ハロウィンが過ぎると街はすっかりクリスマスムードですが、紅葉狩りはこれからです
しかし、今年は冬の訪れが早そうですね…。
衣紋道高倉流の「重陽香」
古代中国では菊は仙境に咲く邪気を祓い延命長寿の効能がある花とされています。
能の枕慈童(私がかつて習っていた宝生流ではこういいますが、観世流では菊慈童)
という演目にもなっているお話なのですが、ザックリとご説明すると…、
魏の文帝の頃、勅使が酈縣山の麓から涌く霊水の源を探しに行くと菊の花が咲く山の庵で
少年と出会います。その少年は周の穆王に仕えていたというのです。
周というのは遥か昔の国(紀元前11世紀~紀元前256年?※諸説あり)の700年も昔の国のことで
いぶかしむと、少年は周の穆王に仕えていたが、王の枕をまたいでしまったことから、罰として
この山に配流されたとのこと。でも少年に悪意のないことを知って憐れんだ王が、その枕に法華経
の二句の妙文を書きそえて少年に与えました。その文字を菊の葉の上に写して書くと葉の露が
霊薬となって少年は700年も不老長寿のままだったというお話からきています。
菊に流水の唐織の能装束に枕慈童の能面が飾られていました。
菊は奈良時代末期に唐から伝来し、当初は薬草として使われ後に観賞用になります。
平安時代に極限られた人々によって栽培されますが、一般に普及したのは江戸時代に
なってからといわれています。
平安時代には陰暦9月は菊月とよばれ、9月9日は9が重なることから重陽の節句とされ
宮中では、菊の花を浮かべたお酒を飲む菊花の宴、菊花の杯で邪気を祓いました。
1878年(明治11年)より宮中では「観菊会」が行なわれ、現在は秋の園遊会となっています。
「山人の折る袖にほふ菊の露うちはらふにも千代は経ぬべし」(新古今和歌集より)
藤原俊成(定家の父)が後鳥羽天皇の妃の入内に詠んだ歌にちなんでのお香席です。
高倉流のこちらの会のお香席は、はじめての方でも楽しめる席ですが、仙石先生が出香
される香木は名香ばかりなのです。
試香「仙人(やまびと)」1包、「袖」1包 / 無試「菊」無し
完全正解でございましたので、本香の「菊」をいただきました♪
高倉流宗会頭の仙石宗久先生と
【11月13日の装い】東京◇晴れ(湿度34%)/ 最低気温11℃ 最高気温21℃
臙脂地に菊と牡丹の総柄小紋に松と菊に鴛鴦の綴帯をコーディネート
帯あげ、帯〆ともに龍工房
通常のお茶会などでは室礼とかぶる文様はさけます。
今回はあえて、菊×菊で装ってみました。
山帰来に小鳥の古布デコパージュのバッグは松枝忍、草履は神田胡蝶
このあとは、早稲田大学の一般聴講「かわいいだけじゃダメですか?」←別記事でレポします
そして、きものサローネは最終日でした~。都内をグルッと。
第61回日本伝統工芸展で日本工芸会奨励賞を受賞された水橋さおりさんと
丸山伸彦先生が、江戸時代の遊びの要素を彷彿させると絶賛していらした
尽くし文様であり見立てにも見える、羊文様の帯をされていました!
石垣市織物事業協同組合の皆さま
何と、今日からの旅もご一緒です~♪
そうなのです。これから旅にでます。やっぱり米沢レポートが追いつかなかった!
現地からはfacebookページと「なう」でリアルタイム報告します。
いってきます(^-^)/
「きものカンタービレ♪」のFacebookページ
↧
重陽香 at 衣紋道高倉流たかくら会 東京道場
↧