毎回楽しみにしている日本伝統工芸展へ 日本橋三越にて(~9月30日まで)
日本工芸会の主催による、染織、陶芸、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門の
国内最大規模の公募展です。今回は60回を迎える記念すべき展示会。見応えありです
重要無形文化財保持者の作品をはじめ、一流の目で選定された素晴らしい工芸品を
ガラス越しでなく間近でみることができる貴重な機会。
そしてこの日はレセプションパーティーがあったので、作家の先生方がたくさんいらしていました。
こんなに美しいものを生みだす人はどんな人なんだろう~っと、とても興味深く拝見しております。
きものの良し悪しを見極めるには、値段が高いものかどうかではなく、とにかく美しいもの
良いものを見て眼を養うことが大切です。
何度も同じことを書くようで恐縮ですが、試着はできなくとも呉服屋さんの展示会できものの
値札を見ているよりも勉強になること間違いないです。
今回の展示は、染織部門が本館と新館の両方にわかれて展示されているので要注意!
出品作品一覧の案内図をもらって見たほうが良いです。
会場でお会いした近藤好江先生と森田空美先生と
森田先生はいつもながら着付け姿は360℃どこからみても隙はなし。完璧です!
着物の好みのテイストは私とは違うのですが憧れちゃいます。
そして何て深い色の紬:*:・( ̄∀ ̄)・:*: いつか私にも着こなせるかしらん…。
森田先生好みを着こなすには森田先生級の美人でないと難しいとつくづくσ(^_^;)
近藤好江先生はこの度、日本工芸会会長賞を受賞されました。
会場でお会いすると先生自らご案内くださり大感激(≧▽≦)
この日はレセプションの日だったこともあって撮影許可を頂かなかったのでフライヤーより。
綾織絣着物「半夏生」近藤好江
この写真ではわかりにくいですが、経絣の変り織りの紬です。経糸の2本をずらして絣足の
ようなズレをつくられています。ご説明いただいたのですがイメージが今ひとつ掴めず、
織りの綜絖は難しいですね。近藤先生の東日本工芸展での作品もだったのですが、とても
計算し尽くされた幾何学的な印象があります。が、染めが上品で柔らかい。
この意匠はある洋書にでてくるものを再現したのだそうです。
美しい翡翠色は桑から染めたもの。濃き薄きの暈かしもとても立体的でモダン。
どことなくオリエンタルな雰囲気もあります。
着こなしは難しそうですが、とても好み~
前回の染織文化講座で鈴田滋人先生がご紹介くださった作品もありました
写真は染織文化講座でみせていただいた設計図と下絵図です。
お父様の鈴田照次氏と二代に渡って思い入れのあるベニハナトチノキの意匠。
肩山から裾にかけて文様が大きくなり色の移りも美しい
この作品は紬地に染められています。紬地は木版摺が大変だったとのこと。
鈴田先生の作品はいつか手にしたいきもののひとつ。ああ、遠いなあ( ̄_ ̄ i)
木版摺更紗着物「花翔文」鈴田滋人
以下、写真はないのですが私が気になった作品覚書です。
作家の方から直接お話を伺っていない作品は染め技法等には触れないでおきます。
友禅訪問着「葡萄蔦文」稲木久
会場で稲木先生とお会いでき直接お話をお聴きすることができましたヾ(@°▽°@)ノ
葡萄蔦となっていますが、葡萄蔓(えびつる)をあらわしていて、裾から天に向かって生えています。
秋の葉の風情がとてもきれい。先生曰く青々としているものよりも枯れかけているぐらいのもの
のほうが絵になるとのこと。なるほどー。
友禅訪問着「躍動」生駒暉夫
今展示会のご案内をいただきました。生駒先生いつもありがとうございます!
躍動の名の示す通り生き生きとした竹の作品。衣桁にかかっている状態で周りを圧倒するかの
ような勢いがありました。生地は変わり織りのものがつかわれていて、縮緬のような光沢はありません。
竹の中に2回糊置きして微妙な蒔き糊の模様がでていました。
型絵染着物「王妃の花園」岩井香楠子
背中心と袖の外側そして裾が額のようになった作品。細やかな模様、そして色、とても丁寧
な作品。着姿がどのようになるのかも気になります。
博多織帯「晶」上野真由
絹糸の美しさがとてもよくでていた作品。博多帯にしては(失礼な表現かもしれませんが…)
粋というよりも品格があって素敵。御簾文様調な感じもして古典的な染めものにあわせても
面白そう。
型絵染着物「山滴る」釜我敏子
首抜模様のところは合歓の花(だと思うのですが…)であとは違う花だと思うのですが、
奇抜でなくとても自然な模様変り。こんなものも着てみたい
浮織着物「清冽」宮入映
とても美しい透明感のある作品。何とも美しい紫色でした。何で染められたのだろう…。
他にも素晴らしい作品がたくさんありました
すべてをチェックできていないので会期中何度か行きたいと思います。
そして、できたらご紹介いたします。
染織文化講座で講義をしてくださる、佐々木苑子先生、山岸幸一先生、松枝哲哉先生も
いらっしゃっていました。講座がますます楽しみです~♪
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【9月19日の装い】東京◇晴れ(湿度低く快適)/最低気温19℃ 最高気温29℃
初秋の乾燥した日に着る絽縮緬は大好き
駱駝にオアシス文様の絽縮緬に月に雁文様の夏帯をコーディネート
中秋の名月の日だったので、月にちなむこちらの帯をチョイス
ブーゲンビリアの日傘は沖縄瀬底島のびんがた工房べにきちの吉田誠子さんの作品
砂漠の意匠にピッタリ サハラ砂漠の砂からつくられた自然のオリーブグリーンのガラス。
海馬ガラスさんの作品です。
このガラスの小鳥にあわせて探した懐中時計はdetiti のもの。とっても気に入ってます
バッグはジャマン•ピュエッシュ。月に雁、月の砂漠をイメージして金色をチョイス。
これから染織文化講座へ
夜はパーティーなのでお勉強には似つかわしくない華やか小紋で行きます(^-^)/
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第60回日本伝統工芸展 at 日本橋三越 / 駱駝にオアシス文様の絽縮緬小紋に月に雁の夏帯
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