毎回、卓越したセンスの展示会が開催されるシルクラブ。
その基である中野山田屋さんの創立120周年を記念して、
「代々流れるもの/女護島より~黄八丈山下家母娘三代特別展」が開催中です(~10月9日まで)
山下誉先生による「八丈島 カッペタと地機について」のレクチャーの開催予定だった
10月6日は台風18号が関東を直撃
これは行けないかな…と断念しかけたところ、午後からは洗い流されたかのように
スカッと晴れたので、喜び勇んででかけました。青空がきれい~♪
が…、八丈島からの飛行機が欠航となり山下誉先生がいらっしゃれないという事態に
黄八丈のおさらいφ(.. )
江戸の町娘が着ていた、黒半衿をつけた黄色い格子柄のきもののイメージが強い黄八丈ですが、
八丈島で織られている絹織物の総称のこと。経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。
八丈島に自生する植物だけを用いて糸を染め、織りあげられます。
柄は格子柄と縞柄がほとんどですが、八丈絹といわれる無地や染め分けもあります。
その歴史は古く、鎌倉幕府の執権北条氏に「黄紬」の名で献上された記録が残っています。
江戸幕府には「八丈絹」の名で献上され、大奥の女性たちのきものにも用いられました。
江戸後期には「恋娘昔八丈」という浄瑠璃の衣裳に使われたことから大流行します。
その頃は「八丈縞」といわれており、「黄八丈」の名がついたのは江戸末期のことです。
紬糸をつかって織られるものはわずかで、ほとんどが生糸を用いての織りです。
染料は以下の通り。
黄八丈の黄色は八丈刈安(コブナグサ)を乾燥させたものを煮詰めたフシといわれる煎汁
蔦八丈の樺色はマダミ(タブの木)の生皮を煮詰めたフシといわれる煎汁
黒八丈の黒色は椎(スダジイ)の樹皮を乾燥させたものを煮詰めたフシといわれる煎汁
このフシといわれる煎汁で染めることを煎汁づけ(フシヅケ)、
灰汁で媒染することは灰汁づけ、泥で媒染することは泥づけといます。
黄八丈の現在の主流は綾織(斜文織)のもの。
綾織は、経糸が緯糸2本を渡り、緯糸1本の下を通り、緯糸2本を渡る。
糸の交差点が斜めの線になることから斜文織ともいわれます。
「まるまなこ」
市松
着装すると自然な動きによって陰影が動き何とも美しい光を放つのです。
山下めゆ、八百子、芙美子先生と三代に伝わる黄八丈も展示されていました。
植物染料ならではの色の移り変わりも上品!
cafe LULUさんにて京都オオヤコーヒーの焙煎ドリップコーヒーとデザートを
紅玉と和栗のパフェ。とっても美味でした~(〃∇〃)
そして、7日に山下誉先生がいらっしゃるとお聞きし、夕方再びシルクラブへ。
カッペタ織のことでどうしてもお聞きしたいことがあったのです。
原始機の流れを組むといわれる、カッペタ織は日本最古の織物ともいわれています。
北海道のアッツシ織と似た柱と腰に経糸をしかけて織るというもの。
カッペタとは、叩くという意味がある緯糸を叩き込む大きなヘラのことです。
カッペタ織につかわれている綜絖は片面6枚、裏面6枚。
綜絖が経糸の上下にある二重織りです。
経糸が上下に4本あるよつざしといわれる状態とおっしゃっていました。
表面と裏面が色が反対にでるようになる風通織のような状態になっています。
反端を見ると袋状。
織るのは大変な手間がかかるのですが需要がないため、生産活動は無いに等しいのだそう。
で、私がカッペタだと思っていたこちらの帯。
黄八丈の帯に間違いはないが、正式にはカッペタではないとのこと。
表面と裏面が色が反対にでるようになる風通織なのですが、二重織りになっていないのです。
カッペタだと教わって譲っていただいたのですが…(^_^;) 、一番正確なところは
やはり生産者の方に確認するしかないということでしょう。勉強になりました
山下誉先生と
お忙しいところをお待ちくださいました。感謝申し上げます。ありがとうございました。
八丈島、伺います
そして今、シルクラブではこの会を記念して、国画会と日本工芸会の作家さんの
秀逸な作品群が集められ、見ることができます。
大田和さんにおススメの作家さんを教えていただき、またまたウットリ~(〃∇〃)♪
ああ、会期中にもう一度伺いたい…。
「きものカンタービレ♪」のFacebookページ
↧
「代々流れるもの / 女護島より〜黄八丈山下家母娘三代特別展〜」 at シルクラブ
↧