「オルセーのナビ派展 美の予言者たち」内覧会 レポを♪
アリスティード•マイヨール「女性の横顔」
会場のパーテーションが面白かったので、横顔と横顔で
「ナビ派」とは19世紀末のパリでゴーギャンの美学に影響され結成された、ヘブライ語で「予言者」を意味する前衛的な芸術家(セリュジュ、ボナール、ドニ、ヴュイヤール、ランソン、ヴァロットン etc)の集団のこと。象徴主義、平面性と装飾性、日常的な主題と神秘的な主題、が特徴とされています。
ゴーギャンの作品には日本の浮世絵や七宝の影響を受けた二次元的遠近法、明瞭な輪郭線による意匠の単純化をみることができます。
印象派は手描き友禅、ナビ派は型染め…というのは、コーディネートの説明のため思いつきで例えたのですが、じつは時代考証としてもあっています。
日本の型紙が大量にヨーローッパに流出したのは武家社会が終わった明治初期である19世紀後半。染めの道具の一つであった日本の型紙が工業的意匠としてヨーロッパで賛美された時期とナビ派の台頭は重なります。型紙は後にアールヌーボーやユーゲントシュティールに影響をあたえたといわれますが、ナビ派の感覚はまさに時代が求めたものであったのでしょう。
ピエール•ボナール「黄昏(クロッケーの試合)」
服地のテキスタイルが型紙っぽい。
「絵画が本質的に、一定の秩序のもとに集められた色彩で覆われた平坦な表面であることを思い起こすべきだ」by モーリス•ドニ
モーリス•ドニ「ミューズたち」
ギリシア神話のミューズが現代様式である姿が描かれます。古典的教養に基づいたうえで内面的な世界観を描いた象徴主義の作品です。
モーリス•ドニ「プシュケの物語」
ロシアの大収集家のモロゾフの依頼で描かれた壁画の習作。
三菱一号館博物館の高橋館長が「日本人は印象派好きといわれるけど、平面的でマットな質感のナビ派のほうが、じつは日本人に好まれるのじゃないかな…」とおっしゃっていましたが、確かに、日本人の感性にあうように思います。
私はボナールが好みです♡
マルグリット•セリュジエ「谷間の風景」
ポール•ランソン「春」
羊毛刺繍でした!
エドゥアール•ヴュイヤール「公園」
フランスでもナビ派は知る人ぞ知るだったようですが、2008年にオルセー美術館館長に就任されたギ•コジュヴァル氏はナビ派の研究の第一人者であったことから、オルセーにナビ派の作品が集まったのだそう。そして、三菱一号館美術館の高橋館長とは旧知の仲だそうで、なので、ヴァロットンといい、三菱一号館美術館好みもこちらよりなのだな〜とあらためて知りました。
収蔵品も美術展も、やはり当代の学芸員の影響が強く影響するわけで…。その辺りも深く探りたいところです。
ミュージアムグッズも面白い♪
ナビ派の始まりの地である、ブルターニュ地方の食材
ワインとお茶
テキスタイル地のプレイスマット
iphoneのシール
ボールペンもオシャレ
絵葉書は塗り絵になっていました!
「オルセーのナビ派展」三菱一号館美術館にて。(〜 5月21日まで)
※青い日記帳×オルセーのナビ派展 ブロガー特別内覧会にて撮影
撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載許可をいただいております。
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