紅型や型絵染の総柄のきもののコーディネート、難しいですよね…。
合わせる帯はシンプルなものがいいのですが、素材に力がないと
どことなく軽微な印象になってしまいがちです。
そこで、おすすめなのが、コチラ。紙を裂いて糸にして織った諸紙布の帯です。
和紙の材料は楮ですので、もちろん植物繊維。
諸紙布とは経糸と緯糸の両方が紙糸がつかわれているもの。
ところどころ茶色の縞模様になっているのは柿渋を塗った和紙の糸です。
総柄のものにあわせるのには、シンプルでいて、ガツンと力のある素材が望ましい。
紙布は、思わずこの布は何…?と触りたくなってしまうような、そんな布なのです。
つくり手の宮下利津子さんと なぜか二人ともカメラ目線のものがなかった(^_^;)
米沢で染織を学び、沖縄、奄美と移り住んだ後、現在は宮崎県五ヶ瀬町で
紙布や紬の製作をしていらっしゃいます。
利津子さんがお召しになっているきものと帯もご自身の作品。
大地に包まれるような優しくて着心地が良さそうな作品をつくられます。
利津子さんの紙布の帯は後染めで柿渋で染めたもの。耐久性があがります。
作家さんはご自身で布を育てつつ纏うことができるから良いですね。
紙布の帯が3つ揃った図。(2014年ぬぬパナの写真)
実はぬぬパナが推奨している六寸帯を織りだしたのは利津子さんの提案によるもの。
適度にボリュームがあって季節を問わずコーディネートできる優れもの。
そして三人三様の帯結び。それぞれ違ってみんな良い♪
紙布は汗でどうなるのか?というご質問があったので、昨年夏に紙布の裂を帯に入れて
試してみました。周りは解れてますがそれは留めてないからで布はあまり変化なし。
こちらの紙布は大福帳を裂いて撚りつなぎ糸にして織られています。黒いのは墨字の後。
中には赤いハンコの後があったりして何とも味わいのある素材になるのです。
デジタル顕微鏡で見るとこんな感じ。
ぬぬパナ東京展では利津子さんのご主人の酵房樂流のノブさんによるオーガニックカフェ
が開設されました これを楽しみにいらしていた方も多かったようですね。
最終日は売切れ前に確保したノブさんお手製の豆乳クリームの甘夏タルト。
ノブさんがつくってくれるのは身体がキレイになりそうなお料理。しかも絶品
実は会期中、つくり手と私達は泊まり込みの合宿だったのですが…(^_^;)
その間のお食事もご用意くださり、幸せでございました~(〃∇〃)
主婦は誰かにつくってもらえるのが喜び♪ お茶も自家製で美味しいのです。
どことなく芹沢銈介調の民芸色が強い型絵染めのきもの
帯あげは黄土色にオレンジ、帯〆は茶色で引き締めました。
べにきちのブーゲンビリアの日傘に更紗の古布デコパージュのバッグ
どれも主張が強いものですが、紙布の帯で上手くまとまったかなと…。
このコーディネートは、帯次第 だと思います。
ぬぬぬパナパナ 2015 東京展は終了しています。
次は大阪梅田阪急にて(6月3日~8日まで)
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ぬぬパナを着てみた!宮下利津子の諸紙布の六寸帯を型絵染にあわせる
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