十二月大歌舞伎の第三部は「二人椀久」「京鹿の子娘五人道成寺」
歌舞伎初心者の方にこそおススメしたいのはこの第三部です。第一部の「あらしのよるに」はわかりやすく楽しい舞台ですが、古典歌舞伎を踏襲しつつ進化させたものなので、そうきたか!というような面白さは、歌舞伎を知らないとわからないかもしれません。ちなみに私はテレビをみないので流行語を織りまぜたような笑いはまったく理解不能でした@@;
はじめての方や海外の方には、やはり歌舞伎本来の美しさをまずは知ってほしい。何代もの人が演じてきてブラッシュアップされつづけてきた、歌舞伎ならではの舞踊の世界。そして玉三郎の美意識の高さを存分にビシバシと感じることができる貴重な機会です。まだ間に合う、幕見でも一見の価値ありですよ!
西の2階桟敷席にて鑑賞
西の2階桟敷席は机がついているので掘りごたつのように草履を脱いでゆったり観劇できるので、世話物など若干退屈目のものの時はこちらを選んでゆったり鑑賞します。お弁当も落ちついていただけますし、1階の桟敷席のように目立つこともありません。差し入れでいただいた柿の葉寿司と伊右衛門のお茶♪
そして、3階のめで鯛焼き屋さんまでも近い!
1階前列だと間に合わず売り切れのことも屢々ですが、めでたくget♪
上から見下ろすことができるので、1階からは見ていたらわからないところも見ることができます。「京鹿の子道成寺」は、舞台上で衣裳が早変わりする<引抜>があります。重ねて着ていた衣裳の仕付け糸を後見が抜いていきパッと一瞬で早変わりするのですが、上からみていると赤い仕付け糸がタイミングよく抜かれていくのがよくわかりました。でもこの演目は花道脇でみたかった^^;
五人道成寺は、玉三郎、勘九郎、七之助、梅枝、児太郎、の五人が舞う贅沢さ。
五人が鐘にとりつく様は美しくも妖しい大蛇でゾクっ。
※写真は歌舞伎座ポスターより
ロビーで梅枝丈の奥様にお会いできました
いつもながら上品でお美しい奥様。家庭の中で美が共存しているすごいご夫婦だと思う…。
【12月21日の装い】東京◇晴れ(湿度52%) / 最低気温7℃ 最高気温17℃
野の花工房の諏訪好風の毘沙門亀甲の茜染に、「道成寺」にちなんで鱗柄の長襦袢。
ガス灯が描かれた染め帯をコーディネート。
菊絞りの帯揚げは加藤萬、帯〆は道明の胡蝶
「美しいって、最強だわ…」とあらためて思った夜でございました。