浮わりと生きませう~浮世絵の楽しさ全部みせます!
「浮世絵~Floating World~珠玉の斎藤コレクション」at 三菱一号館美術館 特別内覧会へ
(第1期~7月15日 / 第2期 7月17日~8月11日 / 第3期 8月13日~9月8日)
1984年(明治27年)に建てられ昭和43年に解体されてしまった、ジョナサン•コンドルの
設計によるイギリスクィーンアン様式の外観をもったこの建物は丸の内最初のオフィスビル。
当初、三菱は丸の内に美術館や劇場をつくろうとしていたそうで、1世紀の時を経て
三菱一号館として復元され美術館となりました。
明治初期、日本の美術(浮世絵や型紙)が海外に大量に流出しジャポニズムが流行します。
西洋美術に強い三菱一号館美術館で開催される和の美術展は「KATAGAMI style 展」
もそうでしたが「西洋美術に影響を与えた日本美術の実力をおみせします」とも
いわんばかりのコンセプトになっているのが面白いです
肉筆画の浮世絵が展示されたフロア。
立体的なケースに掛け物を1点ずつ展示すると、何だか江戸の市中にいるような空間。
肉筆画の浮世絵は絵師が絵筆で描いた1点もの。浮世絵師は版画だけでなく肉筆画も
描いていて、中には錦絵といわれる浮世絵版画はやらなかった絵師もいるのだそう。
表装にも面白いものがあり撮影できたのが嬉しいо(ж>▽<)y ☆ ←これは図録にない
接写もOKだったので、別記事で表装コレクションをあげたいと思います(^-^)/
さてさて、他のフロアは三菱一号館らしい「洋館にしつらえられた浮世絵」の展示となってます。
西洋に多大な影響を与えた浮世絵。西洋人が楽しんだ感覚の再現です。
磯田湖龍斎「雉と牡丹」
ピサロ「いたずら七面鳥」 と対比して展示されています
喜多川歌麿「松葉屋 粧ひ 代々春 初船」
喜多川歌麿とロートックが同じ部屋に
ロートレックも歌麿も女性のオフの姿を描いた作品。
喜多川歌麿「青桜十二時 子の刻~亥の刻」 12点揃ってます\(゜□゜)/
遊女の生活が時間毎に克明に描かれていて興味深い。
子の刻◇紋付のきものを畳んでいるところから、着ているのは夜着なのかな。
寅の刻◇左の女性の髪型は横兵庫。蝶のような髪型が特徴。右の方は紋付小紋?
卯の刻◇男性の羽織をもっています。羽裏に描かれた達磨がリアル。後朝の別れ。
申の刻◇きものは小紋ということはプライベートなお出掛けでしょうか。
喜多川歌麿「女織蚕手業草」
江戸時代の養蚕がリアルに描かれたものとして、資料館などによくパネル展示されている作品
右から流れていきます
掃立て◇紙についた孵化し蚕を紙から羽箒で掃く / 桑摘み◇蚕を育てる桑の葉を摘む
給桑(きゅうそう)◇蚕に桑を与えること
五齢に給桑◇一番蚕が育つ時期には多くの桑を与える
これがよくわからなかったのですが…、蛾を見ている?
糸取り◇糸を紡いでいる / 真綿かけ◇繭を煮て引き延ばす(これを綿というからややこしい)
織る◇布を織る
江戸時代の養蚕を知る貴重な史料でもあります。
このぞろっとした装いで養蚕をやっていたというのが実感がわきませんが…。
役者の浮世絵の部屋にはロートレックの「アリスティッド•ブリュアン」が飾られています。
これも役者つながり?
デスラー総統と同じ星に生まれたような人と、この役者絵のつながりがわからないσ(^_^;)
江戸時代の装い、時代劇の衣裳考証は確信犯だと思いますが、違っていることがしばしば。
ですが最近の大河ドラマはどうしちゃったの?と思うぐらい衣裳考証がしっかりとされきて、
「八重の桜」でも、官軍のはぐま•こぐま•じゃぐま(獅子のような毛付の陣笠)
は江戸城開場後になっていました。あれは江戸城にあった、ヤク(牛の仲間)の毛を官軍
が旧幕府勢力に威厳を示すためにつかったもの。昔のドラマでは、錦旗が登場する
鳥羽伏見の戦いから官軍の異様さを際立たせるために被っていたと思います。
もしかしたら、戦国時代に友禅染の小袖がでてきたりすることも、なくなってくるのかも!
今は一般人が、ネットで様々な情報を得られる時代。いい加減なつくりをすれば、簡単に
ボロがでてしまいます。衣裳考証が違和感なく正しくなっていくことを期待しています。
話がそれました…。失礼(゚ー゚;
当時の風俗画である浮世絵からは、きもの、帯結び、履物、髪型など当時の日常生活や
風物と共に知ることができます
第1期「江戸のグラビア」、第2期「ツーリズムの発展」、そして
第3期「ジャーナリステック、ノスタルジックな視線」とテーマが分かれていて総展示替え。
江戸きものの着こなしに興味がある方は、第1期に鑑賞されることをおすすめします
三菱一号館美術館のミュージアムショップ Store1894 の展覧会関連グッズ
この特設ショップ会場は、「モネの部屋に東海道五十三次物産展現る」をテーマとして、
浮世絵愛好家であったモネがジヴェルニーで暮らしていた部屋を想定しているのだそう。
江戸後期には浮世絵の版元でもあった(知らなかった!)伊場仙の団扇
戸田屋商店のてぬぐい
にんべんの鰹節削り器まで…(゚ー゚;
ショップ1894の浮世絵は、日本唯一の木版工房アダチ版画研究所による復刻版
ポストカードの一番人気は、「赤富士」なのだとか(ノ゚ο゚)ノ 世界遺産
赤富士の展示は第2期です。
あ、この斎藤コレクションの斎藤さまは膨大な浮世絵を所蔵するコレクターでいらっしゃいますが、
奥様とのお約束で春画は集めなかったのだそう。なので、とても品が良い浮世絵展です(^-^)/
第2期、第3期も楽しみです~♪
※展示会場、ミュージアムショップでの撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載許可を
内覧会にて主催者さまよりいただいております。
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「浮世絵〜Floating World〜珠玉の斎藤コレクション」at 三菱一号館美術館
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