新田 米沢織 きもの文化検定工房見学会 その2 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その9 のつづき
庄内地方から帰ってきたばかりでございますが、9月末の米沢の旅のレポートです。
米沢2日目はきもの文化検定の工房見学会。
新田の次に向かったのは、野乃花染工房です。
前日にも「米琉」のお話をお聞きする為に伺いました。こちら
古代米琉 諏訪好風先生のお話 at 野乃花染工房 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その2
2日間にお聞きしたお話を時系列は無視でまとめますφ(.. )
創業は1858年(安政5年)。現在の諏訪好風先生は5代目。
置賜紬伝統織物共同組合の理事長でもあり山形紅花染織同人協会の代表でいらっしゃいます。
置賜地方の草木を生かした天然染料による草木染めと天然灰汁発酵立てによる正藍染めを
主として、織は絣からしな織まで多岐にわたっています。
この日ご案内くださったのは、諏訪豪一先生。諏訪好風6代目です。
●糸づくり
染め上がりの糸の長さと太さを均一にするための糸繰り
こちらは整経台。並べられた糸枠から引き上げられて目はじきを通っていきます。
目はじきは糸を痛めないようもの
目板を通し櫛状の畦筬を通って
巻き取られます。こちらは前日の諏訪好風先生。
●絣糸づくり
この絣台をつかってつくられます。
●織り
絵絣を織っていた織機が特殊なものでした。
上の囲いがなく長い。
踏み木を足で踏むとシャトルの杼が飛びます。なので両手で絣あわせが可能。
諏訪先生は古代米琉の復元のために織機の研究もされ開発されたのだそうでうす。
素敵な絵絣が織られていました!
こちらの高機は紐を引くとシャトルの杼が飛ぶ仕組み
●天然灰汁発酵立てによる正藍染め
徳島の藍師の新居修さんのところから届いた蒅(すくも)
この日はシャツを染めていらっしゃいました。
次の日に見た染め上がりの状態
泡のようなものが藍の花。古いものは端に寄せていきます。
元気がなくなると地酒を投入します。ちなみに若い藍には酒は飲ませないとのこと。
ハンカチを絞りで染めて見せてくださいました。
酸化して色がサッと変わっていくのが何とも不思議ですね。
藍甕は深さが1mぐらいあり、豪一先生は子どもの頃、悪いことをするとお仕置きに藍甕に
入れると脅されたそうです…(^o^;)
●草木染め
インド藍
栗
●証紙
置賜紬伝統協同組合は、もともと米沢、長井、白鷹で各々組合があったのが
規模が縮小され置賜紬として統合されたのだそう。
伝産品として指定されている置賜紬はすべて草木染めです。
産地は米沢、長井、白鷹のどこか。織機は手織り、足踏み織機、高機、いざり機のどれか。
絣は括り、捺染のどちらか。
すべて○印がつけられることによって、わかりやすいスペック表示となっています。
山形紅花染織同人協会の紅花染めの証紙も紅花と天然染料、化学染料の比率が記入。
前々からブランド証紙でなく、スペック表示にして欲しいと思っていたので、
これは消費者側にもわかりやすくて、好印象でした
毘沙門亀甲の茜染は諏訪好風先生の作品。
「茹で上がった海老」といわれますが…、お気に入りです(〃∇〃)
野乃花染工房番外編、そして蔵王へと向かいます(^-^)/
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野乃花染工房 きもの文化検定工房見学会 その3 / 2014年秋 米沢染織巡りの旅 その10
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