山種美術館にて開催中( ~6月21日まで)
「松園と華麗なる女流画家たち ~上村松園 生誕140周年記念 ~」
「青い日記帳 × 山種美術館 ブロガー内覧会」
撮影と掲載は許可をいただいているものです。
この内覧会の良いところは、カリスマ美術ブロガーのtakさんから、見どころのポイントの
お話があること、そして山種美術館の山﨑妙子館長による、たっぷりギャラリートークです♪
松園の画から抜け出てきたようなお美しい妙子館長。
この日の装いの青色地の訪問着は松園を意識して選ばれたのだそう。流石でございます!
山種美術館は松園の作品を18点所蔵しています。
妙子館長の祖父である山種美術館創始者の山﨑種二氏は、松園が上京する
たびに宿の手配をはじめさまざまな面倒をみていらっしゃったそうで、
そのご縁は親子三代に渡ってつづいているのだそう。
何度も松園の作品をみていますが、改めて思ったのは、松園の描く女性はしぐさや視線に
艶っぽさ(つやっぽさ)があるものの、艶かしさ(なまめかしさ)はない。
異性への媚びへつらいがないのは女性が女性を描いているからかもしれません。
上村松園「新蛍」 (部分)◇山種美術館蔵
浴衣姿で蚊帳を釣るという構図は歌麿の浮世絵にもあるものというお話がありました。
松園は鏑木清方との対談で「姉さま遊びをしていた」と語っていますが、
きものだけでなく、半衿や襦袢、そして髪型など細部にわたって事細かに描いています。
松園の祖父が呉服の千切屋の番頭をつとめていたという環境もあって、殊の外に
衣裳への思い入れも強かったのではないかなと思います。
というわけで、今回は松園の描く女性の半衿にクローズアップ!
白衿には後から胡粉で文様が描かれています。
上村松園「杜鵑を聴く」(部分)◇山種美術館蔵
上村松園「詠哥」(部分)◇山種美術館蔵
上村松園「つれづれ」(部分)◇山種美術館蔵
上村松園「庭の雪」(部分)◇山種美術館蔵
上村松園「砧」(部分)◇山種美術館蔵
上村松園「春芳」(部分)◇山種美術館蔵
ぜひ、館内で全体像を探してみてくださいませ~♪
そして松園の作品が好きな理由のひとつは、その表装のセンスの良さ。
図録などには表装までは載らないので、これは美術展で見ることに価値があります。
松園の作品は、表具屋の岡墨光堂が近くだったこともあり松園の指示によって
表具がつくられています。
上村松園「詠哥」◇山種美術館蔵
上村松園「夏美人」 ◇山種美術館蔵
幾度も書いていることですが、表装はきもののコーディネートととても似ています。
面積の狭い裂によって作品を良くも悪くもみせるのです。
本紙(作品そのもの)=きものでいったら着ている人
天地(縦長の上下にある裂)=きもの
中廻し(中縁)=帯
風帯(天から下がる2本の裂)=帯あげ
一文字(本紙の上下についた細長い裂)=帯〆
上村松園「春芳」◇山種美術館蔵
きもののコーディネートでも、狭い面積の帯〆が印象を左右しますが、表装も同じです。
山種美術館のカフェ椿でいただける青山菊家がつくる展覧会にちなんだ上生菓子。
今回はこちらにちなんで。
上村松園「蛍」◇山種美術館蔵
御簾の上に蛍がいるのが気に入りました~♪
他にも見どころある女流作家の作品があるのですが、レポが長くなりすぎましたので、
ひとまずこれにて(^-^)/
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松園と華麗なる女性画家たち 〜上村松園 生誕140周年記念 〜 内覧会 at 山種美術館
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