第51回日本伝統工芸染織展が日本橋三越4階特選呉服売り場にて開催中(~15日まで)
年に3回ある日本工芸会の公募展の中の染織部門。保護育成と新たな展開を目的として開催されているとのことですが、きものを着る側としても見る眼を養う貴重な機会となっています。
7階の催事場で開催されるときは、着物に興味がない人もみていく雰囲気ですが、呉服売場での開催となると、わざわざ来る感じになってしまうのがもったいない気がします。しかも前期と後期にわかれているので入選作をまとめてみることができないのです。
呉服屋である越後屋が発祥の三越本店こそ、1階の大広場とかでやってほしいものです。
※作家の先生の撮影許可がわかるものだけという条件付きで、撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載の許可をいただいております。
鈴田滋人さん ◇木版更紗着物「華蔦」
上に向かって葡萄色が濃くなっているのが蔦が上へ上へと伸び上がっていくよう。木版更紗の美しさが際立ってみえました。憧れの鍋島木版更紗の中でも指折りです!着てみたーい♡
佐々木苑子さん ◇紬織帯「光彩陸離」
佐々木先生ならではの、この美しい色と力強さはどこから来るのだろう…。お会いするたびに着こなしも楽しみにさせていただいております。
縮緬地の紅型を半幅帯にされてスッキリ軽快にお召しになられていらっしゃいました。
そして単衣の紬に夏の襦袢でいらっしゃいました!これが本当の着物巧者の着こなしだと思います。説得力あるでしょう〜。(佐々木先生の袖をまくるという暴挙をするのは私ぐらいかもしれませんが…^^; 大ファンゆえのことなのです)
生駒暉夫さん◇友禅訪問着「海風の詩」※京都新聞賞受賞
生駒先生らしい奥行き感がある作品。糸目糊で精緻に描かれたヤシの葉から風の動きがみえるようです。
新田源太郎さん◇米澤絽袴「暁」※東京都教育委員会賞受賞
極細の経糸と生糸の緯糸の竪絽が涼感たっぷり、それでいて深く美しい草木染めが品格をだしています。「絽の袴地って履いたらどうなのですか?」とお聞きすると「はじめてのことなのでわかりません^^;」とのこと。美しい袴地の実践をどなたか是非に!
村井良子さん◇織着尺「麹塵」
いつもお世話になっている古代織産地連絡会の大井川葛布のおかみさんです。反物の端がビロビロのまま出展して入選してしまうのに驚きました((((((ノ゚⊿゚)ノ ←次からは地直ししてからだすそうです
経糸は手紡ぎ和棉、緯糸は葛糸。深く味のある布は誰もが足をとめてしまう魅力でした♪
良子さんがお召しになられているのは葛布。私の日傘も葛布です♡
遠藤あけみさん◇型絵染帯「翠雨」
型絵染の良さと現代的な良さを実に上手く表現される作家さんだといつも思います。長期計画でお願いしているものがあるのですが、できあがりが楽しみ〜。
磯緋沙子さん◇花絽織着物「冬景色」
絽組織と浮き織が調和して花織が雪の結晶のようにもみえます。と思ったら題名が雪景色だった!暑いときにこれが着こなせたら何とも涼し気で素敵でしょうね〜♡
平山八重子さん◇吉野織着物「仙境」
安定して品格あるものをつくられていらっしゃる。極めてシンプルだけれど力がある作品でした。そして先生は気さくでお優しい♡
先生の敬称の表記は「さん」で統一させていただいておりますが、私にとってはご教示くださる方はみな先生でございます。その上でつくり手として尊敬しております♡
重要無形文化財保持者(人間国宝)と受賞作は後期も展示されています。
後期展示の作品も眼がくらむほどすばらしいものでした!!!
撮影ができたらご紹介できるのですが…。
ぜひ、お見逃しなく♪
※作家の先生の撮影許可がわかるものだけという条件付きで、撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載の許可をいただいております。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
Facebookページに「いいね!」をくださる皆さまありがとうございます。