ゆかたの語源は湯帷子からきているように、元は沐浴の際に着ていた麻の帷子のこと。
江戸時代になると国産綿花栽培が最盛期を迎え、さらに庶民の湯屋の定着によって、
木綿でできたゆかたは、湯上がりのくつろぎ着や寝間着となっていきました。
祭礼では踊りの衣裳となります。
洋装化された現代のように、きものを着ることが特別なことで非日常となると、ゆかたを
着ることも非日常となり、ゆかたは湯上がりや寝間着として着るものではなくて、ワンピース
感覚のオシャレ着のようなものになりつつあります。
これは服飾様式の表衣脱皮と形式昇格のようなものかもしれません
何であれ着る人が増えてくれれば良いのですけどσ(^_^;)
今日のきもの原型は小袖にありますが、小袖は支配階級の大袖形式の装束に対して、
袖口を縫い詰めていることから小袖といわれたもので、下着とされていました。
それが、実質的に表着として着るものとなっていき、現代のきものへとなっていきます。
きものの変遷を手繰ってみると、きものを着ること事態が特別なことのようになってしまったら、
もとは寝間着のゆかたがお出掛け着に昇格するというのは、ありうることかもしれません。
ワイシャツも元は下着。ヨーロッパのレストランでは今でもジャケットなしでの入店不可の
ドレスコードがあります。表衣脱皮で表着として着られるようになったけど、元は下着と
して考えれば、ジャケット着用が求められる意味もわかりやすいものです。
ゆかたも同じようなものではないでしょうか。
ゆかたをきものとして着ることはどうか?
ということに関していえば、時と場所そしてゆかたの文様によってはありだと思っています。
ゆかた色々。長板中形、注染の綿コーマ、絹紅梅、綿紅梅、有松絞りの綿絽
←ご参照ください。
個人的には伝統的なゆかたは、ゆかたとして着たほうが素敵だと思っていますが、新素材の
セオαのプリントもののゆかたなどは、洗える夏きものとして定着していくのかもしれません。
私も合理的な新素材はぜひ試してみたいです。そして良いものは取り入れたいと思っています。
伝統的な有松の雪花絞りの綿紅梅のゆかたですが、単衣のきものがわりとして着ています。
雪花絞りは昔、関西地域では襁褓としてつかわれていたそうで、そちらを連想される方も
多いとお聞きしますが、その文化を知らなかった私には、夏に雪の結晶のようなこの絞りの
文様は素敵と思って魅かれます~(〃∇〃)
伝統的なゆかた文様の長板中形は、ゆかたとして着るほうが好みです
現代においてきものは特別なものとされつつありますが、それでもきもの愛好家はたくさん
います。夏になればゆかたを着る人もたくさんいますし、何より日本人に似合う衣裳です。
その魅力は何なのか。真の伝統はどのように受け継がれているのか。
これからの、きものの着こなしを考える上でも、多面的に学びたいと思います。
日本の伝統であるきもの文化の核心を学ぶ【染織文化講座】
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ゆかたをきものとして着る。表衣脱皮と形式昇格の原則 / 第1回染織文化講座 講座記録を寄稿
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