根津美術館のお庭の紅葉が色づいていました
「誰が袖図 ~描かれたきもの~」が開催中 (~12月23日まで)
「誰が袖(たがそで)」とは、「誰の袖?」という粋狂な名がつけられた絵画意匠です。
衣桁に小袖が掛けられ基本的に人物はいません。
その掛けられた装束や道具から人物を読み取るという教養の世界。
「色よりも 香こそあはれと思ほゆれ 誰が袖ふれし 宿の梅ぞも」
花の色よりも香りに魅かれてしまう。これは誰の袖が触れたからこの庭の梅は香るのか。
プルーストのマドレーヌのようですが…、何かから呼び覚まされるものは印象強いものです。
「誰が袖図」は江戸時代初期に流行したとされています。
平安時代には御簾から襲の色目をのぞかせ彩ってみせる出衣(いだしぎぬ)の文化もある
日本では、想像から教養を巡らせ楽しむを好むという流れなのかもしれません。
丸山伸彦先生の講演会では、誰が袖屏風図に描かれている小袖の技法を検証。
17世紀の日本では、新しいことに価値をおくという、流行の概念が生まれます。
上流階級でなく不特定多数でのモードの流れというのは世界的に見ても日本のみ。
誰が袖図は装束抄などと照らし合わせると必ずしも現実に即しているわけでなく、
江戸時代の富裕層の桃山時代への憧れの描写などがみられるとのこと。
絵画から服飾史を紐解いていくのは面白いですね♪
【11月22日の装い】東京◇晴れ(湿度47%) / 最低気温11℃ 最高気温18℃
紅葉の頃に紅葉のきものは宜しくないと思われる方もいらっしゃるでしょうが、
ハロウィンが終わったらクリスマスというような商業的な流れが好みでないので、
私はゆっくりと季節を楽しみたいと思います。
紫色地の紅葉の小紋に墨色地の誰が袖図の染め帯をコーディネート
エ霞を背景に御簾越しに香をたきしめている小袖が描かれた誰が袖図。
帯あげは染めもの中野、帯〆は龍工房
羽織を着ている写真は撮り忘れ…。あっという間に暗くなってしまうのですもの。
根津美術館のプレートには燕子花の意匠がありました!
都心の紅葉狩りも良いものです
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「誰が袖図 〜描かれたきもの〜 」展 at 根津美術館 / 紅葉の小紋に誰が袖の染め帯
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