「上村松園 〜美人画の精華〜」が山種美術館にて開催中( 〜10月22日まで) この展示会でぜひ注目したいのは、表装です。上村松園は表具屋の岡墨光堂が近くだったこともあり、松園の指示によって表具がつくられています。図録などには表装までは載らないので、これは美術展で見ることに価値があります。 上村松園「詠歌」◇ 山種美術館蔵上村松園「詠歌」(一部)◇ 山種美術館蔵 そして松園が好んだ服飾表現にも注目してみました。着物だけでなく半衿や髪型のひとつひとつが丁寧に描かれていてみるべきところが盛りだくさんです。その中から髪型だけチラッと。 ●葵髱(江戸時代後期)公家女性の髪型。後に将軍家に嫁いだ公家の姫から大奥へ伝承し奥女中の間でも結われるようになり椎茸髱ともいわれます。葵の葉や椎茸に似ているというのが名の由来。 上村松園「詠歌」(一部)◇ 山種美術館蔵 ●元禄勝山(江戸時代中期)江戸時代初期に人気があった遊女の勝山が結上げ流行となった髪型。元禄の頃には一般の女性にも広がりその上品さから武家女性の間で好まれました。 上村松園「春芳」(一部)◇ 山種美術館蔵 ●お染髷(江戸時代後期〜明治時代芝居の「お染久松」のお染が結っていた髪型。鹿の子が挟まれているのが可愛い♡もともとは上方の若い女性に好続きをみる
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