「国際貝紫染研究会逸品展」が日本橋三越にて開催中(~3月3日まで)
米沢の野の花染工房の諏訪好風先生と
諏訪先生は様々な染織を意欲的にされていらっしゃいます。貝紫染もそのひとつ。
私の装いは、諏訪先生が若かりし頃に染められた茜染。里帰り~♪
貝紫は古くは紀元前1600年前のフェニキアで染められたものがあり、貝紫で染めた布は
金と同等の価値があったといいます。
マケドニアのアレキサンダー大王は貝紫を自分だけの色の禁色とし、古代ローマの英雄カエサル
やエジプトの女王クレオパトラも好んだ貝紫染めは特権階級の貴人の色とされました。
日本では吉野ヶ里遺跡から大量のアカニシ貝のパープル腺をとった後と思われる貝殻が発掘
されたことにより、縄文時代後期から貝紫染めがあったのではと推測されます。
染料としてつかわれるのはアカニシ貝やイボニシ貝などの螺貝(ツブ貝)。食用にもなります。
しかしパープル腺にはテトラミンという毒があり、産卵のころはとくに毒性が強く、
藤沢周平の武士の一分の主人公が毒味をして盲目になった要因ともなっています。
貝紫染は貝からパープル腺の分泌液を取り出して布につけ太陽光で発色させる直接法と、
貝から取り出したパープル腺の分泌液を還元させ布に染み込ませ空気で酸化し発色させる
還元法があります。還元法は藍染めの原理と同じ。
藍の化学式と貝紫の化学式は臭素(Br)があるかないかの違いだけです。
貝紫染は紫根染と比べるとかなり赤みが強い紫色です。
王家の色はロイヤルパープルといわれましが、乱獲によって染料となる貝が激減したことにより、
後にロイヤルブルーとなりました。
多くの権力者が禁色とし一般人の使用を禁止したほど愛した貝紫色は力が宿るといわれますが、
見ているだけでも元気になれそうな気がします♪
※「綾の手紬染織工房」の資料を参考にさせていただきました。
秋山真和先生の「綾の手紬作品展~自然の色を映しだす、染織の妙~」も同時開催中です。
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「国際貝紫染研究会逸品展」at 日本橋三越
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