染織をやりたいという人も、着物を着たいという人も、確実に増えているにもかかわらず、次世代への継承が難しいといわれている、日本のきもの。それは、今の時代に手仕事であれば、つくるのに時間と手間がかかり過ぎてしまい、どうしても高額になってしまうからです。
そんな中で、染織の道を志したい人に門戸を開いた、アルスシムラ。さらに新たな道が切り開かれます。※アルスとラテン語で技術と芸術のこと。
染織家 志村ふくみ、志村洋子の芸術精神を継承する「atelier shimura (アトリエ シムラ)」の誕生です。昨夜はその誕生レセプションへ♪
染織家の志村洋子先生、そしてatelier shimura代表の志村昌司さんと
志村ふくみ先生は生糸にならない繭を真綿にしてそこからとった不均一な紬糸で織られた紬織を芸術にまで高めた方。言わずと知れた人間国宝(重要無形文化財保持者)でいらっしゃいます。
志村洋子先生は、シュタイナーやゲーテ、西洋の色彩学、キリスト教文化やイスラム教文化などを新しいテーマとして盛り込み、さらに紬織の可能性を広げられています。
「atelier shimura」は、アルスシムラ(志村母娘の両先生が立ち上げた染織の学校)で学んだ方が実践していく場であり、お二人の精神性を継承した人達がつくりあげる作品のブランド。ブランドのロゴマークは葉脈。
手仕事による染織は時間と手間がかかります。故に学んだもののこれを生業にするのは今の時代とても難しい。ですがこうした試みで新たな活路が開けるかもしれません。志村ふくみ作品には手が届かなくても、そのDNAを受け継いだ作品なら届くかもしれません(*_*)
植物染めの帯あげや帯〆もあります。
裂地をつかった数奇屋袋と名刺入れ
古帛紗や裂地をつかった画帖など
20年ぐらい前に手に入れた都機工房の数奇屋袋と信玄袋を私も愛用しております♪
こちらは、茜染の絹とオーガニックコットンの混紡糸のストール。きものに羽織ってちょうど良い幅があります。←コレ重要。そしてとっても柔らかく軽い!
会場では植物で染められた糸とその染料も展示されていました
茜、桜、蓼、夜叉五倍子
黄檗は樹皮の内側が真っ黄色です!
透明感のある美しい水色になる臭木。実は金属のような藍色です。
美しい黄色になる梔子の実
志村昌司さんのご挨拶で、祖母のふくみ先生が「植物の国をつくりたい」といっているというお話がありました。それは、自然を尊重する社会であり、アルスシムラで種が蒔かれ、アトリエシムラで苗木になり、それぞれ成長していくということ。
誕生レセプションでは、志村昌司さん、糸井重里さん、葛西薫さん、川島蓉子さんによるトークショーがありました。
そして、atelier shimuraのつくり手の皆さまによる序の舞
怪しげな登場だった糸井重里さんは露払いのお役目でいらっしゃいました
糸井重里さん、葛西薫さんも。
通路側に座っていたら、阿闍梨餅、いただきました♪
新ブランドの誕生に相応しい、門出でございました。
「atelier shimura」展示販売会は、ifs未来研究所にて(〜11月6日まで)
会期中は着物の展示が変わるそうです。この日はレセプションでしたので、拝見したのは5点のみ。私はこちらの大きな市松のタイプが好みです♡
額装された裂地。やはり紫と赤に強烈に魅かれます…。
ああ、何て美しいのでしょう…。
レセプションのお土産に「ふくみ天平」をいただきました♪
梔子、赤米、蓬の天然染料で着色された最中です。
会場内での撮影、「きものカンタービレ♪」への掲載の許可をatelier shimuraよりいただいております。