有職文化研究所主催による「雑事抄を中心に宮廷装束を見る」勉強会へ
『装束雑事抄』とは、衣紋道の家である高倉家に伝わる装束に関するアレコレを
記した古文書のことです。高倉流宗会頭の仙石宗久先生が事細かく読み解き
ご説明くださいます。どんなことを学んだのかチラッとだけご紹介φ(.. )
●「夏扇」のこと。
旧暦4月2番目の酉の日に行なわれていた葵祭。(現在は5月15日)
御所からでるとき、下鴨神社、上賀茂神社へ向かう時は冬扇、帰りは夏扇。
葵祭は夏の到来を告げる祭でもあり、かつては帝が紙張りの夏扇を配ったのだそうです。
京都御所から下鴨神社へ向かう近衛使代。
行列最高位の四位近衛中将。殿上人の武官です。
黒の闕腋袍に表袴。武官ですが天皇陛下のつかいの代役なので巻纓冠でなく垂纓冠。
銀面の馬に騎乗しています。
上賀茂神社での社頭の儀が終わり退出されるところ。
この日の講義で読み解いた「装束雑事抄」によると、
束帯装束では正式には夏でも檜扇を持つ。動き回る殿上人、天皇の近臣の蔵人は夏扇
の蝙蝠扇を用いるとあります。
公卿は直衣衣冠でも檜扇。年寄りは檜扇しかもたない。
若い殿上人、殿上人以下は夏は蝙蝠扇をもつ。15までは中うすちの扇、18まで妻紅、
他、事細かに記載されています。ちなみに高倉家は妻紅の扇はないとのこと。
蝙蝠扇の骨の色は公家は白木を好み武家は塗りを好みます。
武家では、白木は白骨を連想するものだと避けられたのだそうです。切腹シーンは白木。
●「はな紙」のこと。
15までは紅色の薄様、25までは檀紙に金銀の箔散らし、それ以降は白檀紙になる。
天皇陛下の御帖紙には小菊紙という薄い和紙があり、これは懐紙のこと。
●浅沓(あさぐつ)のこと、
沓の中敷は束帯の表袴の生地をつかう。禁色を許されている人(皇族)は窠に霰紋浮織紋、
四位まで八つ藤の丸紋、五位以下は平絹。30までは練緯地。
そして墨で家紋を書く。高倉家は公卿三位以上は紋を笹竜胆の紋を書き、殿上人は
竜胆の一房を書く。とあります。
装束の一端を成すものにもさまざまな理由があり、それを読み解いていくのは楽しいです♪
【4月4日の装い】東京◇雨のち晴れのち突風 / 最低気温13℃ 最高気温22℃
松葉文様の絞りの南部紫根染にすみれの染め帯をコーディネート
紫と緑という組み合わせは一番好きな色かもしれません。
帯あげは加藤萬、帯〆は龍工房
菫の花は春先から初夏まで
講義の後、皇居乾通りの一般公開へいくことに。
初日は約54000人の人だったとか(゚_゚i) 私そのうちの1人です。
週末の昨日は約91000人で、お正月の一般参賀の訪問者数を上回ったとのこと。
そして、花冷えで風邪も流行っているようです。
皆さま、ご自愛くださいませ。
桜もそろそろ終わりですね~。名残惜しい
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