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Channel: 朝香沙都子オフィシャルブログ「着物ブログ きものカンタービレ♪」Powered by Ameba
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「いとなみの自然布展 Ⅲ」へ / 墨色地に赤の向日葵の結城縮に絹と苧麻の交布の六寸帯

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シルクラブにて開催中「いとなみの自然布展 Ⅲ ~植物の力 人の知恵~」(~6月30日まで) へサーチ


布の原点である自然布。麻を栽培し繊維を取る以前、遥か昔の話(縄文時代から)ですが、
古代の人々は野山に自生する靭皮繊維から布を織っていたといいます。
昔々はその地域で織られ受け継がれてきたものですが、現在では保存会で技術を継承して
いく形になっています。

今年の1月の「喜如嘉の芭蕉布と自然布ツアー」でお世話になった、古代織産地連絡会。
沖縄への旅は琉球染織の里帰り / 琉球染織巡りの旅 まとめリンク
いとなみの自然布展では、作品をみるだけでなく、今でも植物と共生し糸をつくり布を織る
つくり手の方々から直接お話が聞けるレクチャーと糸づくりのワークショップがあります。
芭蕉布、アットゥシ織、大麻布、葛布、和棉、科布、そして宮古上布(出品のみ)。
「きものカンタービレ♪」でもチラッとご紹介しますが、布は肉眼で見て触ってこそです。
自然布に興味のある方、この機会を逃さず、シルクラブへ!


各産地のビデオ上映や昔の自然布の展示もあり。

きものや帯は中々手が出なくても、洋装の方向けのショールや小物もあります。


●平良美恵子先生による「芭蕉布、今と昔」●
喜如嘉の芭蕉布つくりのワークショップでお世話になった平良美恵子先生に久しぶりに
お会いできました。
実はレクチャーは遅刻してしまい後半のまとめ部分しかお聞きできませんでした(x_x;)
いただいたレジュメによると、芭蕉の種類と布になる部分、沖縄染織の歴史のお話。
今、喜如嘉できものの反物として生産されるのは年間33反。
織るということは、人として本能的な部分で人本来の性に合っている。
時代に竿さし流れされないようにすること、とどまることにはエネルギーがいる。
それを私たちはやっている…。とのお話。

レクチャーの後、芭蕉布のお仕立ての糸について美恵子先生にお聞きしてみました。
細い木綿糸で縫うのがいいでしょうとのこと。
なぜなら、絹糸は芭蕉の生地よりも強いので糸よりも生地が裂けてしまうとのこと。
そして木綿の糸のほうが馴染みが良いのだそうです。
芭蕉布展の復元品は絹糸による仕立てだったのですが、それはあくまでも展示品であり
着用しないという状況のもとでのことで、実際にきものとして着るのであれば木綿糸が
いいそうです。
そして、気になっていた芭蕉布を水に通すと縮むということについて。
芭蕉布が縮むのは前提なので、自分の寸法よりも10%は大きく仕立てるものだそうです。
10年ぐらいは縮むと思っていたほうがいいというお話でした。

●藤谷るみ子先生による「アイヌの文化と織物」●
2013年北海道ではじめての伝統的工芸品として指定されたアットゥシ織。
藤谷先生はオヒョウの樹の皮から樹皮を剥ぎ、煮て川で洗って乾燥させ繊維を取り出す
糸づくりから、織り、刺繍、仕立てまで全てお一人でやっていらっしゃいます。

アットゥシ織りの工程の製作映像をみせていただきました。
工程は別記事でご紹介しますφ(.. )


藤谷先生がご主人のためにつくられたアットゥシを羽織らせていただきました。

固くて重そうに見えたのですが、纏ってみると想像していたよりも軽くて身体に沿う生地です。

刺繍や切伏(アップリケ)がついているものは、晴れ着。
袖口や背、衿、裾に刺繍がされるのは、魔除けの意味があるのだそうです。


【6月25日の装い】東京◇晴れのち大雨のち曇り(突然の集中豪雨に落雷で停電も!)
/ 最低気温21℃ 最高気温26℃

私、日頃着付けは5分でできるといっておりますが、この帯結びに30分かかりました汗
カリスマ着物ブロガーchocoさん考案のカラテア結び。←の変形版大人バージョン
すみれ庵の西岡万紀先生に大阪で教えていただきました♪
日頃はお太鼓ばかりなので、前結びに慣れていない…、そして中々形がつくれず、やり直しに
やり直しを重ねた結果、きものは着崩れてしまうし、着付けに30分以上かかってしまいました(T_T)
元々不器用なのです。日頃のきものは慣れの賜物。慣れないことをすると初心に還ります。

日傘は大井川葛布。特別に緋色でつくっていただきました。

向日葵文様の結城縮の単衣にぬぬぬパナパナの前津雪絵の交布(ぐんぼう)の六寸帯をコーディネート。


経糸は赤城節糸、ムガ(野蚕糸)、緯糸は手績みの苧麻、絹。染料は八重山ヒルギとインド茜。
カラテア結びに六寸帯はとても合っていると思います合格

籠バッグに古布を張りつけコーティングした松枝忍先生の作品。

同じ音楽がモチーフですが両面で印象が違うものになっています♪



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