日本の伝統的衣裳である「きもの」と竹をつかって空間を演出する「竹明かり」
を融合した「和」× 「Art」 がコンセプトのイベント。
会場となったのは、きもの振興会やきものサローネなどのイベントでつかわれる
日本橋三井ホール。
私はきものは着てこそのものだと思っています。
日常的なファッションとしてのきものはとくに、反物でかかっている状態よりも、
小物までコーディネートされた着姿でみせるというのは、とても良い試み
ボディへの着付けの印象は着付け師の技が多分に影響を与えますが、
今回は着付け師の方がパネルに表記されていたのも良かったです。
サローネの100体コーディネートからはじまったこのイベント。
2020年の東京オリンピックへ向けて、世界中の人がここへ着たら、きものを見ることができる!
という企画を下地とした壮大なコンセプトがあるのだそう。
会場をご案内くださった企画プロデューサーの中野光太郎さんと
中野さんの熱意と企画力は素晴らしい!
残念だったのは、会場のラインティングとBGM。
好みの問題もあるので、ひとくくりには申しあげられませんが、きものの素材感を消し去って
しまうようなラインティングとスピーカーから流れる大音量の映画のサントラBGMは
私はストレスが溜ります…(-。-;)
誉田屋源兵衛の復刻きものコレクションは真っ暗でほとんど見えず…。
キャプションはよくわかりませんでしたが誉田屋さんのセンスは好きなので注目しています。
色焼け防止のためにあえて暗くしているのだそうですが、暗すぎましたー。
世界196カ国をテーマとした「きもの」と「帯」を創造するイマジンワールドプロジェクト。
きもの100万、帯50万で制作を発注しているのだそう。
この価格で買い求めることは無理ですが、同制作費で各メーカーに発注されているという
観点でみると、いろんな面での技量を推し量ることができる気がします。
これは、面白い!!!
今後が楽しみな企画です。
ここで、木原明先生の遺作となったきものを見ることができました。
友禅と絞り染、この二つの技法を併用し、さらに臈纈染の滲みが生かされた作品。
ツバルという国はオセアニアにある海と空が美しい島国だそうです。
帯はツバルの硬貨を意匠とした服部織物の手織本金プラチナ引箔錦。
「ブラタク」といわれるブラジル産の絹をつかって制作された千總のきもの。
ブラジルの底抜けの明るさを南国の花と鳥で表現、さらにメッセージがローマ字で描かれています。
帯はブラジリア大聖堂を意匠とした龍村美術織物の引箔錦。
しかし、これらも色焼け防止とのことで、薄暗い中での展示でした。
今ではLED照明をつかうなど、色焼けしない照明もありますので、着ることでなく技を見せることを
目的とされるなら、ぜひ美術館で展示していただきたい、と思います。
きものを日常的なファッションとして見るのか、芸術として捉えるのか、
二頭追うものは一頭も獲ずという言葉がありますが、相乗効果とするイベントは本当に難しいですね。
きものサローネなどで特に感じることなのですが、業界の極一部の内輪での盛り上がりや
自己満足でなく、広くきもの好きの方に目を向けて欲しいと心から願っています。
藤工房の加藤さん、草履と帯〆の一脇さん、きもの愛好家の方と飲み
厚岸の牡蠣、美味しかったです~♪
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「わーと日本橋」at COREDO室町1 日本橋三井ホール
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