日本きもの学会 来島記念 本場奄美大島紬産地交流レセプション at 奄美&鹿児島の旅 その5
のつづき
日本きもの学会産地研修の2日目は再び、本場奄美大島紬協同組合へ
大島紬は1935年(昭和10年)から生産品の均一化のために紬糸から本絹糸になりました。
昔は奄美には桑の木が多く自生し養蚕が盛んで、その頃は真綿糸を泥染めして地機で
織られていたといいます。本絹糸になってから高機で織られるようになります。
真綿から紡ぐ手紬糸ではなくなってからも、呼称はそのまま大島紬です。
本場奄美大島紬は締機は男性の仕事ですが、機織りは女性の仕事とされています。
締機はご高齢の男性ばかりでしたが、機織りは若い女性もいらっしゃいました。
管に巻き取った緯糸を杼に通して、高機で織りあげます。
約7cm織るごとに、経絣糸をゆるめて針で経絣糸を1本1本調整し、
経緯の絣を正確に絣柄を合わせていきます。
絣の細かさによるそうですが、1日平均で15cmぐらいしかすすまないそう。
熟練の方で1尺(30cm)ぐらい。
伝統的な龍郷柄。やっぱり素敵
う~ん、たとえヘビ女のようだといわれても、やっぱり龍郷柄が着たい(-_☆)
経糸の絣をみているだけでウットリ~(〃∇〃)
龍郷柄は13算(よみ)。80本が1算なので、経糸が1040本です。
こんなカラフルな色大島もあります。
さて、大島紬というと、7マルキ、9マルキ、片ス(かたす)、一元(ひともと)…。
何だか呪文のようです(x_x;)
産地研修で現地の方にシツコクお聞きしたのですが、わかるようでわからない。
記事にしたら、さらに謎が…
それでも、お聞きしたことをまとめてみましたφ(.. )
●絣の種類●
経緯絣(たてよこがすり)は、経の絣糸と緯の絣糸をあわせて模様を表したもの。
緯絣(よこがすり)は、経糸は地糸、緯糸だけが絣糸で模様を表したもの。
●マルキ●
経糸に含まれる絣糸の本数の単位がマルキです。1マルキは絣糸80本。
マルキ数は、5マルキ、7マルキ、9マルキ、12マルキに分類されます。
一般的に9マルキと呼ばれている大島紬は経絣糸768本で正確には9.6マルキ。
7マルキと呼ばれているものは576本で7.2マルキ。
絣糸の数が多いほど、絣合わせは難しくなります。
●算(よみ)●
1cmの中に糸が何本あるかを表す単位のこと。
本場奄美大島紬は13算・15.5算・18算の筬がつかわれています。
織筬の羽と羽の間に経糸を2本通すので、織筬1cmの間に13算ならば13×2の26本の糸があり、
経糸80本が1算なので、1040本の経糸がつかわれるということになります。
●絣の配列●
大島紬の絣の配列方法とは、地糸と絣糸をどう組み合わせるかということ。
交代締めの開発によって1本の糸に絣模様の順番通りに締め加工し、1丁の杼で大柄の絣模様も
織られるようになった大島紬ならではのものです。
☆片ス(かたす)式絣(T字の絣)
絣の配列◇絣糸1本+地糸3本の4本の繰り返し
(経絣糸1本、経地糸3本、1、3、1、3、…)×(緯絣糸2本、緯地糸2本、2、2、2、2、…)
そのため、絣糸が地糸に隠れてT字になるのだそう。←この理屈が今ひとつなんですが…。
糸4本のうち1本は絣糸ということです。
現在はこの片ス式絣が主流。
9マルキ片ス式の本場奄美大島紬の泥大島(本場奄美大島紬産地交流レセプションにて着用)
☆一元(ひともと)式絣(風車のような十字の絣)←千鳥格子のようにみえなくもない
絣の配列◇絣糸2本+地糸2本の4本の繰り返し。
(経絣糸2本、経地糸2本、2、2、2、2、…)×(緯絣糸2本、緯地糸2本、2、2、2、2、…)
一元の元は2を意味します。なので、一元は1×2で数字の2を表すのだそうです。
☆二元(ふたもと)式絣もあるのだそうです。こちらは2×2で4。
絣の配列◇絣糸2本+地糸4本の6本の繰り返し。
片スは経緯1本ずつを絣合わせしますが、一元は経緯2本ずつ、計4本の絣合わせが必要。
なので一元は熟練の職人でなければ織ることはできないのだそうです。
7マルキ一元式の本場奄美大島紬(日本きもの学会産地研修旅行2日目に着用)
7マルキ一元式の本場奄美大島紬の龍郷柄
☆割込式絣(T字と十字の複雑で立体感のある絣)← EとIの組み合わせに見えなくもない。
絣の配列◇絣糸2本+地糸2本+絣糸1本+地糸1本などの6本の繰り返し。
(絣糸2本+地糸1本+絣糸1本+地糸2本もあり)
不規則な絣糸の配列によって複雑な味のある絣を表します。
戦前は多くつくられたそうですが、残念なことに今、奄美ではつくられていないそうです。
5マルキ?割込式の本場大島紬(日本きもの学会産地研修旅行1日目に着用)
う~ん、大島紬の織りについて、今ひとつ理解できていないです。
奄美大島、もう一度いかなくちゃ…。
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製織《絣の種類、配列、絣糸の数》at 本場大島紬協同組合 / 奄美&鹿児島の旅 その6
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