「人間国宝展 ~生み出された美、伝えゆくわざ~」へ (~2月23日まで)
美しいキモノ読者の特別鑑賞会でした(^∇^) 富川匡子編集長によるご挨拶。
貸切ではありませんが、東京国立博物館学芸員の小山弓弦葉先生によるレクチャー付。
小山先生は日本伝統工芸展の審査員のお一人でもいらっしゃいます。
染織が専門でいらっしゃるだけあって、この日は小宮康孝先生の江戸小紋に小倉淳史先生の
帯というこだわりの装いでいらしゃいました。
この展覧会、単なる「人間国宝展」ではありません( ̄□ ̄;)!!
重要文化財や国宝の工芸の名品と、重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品が並べて
展示され「伝統」がどのように今に伝えられているのかを考察できるようになっているのです。
人間国宝の作品展だとばかり思っていたのですが、「キャー!!!!」と叫びそうになるような、
滅多にお目にかかれないような名品が展示されていました\(゜□゜)/
染織の特徴は「色」にある。他の金工や漆芸などではこの華やかな色はだせない。
と、小山先生のお話がありましたが、現在の名工による作品と古い名品を見比べて、技と
当時の色を想像しつつ鑑賞するのもまた面白いです。
東大寺に伝来した奈良時代の幡。夾纈によって唐花が表されています。生地は羅。
日本の有職織物には欠かせない織物の三原組織のひとつ羅織は経糸と緯糸が交差する
だけでなく、隣り合う経糸が左右に絡む捩りで形成されます。それを織るのは篩い(ふるい)
綜絖。復刻したのは高田装束23代の高田義男と人間国宝の喜多川平朗。
こちらも並列展示されているのでじっくりと比べてみることができます。
東福門院和子が入内の際に誂えたものとされる、現存する最古の女房装束も展示
束帯着用の際の帯である平緒。こちらの江戸時代の平緒には三つ葉葵が刺繍されています。
人間国宝の深見重助のものと並列展示。
鳥好きの私にはたまらない…(≧▽≦)
上野為二「歓喜」 若冲の軸から群鶏が飛び出してきた構図。鶏の鶏冠の部分が芥子繡
の刺繍がされていてとてもリアルでした。
木村雨山「花鳥」 まるで絵画のような友禅。糸目糊置きの技が光ります。
寛文小袖の代表ともいえるこちらも展示されています
左肩から右肩腰から裾へと弧を描くような文様の配置、絞りにみえる摺り疋田、そして刺繍。
まだまだまだまだ、狂喜乱舞してしまいそうな作品が…(〃∇〃)
1階の企画展示室では、「人間国宝の現在」も同時開催。
ご存命の先生方の代表作が展示されています。
ご紹介しきれませんが、染織以外の古代の名品と人間国宝の作品ももちろん充実
重要文化財の志野茶碗「広沢」や国宝「火焔型土器」などもみられます。
同時開催されている「クリーブランド美術館展 ~名画でたどる日本の美~」も見応えありです。
時間がなくて駆け足だったので、会期中にまた訪れたいと思います。
常設展もあるので、まる1日楽しめます~。
美しいキモノ2014年春号「きものカンタービレ♪」誌上編では、『美術鑑賞のススメ』がテーマ。
この日の装い(コートの中身)は春号(2月20日発売)をぜひご覧くださいませ(^-^)/
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「人間国宝展 〜生み出された美、伝えゆくわざ〜」at 東京国立博物館平成館
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