卒業式の季節ですね… お正月が過ぎた頃から、ご質問で多かったのは、卒業式と入学式での装いについてでした。いただくやり取りの中で感じたのは、紋のあるやなしや、訪問着、付けさげ、色無地、江戸小紋、小紋、といった、式典に相応しい着物の格よりも、周囲から浮かないかどうかを気にされる方が多い印象でした。地域や校風によって違いがあると思いますし、何より母としての経験者ではないので、着物と帯の、素材、織、加飾表現、文様による「着物の格」しかお答えできず、求められたお答えにはなっていなかったと思います。ただ「周囲から浮きたくない」ということだけを考えるなら、洋装が多い中ではそもそも着物は難しい…。着物を着る人があまりにもマイノリティ(社会的少数)ゆえに、着物を着ているだけで良くも悪くも特別感があるのが今の日本です。 でも、たとえ浮いてしまうことになったとしても、そのマイノリティの中で、礼節に適った装いをすることに、本来の大きな意味があるように思います。 装いはその人の「人となり」と「想い」を表すもの。卒業式は感謝の気持ちを、入学式は新たな出発を祝う気持ちを。 昭和の頃は、卒業式、入学式には、略礼装として紋付の黒の絵羽織がマジョリティ(社会的多数)の時代がありました。 ※写真(部分)は「美しいキモノ2014春号」より 今は、卒業式も入学式も着物をお召しになられるお母さまは華や続きをみる
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