5月に真夏日…(-"-;
ここ数年スーパークールビズと称して、5月から暑い日は単衣を着ましょう!という考えが
提唱されています。木村孝先生もそのおひとり。
「しきたりやマナーは人のためにあるもの、それに雁字搦めにならないように…。」
孝先生はとても柔軟なお考えをお持ちでいらっしゃり、臨機応変に対応されています。
木村孝先生と樋口隆司先生とのスリーショット
日本橋髙島屋で行なわれた小千谷縮の樋口隆司先生とのトークショー
孝先生の装いは、樋口隆司先生の紬ちりめんに小千谷縮の夏帯。
紬ちりめんは、経糸は細い生糸(その分本数は多くなるとのこと!)、緯糸に撚りをかけた紬糸
をつかって織りあげた後、ぬるま湯の中で仕上げをすることによって撚りを戻して、布に凹凸
をだしちりめん地の風合いをだしたもの。小千谷縮の湯もみの技法をつかっています。
シワになりにくくて着ていて楽なものを考えてつくられたもの。
孝先生が選ばれるグレーは明るい。帯と同系色のコーディネートは珍しいそうですが、
帯〆のブルーとチラッとみえる長襦袢の鶸色が効いています
樋口隆司先生は、工学部出身という理系畑の小千谷紬作家。
光や風を写しとったかのような表現もコンパスと電卓をつかって年密な計算のもとで
されています。創案から完成まで2年以上かかる作品もあるのだそうです。
小千谷縮は寒く湿度がある雪国だからこそ生まれた、最高に涼しい夏の織物。
小千谷縮の重要無形文化財の指定条件
①すべて苧麻を手績みした糸をつかうこと②絣模様は手くびりによること③居座機で織ること
④しぼとりは湯もみ、足ふみによること⑤雪晒しをすること
越後上布とほぼ同じですが緯糸に撚りをかけシボがあるのが小千谷縮の最大の特徴。
樋口先生の作品は手績みの糸ではなく機械紡績の糸をつかっているので、重文指定のもの
ではありませんが、手績みの糸ではつくれない繊細な文様表現をされています。
こちらは湯もみ絹縮。陽ざしという銘がついています。
経糸緯糸ともに上質の生糸をつかい緯糸に撚りをかけ少し巾広に織りあげておいて、
湯もみすることによって縮む凹凸をだしてできる縮地のような生地。
裾にいくにしたがってかすれていくのが素敵
私が着ているのは、昨年冬の小千谷•塩沢•十日町の新作発表会でチェックさせていただいた、
小千谷の紺仁の片貝木綿の綿縮。
樋口先生の作品ではないのですが、選ぶときに樋口先生にアドバイスをいただいたので、
ご報告。
手持ちの樋口先生の作品は、白地の麻なので、スーパークールビズといえども早すぎる
かな…っと、断念しました。体感的にはこちらでも良さそうなんですが、今からこちらに袖を
通すと、真夏に着るものがなくなってしまふ(・_・;)
このきものは、樋口先生が帯としてつくられた意匠だったのですが、きもので欲しい!と
お願いしてつくっていただいたものです。
【5月31日の装い】東京◇晴れ(記録的な真夏日) / 最低気温20℃ 最高気温30℃
うーん、気温が30℃超えでは薄物でも暑いぐらいです。
汗対策をしっかりとして、透け感がでないように工夫して薄物を着るのが良いかもしれません。
紺仁の片貝木綿の更紗文様の綿縮に西村織物の格子の博多帯をコーディネート。
日傘はやふそ紅型工房。パールトーン加工して晴雨兼用でつかっています。
バッグは、石垣島のミンサー織。木彫りの鳥ブローチをつけてみました
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樋口隆司先生と木村孝先生のトークショー at 日本橋髙島屋
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