日本ではじめてのデパートは三越だといわれています。※諸説あり
日露戦争真っ直中の1904年(明治37年)12月20日、三越呉服店は顧客宛に
書状を発送しました。
「米国に行はるるデパートメント・ストーアの一部を実現致すべく候」
これはデパートメントストア宣言といわれ、この翌日より三越は百貨店となりました。
それから、110年が経った2014年の春
三越の新たなシンボルとして、紙袋(ショッピングバッグ)がリニューアルされました。
デザインは「友禅」重要無形文化財保持者の森口邦彦先生によるもの。
「第45回日本伝統工芸染織展」にて。森口邦彦先生と
邦彦先生は、「友禅」重要無形文化財保持者の故森口華弘先生のご次男。
パリでグラフィックデザインを学ばれた経験を生かし、友禅の世界に新しい道を開かれました。
森口邦彦先生の作品は、伝統的な糸目、堰だし、蒔糊の友禅技法を使いながら、意匠は
斬新な幾何学文様。
抽象的な意匠ですが常に立体的に着用した際の美しさを念頭においてつくられています。
第60回日本伝統工芸展 出品作「白地位相割付文 実り」をベースとしています。
「実り」と題されたデザインは、撓わに実る林檎をイメージしたもの。
バッグのための立体構造を考えて新たに染め上げられたのだそうです。
4面に描かれている黒い蒔糊のところは、少しずつ細くなっていて、意匠が繰り返す
ことで、躍動感があるかのようにもみえます。
新たな紙袋の誕生を伝えるリーフレットが充実
丸山伸彦先生による「友禅が導く原点回帰」の寄稿文が掲載。必読です
三越のポスターも手掛けたイラストレーターのフィリップ•ワイズベッカー氏とは
パリ時代の旧友とのことで対談ページもあり。
この三越の包装紙「華ひらく」は継続されます。
「華ひらく」の包装紙に包まれて、「実り」の紙袋に入ったものが、三越で用意した
ご進物ということになるのですね:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
三越のシンボルであるライオン像は設置されて100年なのだそう。
各フロアで、ライオンにちなんだ商品や展示がありました
染織文化講座2014年秋の座学では、森口邦彦先生による講義が予定されています。
楽しみです♪
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森口邦彦先生デザインによる、三越のあたらしい紙袋
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