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栗山紅型工房 その2 / きもの文化検定工房見学 その3

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栗山紅型工房 その1 / きもの文化検定工房見学 その2 のつづきです(^-^)/

【栗山紅型の作業工程の順番】
①図案作成②型彫り③糊置き④地入れ⑤挿し彩色⑤糊伏せ⑥地染め⑦蒸し⑧水元

見学と解説は作業工程とは違う順で巡りましたので、紛らわしいですが…(^_^;)
見学解説順にレポートします。
上記に記載した上工程順と照らし合わせて見てくださいませ。

●糊置き●
天井には生地が張られた樅の木の一枚板がズラリ目

糊置きは、生地を板に張り付けて型紙を置いて、ヘラで防染糊を置いていく作業。
糊がついたところはその上から染料を乗せても生地に浸透せず染まりません。
糊を洗い流すと白く浮きでるようになります。

糊の色が型紙1つ置きに濃淡になっているのがわかりますでしょうか?

型紙の四つ角に開けられた小さな穴(星)を合わせ繰返しの図案が合うように糊置きをします。

翌日、糊が乾いたことを確認して型紙1つ分を飛ばして糊を置きます。さらに翌日、1つ分を
飛ばしてしまったところに糊置きします。これですべて2度糊置きすることになります。

型紙には縁があるために隣同士をつづけて糊置きすると縁が重なってしまうので、
1つ分飛ばして作業するのだそうです。
通常は2度糊置きですが、凹凸のある生地や濃い色は3度糊置きになるとのこと。

栗山紅型工房でつかっている糊は、ネバ糊といわれる餅米の量が多い粘り気の強い糊。
今は粘りの弱い糊をつかうところが多いそうです。

この1枚板を上げ下げする作業は重労働ですね…。

生地によって糊置きがしやすい、しにくいがあるのでしょうか?という質問には、
麻は絹と比べると糊が板に残りやすく板が汚れやすいとのこと。


●地入れ● ※栗山紅型工房では糊置きの後にします!
糊置きした生地は板からはずして、呉汁と布海苔でつくった液を生地に刷毛引きします。
地入れをすることによって、色が滲まず生地の裏側まで染料が浸透します。
表の糊置きだけでなく地入れすることが滲ませないポイントひらめき電球
糊置きした生地も地入れをしなければ防染の効果はあまりなく染料が裏からまわって
滲み放題の汚いものになるのだそうです。


●地染め●
色挿し彩色、糊伏せの後、全体の地色を染料を含ませた刷毛で引き染めします。
常に同じ回数でリズムで一定に。


●糊伏せ●
色挿し彩色が終わったら、地色を染めるために、彩色した部分をすべて糊で覆います。
これによって、地染めで上から引き染めをしても文様部分は染まりません。
彩色した部分を糊筒から糊をだし伏せていきます。

この糊筒はオリジナルなのだそう。歯磨きのチューブに近い…?

乾かないように糊を保護するための大鋸屑。


●図案作成•型彫り●
二代目栗山吉三郎先生が型彫り中でいらっしゃいました。
窓からは風光明媚な景色が見えます。
ここから四季豊かな花鳥風月の景色の草案が生まれ図案化されます。

型紙に写された図案を小刀で彫っていきます。

型紙は和紙と和紙の間にフィルムが入っているST紙がつかわれます。

同じ図案であっても向きや様々なことで彫り師によって違うものになるのだそう。


●色挿し彩色●
文様に彩色していきます。1人が1反を受け持って彩色するのだそう。
長い反物をぐるっと巻いて振袖の彩色もできるようになっています。

つかわれるのは、筆ではなくて刷毛。ここが友禅でなく紅型と同じ。

私のこの帯は、栗山紅型工房のものですが、これを彩色してくださった方は、
何と!お知り合いの方がしてくださったものだったと判明(ノ゚ο゚)ノ
こういうご縁は嬉しいですねドキドキ 買って良かった~っと思いました♪

栗山紅型工房の後継者となられる西田裕子先生とカメラ
詳細に教えてくださいましてありがとうございましたm(_ _ )m


栗山紅型工房は若い職人さんが多い。後継者問題が危ぶまれるきもの業界では珍しいです。
ベテランの職人さんが退職したら経験の無い人を一から育てるあげているそうで、
栗山紅型の特性を生かすための一貫性といい、見通し明るく考えられていると思いました。
清潔感ある環境、明るい雰囲気。手間を惜しまぬ手作業でありながら、効率的。
きもの業界の方も見習うべきところがありそうな…。

こちらでは、工房見学を一般に開放していらっしゃいます。
きもの好きの方は京都にいらしたら是非ビックリマーク
おススメです合格


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