体調が悪くて病院へいこうと思っても、内科でも呼吸器なのか循環器なのか、それとも外科なのか、どこへいったらいいかわからない…ということ、きっとあるかと思います。大きな病院のほうが安心?、検査してもらうなら大学病院?とか、考えます。でも大学病院や大きな病院へいくのは時間も体力もいるので面倒だったりします。医者の家に生まれ育ち周りは医者だらけの私でも病院はかなり苦手です。
やはり病院は成長から体質までよく理解してくれている、< 行きつけのクリニック >があると良いと思います。その上で自分でも常にアンテナを張り、最先端の情報を仕入れて、納得がいくように、呼吸器ならここ、循環器ならここ、整形外科ならここ、と専門は専門医のところで診てもらうのが良いかと。
これはこれからの呉服屋さんの選び方と付き合い方に似ているような気がします。
着物は洋服と違って一過性の流行はありません。使い捨てではなく、用途にあわせて長く着るものなのですから、売り手側にその着物についての知識が求められるのは当然かと。
なので着物についての知識はもちろんですが、その他に、顧客の成長過程(着物の好みの変遷)や体型を熟知し、お仕立てや悉皆、紋入れ、色替えや仕立て直しなど含めたメンテナンスの相談に乗ってくれる< 行きつけの呉服屋さん >があると良いと思います。
そのうえで、木綿ならここ、伝産品の紬ならここ、小紋ならここ、染め帯ならここ、付けさげならここ、国画会の作家ものならここ、工芸会の作家ものならここ、そして礼装ならこちら…、と、その店ならではの強みがあるところとお付き合いする。
これがこれからの情報化社会での呉服屋さんとの付き合い方になるように思います。もちろんその強みのあるところが 、行きつけの呉服屋さんでも良いのです。
それなりに高額な着物や帯を買うときには、誰(どこ)がつくったかだけではなく、その価格に反映する理由が知りたい。布がつくられる、素材、工程、つくり手のセンス、産地の歴史的背景、すべてに興味があり、布そのものだけでなく、その成り立ちにも魅力を感じて、それに対価をお支払しているような気がします。
【糸】 (国産か外国産か、生繭か乾繭か、手引きの座繰りか機械繰糸か、など)
【染料】 (草木染め、化学染料、大まかな比率)
【絣】(手括り、締機、捺染、など)
【織機】 (手織り、足踏み織機、高機、いざり機、力織機、など)
を、売り手の方にもそれなりに理解してほしい。そして、つくり手には、製造年を含めてスペックを表示してほしいのです。
ワインの製造年に当たり外れがあるように、養蚕や麻や綿栽培にも必ず当たり年と外れ年があるはず。そしてそれを理解できたら、さらに楽しいと思います。何年もののぐんま200はいいとか、何年もの春嶺鐘月の糸なら何年もののブラタクがいいとか、何年ものの芭蕉布は糸の透明感が冴えてるとか…。
そんなところに喜びを感じるより、自分の身体のスペックを考えろ!病院へいけ!
というツッコミがはいりそうですが…、病院や呉服屋を選ぶより何より、着物についてアレコレ考えるのは楽しい。
着物のコーディネートや選び方で、私が呉服屋さんに求めるのはあくまでも参考程度です。コーディネートこそ自分で考えるのが楽しいのですから…。
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