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祇園祭(7月16日) 宵山 会所巡り 占出山•山伏山•霰天神山 / 2016年祇園祭 その17

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祇園祭(7月16日) 宵山 会所巡り 保昌山•孟宗山 / 2016年祇園祭 その16 のつづき

 

「占出山」へ

二人の浴衣が申し合わせたかのように、白地の菊文様ですが偶然です。

栗山紅型工房の西田さんの浴衣はご自分で染められた京紅型の浴衣に雪花絞りの半幅帯、私は竺仙の絹紅梅に紗献上の博多八寸帯。同じようで、京都好みと東京好みのテイスト。

水引は三十六歌仙の刺繍。胴掛は1831年(天保2年)につくられた日本三景の綴錦。

懸想品の多くは江戸時代につくられたものですが、昭和になって復元新調がされています。懸想品には珍しい、型染めの水引は栗山紅型工房が30年前に復元新調したのだそうです。それを栗山の作家さんとみているという幸せドキドキ

躍動感ある飛魚! これ夏の帯の意匠にも良いのでは…(-_☆)

神功皇后が鮎を釣って戦勝の兆しを得たという故事から、大極殿の吉兆あゆが販売されていました♪

神功皇后は安産の神として公家からの信仰が厚く、ご神体の装束は女院や公卿の姫君から寄進されたものがつかわれています。

 

「山伏山」

今年の巡行のくじで山1番の栄誉。

横水引は江戸時代に制作された「養蚕機織図」の綴織。養蚕から機織までの工程が織りだされています。

正面水引は「雲龍麒麟桐竹図」豪奢な刺繍です

山伏山では茅の輪くぐりもできます

 

「霰天神山」

永正年間に京の町で大火があったときに、天から霰が降ってきて鎮火したという逸話から。そのときに降ってきた天神さまを祀ったのが山の起源。

会所拝見では、蝋燭を献じて火除けを願います。あ、写真がない。

見送りは2009年に復元新調された「紅地雲龍宝尽図」

胴掛には上村松篁下絵「白梅金鶏図」と上村淳之下絵「銀鶏図」の綴織

 

これにて、山鉾巡り前祭の23基すべての山鉾の会所拝見をコンプリートヾ(@^▽^@)ノ

 

宵山のご飯処はどこもいっぱいなのですが、西田さんにご予約いただきました♪

「夢処漁師めし雑魚や」← 京都は魚も美味い

喉が乾きすぎて、駆けつけビール…。かなりほろ酔いでございましたカァ…(//ω//)

 

宵山の夜22時から、翌日の巡行の晴天を祈願して奉納する日和神楽がはじまります。次回はこちらも堪能したですね♪

 

次は、ようやく本番!!!

山桙巡行です。

 

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美しいキモノ2016年秋号 発売中 / 美しいキモノ編集部へ / 雨の日の装い

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夏の終わりからあまり予想できない台風に悩まされますね…。台風13号は東海沖で温帯低気圧になり、東京では雨は降ったものの傘がさせないようなことにはならず幸いでした。

 

美しいキモノ編集部にて2016年冬号の打ち合わせ。染織レッドリスト番外編の企画会議です。伝えきれなかった数々をどうまとめるか思案のしどころ…(@_@)

 

「美しいキモノ2016年秋号 vol.257」発売中本

染織レッドリストを救え 最終回 「沖縄編」に寄稿、執筆いたしております。

「きもの周りの時短のコツ」にもチラッと。

 

amazonから購入できます↓

美しいキモノ 2016年 秋号

 

【9月8日の装い】曇り時々雨(湿度 91%) / 最低気温25℃ 最高気温30℃

 

台風の影響でムシムシ(-"-;あせる

こんな日は、雨コートを着たら汗だくになってしまう。なので無理せず9月でも水に強い麻のきものと帯の装いです。

 

織田工房の唐草文様のマンガン捺染絣の小千谷縮に栗山紅型工房の鳥籠文様の紅型の麻帯をコーディネート

小千谷縮はシボがあるのでシワも上布ほどは気になりません。こちらは洗濯ネットに入れてドラム式洗濯機で洗っています。脱水3分、生乾きのままキチンと本畳みで畳んでから干し直すのがアイロンいらずのコツ。

帯あげは木村孝先生から頂戴いたしました。帯〆は京都井澤屋。

籠バッグは松枝忍、ぞうりはカレンブロッソ

 

9月はきものの展示会が目白押しメジロメジロメジロ

ああ、レポが消化できないー。

 

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第23回 沖縄ふれあい広場「沖縄の工芸展」 at 時事通信ホール / 初日

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第23回 沖縄ふれあい広場「沖縄の工芸展」へ (〜9月11日まで)

 

喜如嘉の芭蕉布、読谷山花織•ミンサー、知花花織、首里織、琉球紅型、琉球絣、久米島紬、宮古上布、八重山上布•ミンサー、八重山(竹富)ミンサー、与那国織、ウージ染めの12の琉球染織の産地組合と琉球漆器、琉球ガラス、壺屋焼、三線の4つの琉球工芸の産地組合が出展されています。

 

つくり手とつかい手の相互交流を深めるコンセプトから、産地からつくり手がきて実演や講演会を随時開催。問屋さん、呉服屋さん、着付教室などの受付がありますが、一般の方も自由にみることができます。

 

宮古上布の池村初美さんと上原則子さんとカメラ

宮古上布の糸績みの実演

 

久米島紬の山城智子さん、比嘉正美さん、八重山上布の平良佳子さん

琉装の久米島紬のドゥジンにカカンと現代の久米島紬という久米島紬の装いが素敵♪

久米島紬の絣括りの実演

今回はこちらを発注。夏久米島です。

お願いしていた大地染も織りあがりました〜♪

沖縄染織の中でとりわけ久米島紬はよく着ている←重文指定の中では購入しやすい価格。沖縄の産地巡りはかな〜り網羅している、なのに久米島にはいっていない…。というわけで、次はとりいそぎ、本島+久米島かな。

 

八重山上布の上原久美さんとカメラ

シーザーの帯飾りの作者です。中には石垣島の塩が入っています。

 

欲しいと思ったときに中々ない…、半幅帯を今回は初日にキープ

 

首里花織の木綿半幅帯

そして、これは珍しい!というか、初の試みなのだそう。

知花花織の木綿半幅帯。経浮花織なので裏面に渡った糸がどうでるか、締めたときにどうなるか、まずは半幅帯で試してみることに。

 

【9月9日の装い】東京◇晴れ(湿度65%) / 最低気温23℃ 最高気温33℃

 

沖縄の工芸展にはやはり琉球染織で♪

 

大城廣四郎工房のカラフルな縞格子に大きな絣の琉球駒上布に波に千鳥の染めと刺繍の絽塩瀬の帯をコーディネート

この駒上布、あわせる帯がなかなかに難しい。今のところはこのコーディネートが手持ちの中では良いかな。そして探すのもまた楽しいものです。

 

つづきます♪

 

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重陽の節句 / 暑くて断念した装い / 千總の若冲の小紋に川島織物の七宝文様の絽綴帯

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中国では奇数は陽の数とされその極みの9が重なる日は重陽とされました。菊は奈良時代末期に唐から伝来し、当初は薬草として使われ後に観賞用になります。 ただし確証はなく、万葉集、古事記、日本書紀などには書かれていないのだそう。平安時代に極限られた人々によって栽培されますが、一般に普及したのは江戸時代になってから。重陽の節句が日本に伝わると、宮中では菊の花を浮かべたお酒を飲む菊花の宴を催し、菊花の杯で邪気を祓ったとされています。

 

節句の前夜には菊の花を真綿で覆い菊の香りを移し、翌朝に露に湿ったこの真綿で顔をぬぐい長寿を祈願するという日本独自の行事が生まれました。これが「菊被綿」です。

 

重陽の節句は菊の節句ともいわれますが、新暦(グレゴリオ太陽暦)の9月9日はまだまだ残暑厳しく、本来は菊の花は咲いていません。やはり旧暦の重陽のころから菊の花は咲きはじめるのではないでしょうか。

 

今年は若冲生誕300年の記念のメモリアルイヤー。その重陽の節句に相応しい…と思いつつも、暑くて断念した装い。

千總の若冲の菊文様の小紋に川島織物の七宝文様の絽綴の帯

 

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第23回 沖縄ふれあい広場「沖縄の工芸展」 at 時事通信ホール / 2日目

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第23回 沖縄ふれあい広場「沖縄の工芸展」へ (〜9月11日まで)

 

琉球絣事業協同組合の野原八重子理事長とカメラ

2年前に訪問したときに機にかかっていた紅芋色の琉球壁上布が忘れられず…、5月に訪問したときにご無理をお願いして探していただきました♪

 

琉球絣がいっぱいヾ(@°▽°@)ノ

私の夏は琉球壁上布でなりたっているといっても過言ではありません。

綜絖かけ(ヒャーカキー)の実演

南風原でつかう綜絖(織るときに経糸を上下させる道具)は既存のものはつかいません。経糸1本づつに糸綜絖をかける独自の技法。なので、綜絖通しではなく綜絖かけといいます。

 

喜如嘉芭蕉布事業協同組合の平良美恵子理事長とカメラ

芭蕉糸の撚りかけの実演

 

知花花織事業協同組合の神田尚美副理事長とカメラ

 

八重山ミンサー工芸館の山本さんとカメラ

 

与那国町伝統織物協同組合の方(お名前をお聞きしそびれた)と請花裕子理事長とカメラ

 

記念特別講演「文学に現れた芭蕉」

古伊万里の意匠に何故「鶴と芭蕉」が多いのか、その謂れは「鶴鳴くやその声に芭蕉破れぬべし」という松尾芭蕉の句にあったというお話や、維摩経には「この身は芭蕉のごとし、固きものはなし」とまだ悟らぬ人間の例えにもつかわれていること、若冲、応挙、北斎が描いた芭蕉について、謡曲「芭蕉」など、文学と芸術から紐解いた、芭蕉と人の関わり、そして歴史についてのお話。大変に興味深いものでした。

中でお話のあった「辻」は、樋口富麻呂の作品

辻は那覇にあったジュリという遊女で形成されている遊郭のこと。ジュリの女性は素晴らしい紅型や芭蕉を着ていたことが垣間見れます。この着物を復刻できないだろうか…ということでしたが、ぜひみたいものです。

資料、探しました。※出典「新城栄徳の沖縄関連資料アーカイブ」より

 

美しいキモノ特別記念講演会「沖縄染織、その歴史と今」

美しいキモノ秋号の染織レッドリストに寄稿されている児玉絵里子さんによる、沖縄染織の歴史と今について。かつてはこんなものもつくられていたという琉球王朝時代の染織と今について。

司会者の方がお召しになられていた、ユウナ染めの久米島紬と同じ絣のものをお召しになられたお客様が来場されていました。絣は同じですがよくみると色は微妙に違います。並ぶとさらに素敵さが倍増!

この展覧会は、お客様の装いをコッソリ拝見するのも楽しみのひとつなのです(〃∇〃)

 

【9月10日の装い】東京◇晴れ(湿度63%) / 最低気温23℃ 最高気温32℃

 

紅芋色の琉球壁上布に秋桜が描かれた麻帯をコーディネート

絽の帯あげは加藤萬、貝紫の帯〆は青山みとも

 

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首里花織を織る / 第23回 沖縄ふれあい広場「沖縄の工芸展」 at 時事通信ホール / 3日目

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第23回 沖縄ふれあい広場「沖縄の工芸展」最終日

 

首里織体験をしました。

2年前にもやっているのですが、レポはこちら☆

すっかり忘れていて…、いつも初心者状態^^;

 

袂が邪魔だったので、紐をお借りして簡易襷掛けで挑戦

木綿糸をつかってコースターを織ります

平織を8段織って花織を入れていきます。

花織の模様は手前の花綜絖を足元の踏み糸で動かして、経糸を沈めたところに緯糸を通すことによってできます。

右足で踏み木を踏みながら左足で踏み紐を引いて左から右に緯糸を通すと綜絖が浮き上がります

その間に緯糸を通します

2種類の踏み紐を踏み換えることによって交互の模様が浮きでます。

織り手の方々は難なくやっていらっしゃいますが、花織は足を紐にかけてから踏み木を踏んでトントンという、リズムに乗ることが難しい

こんな感じで織りあがりましたヾ(@^▽^@)ノ

実際に体験してみて、難しさを知る…。ということも大切です。

那覇伝統的織物事業協同組合の安座間美佐子理事長とカメラ

組合の皆さま、ご指導をありがとうございましたm(_ _ )m

 

特別記念講演「琉球びんがたの歴史•工程/ 琉装の文化」

琉球びんがた事業協同組合の屋富祖幸子理事長の講演

紅型の歴史と工程について。紅型と一括りにされていますが、技法によって違いがあり細かくわけられています。

白地紅型◇1回の型付けで模様にだけ彩色する

染地紅型◇1回型付けで模様に色挿しした後、その上に糊伏せし地を染める。

返し型◇白地紅型で染めた後に、模様に糊伏をし地を染める。白地の地を改めて染めることを地返しという。

朧型◇染地型と白地型の重ね型、白地型の型紙2枚で重ね型をすることもある。

藍型◇型付けまたは糊付し藍瓶での浸染。

瑞慶山和子さんによる琉装の実演。

琉球舞踊をされる紅型作家でもあり、着ていらっしゃる紅型はご自分で染められたものなのだそうです(ノ゚ο゚)ノ

琉球王朝の女官装束であるドゥジンという襦袢のようなものにカカンという巻きスカート姿。

高貴な女性は紅型を打掛のように羽織ります

琉球舞踊のときの着付け

帯をつかわず腰紐におはしよりを入れ込んだウシンチーのスタイル

琉球舞踊でつかう房飾り

紅型の工程、そして歴史から今にみる紅型まで、とてもわかりやすいお話でした。

 

【9月11日の装い】東京◇曇り時々雨(湿度86%) / 最低気温21℃ 最高気温25℃

 

八重山上布の着納め。

クワンカキー(環掛)にトゥイグワー(燕)の絣柄の八重山上布の白上布にぬぬパナの亀田恭子の絹×苧麻の風車文様の交織帯をコーディネート

八重山上布のつくり手との八重山上布の白上布スリーショットを撮影するつもりが…、最終日だったのでお二方の着替えが思いの外早かった(T▽T;) 残念なので昨日の写真。石垣市織物事業協同組合の平良佳子理事長と上原久美さんとカメラ

いつか…必ず白上布スリーショットを!

秋に白いきものは違和感があるかもしれませんが、古代中国に端を発する陰陽五行説では、春は青『青春』・夏は朱『朱夏』・秋は白『白秋』・冬は玄(黒)『玄冬』とされています。八重山上布の紅露の捺染絣の色に秋らしい小物コーディネートで。

 

沖縄の産地の皆さま、3日間ありがとうございました♪

次は沖縄でお目にかかれたら良いいなあ…。

 

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チョウバンの絣柄の琉球壁上布に河鍋暁斎の蟹の綱渡りの麻帯 / 訪庁の装い

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ようやく最高気温が30℃を切るようになりました。しかし湿度が高い…。きものは帯周りを固めますので、着脱ができません。墨色の襦袢で透け感を抑えて夏のきものを単衣のように見せています。

 

【9月12日の装い】東京◇曇り(湿度72%) / 最低気温22℃ 最高気温28℃

 

墨色の長襦袢を着た黒地の琉球壁上布は単衣の中でもあまり違和感なし

白地の襦袢ですとこれぐらい透け感があります

「画鬼 暁斎 ~幕末明治のスター絵師と弟子コンドル~」内覧会より

帯は河鍋暁斎の「蟹の綱渡り」の写しの麻帯

帯あげは木村孝先生からのいただきもの。この微妙な煉瓦色がとても重宝しています。帯〆は京都井澤屋

この絣柄はチョウバン(枡)です。ご指摘いただき調べました。ありがとうございましたm(_ _ )m ※出典 織の海道

なので、こちらの八重山上布もチョウバンにトゥイグワー(燕)です。

日傘は大井川葛布の紫鉱染の葛布地。

蟹のバッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソ。

 

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

 

経済産業省 伝統的工芸品産業室と生活製品課へ。

訪庁の装いは洋装ならスーツ、和装なら江戸小紋あたりが相応しいように思いますが、陳情ではないので、普段生活スタイルの装いです。カレンダーにあわせた着用ルールではなく、自然にきものが浸透していくように、気候にあわせた着ていて無理のない装いで伺いました。

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きものの証紙につかわれる伝産マーク。伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づいて経済産業大臣によって指定された伝統的工芸品についています。

 

手仕事の技によるもののいくつかは、文化財保護法に基づいて重要無形文化財に指定されています。さらにややこしいのですが、重要無形文化財の技の指定条件と経済産業省による伝統的工芸品の指定条件は異なります。その違いを把握して自分なりにリストアップするための資料づくりです。

 

興味の対象が広がりすぎておりますが、つぎつぎと繫がっていくのです。どうまとめるか思案のしどころですね…σ(^_^;)

 

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第二回 双蝶会「菅原伝授手習鑑」at 国立劇場小劇場 / プチ着物で歌舞伎

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一気に秋がやってきましたもみじ

夏の終わり(8月24日)のレポです。

 

第二回 双蝶会へ目

若手の中村歌昇丈、種之助丈の勉強会。この日の会場は銀座の呉服屋さん主宰の鑑賞会もあり素敵な着物の着こなし率が高い。そして歌舞伎役者の方が客席にいらっしゃるのもお見かけしました。歌舞伎座ではあまりないような…。

 

演目は「菅原伝授手習鑑」から「車引」「寺子屋」

昌泰の変(菅原道真が藤原時平の讒言により太宰府に左遷された事件)をモチーフに描かれた人形浄瑠璃、歌舞伎の傑作です。

 

「車引」の三つ子が三人揃いで着ている紫の格子は童子格子という文様。童子格子は大江山の酒呑童子の意匠から名づけられた名称で、太い筋のそれぞれの脇に細い筋を1本添えた格子で子持ち格子…、なんですが、子供であることを強調する意味で紫×白の太縞格子も童子格子というようです。襦袢は名前にちなんで、松王丸は白地に松、梅王丸は赤地に梅、桜丸は赤地に桜。

「寺子屋」の松王丸の雪持ち松に鷹の羽織と着付の装束は、現行のものは総て刺繍でつくられています。数多ある歌舞伎の衣裳製作の中で最も手間と技術を要するものなのだそうです。雪持ち松の意匠は、雪の重みに耐える松が松王丸の心情をあらわしています。

 

どちらも見慣れた演目ですが、若手がやるとまたフレッシュな感じだな〜と思っておりました。が…、「寺子屋」の梅枝の千代がでてくると、空間がグッと重厚な歌舞伎になった!という。。。佇まいと間合いでしょうか。梅枝丈の実力をあらためて知りました。

 

公演のあと、きもの勉強仲間の方が主宰してくださった「プチ着物で歌舞伎」ならではの茶話会がありました。ホテルグランドアーク半蔵門のカフェのオレンジチョコレートケーキが美味しかった〜♪ 甘くてほんのり苦いというのが好み。

 

中村時蔵丈と中村梅枝丈とカメラ

「演目の解釈について話し合うことがあるのですか?」などなど、不躾な質問もさせていただいたのですが…、真摯にお答えいただきました。

 

歌舞伎の楽しみ方は人それぞれですが、演目より役者とその成長をみることが何より楽しみの方が多いように思います。萬屋さんにご縁のある方からのお声がけでございますが、あらためて近しいところでお話させていただいたことに感謝いたします。

 

梅枝丈よりハワイのお土産も頂戴いたしました♪ ありがとうございました(〃∇〃)ドキドキ

 

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西陣ポーラの井桁に水雲の絣に腰原きもの工房のパラソルの染め帯 / 「カリエール展 」へ

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秋雨前線に伴う雲の停滞…。このスッキリしない天気とともに、季節は秋へと移り変わります。湿度が高ければ汗をかきやすい。雨コートを着用したらさらに蒸れてしまいます。

 

きものは、暑い→汗をかく→お手入れが大変、となれば、着る人がいなくなるのは当たり前のことです。日常で着るものに、我慢や無理をすることや、それを人に強いる意味があるのでしょうか?

 

よく「きものには<しきたり>がある」といわれます。きものには<格>がありますので、正式な場であれば、場に相応しい格のある装いが求められるということは当然のことですが、それは洋装でも同じことです。

きものは四季がある日本ならではの衣裳ですので、季節感のある装いは大事にしたいところですが、昔と今では気候も気温も変化しています。一人でも多くの人がきものを着たいと思うように、まずは有識者のほうからマニュアルにとらわれない、今の気候にあった装いを提唱するべきでは…と考えています。この話題、我ながらシツコイな…と思いますが、きもの姿をブログにアップしつづけるのと同様に、「周りの眼を慣らす」ということが自分にもできる唯一のことのような気がしております。

 

【9月14日の装い】東京◇雨のち曇り(湿度87%) / 最低気温21℃ 最高気温26℃

 

西陣ポーラの井桁に水雲の絣のきもの。西陣ポーラは、オーストラリア産のウールに絹糸を螺旋状に巻きつけた壁糸仕様の糸で織られています。壁上布のようなシャリ感がある交織のサマーウールです。

腰原きもの工房の腰原英吾のパラソルの絽塩瀬の染め帯をコーディネート

HANWAYの二枚重ねの雨傘は、サマーウールと色がピッタリでした♪

絽縮緬の帯あげはメーカーは失念…^^;、帯〆は龍工房

古布コラージュの籠バッグは松枝忍、ぞうりは菱屋カレンブロッソのお誂え

 

久しぶりに、東郷青児記念損保ジャパン日本興和美術館へサーチ

19世紀フランス象徴主義を代表する作家「カリエール展 〜セピア色の想い〜」が開催中(〜11月20日まで)

随分前に「ロダンとカリエール展」がありましたが、彫刻家のロダンと比べるとカリエールはあまりにも無名で、私もよく知りません。二人ともセーブルの陶器工場で働いていた共通点があり、ロダンはカリエールのデスマスクをとったとか。

カリエールはセピア色の作家ともいわれるそうですが、セピア色にぼんやり浮かび上がる影のない不思議な立体感ある作品でした。

常設展では、久しぶりにこちらの作品にも再会。さすがのインパクト!

 

NYで人気のイタリアン、ローズマリーにてランチナイフとフォーク

新宿のビルの屋上には菜園があり、そこで収穫したハーブをつかっているようです。ランチタイムは大行列…。久しぶりに並びました(^o^;)

 

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雨コート入れ / 雨の日も楽しむ装い

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きものは平面裁断でできています。その長所はなんといっても畳むとコンパクトになること。なので、雨コートも立体裁断のものではなく、畳めるタイプが好みです。

 

着用した雨コートはバッグに入れることができるぐらいコンパクトになりますが、濡れたままバッグに入れることはできません。そこで重宝しているのがこちら。

内側にビニールがつかわれている小物入れです。

鉄線柄の紬地でできています。

もともとは海外の方向けのお土産品として考えられたようです。

 

雨の日も楽しめる装いやグッズがあれば、雨の日のオシャレも楽しくなります♪

 

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祇園祭(7月17日) 前祭 山鉾巡行 四条通りの場所取りと巡行前 / 2016年祇園祭 その18

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祇園祭(7月16日) 宵山 会所巡り 占出山•山伏山•霰天神山 / 2016年祇園祭 その17 のつづきです(^_^)/

 

中秋の名月を過ぎてしまい、すっかり季節外れとなりましたが、祇園祭 前祭のハイライトである「山桙巡行」のレポートです♪

 

山鉾巡行をどこでみるのが良いのか?

京都生まれ京都在住の方でも「注連縄切り」「くじ改め」を生で見た事があるという人は少ないようです。それは他の山桙町は長刀鉾よりも前にでてはいけないというようなローカルルールも…ですし、何より場所取りが大変とのこと。何時から場所取りしたら良いのか、どこがベストポジションなのか、情報収集に苦労しました^^;

 

7月12日に京都入りし、きもの文化検定の祇園祭勉強会も含めてみっちりと事前勉強したことだし、やはりココは気合をいれて見学しようと、雨の中、朝7時から四条通の注連縄切りをみるベストポジションの最前列をキープしました(^_^)v
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場所取りの一番人気は、四条河原町の辻廻しをみるベストポジションだそうで、朝7時の地点では、四条通りは思ったほど人は多くありませんでした。8時過ぎぐらいからどっと人が押し寄せてきます。京都警察の見回りはプードルの警察犬。
巡行ルートの四条通りの信号機は90℃回転し歩道側にたたまれました。こういった作業をみているのも面白い。
 
注連縄切りの用意をする、長刀鉾の方々
四条麩屋町交差点に斎竹(いみたけ)が建てられ注連縄が張られます
注連縄は結界をつくります。これによって注連縄よりも八坂神社よりは神域となるのです。このころから雨足が強くなりました…(><;)

23基の山鉾は四条烏丸から朝9時から巡行を開始します

祇園祭前祭 山鉾巡行ルートはこちら

ベストポジションゆえに、目の前にはテレビ局の撮影隊がやってきた…(°Д°;≡°Д°;)

長刀鉾の皆さんが八坂神社に向かって柏手を打ち拝礼されると、いよいよはじまりです。

 

そして、奇跡が起きる…。

 

つづきます♪

 

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祇園祭(7月17日) 前祭 山鉾巡行 注連縄切り / 2016年祇園祭 その19

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祇園祭(7月17日) 前祭 山鉾巡行 四条通りの場所取りと巡行前 / 2016年祇園祭 その18 のつづき(^_^)/

 

祇園祭最大の見どころ♪

 

山鉾巡行です。不思議なことに長刀鉾がやってくるとほぼ同時に雨があがり空が明るくなりました(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)

長刀鉾は「くじ取らず」で、常に先頭と決まっています。

なぜなら、稚児人形ではなく生稚児が鉾に乗り「注連縄切り」という神域との結界の印である注連縄を切る儀式を果たすためです。お稚児さんを固唾を呑んで見守る…というか、シャッターチャンスを狙う人々。

 

祇園囃子の高らかな音色とともに、長刀鉾が注連縄の前へとやってきました。

雨でしたので鉾はビニールに覆われているかと思ったのですが、かけられていない!まるで雨があがることを知っていたかのようです。

一緒に観覧していた懸装品を納めている織物屋さんは「神事は潔い英断が晴れを招く」とおっしゃっていました!

 

お稚児さんは一度下がり、注連縄を切る台が鉾の欄干にセットされます

いよいよです。お稚児さんは任命されてからひと月の間、様々な神事に奉仕し、稽古を重ねているせいか、とても落ちついています。

 

つかわれる太刀は江戸時代末期、左行秀の作。刃渡り70cmの本物です。二人羽織のように後ろに介添えの方がついていらっしゃいました。

太刀を八坂神社に捧げもって一礼し、鯉口が切られ抜刀されました。おお、刀の取り扱いも作法に沿っています。

太刀持ちの禿さんが鞘を受けとります。

お稚児さんの装束は雲龍文様の金襴赤地に四季に二陪織物の表袴。二陪織物地の襷掛けをしています。

太刀を構え切っ先をみて左右へ振ります

中央で構えて…、

 

見事!一刀両断に注連縄が切られました!

結界が解き放たれた瞬間、沿道からは万雷の大拍手が贈られました。

 

注連縄切りは御旅所で行なわれていましたが、巡行ルートが変更になったときから、辻廻しより手前の四条麩屋町で行なわれるようになったのだそうです。

注連縄が切られたことを八坂神社の宮司さまが確認し、巡行がはじまります

大役を果たし余裕のお顔にみえました

見送りは川島セルコンによって新調された、若冲の「旭日鳳凰図」

懸装品はやはり巡行でみてこそ、これぞ動く美術館です♪

つづきます♪

 

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食べて元気に!「スマイルケア食」-政府広報: PR

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高齢者等の低栄養を改善。7つの分類を参考に、自分に合ったものを選びましょう!

祇園祭(7月17日) 前祭 山鉾巡行 くじ改め / 2016年祇園祭 その20

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祇園祭(7月17日) 前祭 山鉾巡行 注連縄切り / 2016年祇園祭 その19 のつづき(^_^)/

 

はじめての祇園祭だったのですが、一通り楽しみたい!と思い、早朝7時から「注連縄切り」を観るために場所取りした四条麩屋町の最前列を離れて「くじ改め」が行なわれる四条堺町へ移動。山桙巡行とは逆走することになります。鉾を追いかけて東へ向かう人が多い中、逆走は難しいかな…と思ったのですが、四条通りの北側に陣取っていたので難なくクリアいたしました。ちなみに南側だと無理かと。事前情報をくださった京都の方々に感謝いたしますm(_ _ )m

「くじ改め」とは、巡行の順番がくじ取り式で決まった通りかどうかを改める儀式です。四条堺町に関所をつくり、奉行役の京都市長が文箱に町行司が差し出す入ったくじ札を改めます。町行司は少年が務めることも。

大紋に烏帽子姿の門川京都市長

町行司役が文箱の結び紐を扇子で解いて蓋を開けてくじ札を差し出します。蓋をしめて扇子で紐をクルクルと戻すのも見事。

サササッと後ずさりして、扇子を大きく翳して運行を促します

 

そしてパフォーマンスがある鉾もあります。

四条傘鉾の棒振り踊り♪

室町時代から京都に広まった風流踊りで滋賀の滝樹神社に伝わるけとけと踊りを参考に1988年(昭和63年)から復元。

四条傘鉾は応仁の乱以前からあり洛中洛外図屏風図にも描かれています。しかし明治になって消滅、その後1985年(昭和60年)に復元されました。

 

「くじ改め」をずっと観ていたいような気もしたのですが、やはり巡行の見どころ「辻廻し」を観るために、四条新町へ向かいます。が…、ここで計算外のことが。。。四条烏丸の交差点、烏丸通りは交通整理され車も通れることだし、四条通りは歩行者は通れると思っていたのですが、なんと渡れない!

そんなこんなで、殿の船鉾が来てしまいました(T▽T;)

 

鉾の巡行ルート、最後の新町通りのベストポジションへ伺うことになっており、さてさて、ここが渡れないとなるとどういくか(@@;

ダメもとで、御池新町の辻廻しも観られるかも!? と、望みをかけて地下鉄で烏丸御池に移動することに。

 

つづきます

 

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夏結城にれえすの花の木賊にウサギの刺繍帯 / 「出雲織 一門展」at 青山イトノサキ

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今日は満月。月といえばウサギでしょう♪
古布コラージュのバッグもウサギ。
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夏結城にれえすの花の木賊にウサギの刺繍帯をコーディネート

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大井川葛布の紫鉱染の葛布
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墨色の長襦袢で透け感を抑えています
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三連休は展示会ラッシュ
横浜、青山、芝、浅草橋、日本橋、とまわれるかしらん…^^;
 
会期が明日までのものを先ず。
 
青戸柚美江さん門下の作品を一同にみることができる「出雲織 一門展」が青山イトノサキにて開催中(〜9月18日まで)
 
山陰地方は古くから和棉や養蚕が盛んな地域で自家用の絣が織られていました。青戸柚美江さんの出雲織は農民工芸の精華とも評されます。大地に根づいた力を感じる作品からは元気をいただける!と感じています。
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その門下の方々の作品には、出雲織の温かみと風合いが受け継がれ、さらにそれぞれの個性も豊か。
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木綿絣好きには幸せ度の高い展示会です♪
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「和•棉•更紗 〜 中野史朗 × 白井仁 二人展 〜」at 横浜山手 フレンチ懐石「此のみち」

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「和•棉•更紗 〜 中野史朗 × 白井仁 二人展 〜」へ ( 〜9月22日まで)

古更紗などでみられる、絣織と更紗を併用した染織。しかも素材は和棉。

 

江戸時代以降、最も馴染みが深い繊維となっている<木綿>ですが、今私たちの周りにある綿といわれる素材はほとんどが米綿といわれる長毛の繊維です。産業革命以降、量産化と効率化が求められ機械紡績が主流となったゆえに、それまで日本で栽培されていた短毛繊維である和棉(アジア棉)はつくられなくなってしまいました。

 

アジアでつくられる和棉は中に空洞があって空気を含むことから保温性があり、吸湿性と速乾性に優れた繊維。まさに高温多湿の日本の風土に適している素材。

 

しかし和棉は機械紡績がしにくいため、手で紡いで糸にするという工程が必要となります。ちなみに今、試験的に極わずかですが和棉の機械紡績糸もつくられています。

 

白井仁さんは、自分で和棉を育て糸を紡ぎ染め織りまでされている染織作家。そして機械紡績の和棉糸に撚りをかけて布にするという試みもされています。

 

和棉は素材としての絶滅危惧種ですが、更紗という技法もまさに絶滅危惧種。図案に対して何枚もの型紙を彫り色を重ねていきます。型紙に紗張りをしないので、さらに文様が抜けてしまわないようにつなげるところと消すところもあり、多色ではなくても十数枚の型紙をつかうことになります。

 

左が和棉染織家の白井仁さん、右が和更紗染めの中野史朗さん

白井仁さんとは「ぬぬぬパナパナのぬぬ」で知り合い、中野史朗さんとは中野さんが東麻布に工房を構えられたときにお伺いしました。

 

こちらは、装丁家の熊谷博人さんのコレクションの古渡りのシャム更紗裂地を復刻したもの。シャム更紗には、絣に更紗という技がつかわれていますが、二人の出会いによって、この復元が可能になりました。

元となった古渡り更紗は、インド綿でつくられていますが、これをみたその時代の日本人が復元したらどうなるかということも考えて、白井さんが自分で育てた和棉(在来大島種)を手紡ぎしインド茜で絣糸を染め織った生地に中野さんが11枚に彫り分けた型紙と5色の弁柄顔料をつかって染めたもの。

白井さんは元となった古渡り更紗の糸のヨミ数まで数えて精密に復刻。微妙な間違い!? までもそのままに復元したのだそう。いつもながら…「誰もわからないよ!」とツッコミをいれたくなる拘りなのですが、私はそういった拘りがあるつくり手が大好きです。

 

装丁家の熊谷博人さんとカメラ

古渡り更紗のコレクターでもいらっしゃいます。後ろの雨龍(角のない龍)文様の更紗地の裃もコレクションのひとつ。それを元に中野さんが伊勢型紙師の内田勲さんに型紙製作を依頼し染めて男性用の胴裏と八掛を染められました。中の文様がでるように3枚の型紙を彫り分けた地白だしです。

 

「クマさんに聞く和更紗」第4回

そもそも更紗の定義は曖昧であるというお話から、現代の和更紗について。

中野さんが新しい更紗をつくりたいと悩んでいたときに熊谷さんの本と出会い、そのコレクションにあった古渡り更紗を復元したいと思い、伊勢型紙師の内田勲さんに型紙を依頼して復刻したのだそう。

その詳細が載ったHPを熊谷さんが目にし、熊谷さんとしては「復刻するならいってくれよ〜」と思った(そしたら現物と同じこともできたのに写真からだと同じ柄でも大きさが変わってしまうから)とのことで、連絡をとったのだそうです。型紙を数十枚も彫って染めて…、こんなメンドクサイものを復元する人がいるとは思わなかったとのことで、そこからお二人の交流がはじまったとのこと。

「貴重な和更紗のコレクションをみると、どう彫られているのか、染められているのか、つい技術的なことをみてしまう」という、中野さんのお話も印象的でした。

弁柄顔料をつかって鹿の毛の丸刷毛で染められています。弁柄顔料からこんなに美しい色がでるのか〜と驚きました(ノ゚ο゚)ノ

 

眼がハートドキドキだったのが、こちらの帯

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白井仁さんの経糸和棉×緯糸大麻の白生地に、和棉の意匠の更紗染の帯。和棉の図案は後藤衣里さん、染めは中野史朗さん。
葛布に葛の花とか、しな布にシナノキとか、自然布の素材そのものを描いた帯が欲しいと前々から思っていたので、(芙蓉布に芙蓉の花は依頼中)、これはドストライクです(〃∇〃)
糸目摺りがある更紗というのも魅力。
 
会場は横浜山手にあるレストランナイフとフォーク
元町から港の見える丘公園をさらに住宅街へはいったところにひっそりとあります。
1日1組だけの完全予約制の贅沢な隠れ家です。
 
展示会ハシゴだったので素通りしてしまいましたが、途中は情緒ある異人館や横浜港がみえるスポットもあります。坂道はキビシイですが、横浜山手散策も楽しそうです♪

 

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きものサローネ at 日本橋 YUITO

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きものサローネへ♪ ( 〜9月19日まで)
きものは着るものでありファッションですので色々あっていいと思います。その中で自分にあうものをそれぞれが自由に探せればよろしいかと。日本橋は呉服屋が前身である百貨店もあることですし、きもの姿で歩くことが普通な街になると良いですね。
 
きものサローネ実行委員のあずまや呉服店の柴川義英さんと栗山紅型工房の西田さんと♪柴川さんが着ていらっしゃるのは栗山紅型工房が染めた木綿きもの。
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栗山紅型工房とあずまや呉服店のコラボ
手織木綿の栗山紅型。雨の日でも小紋が着たい!という日に良さそう。
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日本全国の産地から太物をチビット集めた太物チビット開催中

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和裁士の東郷和美さんによるお仕立て実演は終わっていた…^^;
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染めもの中野×Koruriのバッグに一目惚れ恋の矢

野鳥図鑑つくれそうだな…。

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バッグのデザイナーKoruriの松崎真樹さんと染めもの中野の中野スズミさんと♪
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【9月18日の装い】東京◇曇り時々雨(湿度79%) / 最低気温24℃ 最高気温27℃
型絵染の単衣にぬぬぬパナパナのぬぬの亀田恭子の絹×苧麻の交織帯をコーディネート
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きものサローネ2016 at 日本橋 YUITO / 体験と実演

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「きものサローネ」は、つくり手やネットショップ、メーカーや仕立て屋さん、80以上の着物関連のお店が出展しているイベントです。実演や体験コーナーもあります♪

 

●「武田染工」の墨流し体験

武田染工の武田和也さんとカメラ

墨流し用の糊と染助剤が入った水槽に墨流し用合成顔料を垂らしていきます

紫と青、そして白場をだすために白を使用

棒で混ぜていきます。先ずは上下に蛇腹に

左から右へと引いていくと矢羽根のようになります

半衿生地を水槽につけると…

あっという間に転写! これがスゴーい\(゜□゜)/

乾かしていただき、完成です。

墨流し体験中のお嬢ちゃま、体験中にお邪魔してごめんなさいね〜^^;

小さなお子さまから楽しめるので、こういったことから染織に興味が広がると良いですね♪

 

●「藤岡組紐」の高台での組紐実演

まるで楽器を奏でているようです。

伊賀に行かなくっちゃ!

 

●染み抜き•染色補正専門店「なをし屋」の衿の汚れ落とし

染色補正師の栗田裕史さんカメラ

きもの生活をしておりますので衿汚れぐらいは自分で落としてしまうのですが…、プロのシミ抜きの技は見てみたい。前日にご相談したらできる範囲で他の染抜きもやってくださるということだったので、イレギュラーで何のシミなのかわからないシミ付きの江戸小紋を持ちこみました(^_^;)

染抜きの溶剤をつけて

黒い毛(何の毛なのかお聞きしそびれました)のブラシをつかってチョコチョコっと

棕櫚のブラシをつかって水で暈すように

江戸小紋や柄が少ないものはシミが目立ちますし、染抜きの輪ジミも目立つので極力自分ではやりたくないのです。とても助かりました♪

イベントでの出張実演では道具や溶剤もないでしょうに、イレギュラーの持ち込みにも快く対応してくださりありがとうございましたm(_ _ )m

 

そして、この江戸小紋はサローネの会場の向かいにある日本橋三越へ持ち込んで、栃木産手績み大麻糸の家紋刺繍を依頼。おかげさまでスムーズにいった〜ヾ(@°▽°@)ノ

 

※「きものサローネ 2016」は、9月17日〜19日は、お買い物や実演、体験。10月28日〜30日は、産地の発表会、きものファッションショーとなっています。

 

つづきます。

 

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きものサローネ2016 at 日本橋 YUITO / お買い物

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2012年のきものサローネから、秋に開催されるこのイベントを楽しみにしておりますが、考えてみたら…、このイベントではあまり買ったことがない。それは、サローネの目的がきものを売ることよりも、知ってもらうこと、楽しんでもらうこと、親しんでもらうこと、をコンセプトにしているからだと推察します。

しかし、その場ではすぐに購入しなくても、こんなつくり手がいたんだ〜と、知って後から発注をかけたり、その後お付き合いがはじまったところはいくつもあり、しかもそうしたお付き合いはリピートしつづいています。今回お買い物&発注したのは4件…、だったと思う。。。チョコッと小物は買ったかな。

 

丹後の小林染工房の小林知久佐さんとカメラ

リアルでお会いしたのは、2014年のきものサローネです。それ以前に、きものカンタービレの読者の方が小林さんにブログをご紹介してくださっていたり、きもの勉強仲間がお友達だったりとご縁はありました。

 

柿渋には防染の効果がありますが、それを生かした柿渋織。小林知久佐さんは引染め職人ですが、丹後で青い渋柿を採って潰して染料としての柿渋をつくるところからされています。柿渋の染料をつくって3年寝かせて絹糸を何度もくぐらせ染めあげ、それを柴田織物に縫取り縮緬の着尺として織ってもらってから、さらに引き染めをしているという、織物なんだけれども染めものでもある「丹後柿渋織」。生地のフワフワ感から「小林ロール」ともいわれています。

 

引き染めをすると柿渋の防染効果で柿渋の糸で織られている部分が浮き上がります。七宝に浮き上がる南十字星みたい♪ っと、勝手に「南十字星」と名づけました。

丹後ブルーのガラスの帯留をつくっている作家は、ピンワークの達人でもあり着付けていただきました。

紫にするか、焦茶にするか…。アンケートでは焦茶が良いという意見が多かった。

 

でも、こちらの薄物コート地にも魅かれ…。

纏うには丹後ブルーの鮮やかさが難しいかな…と思い、

夏帯に染めていただくことにしました♪ しかもある願望が実現しそう(≧∇≦)夏帯の生地を探さなくっちゃ〜。

 

小林さんにはきものサローネでの出会いの後、丹後で帯あげのしけ引き体験をさせていただいたり、お世話になっております。

きもの勉強仲間14人の大所帯でおしかけることになって柱を増設させてしまったという^^;

 

2012年のきものサローネで出会ってからのおつきあい、染めもの中野の中野スズミさん。左はバッグのデザイナーKoruriの松崎真樹さん。

こちらのヤンバルクイナの帯の作者です。

今回はこちらのバッグを♪

一緒のブースでだしていらした「アトリエみつき」のコーデの達磨の染め帯も中野さんの作品。私は帯留はしないのですけど、富士山の帯留も達磨の根付も可愛いドキドキ

 

その場で購入してもしなくても、こういった素敵な出会いもあるのです♪

 

「今日だったら安くします!」のような、きものユーザーを追い詰めるような売り方をするのはどうにも好きになれない私。出会ってからじっくりお付き合いできるような関係が、きもの生活の日々の喜びとなっています。

 

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第63回 日本伝統工芸展 at 日本橋三越

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「第63回日本伝統工芸展」 日本橋三越にてはじまりました。(~10月3日まで)

 

伝統工芸の保存と後継者の育成を目的として日本工芸会が毎年開催。染織、陶芸、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門の国内最大規模の公募展です。重要無形文化財保持者の作品をはじめ、一流の目で選定された素晴らしい入選作約600点あまりをガラス越しでなく肉眼で間近にみることができます。

 

染織部門が本館と新館の両方にわかれて展示されているので要注意!
出品作品一覧の案内図をもらってみたほうがわかりやすいです。

 

初日の今日は授賞式があり、今年から日本工芸会総裁に就任された秋篠宮眞子内親王殿下がいらっしゃっていました。

 

左から、「木版摺更紗」重要無形文化財保持者 鈴田滋人先生、「紋紗」重要無形文化財保持者 土屋順紀先生、文部科学大臣賞を受賞された海老ヶ瀬順子先生とカメラ

文部科学大臣賞 ◇ 穀織着物「海に聞く」海老ヶ瀬順子

穀織(こめおり)は紗の技法から生まれたもの。2本1組の経糸を対として絡み合わせ、透し文様を織りだしています。穀織の名称は籠目(こめ)からとも、米粒を並べたように見えるからともいわれています。

練糸と生絹の糸をつかい絣織も併用された技の結集ですが、臭木と藍で染められた柔らかさと、織りの技による動きが、軽やかな躍動感をだしています。

 

木版摺更紗着物「舞花」 鈴田滋人

木版摺更紗は木版摺りと型紙捺染を併用する独特の染色方法で染められる和更紗のひとつ。江戸時代の鍋島更紗を起源としています。

 

紋紗着物「晃」 土屋順紀

植物染めを生かして独自の絣を融合させた紋紗。

平織と捩り織が交互に入った紋紗という複雑な織りを、グラデーションが美しい絣で織りあげています。

 

琉球紅型作家の城間栄順先生とカメラ

琉球紅型染着物「彩海」 城間栄順

紅型らしい紅型で沖縄の海が表現されています。躍動感ある波と可愛らしい魚と蟹

 

小倉織の築城則子先生とカメラ

極細の木綿糸で織られる小倉織。経糸は2200〜2400本、緯糸はほとんどみえません。極細の経糸でつくられる縞の美しさです。

 

久留米絣着物「光韻」松枝哲哉先生

久留米絣の伝統的な技法とともに透明な空気感がある現代的な藍絣です

 

絣着物「御杣山(みそやま)」 小林敬子先生

伊勢神宮の式年遷宮のための檜林を括りと摺り込みの絣で表現。真綿から紡がれた糸が味わいをだしています。

 

花絽織着物「花競べ」 磯緋佐子先生

花織と捩り織を組み合わせた織りは首里の花倉織でみられますが、首里以外の他地域で織られる場合は花絽織と称されます。浮き織りと絽が透明感があり上品。

 

きものは価格や用途にあわせた様々なものがあるべきだと思います。だからこそ伝統を継承し向上していくためには、きものエンドユーザーも含めて今の至高を知るということが必要なのです。

上質な素材をつかい高度な技を用いて、さらに作家の個性があり、力がある染織。顧客のみの展示会などではみることができますが、ずらっと一堂に並んでいて誰でも好きなだけ自由にみることができるのはここだけかと思います。

 

「きものカンタービレ♪」は、撮影と掲載の許可を日本工芸会と各先生方よりいただいております。

 

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