黒雅叙園の創業者の細川力蔵による発案。
日本人のこういったアイディアって素晴らしいですね!


立っているところは舞台の迫り。


舞台下手にあるこちら。黒御簾といわれています。

雨、風、雷鳴などの効果音をだすところ。この時は、蛙の鳴き声を練習中でした。
ちなみに、ここで奏でられる音楽を黒御簾音楽といいます。

上手にあるのは床です。
歌舞伎では竹本といわれる義太夫節を語る太夫と三味線弾きが演奏する場所です。


こちらは舞台セット

お富が与三郎と再会する藤棚


下手横から急な階段を下りて、奈落へ向かいます。
奈落とは地獄のことで、サンスクリッド語のnarakaからきているのだそう。
華やかな舞台の対義語なんでしょうか。こちらでは大道具の制作もされています。

舞台にあがる迫り。
奈落から人や道具を舞台上に迫り上げたり降ろしたりする装置。


花道にある迫りのことはスッポンといわれます。
スッポンからは幽霊や人でないものが登場するお約束。

スッポンの前にあった張り紙。ここで役者さん同士で話す声は客席に聞こえるようです(^o^;)

花道の下にはシートがかけられた椅子がたくさん。
花道をさげて観客席にすることも可能なのだそう。何席だったかな…。
※総席数1610席。花道設置時1520席。なので90席の椅子があるようです。


階段を上がって、舞台から花道の突き当たりになる場所。鳥屋(とや)です。
ここから役者さんが花道を通って舞台へとでていきます。
役者さんが着替えやお化粧を最終チェックするための大きな鏡がありました。

塩が常備。穢れを落とすためのもの…でよかったかな

揚幕の向こうは客席です。

揚げ幕は金の輪で吊られているので、勢いよく幕を引くと「チャリン♪」と
音がするようになっています。
バッグステージツアーの最後は揚げ幕を思いっきりよく引いていただき、
「チャリン♪」という音に見送られて花道を歩きましたヽ(゚◇゚ )ノ

揚げ幕に描かれている文様は奈良薬師寺の天女だそうです。


そして、バッグステージツアーの最後には、中村時蔵さんが(ノ゚ο゚)ノ

実はこのツアーは、時蔵さんの奥さまとそのお友達によるお計らいのもの。
時蔵さんの奥さまとカメラ さすがに上品な着こなしでいらっしゃいます。
並ぶと私、七五三みたいですね(・_・;)


イケメン!プロカメラマンによる撮影会も企画してくださったり、
とてもお忙しくていらっしゃるのにありがとうございました。感謝申し上げますm(_ _ )m


歌舞伎鑑賞とバッグステージツアー、堪能いたしました:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
企画してくれたきもの友達が用意してくれたレジュメが大変勉強になりました!
ありがとうございましたヾ(@°▽°@)ノ

今南座では、中村梅枝さん(時蔵さんのご長男)が与話情浮名横櫛 (よわなさけうきなよこぐし)
で、お富を演じていらっしゃいます。親子で同時期にお富役! こちらも観たいなあ…。
先日ご結婚されニュースにもなっていましたドキドキ おめでとうございます!

4月の歌舞伎座の公演も楽しみです♪

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冨士染工へ / きもの文化検定工房見学 その1

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きもの文化検定の工房見学のレポートですφ(.. )

この日2月14日のヴァレンタインデー。東京は45年ぶりの大雪に見舞われました。
京都駅に集合時間よりも1時間早くつくように予定していたのですが、さらに1時間以上
早く家をでても、新幹線に乗るまでの在来線がすでに遅延…。
集合時間に間に合わなかったらどうしよう汗と心配したのですが、新幹線の遅れは45分程度。
京都駅SUVACOの中村藤吉にて、鰊そばをいただき、しっかり暖まって集合場所へ。

引き染めの冨士染工さんへ目 看板には引き刷毛!


天井には伸子張りがしてある反物がズラリ

あれ、伸子が竹ひごじゃない(+_+) 
伸子は先に針がついた細い竹製の棒のこと。生地の端に針を刺して竹の弾力で生地を
引っ張り生地の幅を一定にしシワを防ぎます。こちらは竹でなくワイヤーのようなものでした。


地入れの工程
地入れは、染料が生地にまんべんなく浸透させ、糊のにじみを防ぐ役割があります。
染料の浸透度によって染料と水分が生地の上で分かれ線ができるキワヅキを抑える前処理
のことです。これによって染料の発色も良くなるのだそう。地入れには布海苔をつかいます。

布海苔を溶かして呉汁と混ぜて3~4時間煮てつくります。
豆汁は生地に染料の定着をよくする効果、布海苔はムラなく色を平らに染める効果があり。

で、登場するのがこの機械。あれ、地入れは刷毛じゃないの(+_+)…?

ここに布海苔と呉汁でつくられた地入れの液が入っています。

生地を液にくぐらせてローラーに通します。
ローラーに通すことによって均等になり出来上がりが良くなるのだそうです\(゜□゜)/

生地を伸ばしていきます。

これにより剣先の色違いを防ぐことができます。

内側に針が打ち込んである張り手に生地の端を挟みます。

引き染めの工程見学をするために一度天井へ吊るしておきます。

乾いてから伸子を張ります。
工房見学ではあらかじめ伸子を張ったものつかいます。←時間短縮


引き染めの工程
染料と刷毛。刷毛には鹿の毛がつかわれます。

引き染めは30分以内に刷毛で染めていきます。乾きムラが生じないよう時間との戦い。

工房の中は風や光が部分的に当たらないような環境が必要。乾燥や温度差によっても
色ムラが起こるので、冷暖房はつかえません。

常に同じ条件で一定に引き染めの作業をするのだそう。


工房見学の為に、事前に工房内を暖めておいてくださったお心遣いに感謝ですビックリマーク


次は栗山紅型工房へ向かいます(^-^)/

あれ、そういえばこの錘は何につかうのでしたっけ(゚_゚i)?
おわかりの方、いらしたらおしえていただけたら幸いです。


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栗山紅型工房 その1 / きもの文化検定工房見学 その2

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冨士染工 / きもの文化検定工房見学 その1 のつづきです(^-^)

京都高雄の山麓にある栗山紅型工房へ目
この日の午前中は京都も雪が降っていたので、うっすら雪化粧。


栗山紅型とは?
琉球染織の唯一の染めである紅型の技術と京友禅の染料を取り入れた和染紅型。
琉球紅型の特徴は沖縄の陽射しにあう鮮烈で大胆な色の顔料による染めですが、
栗山紅型は京友禅のような透明感のある染めをだすために染料をつかって染められます。
琉球紅型で高貴の色とされる鮮やかな黄色は、栗山紅型ではしっとりした黄色。
工房見学には、帯の里帰り♪ということで、二人とも栗山紅型工房の帯です。


栗山紅型の工程は工房内で一貫作業にて行なわれています。分業制の京都では珍しい。
①図案作成②型彫り③糊置き④地入れ⑤挿し彩色⑤糊伏せ⑥地染め⑦蒸し⑧水元
ただし、蒸しの工程だけはムラなく蒸し仕上げるために大きな設備が整った専門
の施設にだしているのだそう。

見学は、まず水元から。
工房を左手に川沿いに歩いていくと寒~い中、水元の作業が行われていました。

ご案内くださったのは、栗山紅型工房の西田裕子先生。
二代目栗山吉三郎先生のお嬢さまです。

反物を水の中でジャブジャブと振り動かして水との摩擦で余分な染料や糊を落とします。
水は冷ければ冷たいほど色づきが良く鮮やかに仕上がるのだそう。
そしてその水がとても重要とのこと。こちらの工房の水は川から引いているそうで、
とても良いのだそうです。ですが冷たい…(((゜д゜;)))

夏の麻の反物がユラユラ。この出目金文様が可愛い(≧▽≦)ドキドキ

栗山紅型工房は若い女性の職人さんが多いなという印象なのですが、この水元の
工程は男性のみがされるのだそうです。

決して手を抜かない人の手による技と風光明媚な土地と水が生みだす美しい布なのです。


つづきます(^-^)/

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栗山紅型工房 その2 / きもの文化検定工房見学 その3

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栗山紅型工房 その1 / きもの文化検定工房見学 その2 のつづきです(^-^)/

【栗山紅型の作業工程の順番】
①図案作成②型彫り③糊置き④地入れ⑤挿し彩色⑤糊伏せ⑥地染め⑦蒸し⑧水元

見学と解説は作業工程とは違う順で巡りましたので、紛らわしいですが…(^_^;)
見学解説順にレポートします。
上記に記載した上工程順と照らし合わせて見てくださいませ。

●糊置き●
天井には生地が張られた樅の木の一枚板がズラリ目

糊置きは、生地を板に張り付けて型紙を置いて、ヘラで防染糊を置いていく作業。
糊がついたところはその上から染料を乗せても生地に浸透せず染まりません。
糊を洗い流すと白く浮きでるようになります。

糊の色が型紙1つ置きに濃淡になっているのがわかりますでしょうか?

型紙の四つ角に開けられた小さな穴(星)を合わせ繰返しの図案が合うように糊置きをします。

翌日、糊が乾いたことを確認して型紙1つ分を飛ばして糊を置きます。さらに翌日、1つ分を
飛ばしてしまったところに糊置きします。これですべて2度糊置きすることになります。

型紙には縁があるために隣同士をつづけて糊置きすると縁が重なってしまうので、
1つ分飛ばして作業するのだそうです。
通常は2度糊置きですが、凹凸のある生地や濃い色は3度糊置きになるとのこと。

栗山紅型工房でつかっている糊は、ネバ糊といわれる餅米の量が多い粘り気の強い糊。
今は粘りの弱い糊をつかうところが多いそうです。

この1枚板を上げ下げする作業は重労働ですね…。

生地によって糊置きがしやすい、しにくいがあるのでしょうか?という質問には、
麻は絹と比べると糊が板に残りやすく板が汚れやすいとのこと。


●地入れ● ※栗山紅型工房では糊置きの後にします!
糊置きした生地は板からはずして、呉汁と布海苔でつくった液を生地に刷毛引きします。
地入れをすることによって、色が滲まず生地の裏側まで染料が浸透します。
表の糊置きだけでなく地入れすることが滲ませないポイントひらめき電球
糊置きした生地も地入れをしなければ防染の効果はあまりなく染料が裏からまわって
滲み放題の汚いものになるのだそうです。


●地染め●
色挿し彩色、糊伏せの後、全体の地色を染料を含ませた刷毛で引き染めします。
常に同じ回数でリズムで一定に。


●糊伏せ●
色挿し彩色が終わったら、地色を染めるために、彩色した部分をすべて糊で覆います。
これによって、地染めで上から引き染めをしても文様部分は染まりません。
彩色した部分を糊筒から糊をだし伏せていきます。

この糊筒はオリジナルなのだそう。歯磨きのチューブに近い…?

乾かないように糊を保護するための大鋸屑。


●図案作成•型彫り●
二代目栗山吉三郎先生が型彫り中でいらっしゃいました。
窓からは風光明媚な景色が見えます。
ここから四季豊かな花鳥風月の景色の草案が生まれ図案化されます。

型紙に写された図案を小刀で彫っていきます。

型紙は和紙と和紙の間にフィルムが入っているST紙がつかわれます。

同じ図案であっても向きや様々なことで彫り師によって違うものになるのだそう。


●色挿し彩色●
文様に彩色していきます。1人が1反を受け持って彩色するのだそう。
長い反物をぐるっと巻いて振袖の彩色もできるようになっています。

つかわれるのは、筆ではなくて刷毛。ここが友禅でなく紅型と同じ。

私のこの帯は、栗山紅型工房のものですが、これを彩色してくださった方は、
何と!お知り合いの方がしてくださったものだったと判明(ノ゚ο゚)ノ
こういうご縁は嬉しいですねドキドキ 買って良かった~っと思いました♪

栗山紅型工房の後継者となられる西田裕子先生とカメラ
詳細に教えてくださいましてありがとうございましたm(_ _ )m


栗山紅型工房は若い職人さんが多い。後継者問題が危ぶまれるきもの業界では珍しいです。
ベテランの職人さんが退職したら経験の無い人を一から育てるあげているそうで、
栗山紅型の特性を生かすための一貫性といい、見通し明るく考えられていると思いました。
清潔感ある環境、明るい雰囲気。手間を惜しまぬ手作業でありながら、効率的。
きもの業界の方も見習うべきところがありそうな…。

こちらでは、工房見学を一般に開放していらっしゃいます。
きもの好きの方は京都にいらしたら是非ビックリマーク
おススメです合格


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塩谷染工 / きもの文化検定工房見学 その4

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栗山紅型工房 その2 / きもの文化検定工房見学 その3 のつづき(^-^)/

京友禅の塩谷染工へ目
振袖や宮参りの熨斗目、祝い着、一つ身、三つ身、四つ身の作品づくりに力を入れている工房。
2010年きもの文化検定の工房見学でも訪れました。

こちらは振袖の染め。
刷毛や筆ではなく、エアブラシのスプレーのようなもので染めていらっしゃいました(+_+)

こちらです。職人さんはピースとおっしゃっていました。

クリスチャン•ラッセンの画のよう…。

もとは刷毛染めをしていたそうですが、こちらのほうが楽だねぇ~とのこと。
ピースをつかうようになってから20年~30年ぐらいになるそうです。

試しに私もやらせていただきましたヾ(@°▽°@)ノ

はじめは中々、染料を勢いよく出せなかったのですが…

コツをつかめば暈かしの陰影はできそう。

できあがりはこんな感じになるのだそう。
手作業ですが、エアブラシの染料のせいでしょうか、プリントのような印象。
友禅の定義は糊をつかった防染の技法…、と思いたいのですが、近年はインクジェットの
プリントも京友禅の証紙が貼られますし…。エアブラシの技法も友禅です。


こちらは、宮参りの熨斗目。

糊置きされているところでした。

兜に宝尽くし文様。

熨斗目の意匠は、鷹、龍、虎、熨斗目、鎧兜など。


こちらの工房は樹脂をつかった金彩加工にも定評があるのとのこと。


工房に貼ってあった染料の配色伝票に、「ダック伏せ」とあったので、お聴きすると、
ダック伏せとは、地染めの防染に糊ではなくダックという油性染料をつかうとのこと。

何というか、「友禅にみえるようにする技法でつくられたものもすべて友禅…」
としているのが、とにかくまぎらわしい(-""-;)ビックリマーク

これらの技法も技があり、職人さんはそれぞれに技術者です。
昨年、インクジェット友禅やローラー捺染をみせていただいたときも思ったのですが、
それぞれに技はあるのですから、友禅にみせようとするものを友禅とするのではなく、
それぞれの技法でキッチリわけて欲しい、と思いますが、いかがでしょう。

そして、売る側の方はそれらをきちんと理解した上で販売して欲しい。
きものを買う側からの切なる願いです。
小売店や着物コンサルタントと名乗る方々がどれだけこの違いを理解していらっしゃるのか…。

あ、辛口になってしまいましたが、きもの文化検定の工房見学はこういった様々な
技法を現場でキッチリ確認することができるので勉強になります。
やはり、自分の眼で確かめてこそ、です。

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2014年大相撲初場所 5日目 お茶屋さん付枡席レポ at 両国国技館

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大相撲は大坂場所が盛りあがっておりますが、初場所のレポートです(^_^;)

2014年大相撲初場所 初日 at 両国国技館  のつづき。

初場所5日目は西側の通路脇の枡席にて鑑賞目

お茶屋さんは11番の上庄さんにお世話になりました♪

国技館には20件のお茶屋さんがあります。今は相撲案内所という情緒のない名前(-。-;)
それぞれに屋号があって入場券からお弁当や飲み物の手配までしてくださいます。
裁着袴の鯔背な方々が席に注文を聞きに来てくださって色々持ってきてくれるのです。

オードブルにお弁当、焼き鳥、枝豆、おつまみ、デザート…。

この他にもお土産がどっさりでるので、オードブルとお弁当はランチにいただきます割り箸

飲み物は飲み放題\(゜□゜)/
国技館ワイン、ビール、日本酒(山田錦)、芋焼酎(白鵬)、ジュース、コーラetc

この席の良いところは、土俵が近い。

土俵入りの力士が間近で見られること。

場内案内、力士の紹介、懸賞の紹介、取組の決まり手のアナウンスは、枡席西1列目の
行司(装束は着ていない)が行なっていますが、この席だとよく見えるのです目
前に座布団を投げて命中させてしまったことがあり…汗
以来「危険です!座布団を投げないでください」アナウンスがとても心苦しいY(>_<、)Y

物言いがあったときは、再生されるモニターも見ることができます。


日本相撲協会はtwitterに力をいれていて、入り待ちから取組まで詳細にレポートしています。
これはtwitterでフォローするといただけるクリアファイル♪


2014年初場所で一番気になったのは、この行司装束ビックリマーク

行司装束は織の装束が多いのですが、この個性的な意匠は…(ノ゚ο゚)ノ


2014年は行司昇格があったので、装束も目新しいものがいっぱい~ヾ(@^▽^@)ノ
まとめてレポートします。

この日の最後の取組軍配

白鵬vs勢

やっぱり、白鵬は強かった…。


取組が終わると聡ノ富士による弓取り式。
弓取り式の力士は横綱の部屋から選出されます。聡ノ富士は日馬富士の伊勢が濱部屋。


終了すると即座に座布団が片付けられます。

この作業が早くていつもびっくり~。

あっという間でした(・_・;)


お土産はこんなにどっさり~。

軍配文様の和食器が増えました♪ 今回は急須ティーポット


次は大相撲和装dayレポートにつづきます(^-^)/

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