音楽も美術も美しさと癒しを求めているほうなので、社会問題、風刺、引用など、メッセージ性の
高い、鑑賞する側に何かを問いかけるような作品群を自発的にみにいくことはあまりないのですが、
ふっとしたことで引寄せられて魅きつけられてしまうことがあります。
福田美蘭の作品は鑑賞の仕方も、みる側に問いかけてきました!
福田美蘭さんのことは本展覧会について調べてから、はじめて知りました。
でもお父様の福田繁雄氏のことは存じあげておりました。
あるアーティストのジャケットデザインを手がけられていた時にご縁があったのです。
奇遇というか何というか…。縁を感じました。
この会場を圧倒する作品群 4部構成になっています。
●第1部 日本への眼差し ~美術•文化•伝統への接近●
黒田清輝《湖畔》の湖が湖らしく広がっている(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)
●第2部 現実への眼差し ~国内外の出来事を視覚化する●
人の話を聞こうとしないブッシュが耳を傾けるとしたら、もはやキリストしかいない
のではないか、という私の考えを絵画にしたもの ー福田美蘭展 図録解説よりー
その姿を描き切ることが躊躇されるほど、目に見える現実がこれほど強烈に目に見えない
シンボリックなものを包括している例は稀である。 ー福田美蘭展 図録解説よりー
どれもズシンとくるものがありました。
●第3部 西洋への眼差し ~名画を素材として●
リプトンの紅茶のティーパックとクリネックステッシュが取り出せます。
額に入った絵画はフラットな壁に掛けるものという固定観念をぶち破った絵画。
2000年に豊田市美術館で開催された展覧会では、この絵を踏まないと展示室の中に
入れないようにし、絵の上を歩くという体験そのものが作品となっている絵。
まるで現代の踏み絵のよう…、
絵の上を歩くという貴重な体験させていただきましたσ(^_^;)
二つ折りになった状態で壁にかけれていて、見たい人は自発的に開いてくださいという作品
もちろん、気になるので開きますヽ(゚◇゚ )ノ
フェルメール《真珠の耳飾りの少女》の公開の新聞記事から。
当然ながら報道写真の中のフェルメールの絵は本物。
この作品はカラーコピーした記事に原寸大の複製画をはめこんだもの。
↑さらにマングースがそれを鑑賞
展覧会になぜか「冷蔵庫」が(=◇=;) じつは壁と同化していて素通りしてました
冷蔵庫のドアをあけると風景がが描かれていて鑑賞できるという作品。
どこでもドアみたい。。。
レンブラントの有名な「レンブラント ーパレットを持つ自画像」の背景にある二つの大きな弧。
地球儀と天体儀とか色んな説がありますが、じつはドラえもんの手だった!という…
●第4部 今日を生きる眼差し ~最新作の状況●
ポスターにもなっている「アカンサス」は側面にも注目
このソファーも作品です。よくみると「眠れる森の美女•オーロラ姫」
ごめんなさい!危うく座ってしまいそうになりました(・_・;)
バルコニーに人がいますが、「バルコニーに立つ前川國男」というこれも作品。
前川國男氏は、この東京都美術館の設計者なのだそう。
リニューアルした美術館の空間と作品群を彼が見ているという驚きの設定\(゜□゜)/
今を生きる私たちに底知れない悲しみと衝撃を与えた東日本大震災を題材にしたもの
が印象に残りました。
狩野芳崖《悲母観音》(きもの好きには川島織物が綴織で織ったものが有名)を題材と
した「秋ー悲母観音」は、津波により押し流される家や船の中から、観音さまが子供を
抱きかかえているようです。
この内覧会では、東京都美術館学芸員の河合晴生氏によるギャラリートークがあり。
吹き抜けの展示スペースの壁は剥き出しで、そのまま作品がかけられている状態ですが、
あえてそれを生かし、壁の重厚さに負けない作品を展示したとのこと。
建物と一体化している…、というか凌駕していました(+_+)
ご紹介しきれませんが、とても見応えある展覧会です
アナタにとっても思いもよらぬ出会いとなるかもしれません。
東京都美術館リニューアル後、第1回目の個展なのだそう。
図録とルーペを頂きました。ありがとうございます!
※会場内の撮影及び「きものカンタービレ♪」への掲載の許可をいただいております。
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『福田美蘭 展』内覧会 at 東京都美術館
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