すごいものを見てしまいました……:*:・( ̄∀ ̄)・:*:……
新橋演舞場にて上演中の「阿弖流為」の観劇へ(~27日まで)
この舞台、市川染五郎が、20年以上前に読んだ石ノ森章太郎の「マンガ日本の歴史」の
中の阿弖流為の処刑に涙する坂上田村麻呂の1コマから「男と男のドラマがあったのでは?」と
想像の翼を広げて、「いつか歌舞伎にしたい!」と長年に渡って構想を抱いていたのだそう。
2002年に劇団☆新感線の舞台「アテルイ」で染五郎主演で上演されています。
※私は子どもの頃、小学館版「マンガ日本の歴史」で同じ場面を読んでやはり印象深く記憶にあります。
染五郎の念願かなっての「阿弖流為」歌舞伎化!
歌舞伎NEXTと謳われている通り、歌舞伎の新時代の幕開けです。
スピーカーから流れる大音量と照明、そして舞台を花道を、歌舞伎役者が走る走る走る。
しかし、その中で歌舞伎の様式美がしっかりと生きています。
スピード感がある舞台だからこそ、古典的な様式美がより際立つこともあるのか!
とっても新鮮で驚きました。劇中で「それが性だ」という台詞がありましたが、さもありん。
ハイスピードな展開、ときには冗談とツッコミ、観客を全く飽きさせない。
歌舞伎役者の気質と空気感が醸しだすズッシリとした重厚感で、さらに物語の根底に有る
深いものをわかりやすく親しみやすく見せています。
古典歌舞伎ではありませんので、内容のネタバレは避け、ざっくりと感想をφ(.. )
歌舞伎の舞台ではわからなかった役者の個々の魅力が溢れています。
違う世界を知る演出の方の力量もあるのでしょうか、素晴らしかったです。
歌舞伎では見られない殺陣の立回りの機敏さに度肝を抜かれました。
そして歌舞伎で耳慣れた付けと七五調、それに現代語が融合したことが相乗効果。
七之助の立烏帽子の立回り、裾がひろがるのが美しく、カッコいい!!!
風のように花道を駈けていき、また現れる、眼が離せませんでした。
そして何より同じ姿を持ちながら三役?の個性の演じ分けが見事。
剣のたつ立烏帽子、可憐な鈴鹿、そして正体を明かし語る所の声と気迫にゾクッとしました。
怒り、哀しみ、愛憎が溢れでて舞台から客席を覆いこみ、会場がスゴイ空気になっていました。
舞台ならでは、勘九郎が亀蔵の面を剥がす時に、なんと鬘までとってしまうハプニングが発生。
「ハゲじゃないかー!」とアドリブで突っ込んで客席をわかせてました!
そしてカーテンコールでは勘九郎が自ら鬘をとって羽二重頭姿で亀蔵に土下座で平謝り…(^_^;)
観客1人1人に入場する時に、こんなリストバンドが渡されました。
どういうシステムなのか謎ですが、エンディングで一斉に光りだしました\(゜□゜)/
カーテンコールでも光ったので、一斉にスイッチが入るようになっているのでしょうか。
最後はスタンディングで拍手喝采
幕間のお食事は7月公演限定の「阿弖流為御前」を。2階の雪月花で
まめぶ汁という岩手の郷土料理の胡桃餡入りのお吸い物がいただきたかったのです。
知らなかったら甘くて吃驚したと思います。どれも美味でございました♪
鮭を立烏帽子が切り刻むパントマイムが美味しそうだったので、鮭があれば尚良かった(・_・;)
席は花道と桟敷の間の最前列。スピーカーのど真ん前だったでので、はじまってから気がつき
しまった!これはダメかも…と危惧したのですが、舞台の勢いに引込まれ、杞憂でございました。
花道外側は役者さんを至近距離で見ることができますが、後姿でも表情が見えるかのよう。
放つオーラがスゴイ。
そして本来の歌舞伎とは違って花道のスッポンのつかい方が頻繁で面白く間近でみることが
できてラッキーでした♪
染五郎の汗が飛んできそうな臨場感ある席で、両刃の剣にドキドキしっぱなし(≧▽≦)
阿弖流為は高橋克彦の小説で脚光を浴びましたが、歴史上の史料はほとんどない人物。
ゆえにドラマもつくりやすいように思います。
自然を尊び生きた人と律令国家による統一を目指した人、善であり悪となり、悪であり善ともなる
というような、勧善懲悪ではないけれど、そういうことか…と思わせるこの脚本が素晴らしかった!
7月は見逃せない歌舞伎が目白押しでしたので、どうしようか悩んだのですが、
歌舞伎NEXT、見て良かった☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
おすすめです!
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