8年ぐらい前でしょうか。 美しいキモノから「いつか手に入れたい着物は何ですか?」というアンケート取材がありました。 その時に即答でお答えしたのが「深石美穂の市松花絽織」です。 伝統工芸染織展で拝見して以来、恋煩いのようにずっとずっと憧れておりました。 この着物熱は冷めることなく、 ワタクシの中でもっとも美しい布であり纏いたい布の筆頭でした。 その夢がようやく叶いました♡ この透明感と立体感は、深石美穂さんの市松花絽織ならでは。 コチニール染めによる紫とピンクのグラデーションの市松花絽織「紫陽花」です。 独特の陰影は樹々の陰の点描画…と深石さんは表現されていましたが、風の奏でる波紋のようでもあって、見飽きることがありません。 浮き立つことで光を反射する花と透け感のある絽目。 花が集まってつくる大柄の花の中心には福木染の絣が入っています。 ワタクシは大柄のものが好みなので、大きな花織を飛ばしてほしいとお願いしました。 花織は織り幅全体に花綜絖が織りだす花で埋め尽くすより、飛び柄になるよう、左右に柄を織り分けると多くの花綜絖が必要となるのだそう。今回つかわれた花綜絖は20枚! 飛び飛びに柄がでるように意匠配置くださいました。 市松花絽織について、こちらの本をぜひ♡ 草木染め、絣づくり、花綜絖づくり、機拵え、の惜しみない解説で、ここまで公開していいのかしらん…と思ったぐらい。染織のプロだけでなく、なんでどうしてと探究心のみのワタクシにもわかりやすい解説となっております。 朝香沙都子『「市松花絽織 & 彩絣」深石美穂』4年前の11月、北海道二風谷のアットゥシ織研修で靭帯を損傷し、そ続きをみる
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