四六時中きもの生活の私は、旅先には浴衣(ゆかた)を持参しております。
ブセナテラスはスパが併設されているので、そちらを利用するときには浴衣でいきます。ただしパブリックスペースは通過しません。ブセナテラスの但し書きに「ロビーフロアでの浴衣はご遠慮ください」とわざわざ明記されていましたので、もしかしたら浴衣を着る人が増えたのかもしれないなと思いました。それは喜ばしいことではあるのですが、だからこそ、あらためて<浴衣の着用マナー>を考えるということも必要です。
浴衣は湯帷子が語源であるように、湯あがりのくつろぎ着であり、寝間着であり、祭礼での衣裳なのです。日中のパブリックな場所で着るには相応しくありません。洋装化された現代にあってはワンピース感覚のオシャレ着と錯覚しがちですが、長襦袢なしに素足の浴衣は、ルームウエアどまりでジャージのようなものです。下着であった小袖がきものとなったように、浴衣もオシャレ着として形式昇格しつつあるようには思いますが、日中のパブリックスペースで浴衣を着用するときには、半衿をつける。足袋を履く。下駄ならば船底で音のしないものを選ぶ。などの「浴衣をきもののようにして着る」対応を心がけるようにしましょう。
私はわかりやすいだけの季節の着用ルールなどにはこだわりませんし、いつでもどこでもきものという生活のスタンスではあります。自己責任で了解いただける範囲では、海にも山にもきもので行きます。ですが「いつでもどこでも浴衣に下駄でもいいのでは…」というのは違うように思いますし(それは、いつでもどこでもジャージやパジャマでOKと同じ感覚)、そういったゴリ押しのようなものに、諸手を挙げて賛同はできないと思っております。
竺仙の波に千鳥文様の注染浴衣に八重山ミンサーの植物染めの半幅帯をコーディネート
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浴衣(ゆかた)の着用マナーを考える / 竺仙の波に千鳥の注染浴衣に八重山ミンサーの半幅帯
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