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旧暦の端午の節句 / 紫色の雪花絞りに花菖蒲の麻の染め帯

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2014年6月2日は旧暦の端午の節句です。

端午の節句につかわれる、尚武にちなんだ菖蒲(サトイモ科)と花菖蒲(アヤメ科)は全く違う植物です。
菖蒲には食欲増進、疲労回復などの薬効成分があり、菖蒲湯は冷え性にも効果的といわれています。
この薬効成分が邪気を払うとして古代中国の浴蘭節につかわれたのが、菖蒲湯の始まりです。
花菖蒲には薬効も香りもありません。
ですが、菖蒲の花は余りにも目立たないので、←蒲(ガマ)の花に似ています
菖蒲に草姿の似ていた、湿地に咲くアヤメ科の花を花菖蒲とし、端午の節句の花としたようです。
平安後期から鎌倉期の和歌集には「はなあやめ」という表記があり、(漢字だと「花菖蒲」)、
最古の花伝書といわれる室町時代の仙伝抄にも「五月五日のしんにははなしゃうぶ」とあるので
端午の節句が一般に普及する江戸時代中期(元禄期)以前には混同していたものと思われます。
平安末期の甲冑などにみられる菖蒲革のモチーフは花菖蒲です。

よく混同される、あやめ開花時季は4月~5月上旬、杜若(燕子花)は5月上旬~中旬、
花菖蒲が6月中旬に見頃を迎えます。
梅雨の時季から初夏を彩る花として、夏のきものや帯の意匠として多くみられます。

今日のお茶のお稽古でも、燕子花と花菖蒲のお道具がつかわれていました。


【6月2日の装い】東京◇晴れ(陽射しがキツい) / 最低気温21℃ 最高気温31℃

紋紗の帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房

「五月雨の 沼の石垣 水こえて いづれか菖蒲(あやめ) 引きぞわづらふ」
平安末期の頃のこと、鳥羽院の女房の菖蒲前に源三位頼政は恋してしまいます。
頼政は菖蒲前に文を贈るもののなかなか返事はもらえず、そうこうしているうちに
鳥羽院の知るところになります。
鳥羽院は頼政の気持ちを試すため、菖蒲前に似ている女二人に同じ装束を着せて、
頼政に菖蒲前をあてるように申しつけます。
頼政は間違ってはたいへんなことになると、この歌を詠み鳥羽院に奉ると、鳥羽院は
これに感じ入って菖蒲前を頼政に下賜します。

「いずれが菖蒲か杜若…」の語源です。
古布をつかった籠バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソ


奄美大島レポート、再開します(^-^)/

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