偲ぶ会はお別れの会の形式としてとても多くなっている印象があります。
会の趣旨はそれぞれですので、それに相応しい装いをすることが望まれると思いますが、こういった時に、きものは格がわかりやすくて良い場合とわかりやすいがゆえに迷う場合があるように思います。
装いは着る人の想いを表現するもの。故人がお好きだった装いをするのも、故人にちなんだ装いをするのも、敬意を表した装いをするのも、周りと調和した装いをするのも、哀しみを表した装いをするのも、その会のドレスコードに従っていれば、どれにも不正解は無くそれぞれのように思います。
一つ紋付の色無地は「あれば困らないきもの」として、かつてははじめてきものを誂えるときに奨められるものでした。慶弔のどちらでも準礼装の装いとなります。仕舞や茶道などのきものを着るお稽古事では欠かせないきものでもあります。
木村孝先生を偲ぶ会の装いは、当初は一つ紋付の色無地に黒喪帯の予定でおりましたが、周りの方ともご相談をして、一つ紋付の色無地に喪の帯ではないものに。私は四君子文様の袋帯にいたしました。
四君子の文様を選んだ理由はこちらに☆
利休バッグはかづら清老舗の松竹梅文様の唐織です。
ヘアスタイルは、慶事ではないことを意識して襟足はみせないダウンスタイルにしました。私的には日頃から夜会巻きのようなうなじをみせるスタイルよりもこちらのほうが好みです。
色無地がシックだったので、ヘアにはポイントになるように微妙な捻りが入っています。
会の後、綾の手紬の秋山眞和先生と紅花染の新田英行先生と三人で飲み会。宮崎と米沢の意外なつながりのお話も。また工房に伺います。どちらも良いところです。