金沢城下をグルッと散策 金沢城~兼六園~尾山神社 / 2014年夏 金沢の旅 その5
のつづき(^-^)/
加賀友禅の由水煌人(ゆうすいあきと)先生の工房へ
煌人先生に4年ぶりにお会いすることができました。
由水煌人先生は、初代由水十久先生のご長男で二代由水十久先生のお兄様です。
故森口華弘先生のもとで修行され、技法だけでなく様々な薫陶を受けられたとのこと。
華弘先生からの教えは「常日頃のおこないがいつかモノ作りをするときに、線にでる、
色に出る、形に出る、余白に出る、空間にでる、それが気品となってすべてにでるよ」
ということだったとお話しくださいました。
煌人先生のお宅の露地には、打ち水がされ、床には季節の花が生けられていました。
茶道の世界に造詣が深くていらっしゃることが伺えます。
そしてそれはすべての作品に、森口華弘先生の教えのままに表れていました。
この結び文のような形をしたものが何だかおわかりになりますでしょうか?
烏瓜の種なのだそうです。
ある雑誌で加賀友禅の作家が共通のテーマで各々作品をつくり発表するというという
企画があったそうで、「愛の讃歌」のテーマのときに煌人先生が題材とされたのは烏瓜。
烏瓜は公孫樹と同じく雌雄異株であり、雌と雄の花の花粉を虫が受粉します。
そして種は結び文のような形であることが「愛の讃歌」のイメージに共鳴したことから、
烏瓜を描いた訪問着をつくられたのだそうです。
この日の先生のお宅の塀には烏瓜が咲いていました。
由水十久先生の作品は童がモチーフの印象が強いですが、煌人先生の作品はそれとは
全く違ったもの。季節の花が空間を生かした躍動感のある構図で描かれています。
ちなみに、煌人先生が当時加賀友禅では行なわれていなかった、ゴム糸目糊を
加賀に持ち帰ったことであの由水十久作品の童の細かい描写が可能になったのだそう。
煌人先生の作品を見せていただきました。
蒲公英の花でなく綿毛が描かれているのは珍しい~。物語がありそうです。
花を描くときは、その花のデッサンを念密に様々な角度から書いてみるのだそう。
そして時間によって変化するその影までもが意匠になることも。
こと細かく正確なデッサンから煌人先生の手を通してモダンな意匠に生まれ変わります。
煌人先生は茶道や日舞に精通していらっしゃることから、女性の所作とその着姿を想定して
柄を入れられています。後の八掛にチラッと花が描かれているのは、階段を上るときに
見えるから。鋭い観察力をお持ちです…。
つくり手の方のお話をお聴きすると、その背景にあるものを知ることができて楽しい♪
作家の観察力と感性と弛まぬ努力と技から生まれる美しさ。
堪能させていただきました。ありがとうございましたm(_ _ )m
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由水煌人先生の工房を訪ねる / 2014年夏 金沢の旅 その6
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