日本一の麻「岩島麻」の産地である群馬県東吾妻町、藍の「蒅」の産地である徳島県藍住町、
良質の麻布「近江上布」の滋賀県愛荘町の三つの町が連携して、布つくりの技を伝承そして
公開するイベントが開催中です。渋谷ヒカリエにて(~9月16日まで)
今上天皇即位の大嘗祭につかわれる麁服(アラタエ)は古来より阿波忌部の直系の三木家が
担っています。ですが麻の栽培技術が途絶えつつあり、岩島麻保存会が現地に出向いて種子
を提供し栽培から麻挽きまで技術指導を行なったのだそうです。
岩島麻は一般に出回ることはほとんどなく、宮内庁や伊勢神宮に納められています。
こちらが葉切りを行なって190cmに切りそろえられた岩島麻です。
麻こぎ、麻挽きの道具
麻はぎしたものを麻挽き台に乗せて表皮を取り除く工程
奈良晒は江戸時代に幕府の保護を受け急速に発展した良質の麻布。裃につかわれました。
奈良県月ヶ瀬の奈良晒保存会の奥中定代さんにご指導いただき苧績み体験。
細く裂いた麻糸を撚って繋げていきます。太さを均等にしていくのは難しい~。
きもの1反分つくるには20kmもの長さが必要。半年以上かかるそうです(+_+)
近江上布は江戸時代に高宮布の産地として名を馳せ発展した湖東地方でつくられた麻布。
近江上布の絣には羽根巻捺染といわれる技法がつかわれます。
羽根といわれる金枠に緯糸を巻いて両面に型紙で捺染します。きもの1反に13枚の羽根が
必要となるのだそう。
近江型の地機である天秤腰機りを初体験させていただきましたヾ(@°▽°@)ノ
腰をグーッとひいて経糸を上下させ間を空けて左から右へ緯糸の杼を通します
真ん中でトントンと打ち込みます
足で踏んで右から左へ緯糸の杼を通します
リズムが取れるまでが大変。でも面白い~(≧▽≦)
裁縫は苦手ですが、機織りは好き
河内木綿の糸繰り体験
種が入っている綿花です
わたくり機で種を取り除きます(ノ゚ο゚)ノ
綿の種がこうやってわけられます!ケッパーみたい。
糸車で綿から糸を紡ぎます
藍住町の職員の方、奈良晒の奥中さん、徳島の藍染め作家の矢野藍秀先生と
矢野先生は、徳島の藍師の佐藤昭人先生の義理の息子さんです。
矢野先生が染められた奥中さんの奈良晒のきもの。
日本の技を守ろう、伝承しよう、その心はとても豊かで暖かい。
糸をつくる、染める、織る、そして纏う。
技を伝承することを目的としたイベントなので、商品はありませんが、体験メニューが素晴らしく
充実しています\(゜□゜)/
ご紹介した他にも、検尺機をつかって繭から糸を引き出す一粒繰り、藍染め、紅花染め、
麻ぞうりをつくる、久留米絣の小物をつくるなど。きもの好きにはパラダイス~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:
とても楽しかったです ありがとうございましたm(_ _ )m
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「麻•藍•布 〜繊維つくり、布つくり、染めの技の伝承公開〜」at 渋谷ヒカリエ
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