富岡製糸場 ~繰糸場と生糸づくり~/ 染織文化講座 富岡製糸場産地研修と草木染実習 その3
のつづき
草木染伝習所主宰の山崎樹彦先生の草木屋での染め実習体験です。
山崎樹彦先生は、草木染めの命名者であり作家の故山崎斌氏のお孫さんです。
今回の染め実習は、紫~水色の藍の煮染、桜のアルミ媒染、五倍子の鉄媒染を
絹のシャーリングスカーフに染めます。
●五倍子染め
五倍子とはお歯黒につかわれた染料で生薬としてもつかわれました。
お歯黒につかわれていたということは、かつては広く知られつかわれていたということですが…。
この染料は何からつくられていたか、おわかりになりますでしょうか…?
じつは、白膠木(ヌルデ)の樹にできる虫こぶ(虫癭)から。
中にはアブラムシが詰まっています…(((゜д゜;)))
日本では古代から明治末期までつかわれたお歯黒。
江戸期に3500万人の女性がお歯黒だったと仮定すると
1日に20tの五倍子の粉(ふしこ)が消費されたといわれています。
そんなに白膠木の木と虫こぶがあったのがスゴイ…(=◇=;)
虫が苦手な私としては、ぞっとムズムズ…するような((゚m゚;)
染める絹のストールは水に濡らして絞っておきます。
生五倍子25gを水5ℓで沸騰させ30分煮出したものを水で2倍に薄めて染液とします。
染液3ℓ、水3ℓ、0.15%の木酢酸鉄液2ℓ、をそれぞれ桶にいれます。
0.15%の木酢酸鉄液2ℓが媒染剤です。
絹のストールをぬるま湯のなかで折り畳んで暈しになるよう畳みます。
染液→水→媒染液→水→染液の順で浸し染めを繰り返します。
液が混じらないように絞りながら染めます。
6回~10回繰り返します。
回数を重ねるごとに色濃くなっていきます。
水洗い、お湯洗いをします。
美しく染めあがりました。
●桜染め
桜は桜色が出やすいソメイヨシノの小枝部分をつかいます。
花が咲く前の3月に採取した枝を冷凍保存したもの。
桜の枝600gを20ℓの水で煮だし、沸騰後30分で一番液、15ℓで二番液、10ℓで三番液をとり、
一晩寝かせておきます。
染液3ℓ、水3ℓ、0.2%焼き明礬液2ℓをそれぞれ桶に入れます。アルミ媒染です。
(五倍子染めと同じく)染液→水→媒染液→水→染液の順で浸し染めを繰り返します。
水洗い、お湯洗いをして仕上げます。
●藍の煮染
タデ藍の葉には、インジカンという無色の物質が含まれており、葉が傷ついたり、枯れると、
変化が起こり、インドキシルという物質となり、酸化するとインジゴという青い色素ができます。
インジカンは熱や発酵、有機溶媒でイサチンという物質になり、イサチンとインドキシルの
結合からインジルビンという赤の色素がつくられます。
タデ藍の葉150gをビニール袋に詰め50℃の5ℓの水を加えて2時間置きます。
葉を取り出して液を漉し鍋に入れて加熱します。
50℃~65℃になったら、絹のスカーフを入れます。すると水色に。~75℃まで。
液を鍋に入れて沸騰させます。沸騰後は藍の浮遊物がでてくるのでそれを取り除く。
沸騰後、8~30分で液の色が赤味を帯びたら赤紫色を染めます。
同じ藍の生葉をつかって温度でこのような色の違いがでてくるのが面白い♪
●藍の煮染め、桜染め、五倍子染め、それぞれに美しい~
五倍子染め、とても上品な色に染めあがりました。大満足ですヾ(@°▽°@)ノ
山崎先生、ありがとうございましたm(_ _ )m
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草木染め 実技講習 / 染織文化講座 富岡製糸場産地研修と草木染実習 その4
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